(C)Sixteen Oak Limited, Why Not Productions, Goodfellas, Les Films du Fleuve, British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2023
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァティ
出演:
TJ ・バランタイン:デイヴ・ターナー
ヤラ:エブラ・マリ
ローラ:クレア・ロッジャーソン
チャーリー:トレヴァー・フォックス
2016年、イングランド北東部のとある町に、シリアからの難民家族を載せた車が着く。
車の中から町の人たちにカメラを向けていた若いシリア女性ヤラ。その姿を見た町の男がカメラを奪い壊してしまう。居合わせたパブ「オールド・オーク」の店主 TJ・ バランタインが助けの手を差し伸べてくれる。町で唯一のパブには、今は使っていない奥の部屋があって、そこにはかつて炭鉱で賑わった時代の写真が飾ってあった。事故があって炭鉱は閉じられてしまい町は活気を失っていた。TJの父は炭鉱事故で亡くなったという。
ヤラから、荒れ果てた奥の部屋を整備して、町の引き籠りの子どもたちやシリア難民のための無料食堂を開くことを提案され、町の人たちも協力して週に数回、美味しい料理振る舞う。だが、ある日、厨房が使えなくなる事故が起こる・・・
シリアからの難民受け入れを快く思わない人たちが、「アリババと40人の盗賊かよ」などと心無い言葉をあびせます。「国に帰れ!」と言われたヤラ。「帰れるものなら帰りたい」と返します。誰しも好んで難民になったわけではありません。ヤラやシリアの家族が語るシリアの実情に涙が出ます。映画のエンドロールには、匿名でシリアのことを語ってくださった方たちへの謝辞も述べられていました。これまで一貫して社会の弱者に寄り添う映画を作り続けてきたケン・ローチ監督。また一つ、心に沁みる作品を届けてくださいました。言葉や民族や宗教の違う人たちの共生についても考えさせてくれました。これを最後のメッセージと言わずに、まだまだ作り続けてほしいです。(咲)
オーク(oak)はドングリをつける木で、樹形や板に加工しても美しく、ワインの樽や家具、船の建造に使われます。TJが守ってきた店の名前が「オールド・オーク」。この映画では、町の人々のよりどころでもあります。
街がさびれつつあるところに、多くの難民が加わり、自分たちより優遇されているのではと疑心暗鬼にかられます。街の子どもが寄付の品々を欲しそうに眺めているのに胸をつかれました。家族をなくして心を閉じていたTJがヤラと交流することで、少しずつ変わっていきます。古くからの友人は、自分たちよりも難民を選んだ気がしてしまったのでしょう。生活が苦しく、気持ちに余裕がないことがこの諍いの底にあります。
2016年を舞台にした物語ですが、10年経った今状況は良くなっているでしょうか?(白)
2023/イギリス、フランス、ベルギー/英語・アラビア語/113分/カラー
配給:ファインフィルムズ
後援:ブリティッシュ・カウンシル
公式サイト:https://oldoak-movie.com/
★2026年4月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館他全国ロードショー


