2026年04月05日

万博追跡 2Kレストア版  原題:博追踪 英題:Tracing to Expo '70

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監督:廖祥雄(リャオ・シャンション)
出演:翁倩玉(ジュディ・オング)、馮海、魏蘇、傅碧輝、陳國鈞、喬松、張莉、曾玉、原田玄、川名美彌、衫森麟、小山八千代 
特邀出演:林海峯
カメオ出演:周祥賡 莊文華

1970年大阪万博の台湾パビリオンのコンピニオンに選ばれた日本育ちの台湾人の雪子(ジュディ・オング)は、同級生の藤本哲男と一緒に大阪に向かう。母は雪子にふたつの使命を授ける。台湾から生活費を送ってくれている謎の人物・陳春木を探すこと、そして、終戦直前に父親が上海で命を落としたことの真相をつきとめるというものだった。
手あたり次第、パビリオンで聞き込みをする雪子。ようやく陳春木を知っているという人を見つけ、彼の情報で陳春木の妹に会いに神戸に向かう。彼女は自分が台湾にいる兄に仕送りを依頼したが、それも別の誰かに頼まれた事だという。しかしそれが誰なのかは口止めされていて語ろうとしない…

昨年9月、大阪アジアン映画祭で上映された折に拝見。
まずは、タイトルや監督・出演者など、漢字が右から縦書きで書かれていて、かつての日本映画もそうだったと、感慨深いものがありました。
(この度の公開バージョンは、横書きに変わっています)
賑やかな踊りで始まり、ジュディ・オングさんが登場し、2曲歌って、なんだか歌謡ショーのような様相。実は番組収録でした。収録が終わって、ジュディさん演じる雪子(日本生まれの台湾人)が、応募した中華民国パビリオンの万博ホステスに選ばれた通知を受け取ったことを大喜びで恋人の藤本哲雄に伝えます。二人はどうやら大学生。哲雄も万博に行きたいけれどお金が足りないので、父親に無心するのですが、行くこと自体にいい顔をしない父。万博会場の食堂でのバイトを見つけて哲雄も大阪へ。
雪子には、実は万博に参加したい目的がありました。まだ雪子が母のお腹の中にいた終戦直前、雪子の父は上海で日本軍に殺されたらしいのですが、その後、母娘がお金に困っていると、台湾から支援のお金が届いていて、父の死の真相や誰が支援してくれているのか、万博のパビリオンで働けば、台湾から来る人と知り合って、手がかりを得ることができるのではないかと思ったのです。
恩人の山崎さんに確認するも、支援しているのは自分ではないといわれたます。万博会場で山崎さんが案内していた台湾人のワンさんに声をかける雪子。台湾に帰ったら調べてみるといわれます。そして、ワンさんから日本人を二人紹介する手紙が届きます。雪の残る地方の村に訪ねていく雪子と哲雄。あちこち奔走するうち、思いもかけない真相が判明します。雪子の父(台湾人)は、スパイと疑われて殺されたらしいと。 
これ以上は、ネタバレになるので、伏せておきますが、70年万博を舞台にした映画には、思いもかけず重い背景がありました。思えば、戦争が終わって、まだ25年しか経っていない時期でした。日本が復興を遂げたことを世界にアピールする万博だったのだと思いました。
「蒋介石が日本をお許しになったので(この繁栄が)」という言葉が何度か出てきて、当時の台湾では、そういう認識だったのかと!
実際の万博会場がたっぷり映っていて、高校生だった当時、夏休みに一度だけ同級生たちと訪れた万博を懐かしく思い出しました。 
3時頃に映画が終わって、余韻に浸りながら大阪・関西万博に夜間券で入場。3度目でしたので、見損ねていた噴水ショーとドローンショーを楽しんできました。(咲)


私も大阪アジアン映画祭で観ました。8月29日、初日のオープニング作品でした。ジュディ・オングさんもゲストで来て、上映後はトークショーもありました。
キーパーソンの山崎という人と知り合い、その人と一緒だった人を訪ね、だんだんに真相に近づいて行きます。観光案内のような万博パピリオ巡りや、サスペンスのような人探しなどのあと、雪子の父は上海で日本軍にスパイとみなされて殺されたという思いがけない事実がわかります。雪子は20歳というのに、1970年は戦後25年だから、時代考証など突っ込みどころはいくつかあるのだけど、ま、そのへんはおいとくとして、あの当時の台湾映画を観ることができました。
蒋介石の時代で、「蒋介石のおかげで今日の台湾がある」なんて言葉が出てきたり、加害者の日本と被害者の台湾という話の展開で、加害と贖罪を巡る話になっていく。アイドルのエンターテイメント映画だと思っていたら、思わぬ展開。ジュディ・オングさんの存在感が光る作品でした。それにしてもジュディ・オングさん、日本でも台湾でも大活躍だったんですね。
当時も今も、万博なんて国威高揚のようなイベントには興味がない私なので、どんな国が参加しているかなんて知らなかったけど、1970年の万博の様子を見ることができた。そして、当時は中国の代表として台湾が出展していたということを知った。中国との国交回復は1972年で、まだ中国との国交は回復していなかった。今回も大阪には行ったけど万博には参加せず。
私が子供の頃(小学校4年生くらい)、ジュディさんが出演したTVドラマ「おらあ三太だ」を見た記憶があります。ジュディさんの役は小学校6年生くらいだったと思います。日本語を話しているのにジュディ・オングという名前で、子供ながらなんでかなと思ったけど、彼女が台湾の人だと知ったのはだいぶたってから。このドラマの正式題名は「三太物語」でした。三太の役は渡辺篤史さん。番組が始まる冒頭で「おらあ三太だ」と言って始まるので、ずっと「おらあ三太だ」というタイトルだと思っていました。63年も(笑)。ジュディさんは、元気な女の子の役でした。そして、なんとこれは生放送だったそう。それを知ってびっくり。1962年頃の番組だったと思う。当時、私の家にはTVはまだなくて、近所の家か、学校で見たような気がする。その頃からずっと活躍してきたジュディさん。絵を描いたり、今も芸能人としてだけでなく、アーティスト、そして福祉活動もしている。「三太物語」の話は、大阪アジアン映画祭初日、この作品上映後のトークショーの中で出てきた。
そして現在。台湾で2025年年末に公開されたジュディ・オングさん出演の『陽光女子合唱団』という作品が興行収入5億4500万新台湾ドル(約26億6000万円)を突破し、台湾の興行収入史上最高額を記録したそうです。これは韓国映画『ハーモニー心をつなぐ歌』をリメークした映画で、ジュディさんが「時間之歌」というテーマソングも歌っているそうです。これも日本公開されるといいなあ(暁)。


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2025Expo - 大阪アジアン映画祭でのジュディ・オングさん


1970年/台湾/97分
配給:ハーク
公式サイト:https://hark3.com/expo/
★2026年4月10日(金)シネマート新宿、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
posted by sakiko at 20:50| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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