監督・撮影・編集:ノウシーン・ハーン
⾳楽:クシュ・アシェール
2019年12⽉、モディ政権はイスラム教徒を意図的に排除した市⺠権改正法(CAA)を制定。イスラム教徒の間で市⺠権を剥奪される危機感が⾼まった。法案に対する批判の声が増す中、反対運動の拠点だったジャミア・ミリア・イスラミア⼤学構内に警察が乱⼊。無抵抗の学⽣を襲い、200⼈もの負傷者と多くの逮捕者を出した。この暴⼒的な対応と差別的な法案への抗議として、デリー南部のイスラム教徒居住区のシャヒーン・バーグで、⼤規模な座り込みが始まる。その中⼼にいたのはムスリムの⼥性たち。⽇々の暮らしを営みながら、100 ⽇以上にわたって幹線道路を封鎖した。この⾮暴⼒で平和的な活動は多くの共感を呼び、世代、⽂化、宗教を超えてインド全⼟に広がった。しかし、デリー議会選挙を機に状況は緊迫。トランプ⼤統領の訪印に注⽬が集まる中、警察による強制排除が起こり・・・
2023年 山形国際ドキュンメンタリー映画祭市民賞受賞
(映画祭での上映タイトル:『我が理想の国』)
「この大きなこけしが欲しかったの」とノウシーン・ハーン監督。
ほかの賞のこけしは、これより小ぶりでした。 授賞式後、声をかけて少しお話。
「ほんとに今、インドでムスリムの扱いはひどいの」と嘆く監督でした。
あれから3年。モディ政権のヒンドゥー至上主義はますますエスカレートしているように思えます。
公開を前に、4月に再度来日した監督。本作は世界各地の映画祭で受賞したり、上映会が開かれたりしているのに、インドでは特殊な場所でしか上映されておらず、日本での劇場公開はほんとに嬉しいと語っていました。
本作を作る前には、自分がムスリマ(イスラーム教徒の女性)であることを、あまり意識していなかったのが、本作を作る過程で、自分自身のイスラーム教徒の女性であるというアイデンティティに向き合うようになったと言います。
イギリス統治からの独立運動の過程で、ガンディーなどが目指した統一インドではなく、ヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の分離独立という形に帰結したものの、パキスタン(今のバングラデシュも含む)に移住せずインドに留まったイスラーム教徒も多く、現在のインドの人口の約1割といわれています。その人たちをないがしろにする法律改正に対して、普段は表に出ない女性たちが抗議運動に立ち上がったことを捉えた本作。彼女たちの思いが、世論を動かし、すべての宗教やカーストの人たちが、インドで公平に暮らせる日が来ることを願うばかりです。(咲)
2026年4月23日 専修大学文学部「映像ジャーナリズム論」で、ノウシーン・ハーン監督特別講義が行われました。
https://cineja-film-report.seesaa.net/article/520814825.html?1780199869
2023年 インド・ケーララ国際ドキュメンタリー&短編映画祭最優秀長編ドキュメンタリー賞
2023年 オーストリア・カルロタ政治映画&ビデオフェスティバル特別賞
2023年/インド/ヒンディー語、英語/74分
配給:きろくびと
公式サイト:https://landofmydreams-film.com/
★2026年6月6日(土)より渋谷ユーロ・スペースほか全国順次公開


