2026年03月12日
蒸発 原題:Johatsu - Die sich in Luft auflösen
監督:アンドレアス・ハートマン & 森あらた
撮影:アンドレアス・ハートマン
編集:カイ・アイアーマン(BFS)
⾳楽:ヤナ・イルマート & ⽵原美歌
⾳響:ニルス・フォーゲル リヌス・ニックル
プロデューサー:アンドレアス・ハートマン
共同プロデューサー:森あらた
日本では毎年約8万人が失踪し、
そのうち数千人が完全に消える
日本では毎年、約8万人が失踪する。その多くは帰宅するが、数千⼈は完全に姿を消してしまう。本作は、その「蒸発者」と呼ばれる人たちのことを、ドイツ人映画作家のアンドレアス・ハートマンと、ベルリンと東京を拠点に活動する映像作家の森あらたの二人が追ったドキュメンタリー。
蒸発する理由は、⼈間関係のトラブル、借⾦苦、ヤクザからの脅迫など様々。いわゆる「夜逃げ屋」の手を借りる者もいる。それまでの生活をすべて捨て、どこか別の場所で、新しい人生を始める。
なお、本作では、出演者たちの身元を保護する目的で、AI技術を用い一部の顔や音声を加工している。
これまでのしがらみから解き放たれて、自由になりたいという思いで「蒸発」する人には、それぞれに切羽詰まった事情もあるのだと思います。ですが、残された家族にとっては、事故に遭ったのか、なぜ家族を捨てたのか・・・等々、様々な思いがよぎるでしょう。そして、自由になりたいと蒸発したなれの果てが、ホームレスだったり、西成の安宿で暮らす日雇い労働者だったりというのは、悲しすぎます。
本作では、経験を活かして「夜逃げ屋」になった人も取材に応じていました。「夜逃げ屋」が仕事として成り立つというのも悲しいです。なにより、一見平和と思える日本で、これほどまで多くの人が「蒸発」することを選んでいることに驚きました。(咲)
本作でも自殺を考えたという方がいました。戻ってこない中には、ほんとに実行してしまった方もいるだろうなと胸が痛いです。AIによると、2025年の日本の自殺者数(暫定値)は1万9,097人で、統計をとってから初めて2万人を割ったそうです。特記したいのは、若者の死因の第1位は自殺。40代になって初めてガンがトップになります。
辛さから逃げるのは卑怯でしょうか?恥でしょうか? 蒸発する人は残された家族がどんなに苦しむか想像する余裕がないのでしょう。困窮する人が追い詰められる前に、誰もが相談できるシステムを社会は作ってください。周りの人を大切にして孤立しないでください。死ぬのはリセットではありません。いつかは死ぬけど今ではないと、ともかく生きていて、やり直して。おちついたら家族に連絡を。映像の中には長く疎遠だった家族に再会する人もいました。
生き続けてよかった、と思えるときがあれば人生それでいいのではありませんか?
ただ、ここまで戦後が続いた日本で生きづらい人、不幸せな人がじわじわ増えている気がします。(白)
◆初日舞台挨拶◆
3月14日(土) 14:35の回上映後
ゲスト:アンドレアス・ハートマン監督&森あらた監督ほか予定
3月14日(土) 16:50の回上映後
ゲスト:アンドレアス・ハートマン監督&森あらた監督
2024年/ドイツ・日本/カラー/DCP/86分
制作:Ossa Film
共同制作:Mori Film バイエルン放送(BR)
助成:ドイツ連邦政府文化メディア庁(BKM) Film- und Medienstiftung NRW
配給:アギィ
公式サイト:https://aggie-films.jp/jht/
★ 2026年3月14日(土)より東京・ユーロスペースほか全国順次公開
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