4/4㊏よりユーロスペースほか全国順次公開
人生を力強く“踊る”ダンサー・XiXi(シィシィ)
自由を求めて躍動するシスターフッド・ドキュメンタリー
監督:吳璠(ウー・ファン)
撮影:ウー・ファン、ベニス・デ・カストロ・アティエンザ
編集:アンナ・マグダレーナ・シュレンカー
音響:コ・ウンハ/音楽:グレッチェン・ジュード
プロデューサー:ベニス・デ・カストロ・アティエンザ、ウー・ファン、ジョ・ソナ、ハ・ヨンス
製作:スヴェミルコ・オーディオビジュアル・アートプロダクションズ
出演:XiXi(シィシィ)、ウー・ファン(監督)、ニナ(XiXiの娘)、メデリック(XiXiの元夫)
「私は愛を畏れない生きることを愛しているから」
台湾出身のウー・ファン監督が、ベルリンで偶然出会った個性的な中国人ダンサー・XiXi(シィシィ)との絆を描き、2人の女性のみずみずしい生の在り様をとらえた本作が長編初監督となるドキュメンタリー。
台湾からヨーロッパに留学していたウー・ファン監督が、ベルリンで偶然出会った中国人のコンテンポラリーダンサーXiXi(シィシィ)。まるで自由な鳥のように踊っていた彼女の姿に強烈に惹かれた監督は、彼女の日常を撮影し始める。XiXiはヨーロッパを放浪しながら、ダンサーとして自由な魂を探す旅をし続けていた。ファンの眼には彼女の行動は羽ばたくことを恐れぬ野生の鳥のように美しく映った。一方で彼女は離婚した元夫のメデリックと連絡を取り、会うことが許されている娘・ニナに対しては母として、惜しみなく愛情を注いでいた。しかし過去の人生には癒されぬ深い疵が潜むのをカメラは捉え始めていく。それは、ファン監督自らの家族のトラウマとも向き合うきっかけにも…。
7年をかけて製作された本作は、ウー・ファン監督の初長編作品としてホットドックス国際ドキュメンタリー映画祭や台湾金馬奨といった映画祭で共感と感動が拡がり、日本に上陸。一人の表現者として、女性として、母として、様々な社会的役割の狭間でもがくXiXiの姿は、現代社会を生きる女性たちの悩みや迷いだけでなく、これからの時代を生き抜こうとする力強いアイコンとして強烈な印象を与える。XiXiとウー・ファン監督の絆から生まれた本作は、世界中で再度燃え上がり始めたフェミニズムの運動や女性観の意識が高まりつつある今、生まれた瑞々しいシスターフッド・ドキュメンタリー。
この作品は、多国籍な女性スタッフが終結し、文化や国境を越えた共有感で作り上げられた作品。台湾出身のウー・ファン監督を支えたのは、フィリピン出身のプロデューサー、ベニス・デ・カストロ・アティエンザ。ファン監督とヨーロッパの映画大学で知り合ったベニスは、本作の企画段階から携わり撮影にも参加。主人公であるXiXiとも信頼関係を築きながら、本作の完成、その後の世界展開に導いた。作品の製作過程でスタッフも徐々に集まり、韓国からはプロデューサーのジョ・ソナとハ・ヨンス、そして音響のコ・ウンハ。編集のアンナ・マグダレーナ・シュレンカーはコロンビア出身、音楽を担当したグレッチェン・ジュードはアメリカ出身。XiXiという個性的だけど、普遍的なテーマも抱える女性を主人公とした本作は、文化や国境を越えた女性たちのチームが紡いだ結集ともいえる。
自由な魂を求めて旅を続けるXiXiの日常を通して、監督自らのトラウマにも向き合った7年間。ふたりは家族、住んでいた場所などのしがらみから抜け出すためにヨーロッパに行ったのかもと思う。私自身、自分の思いややりたいことは、自分が生まれ育った場所では制約があって自由に行動できないと感じていた。私は家を出て一人暮らしを始めたことで、少しクリアできた。でも仕事場ではかなり自分を押し殺していた。自由に自分の思いを話したり伝えることはできなかった。時代も違うけど、この二人はよりグローバルに活動するため国を飛び出した。
XiXiは、フランス人と結婚することで中国を飛び出し、さらに夫と離婚することで、自分の表現を広げた。事実、夫は彼女のパフォーマンスに対して、いろいろ言いたいこと、娘に悪影響があると考えていたりする。でも、XiXiは自分の身体を使い、自分の意志をダンスに込め、自分の行動を進める。娘もそれに対してけっこう冷静にみている。二人は中華圏の、ひいてはアジアの家父長制、あるいは男性から見た女性観から自由になる。2人の女性のみずみずしい生の在り様をとらえたドキュメンタリー。
XiXiの表現スタイルを観て、「イトー・ターリ」というパフォーマンス・アーティストのことを思いだした。XiXiと同じように世界のあちこちで身体を使ってパフォーマンスしていた。1951年生まれで、東京出身。彼女は2021年に亡くなってしまったが、1973年から身体表現、「身体が介入するアート[」に関心を持ち、パントマイムを学ぶ。1982年から1986年にオランダでパフォーマンスを学んだ。その期間から、フェミニズムやセクシャル・マイノリティの人権について考えはじめ、1996年にはパフォーマンス《自画像》でレズビアンとカムアウトし、公演を続けていた。「越境する女たち21」展というのも実施している。(ウイキペディアより) 彼女は筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症し、70歳で亡くなったが、日本にもこのような方がいたというのを知ってもらいたい(暁)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AA
山上千恵子監督が『ディア ターリ』(2000)というドキュメンタリーを製作している。
https://wan.or.jp/article/show/6902
https://sisterwave.exblog.jp/4731920/
公式HP https://xixi-movie.com/
2024/台湾、フィリピン、韓国/中国語、英語、フランス語/100分/カラー/5.1ch/DCP
配給・宣伝:テレザ、ノンデライコ
2026年04月02日
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください


