2026年05月05日
シンプル・アクシデント/偶然 原題: Un simple accident 英題:IT WAS JUST AN ACCIDENT ペルシア語題:yek tasadef sadeh
監督・脚本:ジャファル・パナヒ(『人生タクシー』『熊は、いない』
出演:ワヒド・モバシェリ、マルヤム・アフシャリ、エブラヒム・アジジ、ハディス・パクバテン、マジッド・パナヒ、モハマッド・アリ・エリヤ
第78回カンヌ国際映画祭パルム・ドール(最高賞)受賞
第98回アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表選出
第83回ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)・監督賞・脚本賞・非英語作品賞4部門ノミネート
世界三大映画祭すべての最高賞を制覇、史上4人目の快挙!
巨匠ジャファル・パナヒ監督最新作
かつて賃金を要求しただけで政治犯として投獄されたワヒド。ある夜、野良犬と衝突事故を起こした男がワヒドの工房に車の修理にやってくる。妊娠中の妻と幼い娘を連れたその男が義足を引きずる音に、自分に残忍な拷問をした看守エグバルだと確信する。シリア内戦で片脚を失った男で、囚人仲間の間で“義足”のあだ名で恐れられていた。
ワヒドは男をバイクで追いかけ家を確認し、翌朝、バンで行って彼を拉致し、土漠に穴を掘り埋めようとする。が、男のIDカードを見ると、復讐相手と名前が違う。男も人違いだと言う。自分が片脚を失ったのは、昨年の交通事故でのことだというのだ。実はワヒドは目隠しされていて看守の顔を見たことがなかった。一旦復讐を中断し、木箱に彼を押し込め、看守を知る収監されていた者たちを集める。シヴァというカメラマンの女性は、やはり収監されていたゴリという女性の結婚写真を撮影していて、ウェディングドレス姿のまま花婿のアリも一緒に土漠にいく。はたして男は復讐すべきエグバルなのか?
2010年から反政権を理由に禁錮6年の有罪判決を受けていたパナヒ監督。映画制作や海外渡航が20年間禁止されていたが、2023年に海外渡航禁止が解かれ、最初に着手した本作品で2025年にカンヌ国際映画祭に正式参加し、イラン映画としては28年ぶりに最高賞を受賞。『チャドルと生きる』(2000)でベネチア国際映画祭金獅子賞、『人生タクシー』(2015)でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞、そして本作のパルム・ドール受賞により、世界三大映画祭すべての最⾼賞を受賞するという快挙も成し遂げ、世界中で大きな話題となった。これまで反骨精神あふれるパナヒ監督の作品は国代表に選出されることはなく、オスカーとは無縁だったが、本作はフランスとの共同製作により米アカデミー賞の国際長編映画賞部門で⾒事フランス代表となり、ショートリスト(最終候補15作品)にも選出された。
パナヒ監督自身の二度の投獄経験と同房で出会った人々の声から着想を得て出来上がった物語。そこかしこにパナヒ監督らしいユーモアも散りばめられていて、復讐劇なのに、軽やかな後味。
結婚写真を撮る女性カメラマンも花嫁も収監経験者という設定。二人が髪の毛を覆ってないのもマフサ・アミニの死以降の「女性、命、自由」運動による最近の実態。イランの女性たちこそが変革をもたらしたとパナヒ監督。
2025年12月、アメリカで本作のプロモーション活動中だったパナヒ監督は、明確な容疑が開示されないまま、イスラム革命裁判所から突如判決を受けました。内容は<反体制プロパガンダ活動を行った>とする欠席裁判での懲役1年に加え、2年間の渡航禁止、さらに政治・社会団体および派閥への参加禁止という厳しい措置。
そして、この度のアメリカとイスラエルの先制攻撃で戦争状態になったイラン。イランへの航空機が飛ばない中、トルコから車で国境を越えてイランに帰国したパナヒ監督。その勇気に感服しますが、また収監されることがありませんように! (咲)
2025年/フランス・イラン・ルクセンブルグ/103分/ペルシャ語
⽇本語字幕:⼤⻄公⼦
字幕監修:ショーレ・ゴルパリアン
配給:セテラ・インターナショナル
協⼒:ユニフランス
公式サイト:https://simpleaccident.com/
★2026年5月8日(金)、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開
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