2026年04月02日

ザ・ブライド!(The Bride)

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監督・脚本:マギー・ギレンホール
撮影:ローレンス・シャー
音楽:ヒルドゥル・グーナドッティ
出演:ジェシー・バックリー(ブライド)、クリスチャン・ベール(フランク)、ピーター・サースガード(ジェイク・ワイルズ)、アネット・ベニング(ユーフォロニウス博士)、ジェイク・ギレンホール(ロニー)、ペネロペ・クルス(ミルナ・マロイ)

1930年代、シカゴ。孤独に耐えかねたフランケン・シュタインはユーフォロニウス博士を訪ね、自分の伴侶を作ってほしいと頼み込む。研究者としての興味を動かされた博士は、共同墓地に眠る遺体を掘り起こす。事故死したばかりの美しい遺体は、博士の研究室で蘇った。フランクは記憶のない彼女に、自分の花嫁だと説明する。二人は新婚旅行と称してフランクの好きな映画にゆかりの地を車でめぐる。

タイトル通り、フランケンシュタインよりも花嫁(ブライド)が大活躍します。『ハムネット』でシェークスピアの妻アグネスを演じ、アカデミー賞主演女優賞を得たジェシー・バックリーがなんとも過激なブライド役。冒頭で「フランケンシュタイン」の著者メアリー・シェリーとしても物語の口火を切っています。そのあと生前のブライドとして登場、ジェシー・バックリーのいろいろな顔が見られます。
ある事件で追われる身になった二人、理不尽な世界に反逆するブライドの姿勢は社会に波及し、スタイルをまねる人々まで出てきます。二人を追う警察官をピーター・サースガード、記者をペネロペ・クルスと豪華な配役です。役に没入し、激やせしたり激太りしたりも厭わないクリスチャン・ベール。今回も怪演、いや快演。愛する人を得たフランケンシュタインは、ひとときでも幸せだったはず。(白)


2026年/アメリカ/カラー/分
配給:東和ピクチャーズ、東宝
(C)2026 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
https://thebride-movie.jp/
★2026年4月3日(金)ぶっ飛んだ花嫁(ブライド)、覚醒。

posted by shiraishi at 10:56| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

俺たちのアナコンダ(原題:Anaconda)

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監督:トム・ゴーミカン
脚本:トム・ゴーミカン、ケヴィン・エッテン
撮影:ナイジェル・ブラック
出演:ジャック・ブラック(ダグ)、ポール・ラッド(グリフ)、スティーヴ・ザーン(ケニー)、タンディウェイ・ニュートン(クレア)、ダニエラ・メルキオール(アナ)、セルトン・メロ(サンチィアゴ)、アイスキューブ

幼馴染のダグとグリフは映画好きの少年、ことに『アナコンダ』をバイブルのように崇めていた。今はただのさえないおっさんになってしまった二人。久々に再会してあの楽しかった日々を思い出す。今こそあの『アナコンダ』をリメイクしよう!長年の夢をかなえるために奔走するが、資金を工面するのも予定通りとはいかない。それでもケニーとクレアを加え、4人は南米へと乗り込んだ。
撮影用の大事な蛇を死なせてしまったため、急遽代役を探してジャングルへ分け入ることになった。本物のジャングルは危険がいっぱい、大騒ぎの4人の前に巨大なアナコンダが現れる!!撮影できると喜ぶダグ、しかしその前に食われてしまう!!!

原題は「アナコンダ」ですが、邦題には「俺たちの」がつきました。これだけで、彼らのアナコンダへの偏愛っぷりがわかります。それほどのめりこむものを持っていた少年時代の「輝きの欠片」をいまだ胸に抱いている中年男たちの冒険物語です。映画を作ろうと右往左往するようす、驚くほど厳しい現実にぶちあたろうとめげません。「俺たちのアナコンダ」を撮るまでひたすら突き進みます。無謀な彼らとジャングルを走り回り、アナコンダに追われる快感をぜひ、良い環境の劇場で体感してください。
いろいろと煮詰まっている現状は少しも変わりませんが、おおいに笑ってちょっと涙まで出てしまった後、空っぽにした脳内に新しい力が湧いてくる……かもしれません。(白)


2025年/アメリカ/カラー/99分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
https://oretachi-no-anaconda.jp/
★2026年4月3日(金)全国ロードショー

posted by shiraishi at 10:53| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年03月29日

OCHI!-オチ- 原題:The Legend of Ochi

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© 2024 KURKAMART LLC AND IPR.VC FUND II KY. ALL RIGHTS RESERVED.

監督・脚本:アイザイア・サクソン
出演:ヘレナ・ツェンゲル(『システム・クラッシャー』)、フィン・ウォルフハード、エミリー・ワトソン、ウィレム・デフォー

A24が贈る、異彩のノスタルジック・ファンタジー

ルーマニア、トランシルバニア。カルパチア山脈の人里離れた島に住む10代の少女ユーリ。霧に包まれた村の奥深い森には、大きな瞳と耳を持つふしぎな生き物〈オチ〉が棲み、人々は何世代にもわたり、その存在を恐れ遠ざけてきた。オチ狩りをする父マキシムに少年たちと共についていったユーリは、ある日怪我をした小さなオチを見つけ、密かに家に連れ帰り傷の手当てをする。伝承とは違う、オチの“本当の姿”を知ったユーリは、ひとりぼっちの幼いオチを家族の元へ返そうと決意し、家から飛び出し冒険の旅に出る・・・

ユーリの幼い頃に母は家族の元を去っていて、ユーリは孤独の中で過ごしてきました。怪我をした小さなオチを連れ帰るのですが、傷の手当をして一緒に過ごすうち、オチが伝説で聞いていたような恐ろしい生き物ではないことに気が付きます。そして、オチを親元に返さなければと森の奥深くに危険も顧みず出かけていきます。
オチと一緒に暮らすうち、喉の奥で笛を吹いているような独特のオチの言語をユーリは理解して、会話するようになります。こうして動物と意思疎通できるようになるのですから、言語の違う人間どうしは、なおさら分かり合えるはずと、ふと思ってしまいました。
サクソン監督は、音楽に撮影をしたカルパチア山脈地方の民族音楽学を取り入れています。特に、1930年代のパンフルートの伝説的名手、ファニカ・ルカの録音にインスピレーションを受けて再現した音色が心地いいです。男性たちの勇壮な歌声も素晴らしいです。
つぶらな瞳と大きな耳のオチは、監督たちが作り出したものですが、まるで実在するかのよう! (咲)


2025年/アメリカ、イギリス、ルーマニア、ハンガリー/英語/95分/カラー
字幕翻訳:杉山緑
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト: https://a24jp.com/films/ochi/
X: @A24HPS
★2026年4月3日(金)より全国公開
posted by sakiko at 12:24| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年03月12日

プロジェクト・ヘイル・メアリー(原題:PROJECT HAIL MARY)

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監督:フィル・ロード&クリスタファー・ミラー
原作:アンディ・ウィアー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」(早川書房刊)
脚色:ドリュー・ゴダード
撮影:グレイグ・フレイザー
音楽:ダニエル・ベンバートン
出演:ライアン・ゴズリング(ライランド・グレース)、ザンドラ・ヒュラー(ストラット)、ケン・レオン(ヤオ)、ライオネル・ボイス(カール)、ミラーナ・ヴァイントゥループ(イリュヒナ)、ジェームズ・オルティス(ロッキー)、

中学の化学教師のライランド・グレースは宇宙船で目覚める。髪も髭も伸び放題、たくさんの管でつながれていた。人工音声が止めるのも聞かず、宇宙船内を探索し自分がなぜここに?と記憶をさぐる。
地球は原因不明の太陽エネルギーの減少により、このままでは氷河期に突入して人類は遠からず滅亡することが予測された。これは太陽系だけではなく、宇宙の無数の惑星にも及んでいた。世界中の叡智がストラットの元に集められ、11.9光年の彼方に唯一無事な星があるとわかった。そこへ人類がたどり着いて、この危機を打開し太陽と人類を救う策を見つけることが急務だ。
グレースはたった一人で宇宙空間で生き延びねばならないことを理解する。長い間あれこれと模索するが、地球に帰還するには燃料不足なうえ自分は目的を果たすことなく、途中で死んでしまうだろう。ところが、もう一人(?)別の異星人が同じ使命をもって近くにいた!岩のような見た目で蜘蛛のような動きの彼をロッキーと呼び、ゼロから関係を作るため科学を共通言語に意思疎通を図る。

アンディ・ウィアー原作の映画『オデッセイ』(2016/リドリー・スコット)では火星に一人取り残された宇宙飛行士(マット・デイモン)が、地球への帰還を信じてサバイバルするストーリーです。「70億人が待っている」がキャッチでしたが、本作は「80億人の命をかけた人類最期の賭け」です。10年の間に10億人増えていました。科学技術も進んでいますが、地球の荒廃も進んでいます。本作はさらに未来。
主演のライアン・ゴズリングが2021年発行の原作を読み、映画化を熱望。このうえないスタッフとプロデューサーが集まりました。壮大な背景はあるものの、関係性を作っていくのにスポットを当てた物語。時々プレイバックしつつ、地球人と異星人二人が出ずっぱりです。ライアンはもちろん、ロッキーに親しみを感じていく過程を観客も楽しめます。
長い間宇宙で独りぼっちだった探索者2人が出会い、共通の目的をもって協力しあいます。それまでの努力の軌跡に、科学を知らずとも感動します。排除と闘争ばかりに血道をあげる地球の為政者に見てほしいものです。原作は上下2巻です。読んでから見ても、見てから読んでも興趣をそこないません。
ヘイル・メアリー(HAIL MARY)とは、マリア様お願い!(アベ・マリア)の意味で、窮地に陥ったとき、起死回生をかけて「いちかばちか」「ダメもと」でやってみるというスラング。アメリカン・フットボールで残り時間がないとき、はるか遠くから投げるロングパスを「ヘイル・メアリー・パス」と呼ぶそうです。日本での「苦しいときの神頼み」「神様仏様」と言ってしまうのに近いですね。(白)


2025年/アメリカ/カラー/2時間37分
配給:ソニー・ピクチャーズ
https://projecthm.movie/
★2026年3月20日(金・祝)全国ロードショー

posted by shiraishi at 15:34| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カミング・ホーム(原題:Jules)

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監督:マーク・タートルトーブ
脚本:ギャビン・ステゥラー
出演:ベン・キングズレー(ミルトン)、ゾーイ・ウィンターズ(デニス)、ハリエット・サンソム・ハリス(サンディー)、ジェーン・カーティン(ジョイス)

ペンシルベニア州西部の小さな町。79歳のミルトンは一人暮らし。最近は認知症を娘に心配されているが、頑として受け入れない。ある夜、正体不明の飛行物体がミルトンの庭に墜落した。ミルトンの日常はそれから変わっていく。誰に言っても相手にされない中、同年代の隣人サンディとジョイスとの3人だけが秘密を共有することになった。それぞれの孤独を抱えていた3人は、忘れかけていた人生を取り戻していく。

マーク・タートルトーブ監督は『リトル・ミス・サンシャイン』(06)『ラビング 愛という名前のふたり』(16)等、数々のアカデミー賞ノミネート作品をプロデュースしています。前者は東京国際映画祭でも上映され、監督賞、主演女優賞(アビゲイル・ブレスリンでした!)に観客賞を受賞しました。後者は異人種間の結婚が違法とされ、罰則まであったことを初めて知った作品です。どちらも家族や人の愛情を描いて、登場人物たちはそのための苦労をいといません。観客も良かった!とほっこり、暖かいものを抱いて帰れました。
今回の作品も同じ王道の、それも年齢を重ねた人にはしみじみ共感できるものです。観る前には書いてはいけないのか?もう一人重要な登場人物が、頑ななミルトンを変えることになります。誰もが年を取りますが、現れ方が様々です。ミルトン、サンディー、ジョイスの3人は同じ町にいても付き合うことがなかったのに、後半同じ秘密を抱えた仲間になります。これはこの先も続くのねとこちらも安心。若い人にはまだ先ですが、必ずやってくる老後の不安や孤独、何が必要かをちょっと理解できるはず。(白)


2025年/アメリカ/カラー/87分
配給:NAKACHIKA PICTURES
(C)2022 Apple Slice Productions LLC All Rights Reserved.

★2026年3月20日(金)全国ロードショー
posted by shiraishi at 00:08| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする