2026年02月26日

嵐が丘(原題:Wuthering Heights)

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監督・脚本:エメラルド・フェネル
原作:エミリー・ブロンテ
撮影:リヌス・サンドグレン
プロダクションデザイン:スージー・デイヴィーズ
主題歌:チャーリー・XCX
出演:マーゴット・ロビー(キャサリン)、ジェイコブ・エロルディ(ヒースクリフ)、ホン・チャウ(ネリー)、シャザド・ラティフ(エドガー)、アリソン・オリバー(イザベラ)

18世紀のイギリスの北、ヨークシャーにある広大な高台は寒風が吹きすさぶため、嵐が丘 (Wuthering Heights)と呼ばれていた。この“嵐が丘”のアーンショウ家の主人が気まぐれに孤児を連れて帰ってきた。彼は「ヒースクリフ」と名付けられ、同じ年ごろの娘キャサリンの恰好の遊び相手となった。美しく成長したキャサリン(マーゴット・ロビー)とヒースクリフ(ジェイコブ・エロルディ)は、当時厳しかった身分の違いも気にせず、ずっと心を通い合わせていた。大人になった二人は互いを求め、永遠の愛を誓う。
しかし、周りの目は厳しく、アーンショウ家の主人は酒浸りとなって家はひっ迫していく。ヒースクリフは別れも告げず一人出て行ってしまう。キャサリンは裕福な隣人のエドガーに求婚されて、何不自由ない生活を送るようになった。そんなときに突然ヒースクリフが戻ってくる。アーンショウ家を手に入れたのだと言い、なぜ自分を待ってくれなかったのかとキャサリンをなじる。

主演のマーゴット・ロビーが製作にもあたった古典小説の映画化。エメラルド・フェネル監督・脚本はキャサリンの視点での女性の一代記となっていました。子ども時代の二人もとても愛らしいです。しかし荒野にたたずむ美貌のキャサリンとヒースクリフの恋愛は障害が多すぎました。
高台の一軒家が話が進むにつれて荒れていくのは、妻に先立たれた館の主がギャンブルや酒におぼれてしまうから(しっかりしてくれ)。ヒースクリフはキャサリンの本心を聞かないまま、旅立ってしまいます(聞きなさいよ)。戻ってきてからエドガーやその妹も巻き込まれていきます。
原作はエミリー・ブロンテが1冊だけ出版した恋愛小説。長姉シャーロット「ジェーン・エア」、次姉アン「アグネス・グレイ」などそれぞれに小説を発表していますが、男性名でひっそりと出版したようです。のちに世界中で読まれることになるこの「嵐が丘」も当時は高評価されることはなく、エミリーの死後シャーロットによってエミリーの著作と公表されたとか。ヴィクトリア朝時代、女性の社会進出は学校の教師、家庭教師くらいで何事も男子優先。そんな時代に愛憎渦巻くこの濃~い小説が書かれたとは、ちょっと驚きです。ブロンテ姉妹と唯一の男子たちはそろって短命で、子孫を残せませんでした。父親だけが84歳の長寿でした。映画の中で死んだ父親にキャサリンが暴言を吐く場面があり、女性たちの抱える鬱屈した思いを現したのかも。
中学か高校生のころ読んでけっこう辟易した記憶がありますが、時代を越えて読者に愛され、演劇や映画作品になっている原作もう一度読んでみようかな。感想が変わりそうです。(白)


2026年/アメリカ/カラー/137分
配給:東和ピクチャーズ、東宝
(C)2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
https://wutheringheights-movie.jp/
★2026年2月27日(金)全国ロードショー

posted by shiraishi at 10:30| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年02月19日

おさるのベン  原題:PRIMATE

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(C)Paramount Pictures.

監督・脚本:ヨハネス・ロバーツ(『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』)
製作:ウォルター・ハマダ(『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』 )×パラマウント・ピクチャーズ(『クワイエット・プレイス』シリーズ)
脚本:アーネスト・リアラ
出演:トロイ・コッツァー、ジョニー・セコイヤ、ジェシカ・アレクサンダー、ビクトリア・ワイアント

愛する家族=ペットが突然豹変!あなたならどうする?
身近な恐怖に震える、究極の密室パニックシチュエーションスリラー!


ハワイの森に佇む高級別荘地の実家に、友人と帰省した大学生ルーシー。
家族と、幼い頃から暮らしてきたチンパンジーの“ベン”との再会に心躍らせる。
プールにパーティー、楽しい休暇――
しかし、いつもは賢くてかわいいベンの様子の何かがおかしい・・・。

試写の折に宣伝さんから、いかにこの作品に惚れて宣伝を即決で引き受けたかの熱い言葉。原題の『PRIMATE』は「霊長類」の意ですが、『おさるのジョージ』(2006年)を意識した邦題。そして、強調したのは、「狂犬病」。日本では、発症していないので、その恐怖を実感していませんが、感染すると攻撃性が増す症状が出るとのこと。チンパンジーも感染対象だそうです。
可愛がっていたペットが狂犬病に罹ったら・・・ 本作は、その恐ろしさを見せつけてくれました。
大学生の可愛い女の子たち3人と、2人の青年の楽しいはずのハワイの別荘での休暇が、修羅場に。いや~ 凄まじかったです。(咲)


2026年/アメリカ/89分/R15
配給:東和ピクチャーズ
公式サイト:https://osaru-ben-movie.jp/
★2026年2月20日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開


posted by sakiko at 10:05| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年02月13日

クライム101(英題:Crime 101)

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監督・脚本:バート・レイトン
原作:ドン・ウィンズロウ
出演:クリス・ヘムズワース(デーヴィス)、マーク・ラファロ(ルー刑事)、ハル・ベリー(ッシャロン)、バリー・コーガン(オーモン)、モニカ・バルバロ(マヤ)、ニック・ノルティ(マネー)

アメリカ西海岸を走るハイウェイ101号線で、宝石強盗が多発した。共通しているのは宝石は盗まれるが、死傷者が出ることはなく犯罪の痕跡がいっさい残されていないこと。たたきあげのルー刑事は同一犯と主張するが、効率と検挙率のみが頭にある上司は取り合わない。
ルー刑事の読み通り、犯人はデーヴィス一人だった。不幸な生い立ちから犯罪者となった彼は、莫大な取引を最後にと考えていた。大手の保険会社で働くシャロンに近づき、裏取引を持ちかける。自分が会社に消費されるだけの捨て駒と気づいたシャロンは、怒りにかられて情報を漏らす。周到な計画は成功するかに思えたが。

高級なスーツや時計を身に着け、自分のルールに従いこの4年間失敗なしのデーヴィス。シャロンを巻き込んだことと、ルー刑事の執拗な捜査に初めて危機感を覚えます。
着々と綿密な計画を進めていくデーヴィスと、しだいに包囲を狭めてくるルー刑事のせめぎあいにドキドキします。ルールなど持たないただの犯罪者、有り余る資産がありながら、脱税でさらに儲けようとする富豪一家。愚直ともいえるデーヴィスとルー刑事、どっちに肩入れしたくなるか、自明の理ですね。派手なカーチェイスやアクションを楽しみ、粋なラストに思わずニンマリしました。(白)


2026年/アメリカ、イギリス/カラー/140分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

https://crime101.jp/
★2026年2月13日(金)全国の映画館で公開
posted by shiraishi at 12:03| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年02月04日

マイ・ブラザーズ・ウェディング ディレクターズ・カット 原題:My Brother’s Wedding 4Kレストア版

特集上映「チャールズ・バーネット エブリデイ・ブルース」として日本劇場初公開
2026年2月7日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

アフリカ系アメリカ人の日常生活と人間性をスクリーンに映し出し、アメリカ映画に静かな革命をもたらした伝説の映画作家 チャールズ・バーネット。本特集では、南ロサンゼルスを舞台にした初期二作『キラー・オブ・シープ』と、再編集を経て甦った『マイ・ブラザーズ・ウェディング』が、ともに最新の4Kレストア版で初公開される。

『マイ・ブラザーズ・ウェディング』[4K Restoration]

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©1983 Charles Burnett ©2025 Milestone Film & Video for MY BROTHER'S WEDDING


いつも、どこにも、間に合わない.。家族、友情、アイデンティティのあいだで揺れる青年の葛藤を描いた。哀しみと可笑しみが交錯する悲喜劇

監督・脚本・撮影:チャールズ・バーネット
助監督:ジュリー・ダッシュ
編集:チャールズ・バーネット、エド・サンティアゴ(2008年)
製作:チャールズ・バーネット、ゲイ・シャノン・バーネット
出演:エヴァレット・サイラス、ジェシー・ホルムス、ゲイ・シャノン・バーネット、ロナルド・E・ベル、サイ・リチャードソン

長編二作目の本作では、黒人コミュニティ内の階級差や世代間の心理的な隔たり、社会的成功から取り残された若者たちの苛立ちが、日常の隙間から静かに浮かび上がる。ピアースの優柔不断で不器用なふるまいが、ときに可笑しみを、ときに哀しみを呼び起こす、バーネット流の悲喜劇。

家業のクリーニング店を手伝いながら漫然と日々をおくっている、「大人になりきれない青年ピアース」。兄は弁護士で、裕福な家庭の女性と婚約。ピアースは居心地の悪さと劣等感を募らせる。そして、結婚式での介添人を託される。同じ頃、親友のソルジャーが刑務所から出所し再会。しかし、出所後、まもなく殺されてしまう。そしてよりによって、兄の結婚式とソルジャーの結婚式が同じ日に。同じ時間帯で、両方には出られない。ピアーズは家族への義務感と親友への忠誠心の板挟みになり、苦悩の選択を迫れる。

公式HPはこちら 
1983年・115分 2008年・82分〈ディレクターズ・カット〉
アメリカ 英語 カラー スタンダード 日本語字幕:加藤初代
配給|After School Cinema Club
協力 nozaco 宣伝 スリーピン 宣伝協力(関西)宮本裕也(CINEMA HIROMA)

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©1983 Charles Burnett ©2025 Milestone Film & Video for MY BROTHER'S WEDDING


特集 チャールズ・バーネット エブリデイ・ブルース  『キラー・オブ・シープ』『マイ・ブラザーズ・ウェディング』
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/519894816.html

キラー・オブ・シープ 原題:Killer of Sheep 4Kレストア版
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/519897574.html
posted by akemi at 18:17| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

キラー・オブ・シープ 原題:Killer of Sheep 4Kレストア版

特集上映「チャールズ・バーネット エブリデイ・ブルース」として日本劇場初公開
2026年2月7日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

アフリカ系アメリカ人の日常生活と人間性をスクリーンに映し出し、アメリカ映画に静かな革命をもたらした伝説の映画作家 チャールズ・バーネット。本特集では、南ロサンゼルスを舞台にした初期二作『キラー・オブ・シープ』と、再編集を経て甦った『マイ・ブラザーズ・ウェディング』が、ともに最新の4Kレストア版で初公開される。

『キラー・オブ・シープ』[4K Restoration]

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©1977 Charles Burnett ©2025 Milestone Film & Video for KILLER OF SHEEP

この苦く、すばらしき世界 メランコリーとユーモア、絶望と希望

監督・脚本・製作・編集・撮影:チャールズ・バーネット
音響:チャールズ・ブレイシー
出演:ヘンリー・G・サンダース、ケイシー・ムーア、チャールズ・ブレイシー

UCLA映画学部の大学院生だったチャールズ・バーネットが卒業制作として手がけた。身近な人々を中心とした素人のキャストを集め、地元ロサンゼルスのワッツ地区で暮らす1970年代初頭のアフリカ系アメリカ人労働者家族の日常を写実的に映し出し、1977年に発表した長編デビュー作。 
妻と二人の子供を養うため羊の屠殺場で働いている主人公スタン。彼と家族の日常を、ブルースの名曲に乗せてドキュメンタリータッチで描く。日々の労働と貧困により肉体的にも精神的にも疲れ果て空虚な日々を送り、希望の乏しい現実の中でスタンは次第に感情を閉ざし、妻は思い悩み孤独を募らせていく。無邪気に遊ぶ子供たちは貧しさに気づいていないが、いつかは現実を受け入れ、大人になることを学ばなければならない。
音楽権利の問題から長らく公開ができず「幻の映画」となっていたが、完成から30年後の2007年、ついにアメリカでの劇場公開が実現。2025年に完成した4K修復版では、ラストシーンを彩る楽曲がバーネットが当初望んでいたダイナ・ワシントン「Unforgettable」に差し替えられた。1981年・第31回ベルリン国際映画祭フォーラム部門にて国際批評家連盟賞を受賞。

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©1977 Charles Burnett ©2025 Milestone Film & Video for KILLER OF SHEEP


公式HPはこちら 
1977年 アメリカ 英語 80分 モノクロ スタンダード
日本語字幕:碓井洋子 字幕協力:映画美学校 翻訳仕事場プロジェクト
配給:After School Cinema Club

特集 チャールズ・バーネット エブリデイ・ブルース  『キラー・オブ・シープ』『マイ・ブラザーズ・ウェディング』
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/519894816.html

マイ・ブラザーズ・ウェディング ディレクターズ・カット  原題:My Brother’s Wedding 4Kレストア版
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/519897688.html

posted by akemi at 18:00| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする