2026年03月07日

マーティ・シュプリーム 世界をつかめ  原題:Marty Supreme

★メインポスター『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』.jpg
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監督・脚本:ジョシュ・サフディ
出演:ティモシー・シャラメ『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』)、グウィネス・パルトロウ(『アベンジャーズ』シリーズ)、 オデッサ・アザイオン(『ヘルレイザー』)、ケビン・オレアリ―、タイラー・オコンマ(タイラー・ザ・クリエイター)

1952年、ニューヨーク。叔父の経営する手狭な靴屋で働くマーティ・マウザー(ティモシー・シャラメ)。得意のハッタリで靴を売り、合間には既婚者で恋人のレイチェル・ミツラー(オデッサ・アザイオン)との逢瀬を楽しむ日々。叔父から店長への昇進を告げられるが、マーティはあまり嬉しくない。彼には卓球の世界チャンピオンになるという野望があったのだ。マーティは靴屋の金庫から航空券を買うための金を盗み、イギリスで開催される世界卓球選手権に出場する。順調に勝利を重ねたマーティは、世界卓球協会が用意した合宿所を抜け出し、高級ホテルのロイヤルスイートに勝手に宿泊。そこで出会ったアメリカ人の元女優ケイ・ストーン(グウィネス・パルトロウ)と愛人関係になる。優勝を確信していたが、新開発のラケットを武器に勝ち進んだ日本人選手、コウト・エンドウ(川口功人)と決勝で対戦し、惨敗する。
帰国すると、叔父からは強盗の罪で訴えられ、恋人レイチェルからは妊娠を告げられる。日本で開催される次回の世界大会へ出場し、エンドウへの雪辱を果たすため、資金集めに奔走するが、八方塞がり。マーティは、元女優ケイの夫でロックウェル・インクの社長であるミルトン(ケビン・オレアリー)に言葉巧みに日本に連れていってほしいと懇願する・・・・

女たらしで自己チュウな野心溢れる青年を演じきったティモシー・シャラメ。『君の名前で僕を呼んで』で初々しく可愛かったティモシーが、『レディ・バード』では、女の子を軽くあしらう、ちょっと生意気なプレイボーイでしたが、さらにエスカレート。実に鼻もちならない若造なのに、ティモシーが演じると、やっぱり愛すべき人物。
本作の発端はジョシュ・サフディ監督の妻(製作総指揮・リサーチャーのサラ・ロセイン)がリサイクルショップで見つけたマーティ・リーズマンというニューヨーク出身のユダヤ系天才卓球選手が書いた本。 卓球と忘れられた人物を描くのに、見つかる限りの話やスクラップ記事を漁ったとのこと。
上野恩賜公園で撮影した日本での世界大会が圧巻で、私たち日本人にとって嬉しい場面でしょう。
マーティが“シュプリーム”(最高・至高)を目指す、エキサイティングな物語。(咲)


2025年/アメリカ/英語/149分/G
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:https://happinet-phantom.com/martysupreme/
★2026年3月13日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー



posted by sakiko at 20:57| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年03月01日

ホールディング・リアット 原題:Holding Liat

holding liat.png
(C)Meridian Hill Pictures

監督:ブランドン・クレーマー 
プロデューサー:ランス・クレーマー 、ダーレン・アロノフスキー他
編集:ジェフ・ギルバート
撮影監督:ヨニ・ブルック 
音楽:ジョーダン・ダイクストラ
制作:プロトゾア・ピクチャーズ、メリディアン・ヒル・ピクチャーズ
登場人物:リアット・ベイニン・アツィリ、イェフダ・ベイニン、ジョエル・ベイニン他

第75回ベルリン国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞受賞
第98回アカデミー賞®ショートリスト選出作品
ダーレン・アロノフスキープロデュース


ハマスに人質として拐われた娘を救い出す…
分断を超え奔走する家族を描くドキュメンタリー


2023年10月7日の朝、ガザ地区との境界から2km足らずの場所にあるイスラエル南西部のキブツ(農業共同体)、ニールオズがガザから侵入したハマスの武装勢力に襲撃される。住民およそ400人のうち、4分の1が殺害されるか人質となるという壊滅的な被害を受け、リアット・ベイニン・アツィリと夫アヴィヴもガザへと連れ去られる。父イェフダら家族は、2人を救うため必死の行動を開始する。リアットがアメリカ国籍を持つことから、イェフダは人質解放を求め、バイデン政権に働きかける代表団の一員として訪米する。しかしそこで、人質家族の存在が、イスラエル政府による戦争継続の「理由」として利用されている現実を知り、愕然とする。

ネタニヤフ政権に批判的なイェフダは、首相は自身の投獄を免れるために戦争を長引かせていると非難する。一方、批判よりも救出を優先すべきだと反発する家族や関係者も。しかしイェフダの兄で中東史の教授、ジョエル・ベイニンの視点は一線を画す。かつてイスラエルに移住したジョエルは、暮らしたキブツがパレスチナ人の村の上に建てられたことを知り、アメリカへ戻った人物だ。彼は、10月7日以前からの構造的問題に目を向ける必要性を訴える。愛する家族の安全な帰還を切望する切実な視点を軸に、政治、歴史、分断された価値観が交錯する本作は、イスラエル・パレスチナ問題に多層的な視座をもたらすドキュメンタリーとして話題を呼んでいる。

2023年10月7日に、ハマスによってイスラエルの人たちが殺害されたり、人質に取られたりしたことを契機に、イスラエルの容赦ないガザ攻撃が続いています。
イスラエルのユダヤ人は、人質を取ったハマスを責めても、ガザの人たちがこれまでにも長い間、イスラエルの爆撃被害にあっていることには、なかなか同情することもないように思います。そんな中、本作は、人質に取られた夫婦の親戚である映像作家が、パレスチナの人々にも思いを寄せていることに救いを感じました。
まさに、下記のペトラ・コスタ(第75回ベルリン国際映画祭ドキュメンタリー部門審査委員長)」の言葉が、それを言い表しています。

「『ホールディング・リアット』は復讐ではなく人間性への道を示す。フェンスの向こうを見据え、隣人を殺すのではなく慈しむよう私たちに問いかける作品だ。」

憎しみの連鎖では、平和共存は決して実現しません。
お互いを思いやる社会の実現を願うばかりですが、世界では残念ながら戦争が絶えません。
ネタニヤフ、そして彼を後押しするトランプ・・・  悲しい現実です。(咲)



■クレーマー監督来日 登壇日程(イメージフォーラム)
3月7日(土)14:40- 上映後40分
登壇:クレーマー監督 x ダニー・ネフセタイ(イスラエル出身 平和活動家)

3月8日(日)14:40- 上映後20分
登壇:クレーマー監督

詳細は、こちらで! https://unitedpeople.jp/liat/archives/15507

2025年/アメリカ/97分/ドキュメンタリー 
配給:ユナイテッドピープル
公式サイト:https://unitedpeople.jp/liat
★2026年3月7日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー




posted by sakiko at 20:02| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブルームーン(原題:Blue Moon)

blue moon.jpg

監督:リチャード・リンクレイター
脚本:ロバート・キャプロウ
撮影:シェーン・F・ケリー
音楽:グレアム・レイノルズ
出演:イーサン・ホーク(ロレンツ/ラリー・ハート)、マーガレット・クアリー(エリザベス・ワイランド)、ボビー・カナヴェイル(エディ)、アンドリュー・スコット(リチャード・ロジャース)

1943年3月31日。作曲家・リチャード・ロジャースが、長年タッグを組んでいた作詞家・ロレンツ・ハートに代わる新たな相棒と組んだ初めてのミュージカル、『オクラホマ!』の初演の夜のこと。新しいコンビは称賛を浴びていた。
ハートはブロードウェイのレストラン「サーディーズ」で行われたパーティに招待されている。数々の名曲を送り出してきたベテランの彼は、伝説の作詞家と評されていたが、今は悔恨と嫉妬の渦に飲み込まれてしまいそうだ。この一夜が明ける頃、彼が見つけたものは、何だったのか。

イーサン・ホークが出ずっぱりで実在の作詞家、ロレンツ・ハートを演じます。20年間良きコンビだったロジャース&ハート、28本のミュージカル、500曲以上を作曲しています。今も歌い継がれる「ブルームーン」「恋に恋して」「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」などを送り出してきてコンビは解消してしまいます。ハマーがたびたび抑うつ状態に陥るのと、アルコール依存から抜け出せなかったためのようです。
この作品のハートは、バーのカウンターに陣取り、相談相手のバーテンダー、若く美しいマーガレットに饒舌に話しかけます。この翌月には最愛の母親を亡くし、11月には自分も肺炎で亡くなるハートを、リンクレイター監督とは長年のコラボのイーサン・ホーク。才能豊かでありながら自分の見た目に劣等感があり、表に出せない感情にさいなまれる孤独なハートは、時におかしく物悲しく哀切でした。(白)


2025年/アメリカ/カラー/100分/2K スコープ
配給:ロングライド
(C)2025 FUNNY VALENTINE, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
https://longride.jp/bluemoon/
★2026年3月6日(金)全国ロードショー
posted by shiraishi at 12:42| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年02月26日

Shiva Baby シヴァ・ベイビー  原題:Shiva Baby

shiva baby.png
(C)2020 SHIVA BABY LLC. All Rights Reserved.

監督・脚本:エマ・セリグマン
製作:エマ・セリグマン、リジー・シャピロ、ケイティ・シラー、キーラン・アルトマン
撮影監督:マリア・ルーシェ
編集:ハンナ・パーク
プロダクション・デザイン:シャイアン・フォード
音楽:アリエル・マルクス
出演:レイチェル・セノット、モリー・ゴード、ダニー・デフェラーリ、ダイアナ・アグロン、ポリー・ドレイパー、フレッド・メラメッドほか衣装デザイン:ミシェル・J・リー

大学の卒業を目前に控えたダニエル。ある日、誰が亡くなったのかも知らされないまま、両親に連れられて故人の自宅でのシヴァ(お葬式)に参列する。その場に居合わせた幼馴染で元カノのマヤがロースクール(法科大学院)に合格したことで賞賛を受ける一方、ダニエルはパッとしない進路や容姿の変化について親類縁者たちから不躾に詮索され、次第に身の置き所を失っていく。そんな中、数時間前に会っていた“パパ活”相手のマックスが、容姿端麗な実業家の妻・キムと泣き叫ぶ赤ん坊を連れて現れる。うろたえるダニエル。さまざまなプレッシャーが限界に達したダニエルの混乱は、自らの手にも負えない事態を招くことになる・・・。

「シヴァ」とは、ユダヤ教徒が親族を亡くしたときに行う7日間の喪の期間のこと。ユダヤならではの儀式を垣間見れると楽しみにしていたら、なんだか立食パーティーのような雰囲気。エマ・セリグマン監督が、閉鎖的なユダヤ人コミュニティで育ち、何度もシヴァに参列したことがあって、それが、誰かが亡くなったばかりだというのに、ベーグルを食べながら、不平を言ったり、子ども自慢をしたり、個人的な境界を超える質問をしたりという場だったという経験から、「大人になる物語」の舞台にぴったりだと思ったとのこと。
そして、パパ活する女の子のことを、シュガーベイビーというのだそう。
有能な幼馴染と比較され、相手にしたばかりの男と出くわし、混乱するダニエルですが、自分は自分という潔さも感じさせられました。(咲)

2020年/アメリカ、カナダ/英語/78分/G
字幕翻訳:内海千広
配給:SUNDAE
公式サイト:https://sundae-films.com/shiva-baby/
★2026年2月27日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開

posted by sakiko at 23:57| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

レンタル・ファミリー(英題:Rental Family)

rental famiry.jpg

監督・脚本:HIKARI
撮影:石坂拓郎
音楽:ヨンシー アレックス・ソマーズ
出演:ブレンダン・フレイザー(フィリップ)、平岳大(多田信二)、山本真理(中島愛子)、ゴーマン シャノン 眞陽(川崎美亜)、柄本明(長谷川喜久雄)、木村文(光太)、森田望智(佳恵)。篠崎しの(瞳)、板谷由夏(多田の妻)、真飛聖(雅美)

アメリカ人俳優のフィリップは、一時歯磨き粉のCMで人気となったものの、最近は仕事のオファーも少ない。やっとつかんだ仕事は”レンタル・ファミリー”だった。依頼人は家族の不在や多忙などの穴を埋めてほしい。自分が演じる人間の詳細を頭に入れ、顧客のの希望に沿うように演じ切るのが仕事だ。結婚式や葬式などに数合わせのために参加するほか、とても個人的な要望にも応える。フィリップは他人の人生に関わってしまうことに戸惑いも覚えるが、依頼人たちの笑顔にいつしか自分の心も変化していることに気づく。

2020年公開の『37セカンズ』で注目されたHIKARI監督の最新作。全編日本で撮影されたアメリカ映画です。主演のブレンダン・フレイザーの大きな身体は日本では目立つでしょうに、誰かの家族役って大丈夫なの?ばったり遭ってしまうこともありそうです。様々な事情の依頼人が登場しますが、中でも子どもを傷つけることがないか心配になります。老優役の柄本明さんとのやりとりは、出色でした。家族には気をもませましたが、どんなにか満足いく締めくくりであったことか。
フィリップの働く会社の代表多田や同僚たちもどこか訳アリです。フィリップの味気ないアパート暮らしが、ちょっとだけカラフルになっていくのが観ているこちらも嬉しくさせます。普段見ることのない他人の本音がそこここで明かされるセリフに、HIKARI監督の人や暮らしへの暖かな視線を感じました。(白)


2025年/アメリカ/カラー/110分
配給:(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
https://www.searchlightpictures.jp/movies/rentalfamily
★2026年2月27日(金)公開

posted by shiraishi at 11:12| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする