2026年03月10日

ひなぎく 4Kレストア版   原題:Sedmikrásky

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©Czech audiovisual fund, source: NFA

監督:ヴェラ・ヒティロヴァー
原案:ヴェラ・ヒティロヴァー+パヴェル・ユラーチェク
脚本:ヴェラ・ヒティロヴァー+エステル・クルンバホヴァー
撮影:ヤロスラフ・クチェラ
美術:エステル・クルンバホヴァー+ヤロスラフ・クチェラ
衣装:エステル・クルンバホヴァー
音楽:イジー・シュスト+イジー・シュルトゥル
出演:イトカ・ツェルホヴァー(マリエ1役・ツインテール)、イヴァナ・カルバノヴァー(マリエ2役・花冠)他

チェコスロヴァキアの女性監督による
60年代チェコ・ヌーヴェルヴァーグの傑作


『ひなぎく』は世界が自由を求め激動する時代、1966年にチェコスロヴァキアで製作されました。戦車に押し潰されたプラハの春の生命力や精神は、今も輝きを増し、世代を超えて引き継がれています。60周年となる2026年、4Kレストア版の高画質で記念上映。


監督 ヴェラ・ヒティロヴァー 
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(Věra Chytilová 1929年2月2日~2014年3月12日)
チェコのオストラヴァ生まれ。
ブルノ工科大学で建築を学び、モデルから映画の端役になり、1957年から1962年までFAMUで映像演出を学ぶ。長編第1作『違う何か』はマンハイム国際映画祭でグランプリを受賞。1963年にカメラマンのヤロスラフ・クチェラと結婚。1965年『水底の小さな真珠』(フラバル原作のオムニバス映画)、1966年『ひなぎく』、1969年『楽園の果実を食べて』とクチェラと共に作品を作る。国際的な名声とは裏腹に1970年以降政府は映画撮影の許可を出さず、アメリカの映画祭での『ひなぎく』の上映も認めなかった。ヒティロヴァーは1975年にフサーク大統領に公開書簡を送り、翌年それがイギリスの雑誌に載ると1976年に『りんごゲーム』(イジー・メンツェル出演)の撮影許可が降り、同作はシカゴ国際映画祭で銀ヒューゴ賞を受賞する。FAMUで教え、チェコ映画のファーストレディーと称される。
2014年3月12日永眠。


マリエ1とマリエ2は、人形の真似をし、姉妹と偽り、男たちを騙しては食事をおごらせ、嘘泣きの後、笑いながら逃げ出す。部屋の中で、牛乳風呂を沸かし、紙を燃やし、ソーセージをあぶって食べる。グラビアを切り抜き、ベッドのシーツを切り、ついにはお互いの身体をちょん切り始め、画面全体がコマ切れになる。色ズレや、カラーリング、実験的な効果音や光学処理、唐突な場面展開など、あらゆる映画的な手法が使われ、衣装や小道具などの美術や音楽のセンスも抜群。

保守的な男社会の中で、自分らしさを追求し、自由奔放に女の子二人を描いた、実にぶっ飛んだ作品。共産圏時代のチェコスロヴァキアで、こんな映画を作ってしまったヴェラ・ヒティロヴァー監督、すごいです。
公式サイトに掲載されている「監督の言葉」や、日本公開時の「2016トーク」を読めば、監督の人となりがよくわかります。
また、「2014トーク」では、製作時の背景、マリエ1とマリエ2のキャスティングなどが語られています。ぜひご一読の上、映画をご覧ください。
ちなみに、タイトルの『ひなぎく』は、チェコの花言葉で「貞淑」を意味するとのこと。 これまた意味深なタイトルで驚きます。(咲)


1966年/チェコスロヴァキア/チェコ語/77分/カラー
配給:チェスキー・ケー 宣伝:ザジフィルムズ
公式サイト:https://hinagiku2014.jimdofree.com/
★2026年3月14日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

posted by sakiko at 02:38| Comment(0) | チェコスロヴァキア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする