2026年04月09日

ハムネット  原題:Hamnet

xr4gb3m7.png
(C)2025 FOCUS FEATURES LLC.

監督・脚本:クロエ・ジャオ(『ノマドランド』)
出演:ジェシー・バックリー、ポール・メスカル、エミリー・ワトソン、ジョー・アルウィン

不朽の名戯曲「ハムレット」誕生に秘められた家族の物語

1580年イギリスの小さな村。貧しいラテン語教師ウィリアム・シェイクスピアは、森を愛する自由奔放なアグネスと出会う。2人は互いに惹かれ合い、情熱的な恋愛の末に結婚して3人の子供を授かるが、ウィリアムが遠く離れたロンドンで演劇のキャリアを模索する一方、アグネスは独りで子どもたちを守り家庭を支えていた。そんななか一家に大きな不幸が訪れ、かつて揺るぎなかった夫婦の絆が試されることになる――。

「ハムレット」といえば、「To be or not to be, that is the question」という台詞が、あまりにも有名ですが、思えば、「ハムレット」という戯曲の内容について、恥ずかしいことに、ほとんど知りません。
そして、シェイクスピアというと、よく見る肖像画のイメージしかありませんが、本作を観て、偉大な劇作家にも、愛する家族がいたのだと気づかせてくれました。離れて暮らしていても、深い絆で結ばれていたのだと。本作は、アイルランド出身の作家マギー・オファーレルが2020年に発表した同名の小説の映画化。手袋職人の息子で吟遊詩人のウィリアム・シェイクスピアが、鷹を扱うアグネスと出会い、恋をして結婚して、3人の子どもたち、スザンナと、双子のジュディスとハムネットに恵まれます。そのハムネットが11歳の時に亡くなったことが、戯曲「ハムレット」を作るきっかけになったというお話。実在の家族をフィクションを交えて描いた物語です。(咲)


◆第38回東京国際映画祭 クロージング作品として、2025年11月5日に上映された折の、クロエ・ジャオ監督舞台挨拶
PXL_20251105_093552437.jpg
クロエです。この映画を作りました! もうすぐ皆さんにご覧いただくことができます。

MC: これまでアメリカの大地や様々な土地で人々を撮ってこられました。今回は、16世紀のイギリスを舞台にされていますが、どんな人間の姿に惹かれて、この物語を撮られたのでしょうか?

監督:最初の4つの長編はなるべく遠くへ、広く世界のありとあらゆるところで水平線を追いかけてきました。『ハムネット』を作った私は、今までと違う40代の監督です。より内なる風景に目を向けました。一つのフレーム、一つのステージに制約し、自分の中に深く入り込むことをこの映画では目指しました。内なる風景のより深いところを探求しました。

MC: 『ハムネット』は、シェイクスピアという偉大な名前の陰にある家族の物語でもあります。400年以上前の出来事を描きながら、今を生きる私たちに通じるところがあると思います。監督ご自身はどのような普遍的な感情を描こうとされたのでしょうか?

監督:主に悲しみでしょうか。悲しみというのは人間の非常に自然な感情です。四季が移り変わり、人が生まれ、死ぬ。これは宇宙の自然な状態です。物事は永久に続かない。しかし我々は生と死のサイクルの一部であることを忘れてしまい、それに抵抗することで多くの苦しみが生まれます。悲しみにどう対峙するのか。悲しみが喜びと同様に私たちを結びつけます。

MC:ご覧になる観客には、どのように受け止めてもらいたいですか?

PXL_20251105_093547656.jpg
監督:わかりません。どんな感情を持たれてもかまいません。感じたいことを感じてほしいと思います。この映画は、ストーリーテリングの力を称えるものです。古くから、私たちの祖先は人間であるとう矛盾を語ってきました。愛をもって心を開く、しかしいつか愛を失って、死んでしまう。この人間であるということは、なんという矛盾でしょう。それをストーリーテリングで解決しています。私たちの仕事は聖なる仕事です。どうぞ楽しんでください。

2025年/イギリス/126分/G
字幕翻訳:風間綾、日本語字幕監修:河合祥一郎
配給:パルコ
公式サイト:https://hamnet-movie.jp/
★2026年4月10日(金)より全国公開
posted by sakiko at 16:10| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください