2019年03月24日

武蔵野 江戸の循環農業が息づく

ポレポレ東中野にて3月23日~4月5日公開 連日朝10時より
フォーラム山形では3月22日から28日まで 連日朝10時より

musashino.jpg

(c)映画「武蔵野」製作委員会

監督:原村政樹
プロデューサー:鈴木敏夫
撮影:原村政樹

『海女のリャンさん』(2005年)、『いのち耕す人々』(2008年)、『天に栄える村』(2013年)、『無音の叫び声』 (2018年)など、長い間、地方に息づく自然や農業の営みとそこに生きる人々を撮ってきた原村政樹監督。
今度の作品は、40年以上前から住む地元川越や所沢などの武蔵野地域で360年以上続けられてきた江戸の循環農業と農家の人々の生活に密着したドキュメンタリー。都心から30キロ圏内の武蔵野地域。都市化が進んだ地域で続いている農業の営みを追っている。

HPより

原村政樹監督メッセージ
なぜ、映画「武蔵野」を創ったのか
私はこの映画の舞台のすぐ近くに40年以上前から暮らしてきました。いわば私のふるさとです。しかし、この地で360年以上途切れることなく続けられてきた江戸の循環農業が今も息づいていることを知っている人は地元でも少ないのが現状です。そして年々、「ヤマ」と呼ばれる日本最大の平地林が徐々に減少しています。
何事も激変する現代社会にあって、この地の農家の人たちは時代に対応しつつも、変えてはならに貴重な「農の文化」を、しなやかに守り続けてきたのです。それは日本だけでなく世界中の人々にとっても、人類の遺生きた遺産として、後世に残したい宝物だと思えてなりません。
長年、農業をライフワークにドキュメンタリー映画を創り続けてきた私にとっても、これほど若い農業後継者が育っている農村は他に知りません。人間のいのちの根底を支える食べ物を育てる農業の未来は、この地で受け継がれてきた江戸の循環農業にヒントが隠されていると思えます。それは人が暮らす地域の自然環境を大切に守り育てる営みがあるからです。
いくら経済の成長を求めても、暮らしの中で自然環境との共生を無視した生き方には未来はありえません。人間も動物である以上、自然に生かされているからです。
私はこの映画で、そのことを伝えつつ、農業と一体となった武蔵野の雑木林、つまり「ヤマ(平地林)」を日本の大切な文化として未来永劫残すための力になりたいと、全力で創り上げました。

市民参加の落葉掃き(引き)補正.jpg

(c)映画「武蔵野」製作委員会


原村政樹監督 経歴
1957年生まれ。10代後半から川越市在住。2004年長編ドキュメンタリー映画「海女のリャンさん」で文化庁文化記録映画大賞・キネマ旬報ベストテン第一位受賞。2006年「いのち耕す人々」キネ旬第五位、2008年「里山っ子たち」」キネ旬第三位、2013年「天に栄える村」キネ旬第四位。2012年ETV特集「原発事故に立ち向かうコメ農家」農業ジャーナリスト賞、2013年NHK新日本風土記「川越」で江戸の循環農業を紹介。2015年「無音の叫び声」では映画と同時に書籍を出版、映画と著書が「農業ジャーナリスト賞」W受賞。

ポレポレ東中野 上映後の舞台挨拶
3月23日・30日 : 原村政樹
3月24日 : 鈴木敏夫(プロデューサー)

公式HP http://www.cinema-musashino.com/index.html

2017年 日本
配給 映画「武蔵野」製作委員会
posted by akemi at 21:18| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月23日

リヴァプール、最後の恋(原題:Film Stars Don't Die in Liverpool) 

liverpool.jpg

監督:ポール・マクギガン
脚本:マット・グリーンハルシュ 
原作:ピーター・ターナー 「Film Stars Don’t Die in Liverpool」 
エンディングソング:エルヴィス・コステロ「You Shouldn’t Look At Me That Way
出演:アネット・ベニング、ジェイミー・ベル、ジュリー・ウォルターズ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ

1981年9月29日、ピーター・ターナー(ジェイミー・ベル)の元に、かつての恋人グロリア・グレアム(アネット・ベニング)がイギリスのランカスターのホテルで倒れたという知らせが届く。慌てて駆けつけると、グロリアは治療を拒否し、「リヴァプールに行きたい」と懇願する。ピーターはリヴァプールにある自分の実家でグロリアを療養させることにした。
2人が出会ったのは数年前に遡る。20代のピーターは駆け出しの若手舞台俳優で、50代のグロリアは落ち目の映画スターだった。年齢差があったものの、2人は恋に落ち、ニューヨークで暮らし始めた。しかし、ピーターがイギリスから舞台出演のオファーを諦めようとしたことをきっかけに、2人の関係は終わりを迎えた。
しかし、病に倒れたときにグロリアが頼ったのは家族ではなく、ピーターだった。彼はアメリカの主治医に連絡を取り、病状を確かめ、グロリアの死が近いことを悟る。そして、彼女と楽しく過ごしていた頃を思い出しているうちに、グロリアがリヴァプールに拘り続けた理由に気が付いた。


イギリスの舞台俳優ピーター・ターナーの回顧録を映画化。母子ほど歳が違う(29歳差)、恋の相手は往年の大女優グロリア・グレアム(1923-1981)。1950年代ハリウッドで活躍し、『悪人と美女』(1952)でオスカー助演女優賞に輝いた一方で、4度の結婚歴を持ち、4番目の夫は2番目の夫の息子(義理の息子)という自由奔放な私生活が物議を醸した。すべてが驚きの実話である。
作品ではグロリアの最後の数週間にスポットを当て、そこに2人の出会いや楽しい日々、悲しい別れを挟み込む。アネット・ベニングがペーターに惹かれるグロリアの少女のような可愛らしさと、病に倒れて衰弱していく様を見事なまでに演じ切っている。20年前からグロリアを演じたいと思ってきたそうだ。
ピーターの回顧録なので、基本的にはピーター視点で話が進むが、グロリア視点でもう一度見せる演出がある。より強くグロリアの真意が伝わってきた。だからこそ、ピーターが最後に用意したサプライズが切なく、胸にしみる。(堀)



原題は「映画スターはリヴァプールで死なない(死ななかった)」とでも直訳するのか。単なる”女優”でも”アクトレス”でもない。「銀幕のスター」といった煌びやかさ、ノスタルジーを帯びた言葉を連想させる上手いタイトルだ。
昔のTV名画座(?)で、初めてグロリア・グレアムを観た時の衝撃は忘れない。子ども心にも、あの下がった口角から「なんという魔性系の人だろう!」と目が釘付けになったものだ。白黒映画なのに鮮やかな色彩とフェロモンを感じ取った。以降、ハリウッド黄金時代のクラシック映画を観る度にグロリア・グレアムの姿を探し求め、『素晴らしき哉、人生!』にチョイ役で出ているのを見つけた時には小躍りしたものである。

長じて、敬愛するニコラス・レイ監督と婚姻中、先妻の息子と関係ができて結婚。通算4度の結婚歴を持つと知った時、子どもの頃の感覚は強ち(あながち)間違ったものではなかったと確信した。
そのグロリア・グレアムが、銀幕の第一線を去った後、ステージママだった母親(ヴァネッサ・レッドグレイブが好演)の故郷・英国の舞台へ出ていたことを本作で初めて知ることとなる。扮するアネット・ベニングは冒頭から深い小皺が刻まれ、たるみやシミの出た顔を臆することなく晒す。”老け役NG汚れ役NGスッピンNG”といったCMタレント化している何処かの国の女優とはまるで覚悟が違う本物の女優としての潔さを見せてくれる。

『リトル・ダンサー』、ジェイミー・ベルと聞いて、胸がキュンと締め付けられる人も多いのではないか。日本では未だに熱狂的ファンを持つ『リトル・ダンサー』の少年が、多くの役柄を経て大人になり、グロリアと親子ほども歳の離れた恋人役を演じる。
ジェイミー・ベルは素晴らしい俳優であると同時に不思議な立ち位置にいる人だ。ハリウッドの娯楽大作に出ても少しもメディア擦れした顔にならず新鮮さを保っている。一方、ラース・フォン・トリアといった作家性の強い監督作にも違和感なくはまる名優ぶり。本作では、大ベテランのアネット・ベニングに引けを取らぬ存在感を示す。弾ける若さとしなやかさ、米国進出への憧れ、野心、グロリアへの純粋な愛情、自分と同世代であるグロリアの夫(ニコラス・レイの息子)への同志友愛とでも呼ぶべき複雑な難役を見事に表現している。終盤は父性まで感じさせる名演に泪を禁じ得なかった。

本作は陽光瞬くハリウッドを舞台にした場面もあるが、リヴァプール訛りが濃厚なベルの実家に於ける描写、何時迄も、良い意味で”田舎の少年”的風貌を残すベルの繊細且つ丁寧な演技なくしては成立しなかった恋愛映画の秀作である。(幸)



2019年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/105分
配給:キノフィルムズ/木下グループ
© 2017 DANJAQ, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト:https://liverpool-movie.com/
★2019年3月30日(土)新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA 公開
posted by ほりきみき at 16:24| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月17日

ブラック・クランズマン(原題:BlacKkKlansman) 

black.jpg

監督・脚本:スパイク・リー
脚本:チャーリー・ワクテル、デビッド・ラビノウィッツ、ケビン・ウィルモット
撮影:チェイス・アービン
音楽:テレンス・ブランチャード
出演:ジョン・デビッド・ワシントン(ロン・ストールワース)、アダム・ドライヴァー(フリップ・ジマーマン)、ローラ・ハリアー(パトリス・デュマス)、トファー・グレイス(デビッド・デューク)、ヤスペル・ペーコネン(フェリックス)

1970年代半ば、アメリカ・コロラド州コロラドスプリングスの警察署に、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワースは、捜査のために電話で白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)のメンバー募集に応募する。黒人であることを隠して差別発言をまくし立てた彼は、入会のための面接に進み、彼の代わりに白人の同僚刑事フリップ・ジマーマンが面接に向かう。 

昨年のカンヌ国際映画祭で是枝監督の『万引き家族』にパルム・ドールに次ぐグランプリを受賞したスパイク・リー監督作。円熟期にして最高の快作と言えるのではないか·。サスペンスの体裁を取りつつハラハラドキドキさせると共に、笑いとウィットに富んだ会話劇でもあり、試写室は終始笑いとどよめきに包まれていた。 
オスカーを受賞したリーの手による脚色は、ノンフィクション原作から自由な翻案が成されており、娯楽と社会性が絶妙なバランスで活かされている。
ブラックパワーの潮流が高まっていた時代背景なればこそ、『黒いジャガー』『スーパーフライ』といったブラック・シネマへの言及も忘れない。逆に、KKK団の集会では、グリフィスによる『國民の創生』が上映され、「彼女は酷い目に遭ってしまうのよ」などと役柄に同化して涙する幹部夫人の描写には笑ってしまう。しかし、この時に泣いていた白人妻が実は後半に隠れたキーパーソンとなる点にご注目願いたい。
28年前『マルコムX』でデンゼル・ワシントンとタッグを組んだ頃のリー演出は生硬で主義主張の押し付けが観られた。今回、息子のジョン・デヴィッド・ワシントンとは、いい意味で肩の力抜けたコンビになっており、父子二代によるタッグというのも感慨深いものだ。
個人的には、KKKの構成員役であるポール・ウォルター・ハウザーやトファー・グレイス、いい味のおばちゃんアシュリー・アトキンソン、フィンランド人俳優のヤスペル・ペーコネンといった白人俳優の好演が本作を支えていると感じた。(幸)


アダム・ドライヴァーの出演作なので外さず、主演はデンゼル・ワシントンの息子というので注目しました。ロンは軽く見えるけれど頭の回るキャラ、アフロヘアに目がいってしまいますが、父親に顔立ち似ています。父親を引き合いに出さないで、というのはしばらく無理かもしれないけれど、いい俳優さんになりますように。
ほんとにこんな話があったのか!?と驚いてしまうのですが、リー監督がぞんぶんに脚色の腕をふるったようです。そのへんを町山智弘さんが詳しく解説しています。ほりきさんが頑張ったレポ記事はこちら、長いですがぜひご覧下さい。
第91回アカデミー賞で6部門にノミネート、脚色賞を受賞。第71回カンヌ国際映画祭でグランプリ。ということで観てけっして損はありませぬ。(白)


2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/135分
配給:パルコ
(C)2018 FOCUS FEATURES LLC, ALL RIGHTS RESERVED.
http://bkm-movie.jp/
★2019年3月22日(金)TOHOシネマズシャンテほか潜入捜査開始!
posted by shiraishi at 19:55| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

漂うがごとく(原題:Choi voi 英題:Adrift)

tadayou.jpg

監督:ブイ・タク・チュエン
脚本:ファン・ダン・ジー
撮影:リー・タイ・ズン
音楽:ホアン・ゴク・ダイ
出演:ドー・ハイ・イエン(ズエン)、リン・ダン・ファム(カム)、ジョニー・グエン(トー)、グエン・ズイ・コア(ハイ)

ハノイに住む通訳のズエンは、2歳年下のタクシー運転手ハイと出会って3ヶ月でスピード結婚をした。披露宴でハンは酔いつぶれ、ズエンは初夜に1人で眠るはめになる。義母は息子をズエンに盗られた気がして、なにかと世話を焼きたがる。それから何日も、ハイは仕事に疲れて帰っては子どものように眠るだけだった。ズエンは友だちのカムに頼まれて、彼女のボーイフレンドのトーを訪ねていくが、家に着いたとたん、ズエンはトーに襲われてしまう。

現代のハノイが舞台。じっとりとした空気と街の暑さが感じられる作品。出てくる男たちが皆どこかダメです。支える女たちも決して満足しているわけではなく、愛情を求めて漂っています。すれ違う新婚の夫婦、祖父母の秘められた過去、闘鶏に夢中の父としっかり者の娘、危険な男と引き寄せられる女たち・・・それぞれのカップルがハノイの街で息づいていました。繊細な東洋とハイカラな西洋が混ざり合ったような街です。
薬草の蒸し風呂に入るカムとズエン、布越しのシルエットが官能的。母親が自分のために刺繍した花嫁衣裳をズエンに贈ったカム、彼女が愛したのはトーではなく、ズエン?説明が少ない分想像が拡がりました。第66回ヴェネツィア国際映画祭の国際批評家連盟賞を受賞。(白)


新婚のズエンが、友だちの彼であるトーに最初は襲われる形だったのに、だんだん危険な匂いのするトーに惹かれていきます。(白)さんが書いているように、カムとズエンの関係も不思議。まさに漂うがごとく、思うがまま行動していて、ベトナム女性もなかなか凄い!と唸りました。(咲)

2009年/ベトナム/カラー/106分
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
(C)Vietnam Feature Film Studio1,Acrobates Film
http://mapinc.jp/vietnam2films/
★2019年3月23日(土)新宿K'sシネマにてロードショー
posted by shiraishi at 18:15| Comment(0) | ベトナム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ベトナムを懐(おも)う(英題:Hello Vietnam)

vietnam.jpg

監督:グエン・クアン・ズン
脚本:タイン・ホアン、タイ・ハー、グエン・クワン・ユン
撮影:グエン・チン・ホアン、ジェップ・テー・ビン
美術:ラ・バグズリー、レ・ゴック・クオック・バオ
音楽:ドゥック・チー
出演:ホアイ・リン(トゥー)、チー・タイ(ナム)

1995年のニューヨーク。トゥーはベトナムの農村で生まれ育ち、幼馴染と結婚し、つましく暮らしてきた。妻が亡くなって、アメリカに渡った息子グェンの元にやってくるが、同居は叶わずに老人ホームに入居する。たった一人の孫娘タムはアメリカ生まれで、習慣・価値観の全く違う祖父に懐いてはくれない。妻の命日にホームを抜け出したトゥーは、親友のナムを誘い二人だけで伝統的な供養をする。そして、トゥーを怖がっていたタムの本心を初めて聞くことになった。

ベトナム人家族3世代の故郷への思いを綴った作品。トゥーが思い出すのは、緑深く陽光が降りそそぐ故郷。今は暗い空から雪が舞うニューヨークに住んでいます。この対比に望郷の思いが伝わってきます。トゥーの胸の中にある故郷はいつも美しく輝き、味わったはずの苦労は時間が薄めてくれています。
孫娘のタムにとって、ベトナムは見知らぬ外国に過ぎません。祖父のトゥーがよかれと思って伝える習慣も、押し付けにしか思えず、いやでたまりません。真ん中の世代のグェンが、父と娘タムの間の大きな溝を埋める役割、架け橋にならなければいけないのに、と疑問が浮かびます。グェンには故郷を忘れてしまいたい理由がありました。タムがあまりに頑なに祖父を拒否するのも不思議でしたが、このわけも後でわかります。タムのボーイフレンドがごく普通に接するのが救いでした。
異なる世代の思いが理解されず、すれ違ってしまうのは現代でも起き得ること。まず「何故?」と相手を知ろうとすること、自分の心を開くことですよね。(白)


息子グェンのもとに行った父トゥーはなかなかアメリカの生活に馴染めないのに、母の命日にさえ、グェンは仕事で忙しくて家にいられません。アメリか育ちの孫娘タムからは、家の中で火を使う命日の儀式を拒否されてしまいます。こんな祖父と孫娘のやりとりに、いらっとしてしまいます。
2017年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映された折に来日したグエン・クアン・ズン監督が、「間違っているのでなく違うのだと、それぞれの世代に感情移入して観ていただければ」と語っていたのを思い出します。息子グェンは、1975年のベトナム南北統一で、ボートピープルとしてアメリカに渡った人物。物語の最後には、離れなければならなかった故国を思う気持ちがじんわり伝わってきました。(咲)


雪のニューヨークでベトナムを想う家族 ベトナム戦争の影は今も
ボートピープルとしてアメリカに渡ったグエンの思い、アメリカで生まれた娘タムの思い、ベトナムに残ったけどアメリカに呼び寄せられた祖父トゥーの思い、世代や文化のギャップの相容れない状態が最初描かれるけど、そこから彼らがかかえた切ない背景へと迫り、最後はそれぞれが祖国を想う切なさが描かれる。それに感動しました。
本作はベトナムで1990年代から演じられてきた舞台を映画化した作品。劇中で歌われるのは、戦いへ赴いた夫を待つ妻の切なさを歌ったもので、その歌のタイトル「Dạ Cổ Hoài Lang(夜恋夫歌)」がベトナムでの原題だそう。
本作の監督は『超人X』や、韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』のベトナムリメイク『輝ける日々に(「サニー」ベトナム版)』のグエン・クアン・ズン監督。いまやベトナムのヒットメーカーです。これらは大阪アジアン、アジアフォーカス、東京国際映画祭で紹介されました。
それにしてもグエンはベトナムから父トゥーを呼び寄せたのに老人ホームに入れてしまうし、母の命日にもその弔いの催しもしない。一緒に暮らす余裕もないのに親を呼び寄せるということがよくわからなかった。父親にこんな思いをさせるくらいなら、ベトナムにいたほうが幸福だったのではとも思う(暁)。


グエン・クアン・ズン監督.jpg
グエン・クアン・ズン監督(2018年東京国際映画祭にて)


2017年/ベトナム/カラー/シネスコ/88分
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
(C)HKFilm
http://mapinc.jp/vietnam2films/
★2019年3月23日(土)新宿K'sシネマにてロードショー

◎公開初日にはスペシャルトークイベントが決定しました。
SPゲストに元「アイドリング!!!」の創設メンバーとして活躍し、現在も女優として活動中のベトナム出身の美人女優・フォンチーさんが登壇します。
posted by shiraishi at 17:54| Comment(0) | ベトナム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする