2026年07月02日

春樹 原題:春樹

2026年7月3日 シネスイッチ銀座公開

釜山国際映画祭と東京国際映画祭で3冠に輝く——
張律(チャン・リュル)監督最新2作、同時公開

チャン・リュル監督『春樹』+『ルオムの黄昏』試写状_表面_R_R.jpg


中国・吉林省延辺朝鮮族自治州に朝鮮族3世として生まれたチャン・リュル監督。延辺大学中国文学科卒業後、北京に拠点を移し小説家として活動。その後、映画監督へ転身。以降、中国・韓国・で長編16作品を手がけてきた。2025年、四川省成都を舞台に、変わりゆく現代中国の中で揺らぐアイデンティティを主題に『春樹』(チュンシュー)を完成させる。その『春樹』の撮影後、立ち寄った四川省の古鎮・羅目鎮(ルオム)で着想を得て、同キャストで撮影した姉妹作が『ルオムの黄昏』。この2作が同時公開される。

『春樹』
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地元の四川方言を失った女の帰郷と、突然立ち去った恋人の痕跡を求める女の旅。異なる喪失を描いた2作品は、中国映画の黄金期を支えた廃墟の峨眉映画撮影所と、交易で栄えた古い街という、かつての栄光の痕跡を残しながらも寂れゆくふたつの場所を舞台に、その停滞した空気の中で、人々の時間が静かに流れていくような独特のリズムが刻まれる。傷を抱えながら生きる人々の日常に、静かにユーモアが宿るチャン・リュル監督ならではの作家性、人も撮影所も町も、在り続けることの価値をこの姉妹作は静かに問いかけます。

挫折の先で、それでも時間は流れていく——

監督・脚本:張律(チャン・リュル)
出演者 白百何(バイ・バイホー)、劉丹(リュウ・タン)、、王傳君(ワン・チュアンチュン)、彭瑾(ポン・ジン)

春樹(チュンシュー)、37歳。20年離れていたかつての故郷・成都に戻った春樹は、かつての演技指導者・張梅(チャン・メイ)を訪ねる。しかし張梅は認知症で言葉を失いつつあった。故郷に居場所を見つけられない春樹に、張梅の息子で、母の世話をするため上海から戻ってきた冬冬(トントン)が静かに寄り添う。過去の栄光も、教えも、学びも、時代の流れの中でいつのまにか忘れ去られ、朽ちたまま残る国立映画撮影所のように、停滞する人々の傍らで日々はささやかに過ぎてゆく。

『春樹』は主人公の名前。挫折した女優春樹が四川省の故郷に戻り、立ち直ろうとする姿が描かれる。春樹は映画の主役を射止めたが、成都出身なのに監督が求める成都弁が話せなくて出演をあきらめ、女優をやめ帰省。かつて演劇を教わった峨眉撮影所の張先生を訪ねる。
実は張先生から「俳優は全国に伝わる普通話を話せなくてはならない」と指導を受け、方言を使わずにいたら成都弁を話せなくなっていた。
訪ねたら先生はアルツハイマーになっていて世話をするため上海から来ている息子冬冬と出会う。冬冬は「母は認知症が出ている時とそうでないときがある」という。冬冬は、単身、成都で仕事をする母から上海の祖父母宅に預けられ、上海弁の中で育った。大きな動きはないが、映画はこの3人を中心に語られていく。
成都弁を話せない春樹、上海から峨眉撮影所に来て普通語を奨励していた張先生、上海弁の冬冬、成都弁の春樹の母。
ある意味、中国の多彩な方言を巡る話でもある。峨眉撮影所の古いスタジオが取り壊されると聞き、ここで撮影。印象的な場所だった。

主演にバイ・バイホー(『8人の女と1つの舞台』出演/スタンリー・クワン監督)とワン・チュアンジュン(『サタデー・フィクション』出演/ロウ・イエ監督)を迎えたチャン・リュル監督最新2作品が、アジアを代表する二つの映画祭、釜山国際映画祭(9月)と東京国際映画祭(10月)のコンペティション部門に相次いで選出され、3冠に輝くという偉業を成し遂げ、同時に劇場公開される。

第38回東京国際映画祭コンペティション部門
張律監督が最優秀監督賞、
王傳君が最優秀男優賞受賞。

公式HP https://zhanglu-japan.com/
2025年|中国|英題:Mothertongue|122分|カラー|北京語

公式HPより
張律(チャン・リュル)監督プロフィール
1962年、中国・吉林省延辺朝鮮族自治州生まれ。中国朝鮮族3世。小説家として活動後、映画監督へと転身。長編デビュー作、【唐詩(2003)、【キムチを売る女】(2005)、【豆満江】(2010)、【群山】(2018)、【福岡】(2019)、【柳川】(2021)、【白塔之光】(2023)など多数の作品を発表。これまで長編を作品撮っている。2025年には、【春樹】が第38回東京国際映画祭コンペティション部門に、【ルオムの黄昆】が第30回釣山国際映画祭コンペティション部門にそれぞれ選出され3冠を獲得した。

フィルモグラフィー
2003|唐詩
2005|キムチを売る女
2007|風と砂の女
2008|重慶
2008|イリ
2010|豆満江
2013|風景
2014|慶州
2015|フィルム時代の愛
2016|春の夢
2018|群山:鵞鳥を咏う
2019|福岡
2021|柳川
2023|白塔の光
2025|春樹
2025|ルオム黄昏
posted by akemi at 20:58| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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