監督・脚本:𠮷田光希
原作:久坂部羊『廃用身』(幻冬舎文庫)
出演:染谷将太(漆原糾)、北村有起哉(矢倉俊太郎)、六平直政(岩上武一)、瀧内公美(漆原菊子)、廣末哲万、中村映里子、中井友望、吉岡睦雄
ある町のデイケア施設「異人坂クリニック」で、「廃用身(はいよう-しん)」をという治療法が広まっている。漆原院長が考案した“画期的な”治療でAケアと呼ばれている。従来の常識を覆す“身体のリストラ”により、「憑き物がとれたように、身も心も軽くなった」、「厳しい性格が柔らかくなった」と予想外の“好ましい副作用”が現れたという。これを知った編集者の矢倉は漆原院長に著書の執筆を薦める。矢倉にも寝たきりの家族があった。
ところが、ある人物からの内部告発が週刊誌に掲載される。追い打ちをかけるように、患者宅で衝撃的な事件が発生した。
【廃用身】とは:麻痺などにより、回復の見込みがない手足のこと。医師の久坂部羊(くさかべ よう)氏の2003年のデビュー小説が原作。【廃用身】や【Aケア】とは小説の中で使われた造語。
映画化不可能と言われたこの作品を映画化したのは、𠮷田光希監督。ボロボロになるまで読み込んだ原作を脚本化し、このほど映画が完成しました。原作者が当て書きしたっけ?と思うほどピタリの配役を得て、映画が生きて動き出しました。染谷じゃなかった漆原医師にまっすぐ見つめられて説明を受けたら、医療従事者として患者の生活をよりよくするためのサービスだと納得して、私も「うん」と言ってしまいそうです。自分が介護される身だったらなおさら。
これが20年も前に書かれていた小説です。今はさらに高齢化が進んでいます。作品内の事件は衝撃ですが、密室になってしまう介護現場では事件が起こっても不思議ではなく、虐待も実際に起きています。
医療の現場はいつも人手不足で、負担も大きいのは事実。いつかこれが現実化するかもしれません。ホラーじゃないんですが、ホラーよりじわじわ怖いと書いておきます。観た方は話したくなるはず。それと自分で死ぬことを選べる尊厳死も議論されなければと思います。今、様々な治療法を試しながら命をつないでいる人や家族の方々には、どう見えるでしょうか?(白)
2026年/日本/カラー/125分
配給:アークエンタテインメント
©2025 N.R.E.
公式サイト:https://haiyoshin.com/
公式X:@Haiyoshin_movie https://x.com/Haiyoshin_movie
★2026年5月15日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
【関連する記事】


