2026年05月04日

霧のごとく(原題:大濛)

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監督・脚本:チェン・ユーシェン『1秒先の彼女』
出演:ケイトリン・ファン(阿月)、ウィル・オー(趙公道)、9m88(姉)、ツェン・ジンホア(兄)

1950年代の台湾。両親を亡くした阿月の家に叔父一家が越してきた。居心地の悪い阿月は「白色テロ」の犠牲になった兄・阿雲の遺体を引き取りに一人家を出る。なけなしの金と形見の時計を手に、台北へ向かうが役所の場所さえわからない。右往左往する阿月は騙されて売り飛ばされそうになる。すんでのところを車夫の趙公道に救われる。公道も戦友を亡くし、故郷の広東へ帰れずに仕事を点々としていた。行きがかり上、公道は阿月と一緒に、引き取り費用の金策、養女に出された阿月の姉探しをする。

一途で無防備な阿月、粗暴で無茶だけれど情のある公道をハラハラしながら見守りました。権力をかさに威張る警察、逆らえない民衆、みんなが困窮していた戦後は生きるのがやっとです。騙される方が悪いと言わんばかりの人間もいます。そんな中でも日差しのような暖かい交流はありました。自分の運命を知りつつ妹を気遣う兄役のツェン・ジンホアは登場したシーンは少ないものの、印象的です。やっと見つけた姉役は9m88(ジョウエムバーバー)はNYでジャズを学んだミュージシャン。里子に出されていたため、このたび初めて会った妹と阿雲の遺体探しをします。離れて暮らしても家族でした。
たまたま出逢った阿月と公道は、一生忘れることのない体験をしました。公道は後ろ暗いところもある元軍人ですが、悪人とは言い切れません。
若いキャストたちの心のこもった演技に泣かされます。背景になる当時を丁寧に再現した農村、賑わう市場、込み合ったバラックや憩いの場であっただろう歌舞劇団の公演など、美術の見どころもたくさんです。亡き兄が遺した物語が、辛いできごとをやさしく包みます。「白色テロの時代を描くなんて!」と当初反対されながらも映画は完成し、多くの観客の心をゆさぶりました。金馬賞では作品賞、脚本賞など最多4冠!(白)


2025年/台湾/カラー/134分
配給:JAIHO、Stranger
(C)2025 Mandarin Vision Co,, Ltd. All Rights Reserved.
https://www.afoggytale.com/
★2026年5月8日(金)ほか全国ロードショー

posted by shiraishi at 16:28| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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