2026年04月21日

ARCO/アルコ

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監督・脚本:ウーゴ・ビアンヴニュ
声の出演:フランス語版/オスカル・トレサニーニ(アルコ)、マーゴット・リンガード・オルドラ(イリス)、ヴァンサン・マケーニュ(ドゥギー)、ウィリアム・レブギル(フランキー)、アルマ・ホドロフスキー(イリスの母/ミッキ)、スワン・アルロー(イリスの父/ミッキ)
日本語吹き替え版 黒川想矢(アルコ)、堀越麗禾(イリス)、梶裕貴(ミッキ)、山里亮太(ドゥギー)、前野智昭(ストゥイー)、落合福嗣(フランキー)、伊駒ゆりえ(クリフォード)、日向未南(アルコの母)

2075年、気候変動で荒廃している地球。10歳のイリスはロボットのミッキと弟のピーターと暮らしている。両親は町で働き、いつもは立体映像で話して週末に帰宅する。教室を抜け出したある日、イリスは森の中に落ちた虹の先っぽを探しにいく。そこには虹色のマントを着た少年が倒れていた。少年の名はアルコ、タイムトラベルが可能になったはるか先の未来からやってきたのだった。

森も自然もまだ残されている地球で、ちょっとホッとしました。50年も先となると砂漠化している想像ばかりしてしまうので。ウーゴ・ビアンヴニュ監督の描く未来では、働くロボットが様々な作業をしています。イリスはいつもいない両親より、10年そばにいたロボットのミッキを頼りにしているようです。
空から落ちてきたアルコに出逢って、彼を元の世界に帰すために様々なことを試します。ほんとはもっと一緒にいたいんですが。なぜかアルコを追いかけてくる赤、青、黄色のファッションの三人組がさらに事態をややこしくします。お笑い担当の彼らにも相応の事情がありました。
人間の造形が実写に近く、日本の可愛い系アニメではあまり描かれない鼻の穴もちゃんと二つ描かれています。下から見上げるシーンが多いせいかも。「Boy Meets Girl」未来版。(白)


●アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門グランプリ(クリスタル賞)受賞

2025年/フランス/カラー/88分
配給:AMGエンタテインメント、ハーク
(C)2025 Remembers / mountainA / France 3 CINEMA
https://arco-movie.jp/
★2026年4月24日(金)全国ロードショー

posted by shiraishi at 20:26| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年04月12日

ギィ・ジル監督初期二作品『海辺の恋』『オー・パン・クペ』

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©1965 Films Galilée ©1968 Machafilm

“忘れ去られたヌーヴェルヴァーグの名匠”ギィ・ジル監督の初期二作品が日本公開されます。
1980年代末、病に倒れエイズを発症し、1996年2月3日に57歳で逝去したギィ・ジル。生前はほとんど知られることのなかった監督ですが、2000年代以降、ラ・ロシェル映画祭やルサス映画祭、シネマテーク・フランセーズなどで回顧上映が相次ぎ、再評価の機運が高まりました。

60年代のフランスから届いた、あまりにも美しい恋と別れ────。
消えゆく青春と儚い愛を、静謐で詩的な映像に刻み込んだ2作品

長編デビュー作『海辺の恋』と、そして第2作『オー・パン・クペ』

配給:クレプスキュール フィルム
公式サイト:https://guy.crepuscule-films.com/
★2026年4月18日からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開


海辺の恋 原題:L’Amour à la mer 
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© 1965 Films Galilée
監督・脚本:ギィ・ジル
出演:ダニエル・ムースマン、ジュヌヴィエーヴ・テニエ、ギィ・ジル、ジュリエット・グレコ、アラン・ドロン、ジャン=クロード・ブリアリ、ジャン=ピエール・レオ 

夏は二人を結びつけ、秋は二人を隔てる・・・

夏の海辺で愛を確かめ合うジュヌヴィエーヴと水兵ダニエル。
しかしヴァカンスが終われば、彼は港町ブレストへ、彼女はパリへと戻らなければならない。夏の陽射しを浴びたカラフルな想い出が離れがたく、二人は再会を願って手紙を綴り続ける。
そこに、アルジェリア戦争から帰還したもう一人の水兵ギィが加わり、三人の想いは静かに交錯していく。

監督自身が、ダニエルの友人「ギィ」として登場します。ダニエルにとって、兵役仲間であるだけでなく、ただ一人、心を許せる友。海辺で出会って恋に落ちたジュヌヴィエーヴよりも、もしかしたら大事な存在。一方のジュヌヴィエーヴは、ダニエルが人生のすべてと思っている恋する乙女。この微妙な心のすれ違いが、美しい映像で描かれていて切ないです。(咲)

ロカルノ国際映画祭批評家賞受賞作品

1964年/フランス/フランス語/モノクロ・カラー/73分/DCP
日本語字幕:上條葉月 
配給:クレプスキュール フィルム
公式サイト:https://guy.crepuscule-films.com/
★2026年4月18日からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開



オー・パン・クぺ  原題:Au pan coupé
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(C)1968 Machafilm
監督・脚本:ギィ・ジル
出演: マーシャ・メリル、パトリック・ジョアネ、バーナード・ヴァーリー、フレデリック・ディティス、リリ・ボンタン  

時が止まったカフェに、愛の残響だけが揺れる ────

ジャンヌは、彼女のもとを去った恋人ジャンを思い返しながら、今も彼の記憶と共に過ごしている。
いつも待ち合わせをしたカフェ、オー・パン・クぺに佇むジャンヌ。
実は、ジャンが亡くなっていることをジャンヌは知らない・・・

ジャンに恋したジャンヌ。でも、ジャンは、15歳の時、少年院に入れられたあと更生施設で過ごした経験があって、「君にふさわしくない」とつぶやきます。幸せな時から逃げ出してしまったジャン。ジャンヌの父は、ジャンが亡くなったことを知ってしまうのですが、ジャンヌには言えないでいます。この父から、ジャンヌはきちんとした家で育ったお嬢様と推察。
モノクロで現在が綴られる中、ジャンと過ごした幸せな時間はカラーで描かれます。『海辺の恋』と同じく、とても切ない物語でした。(咲)

1967年/フランス/フランス語/モノクロ・カラー/68分/DCP
日本語字幕:坂本安美 
配給:クレプスキュール フィルム
公式サイト:https://guy.crepuscule-films.com/
★2026年4月18日からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開


posted by sakiko at 13:49| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年02月20日

ポーラX 4Kレストア版  原題:Pola X

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監督・脚本:レオス・カラックス
原作:ハーマン・メルヴィル「ピエール」
脚本:レオス・カラックス、ジャン=ポル・ファルゴー、ローラン・セドフスキー
撮影:エリック・ゴーティエ
編集:ネリー・ケティエ
音楽:スコット・ウォーカー
出演:ギョーム・ドパルデュー、カテリーナ・ゴルベワ、カトリーヌ・ドヌーヴ

『ポンヌフの恋人』から8年の沈黙を破り発表されたカラックス最大の衝撃作

覆面作家のピエール(ギヨーム・ドパルデュー)は、母マリー(カトリーヌ・ドヌーヴ)や婚約者リュシー(デルフィーヌ・シュイヨー)と、裕福で満ち足りた田園生活を送っている。そんなある日、黒髪の女性の視線に気づく。内戦のボスニアから逃れてきたイザベル(カテリーナ・ゴルベワ)は、ピエールの腹違いの姉だという。イザベルの魅力に強く惹かれたピエールは、母や結婚を間近にしたリュシーに別れを告げ、イザベルとその連れの女性たちと共にパリに出る・・・

19世紀半ばのアメリカ小説、ハーマン・メルヴィルの「ピエール」(1852)の映画化で、タイトルの『ポーラX』は小説の仏題"Pierre ou les ambiguité" (ピエール、あるいは曖昧なるもの)の頭文字Polaに謎のXをつけたもの。原作「ピエール」は「白鯨」の翌年にメルヴィルが熱狂のうちに書き上げ、その内容から「メルヴィル発狂す」とまで報じられた背徳的で虚無的な長編小説であり、カラックスは18歳の頃に読み「自分のために書かれたかのような奇妙な感覚」を抱いたという。それを泥沼のユーゴ内戦など20世紀末の文脈に置き直し、アクチュアルな話として、また自身の物語として読み直そうとした。主人公ピエールと姉かもしれぬイザベルは、混沌の中で血にまみれた奔流に溺れる双子の孤児のようだ。二人の絶望の深み、そしてその果てにあるあらゆる愛憎としがらみからの超越を、壮絶なロマンティシズムの物語として描いた『ポーラX』は、20世紀の映画シーンの終わりにカラックスが発した魂のメッセージだった。
本作はフランス・ドイツ・日本・スイス合作映画で、『ポンヌフの恋人』の製作費のせいでプロデューサー・出資者が見つからなかった中、日本からはシナリオ・デベロップメント段階から製作を援助、長期にわたってバックアップし続け完成された。日本ではシネマライズ渋谷で1999年10月から19週公開された。(公式サイトより引用)

冒頭、「この世界はたがが外れている。なんの悪意か、それを正す役目に生まれるとは」という言葉。「ハムレット」第1幕最後の独白で、原作「ピエール」第9章でも引用されている言葉。それに続いて、墓地を空爆する戦闘機の映像。その後の、森に囲まれたお城のような邸宅との対比が強烈です。
その大邸宅で、亡くなった父の遺品を整理する母に、「お父さんは外交官で東側にいたことがあるの?」とピエールが尋ねます。その後に出会うイザベルは、父親が東にいた時に出来た娘と推察。異母姉弟と知りながら、強く惹かれあい愛し合う二人。

レオス・カラックス監督の初期三作『ボーイ・ミーツ・ガール』『汚れた血』『ポンヌフの恋人』で、自身の分身を演じた俳優ドニ・ラヴァンではなく、ピエール役にギョーム・ドパルデュー(名優ジェラール・ドパルデューの息子)を起用。
ギョームは、『ポーラX』の中でもバイクに乗っているシーンが多く出てきますが、95年にバイク事故を起こした時の傷が悪化して、2003年に脚を切断しているそうです。その後、2008年に肺炎により37歳で亡くなられています。もっと活躍してほしかったと残念です。(咲)


1999年/フランス・ドイツ・日本・スイス合作/カラー/135分/DCP
日本語字幕:斎藤敦子
配給:ユーロスペース
公式サイト:https://carax4k.com/
★2026年2月21日よりユーロスペースほか全国順次公開

posted by sakiko at 21:29| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年01月30日

ボーイ・ミーツ・ガール 4Kレストア版  英題:Boy Meets Girl

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(C)THEO FILM

監督・脚本:レオス・カラックス
撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ
美術:セルジュ・マルソルフ
編集:ネリー・ムニエ
録音:ジャン・ユマンスキ
製作:アラン・ダアン
出演:ミレーユ・ペリエ、ドニ・ラヴァン

夢の断片のように美しいモノクロームの映像
夜のパリをさまようアレックスの恋
レオス・カラックスすべての出発点、アレックス3部作の始まり


夜のセーヌ川。幼い少女を抱きながら運転する女性。助手席にはスキーの道具。「出てけというから出てきたの。山へ行くわ」。川べりで数珠を繰る男トマに、「今日は何日?」と尋ね、スカーフを落として去る女。トマのところに来たアレックスが、女の落としたスカーフを拾う。そのアレックスは部屋の壁に描いたパリの地図に、自分のしてきたことを記している。今日は初めての殺人未遂。
失恋したアレックスは、パーティーでミレーユと出会い、お互いの恋について語りあう。1年前、男と暮らすためパリにきたミレーユ。CMモデルになる夢は破れたという。一目でミレーユに心奪われたアレックスはうたた寝する彼女の短く切られた髪を撫でる。明日は兵役につくというアレックス。自分はシネアスト。将来作る映画のタイトルを考えているとミレーユに語る・・・

ドニ・ラヴァン演じるアレックス(カラックスの本名)を主人公とする、カラックスの出発点となる長編デビュー作。
1960年生まれのカラックスが『ボーイ・ミーツ・ガール』(83年)を監督したのは22歳のとき。カンヌ映画祭ではヤング大賞を受賞し「神童(ヴンダーキント)」「恐るべき子供(アンファン・テリブル)」と騒がれ始め、多くの国際映画祭にも招待、85年度シネデクヴェルト(映画発見)賞も受賞。

美男とはいえない、ちょっとゴツい顔だちのドニ・ラヴァン演じるアレックスの恋物語。一度観たら、忘れられない顔。恋には程遠いなんて言ったら失礼だけど、およそ甘い恋物語にはなりそうにないドニ・ラヴァンを、自分の分身ともいえるアレックスに起用したカラックス監督の思いを知りたいです。
その後の、『汚れた血』も『ポンヌフの恋人』も、ドニ・ラヴァンあっての作品。ごつい顔が愛おしくなってくるのも不思議です。(咲)


1983年/フランス/モノクロ/104分
日本語字幕:関美冬
配給:ユーロスペース
公式サイト:https://carax4k.com/
★2026年1月31日(土)よりユーロスペースほか全国公開


◆レオス・カラックス監督 初期傑作4Kレストアで2026年1月より連続公開◆
弱冠26歳でルイ・デリュック賞、ベルリン国際映画祭アルフレッド・バウアー賞に輝きカラックスの評価を決定づけた『汚れた血』1月10日(土)~
“ゴダールの再来”とカンヌを沸かせた長編デビュー作『ボーイ・ミーツ・ガール』1月31日(土)~
カラックス最大の衝撃作『ポーラX』2月21日(土)~


posted by sakiko at 16:09| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年01月29日

マーズ・エクスプレス  原題:Mars Express

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© Everybody on Deck - Je Suis Bien Content - EV.L prod - Plume Finance - France 3 Cinéma - Shine Conseils - Gebeka Films – Amopix

監督:ジェレミー・ペラン
声の出演(吹替版):佐古真弓、安元洋貴、内田夕夜、三瓶由布子
声の出演(字幕版):レア・ドリュッケール、マチュー・アマルリック、ダニエル・ンジョ・ロベ、マリー・ブーヴェ

ときは23世紀――西暦2200年。
地球での仕事を終え、活動拠点である火星にマーズ・エクスプレスに乗って戻ってきた私立探偵 アリーヌ 。「行方不明になっている大学生の娘を探してほしい」という男の依頼を受けて、アンドロイドの相棒カルロスと共に捜索を開始する。
調査の過程で、火星の首都ノクティスの暗部に足を踏み入れていく二人を待ち受けていたのは、腐敗した街の裏側、強大な権力を持つ企業の陰謀、そして人間とロボットが共存する社会の根幹を揺るがす事態だった。

本作で長編監督デビューを果たしたジェレミー・ペラン監督が最新の宇宙研究に基づいて描いた渾身のオリジナルストーリー。
火星は、太陽系の惑星の中で地球に最も環境が似ているのだとか。その火星で、人間とロボットが共存する未来を描いたアニメーション。今から175年後の未来が舞台だけど、思いのほか今とかけ離れていない雰囲気。そんなものかなと思いつつ、これまで思い描いてきた火星のイメージと違って、ちょっと戸惑いました。(咲)


2023年/フランス/89分
配給:ハーク、トムス・エンタテインメント
公式サイト:https://marsexpress.jp/
★2026年1月30日(金)より全国ロードショー
posted by sakiko at 10:07| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする