2020年12月28日

チャンシルさんには福が多いね(原題:Lucky Chan-sil) 

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監督・脚本: キム・チョヒ
撮影: チ・サンビン 
編集: ソン・ヨンジ 
録音: パク・ジョンウ 
音楽: チョン・ジュンヨプ
主題歌: イ・ヒームーン
出演: カン・マルグム ユン・ヨジュン キム・ヨンミン ユン・スンア  ぺ・ユラム

ずっとプロデューサーとして支えてきた映画監督が打ち上げ宴会中に急死。これを機に失職して、何もかも失ってしまったチャンシルさん。映画だけに捧げてきた人生、気がつけば男も子供も家もなし、もちろん青春なんていまいずこ。そんな八方塞がり、アラフォー女子のチャンシルさんに、ある日突然、思わぬ恋の予感が…。

主人公は監督が急死して仕事を失い、それをきっかけに自分は何がしたいのかを悩みます。キム・チョヒ監督はもともと監督志望でしたが、自分より映画作りに向いている人がいるならその人のサポートに徹して映画作りに全力を尽くそうと考え、ホン・サンス監督のプロデューサーに。『ハハハ』や『ソニはご機嫌ななめ』『自由が丘で』などを担当しました。しかし映画作りの夢が捨てきれないことに気づき、41歳でプロデューサーを辞めてカナダに渡り、自分を見つめ直しました。主人公の葛藤は監督自身の葛藤と重なります。
主人公を演じたカン・マルグムは一般企業で働いた後、30歳で演劇の世界に入り、2007年『コメディア』で舞台デビューしました。短編『自由演技』(2018/キム・ドヨン監督)でワンオペ育児に疲れた俳優役を演じたのをキム・チョヒ監督が見て、本作に繋がりました。カン・マルグムもいろいろ迷った末に会社を辞めたのかもしれません。
自分が何をやりたいのか。分かっている人は少ないのではないでしょうか。それでも生きていくしかないのなら、自分にも他人にもちゃんと向き合って丁寧に生きていれば、きっとそれが何かに繋がっていくはず!迷っている人の背中をそっと押してくれる作品です。

ところで、主人公だけに見える、自称レスリー・チャンの幽霊を演じたキム・ヨンミンは本作で第56回百想芸術大賞・映画部門の助演男優賞にノミネートされました。残念ながら受賞は逃しましたが、同時に「夫婦の世界」でテレビ部門の助演男優賞にもノミネートされるという快挙を遂げています。白いシャツと下着姿は『欲望の翼』のレスリー・チャンを真似ているもののイマイチダサいのですが、洋服を着ているときは結構カッコいいです。Netflixで話題になったドラマ「愛の不時着」では耳野郎と呼ばれる盗聴係を演じて注目を集めましたし、これからブレイクしていくのかも。今後は要チェックです!(堀)


アラフォーのキム・チョヒ監督の体験を元にしたオリジナル作品だそうです。プロデューサーをなさっていたんですね。
劇中に白いランニングシャツにトランクスの「レスリー・チャン」が登場します。演じているのは、キム・ヨンミン。ここで、監督は香港映画好きで、レスリーファンに違いない!と確信しました。香港映画ファンなら画面に登場したとたん、どよめくか爆笑するはずです。髪型や衣裳が似ていても「レスリーじゃない」と真正レスリーファンは言うでしょうが、いないんですから無理言わないのっ。
ともかく彼は迷えるチャンシルさんに何かと金言を与えてくれます。仕事がなくなって何も残っていない、と失望していたチャンシルさんは、あれ?意外に「福」があるじゃん、ってことに気がついていくんです。いやネタバレじゃないですよ。これだけわかってても、「あるある」と、あちこちに共感できる作品です。あなたの周りの福にも気がつきますように。(白)


レスリー・チャンの追っかけ仲間(今や、未亡人会?)のLINEで、「映画館で、僕はレスリー・チャンと、なに~?なセリフがある予告見たんだけど」と話題に。
気になるレスリー迷は、まずはこの予告編を見てくださいませ。
https://youtu.be/L_gHX3Q2U9g
レスリーと名乗る彼に、「うそでしょ、全然似てない」とチャンシルさん。
眉毛をキッと描いて、キム・ヨンミンがそれなりにレスリーに見えます。(苦笑)
そして、「3時に人に会う約束なので」と出かけていきます。『欲望の翼』を観た人なら、思わずクスッとするでしょう。
韓国映画や韓国ドラマでは、いまだにレスリー・チャンやチョウ・ユンファのパロディが出てきて、日本よりも香港映画人気が根強いのを感じます。欧米スターも交えた人気外国人スターの20位以内に入るのもこの二人。『男たちの挽歌』はじめ香港映画を観て育った4~50代位の人たちが、脚本家や監督になって、盛り込んでいるようです。「花様年華」というドラマでも『欲望の翼』のリバイバル上映を観に行く場面があるとか。
似てなくても、いつまでも話題にしてくれるのはファン冥利に尽きます。(咲)


この作品は、2020年3月の大阪アジアン映画祭で初めて観た。会場はほぼ満員。あの『欲望の翼』のランニングとトランクス姿のレスリー(らしき人)が出てきた時、会場がドッと沸いた(笑)。そして彼が出てくるたびに会場では苦笑が。うれしい反面、全然似ていないという思いがあったみたい。でも香港ファンも多かったので、みんな嬉しそうだった。それにしても、監督が突然亡くなってしまい無職になってしまうというのは、映画界「あるある」だなと思った。そして、とりあえず後輩の女優の家で働き、知り合ったフランス語家庭教師。彼も映画を作る人だった。チャンシルさんは彼に興味をもち、彼も自分に関心があるのではと勘違いして行く姿が、可笑しくもちょっと寂しかった。
この中で印象的だったのは、長い階段を昇って、坂の上のほうにある家に引越しするシーン。何人かの人たちに手伝ってもらうくらいの荷物しかもっていなかったのだろうか。その後、何度もその坂を上ったりさがったりして移動する姿に、こんなところに住んだら大変そうと思いながら観ていた。尾道みたいなところなんだろうか(暁)。


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2019年/韓国/96分/韓国語/カラー/DCP・BD
配給:リアリーライクフィルムズ + キノ・キネマ 
配給協力: アルミード
© KIM Cho-hee All RIGHTS RESERVED/ ReallyLikeFilms
公式サイト:https://www.reallylikefilms.com/chansil
★2021年1月8日(土)、福いっぱいの新春ロードショー!
ヒューマントラストシネマ渋谷・ヒューマントラストシネマ有楽町 他にて


☆映画公開日の 1/8(金)限定で福袋発売!
ヒューマントラストシネマ渋谷・ヒューマントラストシネマ有楽町の劇場窓口および webサイトにて4,000 円で発売予定。
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☆公開を前に特別映像を一挙お披露目!
【主題歌「チャンシルさんには福が多いね」ミュージックビデオ】
 https://youtu.be/Q9c0uc7M4mE
【ショートショート5編】
「あなたは誰? 」https://youtu.be/c-vQnxDAY0A
 出演:キム・ヨンミン
 白のランニングシャツにトランクスという出立で現れた男は誰?
「帰省」 https://youtu.be/cCgiLdq09Jo
 出演: カン・マルグム
 帰省バスのチケットを買ったチャンシル。バスが来るまでの間、母親に電話するも、奇妙なリクエストばかり。
「宇宙から」 https://youtu.be/glZajl8DNfw
 出演:キム・ヨンミン
 まるでどこかの新興宗教の教祖のような、謎のメッセージを繰り返す、白いランニングシャツにトランクスの男。
「福探し」 https://youtu.be/iwhBMw4JtTE
 出演: カン・マルグム
 どこかの国営放送のような女性アナウンサーが、笑顔で緊急アナウンス。
「良いお年を」 https://youtu.be/lDx_T3S6BVI
 出演: カン・マルグム
 まもなく到着するバスを待つチャンシル 。こちらに向かって謎の微笑み。
posted by ほりきみき at 16:48| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月27日

ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画  原題:Mission Mangal

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監督:ジャガン・シャクティ
脚本:R・バールキ
音楽:アミット・トリヴェディ
出演:アクシャイ・クマール、ヴィディヤ・バラン、タープスィー・パンヌー、ソーナークシー・シンハー、シャルマン・ジョシ、ニティヤー・メネン、キールティ・クルハーリー

アジア初、火星探査機打上げ成功に導いた科学者たちの実話に基づく物語。

2010年、インド・ベンガロール。宇宙事業の命運をかけたロケットの打上げが失敗に終わる。チームリーダーのラケーシュ(アクシャイ・クマール)やプロジェクトディレクターの女性科学者タラ(ヴィディヤ・バラン)は、火星探査プロジェクトという実現不可能と思われている部署に異動させられる。事務所は埃だらけ、配属されてきたのは経験の浅い人材ばかりだった。女性も多い。それぞれに人生の問題を抱えていて、可能性のないプロジェクトには力が入らない。ラケーシュが会議で不在だったある日、タラは科学者としての誕生日パーティを企画し科学者になりたいという夢を抱いた時のエピソードを語る。皆それぞれに初心を思い出し、一丸となって火星探査機打上げを目指す・・・

映画は、朝、家事に追われる主婦の姿で始まります。夫や子どもの世話をして、やっとの思いで車で出かけた先は、なんと宇宙センター。サリー姿でご出勤。しかも、この日は、国民が見守る大事なロケット打ち上げの日。そのギャップにまず驚かされます。
火星探査プロジェクトの研究現場で、小さなロケットでも探査機を火星に送る方法を思いついたのも、プーリー(揚げパン)を揚げる時に予熱を利用するという主婦の知恵からでした。
最後に映し出される実在のチームの写真も、半数近くが女性たち。さすがゼロを発見したインド! 理科系に強い人たちが多いのですね。
宇宙開発の場で活躍した女性たちというと、アメリカ映画『ドリーム』(2016年 )を思い出します。計算係として下支えした黒人女性たちの物語でしたが、原題の「Hidden Figures」が示す通り、まさに表に出ない人たちでした。でも、インドでは、ちゃんと表舞台で女性科学者も活躍している様子が見てとれて素晴らしいなと思いました。

本作を手がけたのは、『パッドマン 5億人の女性を救った男』の製作チーム。監督を務めたR.バールキが脚本を担当。助監督だったジャガン・シャクティが今回、監督を務めています。主演を演じたアクシャイ・クマールが、今回も火星探査プロジェクトのチーム・リーダーとして登場。でも、なんといっても目立つのは女優たち。特にタラを演じたヴァディヤ・バランは、『女神は二度微笑む』の偽妊婦姿が圧巻でしたが、今回は肝っ玉母さん風。
研究所で皆で踊る場面もインド映画ならではのサービス♪ (咲)


パッドマンの主演だったアクシャイ・クマールが今度はヒロインのタラの上司役。集められた女性たちは最初バラバラで大丈夫?と思ったものの、心配無用。個性豊かで、実は有能な女性たちでした。男性には思いつかないようなアイディアで低予算の研究をものにし、本当にロケットを打ち上げてしまいます。チャンスと活躍の場さえあれば、「女性が輝く社会」は作れるという見本。
お題目だけかがけてちっとも前進しない日本。ジェンダーギャップ指数(2020年)が発表になって愕然としましたっけ。経済・教育・保健・政治の4つの分野の男女格差を示す指数です。日本は153か国中121位とこれまでの最低で年々下がる一方です。この映画の舞台のインドは今年108位。
一覧はこちらです。出生率が下がったとか、生産性がないですって?男性が家事育児に参加して、女性に門戸を開き、進出を阻まなければ世の中変わりますよ。(白)


アメリカの宇宙開発を描いた『ドリーム』で、宇宙開発の現場で働く女性たちが紹介されたけど、こちらの映画ではインドの宇宙開発現場で働く女性たちが出てきた。インドの映画で、科学の分野で活躍する女性たちのことを描いた作品は、あまりないと思うし、実際働いている人も少ないとは思うけど、この作品を観て、日本ではどうなんだろうと思った。確かに向井千秋さんや山崎直子さんなど、名の知れた宇宙飛行士の方はいるけど、宇宙航空研究開発機構 JAXA(ジャクサ)や宇宙産業の技術部門などで働く女性の実態となると、きっと中国やインドなどより女性の比率は少ないのだろうなあと思う。日本でロケットが発射される時、宇宙センター内の様子がTVで写ることがあるけど、女性の姿はほとんどないものね。それでも調べてみたら、日本でも少しづつ宇宙科学の分野で働く女性科学者は増えているみたい。
この映画に出てくるインドの女性たちは、宇宙開発の分野では地味な分野である火星と向き合い、それでも工夫しながら嬉々として働いている。1960年代~70年代と比べると宇宙開発は、あまりニュースとして話題になっていないような気がするけど、着々と世界では開発されているのだろう。あるいは停滞しているのだろうか。でもこれだけ人工衛星や宇宙ステーションがいっぱい宇宙を漂っているところをみると、まあ滞在技術は進んでいるのでしょうね。夜、空を見ると、けっこう人工衛星が飛んでいるのを見ることができる(暁)。


インド宇宙開発チームが火星探査機打ち上げにアジアで初めて成功した実話を映画化しました。
主人公はアクシャイ・クマールが演じたプロジェクト責任者のラケーシュだと思いますが、作品は女性たちの活躍と葛藤が中心。女性ならではの生活の知恵によって少ない予算で計画を成し遂げていくサクセスストーリーは見ていて本当に楽しい。イマイチ本気になれない仲間たちにプロジェクト・リーダーのタラがこの仕事を志したきっかけを話し、仲間たちも初心にかえるくだりは見ているこちらまで胸が熱くなりました。ただ、「1日8時間勤務だと4年かかるが15時間働けば2年でいける」と話すタラには「それってブラックすぎるでしょ」とツッコミを入れたくなりましたけれど。
このサラは息子の宗教問題や娘の夜遊びに理解があります。残業して帰宅したとき、夜遅くなっても帰ってこない娘を夫が心配していると、夫を娘が遊んでいるクラブに連れて行き、一緒に楽しませて娘の夜遊びを認めさせてしまいます。仕事と家事を両立させた上でのスーパーウーマンぶりに驚きました。ジャガン・シャクティ監督や脚本を書いたR・バールキの憧れが込められているのかもしれません。
ところで、タラを演じたヴィディヤ・バランが『女神は二度微笑む』にも出演していたことは(咲)さんが書いているのを読むまで気がつきませんでした。「えっそうだったの?」と見返したところ、あの頃は妊婦の設定でありながら全体的にもう少しスレンダーな感じですね。すっかり肝っ玉母さん風になっていて、気がつきませんでした。(堀)


映画だから、最後には成功するってわかっていても、ハラハラドキドキ。現実にはそんなに上手くいくわけないって思っても、インドの実話が元ネタなので、単なる夢物語でもなく・・・。歌あり踊りありのサクセスストーリーは、インド映画の王道を行きつつも、女性科学者やオタクっぽい身近なキャラが、宇宙規模で大活躍するというスケールの大きな話で、うれしくなる。かなりくたびれたお爺さま科学者が、まだ50代との設定で、笑いました。(千)

2019年/インド/130分/G
配給:アットエンタテインメント
公式サイト:https://m-mangal.com/
★2021年1月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 17:49| Comment(0) | インド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月25日

Swallow スワロウ(原題:Swallow)

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監督・脚本:カーロ・ミラベラ=デイビス
撮影:ケイトリン・アリスメンディ
出演:ヘイリー・ベネット(ハンター)、オースティ・ストウェル(リッチー)

ハンターは裕福で優しい夫、リッチーと結婚して幸せ…なはずだった。しかし義父母からはあまり歓迎されず、肝心の夫は食事中も仕事の電話をし、ハンターの話にも上の空。豪邸に暮らしても話をする相手もなく、家事をするだけの毎日に孤独が募ってくる。そんなときに妊娠がわかり、夫も義父母も喜んでくれるが、ハンターの不安も寂しさも払しょくされることはなかった。ガラス玉を眺めているうちに、突然飲み込みたい衝動にかられてしまう。飲み込んだ後は自分が成し遂げたことに何とも言えない充足感があるのだった。ガラス玉に成功すると今度は画鋲、金具と危険な物に手を出すようになっていく。

内心「これはスリラーだったのか」「きゃー」と思いながら観ていました。こんな症状を異食症(いしょくしょう)といい、ストレスで感情や欲求がコントロールできなくなるのも一因だとか。心理療法で好転するようです。
妊娠すると精神的に不安定になりやすいものですが、ハンターの場合は家族がいながら不安を解消できません。家族との間に問題があるのではと、カウンセラーは彼女の生い立ちを聞き出します。何の問題もない、平気だと明るく振舞いながら実は大きな闇を抱えているハンターをヘイリー・ベネットが好演しています。シーンのたびに明るい色使いの衣裳で登場するハンターですが、独りぼっちで異物を飲みこむ彼女が痛ましい。高台に建つモデルハウスのような豪邸は、ハンターが捕らわれて誰とも交われない孤城に見えます。激昂して仮面がはがれる夫が怖かった。やっぱりスリラーかも。(白)


玉の輿に乗って幸せの絶頂にある主人公。ニューヨーク郊外に建つ、モダンで美しい邸宅は居間や寝室が全面ガラス張り。遠くまで見通せるのにそこから出られない。夫や義父母の重圧から精神的バランスを崩していく。他人事には思えない人はけっこういるのではないだろうか。主人公はひょんなことから異物を呑み込むことに快感を覚えてのめり込む。さすがにこの異食症の経験がある人は少ないだろうけれど、食べて排出したものを戦利品のように飾っている気持ちはわからなくはない。抱えるストレスが異物と一緒に排泄された気持ちになっているのではないだろうかと摂食障害を経験した者として感じた。
夫や義父母は主人公にカウンセリングを受けさせ、家事を代行する人を雇う。それは一見正しい対応のように見えるが、それよりも彼女の不安を受け止めてあげることが大事。もし、この作品を見て、周りに思いあたる人がいたら、その人の気持ちを受け止めてあげてください。(堀)


2019年/アメリカ・フランス/カラー/シネスコ/R15+/95分
配給:クロックワークス
Copyright (C) 2019 by Swallow the Movie LLC. All rights reserved.
http://klockworx-v.com/swallow/
★2021年1月1日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 13:41| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新感染半島 ファイナル・ステージ

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監督:ヨン・サンホ
脚本:パク・ジュソク ヨン・サンホ
撮影:イ・ヒョンドク
出演:カン・ドンウォン(ジョンソク)、イ・ジョンヒン(ミンジョン)、クォン・ヘヒョ(キム)、キム・ミンジェ(ファン軍曹)、ク・ギョファン(ソ大尉)、キム・ドゥユン(チョルミン)、イ・レ(ジュニ)、イ・イェオン(ユジン)

謎のウイルスの感染爆発でによって半島が崩壊してから4年。元軍人のジョンソクは、家族を救えなかった後悔を抱え、香港で身を潜めて暮らしていた。そんなジョンソクと義兄に、2度と戻らないはずの半島へ潜入して、残された大金を手に入れる仕事が舞い込んだ。半島はさらに増殖したゾンビと、それを追い回す凶暴な民兵集団の戦いで地獄のような有様だった。一度はつかまりながらも逃げ出したジョンソクは両方に追い詰められる。彼を助けたのは、生き残っていたミンジョンとその娘たち。ここから脱出するわずかな希望にかけて、共に戦うことになった。

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ヨン・サンホ監督は『新感染 ファイナル・エクスプレス』で初の実写映画、同じ年にその前日譚の長編アニメーション『ソウル・ステーション パンデミック』を送り出し、どちらもヒットしています。スピーディでドラマチックな展開に手に汗握った方も多かったことでしょう。
本作は、崩壊してしまった祖国から香港に逃げたジョンソクが半島に戻るはめになり、ゾンビだけでなく、もっと質の悪い人間たちに追われます。カン・ドンウォンが花美男(イケメン)っぷりを見せるまもなく、泥と血にまみれて闘い続けるのでファンの皆様は応援を。登場するゾンビたちは動きが速く、いつも飢餓状態なのでアクションが過激です。目を覆うような場面もあるので要注意。窮地に陥ったジョンソクに手を貸す母娘たちが、有能で、しかも強い!ロックダウンされた半島で生き抜いてきたのは伊達じゃない。母親も年端も行かない娘も車の運転技術は最高、銃の扱いもお手のもの、女性の活躍に溜飲がさがりますよ!乞うご期待!!(白)

★主演のカン・ドンウォンとヨン・サンホ監督のオフィシャルインタビューはこちらです。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』の続編ですが、登場人物に関連はありません。なので、前作を見ていなくても安心してご覧いただけます。
ゾンビものですが、ゾンビvs人間といった展開ではなく、理性のある人間vs理性を失った人間にゾンビが障害物として使われている感じといった方がいいかもしれません。極限状態に陥った人間の狂気はゾンビよりも怖い!
見どころはCG技術をたっぷり使って作り込まれたカーチェイス。ドリフトでゾンビを蹴散らしていく様は圧巻です。(堀)


2020年/韓国/カラー/シネスコ/116分
配給:ギャガ
(C)2020 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILMS.All Rights Reserved.
https://gaga.ne.jp/shin-kansen-hantou/
★2021年1月1日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 13:32| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

燃えよデブゴン/TOKYO MISSION(原題:肥龍過江 Enter the Fat Dragon)

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監督:谷垣健治
脚本:ウォン・ジン
製作:ドニー・イェン、ウォン・ジン、コニー・ウォン
出演:ドニー・イェン(チュウ・フクロン)、ウォン・ジン(シウサー)、テレサ・モウ(フォンワー)、ニキ・チョウ(ソン・ホーイ)、ルイス・チョン(ファン警視)、竹中直人(遠藤警部)、丞威(今倉)、渡辺哲(東野太郎)、バービーほか

かつて香港に凄腕の刑事がいた。その名はチュウ・フクロン。熱血なあまり大事な約束をすっぽかして、婚約者に去られてしまった。おまけに彼の活躍の後、街の被害は甚大でついに外回りから外され、資料室へ転属になってしまう。これまでと違う環境で暴飲暴食を続け、今や体重は倍に、120㎏のデブゴンとなった…。しかし、その刑事魂は消えてはいない。日本人の容疑者を東京へ護送する任務が課せられ、遠藤警部と協力して巨大な陰謀に立ち向かっていくのであった。

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「太っても強い」と言えば”デブゴン”です。我らがサモ・ハン御大を初めて映画で観たのは、カンフー・コメディ『燃えよデブゴン』(1978年)でした。そう、おんなじタイトルです。そして本作は、谷垣健治監督と主演・製作のドニー・イェンの、ブルース・リーとサモ・ハンへのオマージュが込められた作品とみました。香港のアクション映画をずっと観てきた身には、あの熱気が新しい味も加わって蘇った気がします。「あー面白かった!」と劇場を出たい方、これを見逃さないで。
ぽっちゃりというよりどっしり、に見える特殊メイクをすると、どれくらい重くなるのでしょう?谷垣監督にいろいろ伺ってみたかったのですが、今回取材の機会がありませんでした。残念。ドニー氏嬉々としてデブゴンになりきっています。
丞威(ジョーイ)さん、チェイニー・リン君のアクションにもぜひご注目ください。(白)


ドニー・イェンが演じるフクロンはポジティブで明るいキャラ。『イップ・マン』でドニー・イェンが好きになった身には同じ人間には見えませんでしたが、彼が嬉々として演じるので、見ているうちにいつの間にかこちらまで楽しくなってしまいました。
120キロの特殊メイクで作り上げたボディでもキレッキレのアクションを見せしまうところはさすがとしか言えません。クライマックスに東京タワーの鉄鋼部分で繰り広げるアクションはハラハラドキドキの連続です。
一般的には作品の途中で規格外に太った場合、元に戻って一件落着になることが多いと思いますが、本作ではそれはありません。ドニー・イェンの奥さまが「太っていることを否定するのはよくない。太っているとか痩せているという外見とその人の魅力は関係ない」と提案したからだそう。そして、監督も「太っていてもカッコいいものはカッコいいんだ」と言っています。
とはいえ、やっぱりいつもの体型でのアクションをご覧になりたい方へ。大丈夫です。冒頭の香港でのアクションはすっきりしたドニー・イェンを堪能できますのでご安心を!!(堀)


今年(2020)2月6日~9日まで台湾の十分(シーフェン)で行われた「平渓天燈上げ祭り」(ランタン祭り)に行って来た。新コロナウイルスの影響で、出発前日まで行くかやめるか迷ったけど、天燈上げ祭りは10年以上前から行ってみたかった祭りで、やっと今年、行く機会ができたのでツアーに参加した。今、思えば海外に行けたぎりぎりの日程だった。行けてよかった。
6日に台北に着いて、映画を観るとしたらこの日しかなかったので、着いて早々新聞を見たり、ネットで調べて、ドニー・イェンが出ているというこの『肥龍過江』を観ることにした。西門町の映画館、喜満客絶色影城にて鑑賞。この日が台北公開最終日で、しかも最終回上映だった。ぎりぎり間に合った。内容も全然知らず、監督が誰かも知らずに観始めたら、なんと東京が舞台で驚き。しかも日本人俳優もけっこう出ている。これは、きっと日本公開ありだなと思いながら観た作品だったけど、まさかお正月映画として1月1日に公開されるとはとはびっくり。谷垣健治さんが監督というのは、後で知った。
アンディ・ラウの太っちょ映画『痩身男女(ダイエット・ラブ)』のロケで、太っちょメイクの本人を新宿南口で見たことがあるけど、ドニーの太っちょ姿は、この時のアンディと似ている。もしかしたらあの特殊メイクは同じ人?なんて思いながら観た。『追龍』でアンディとドニーが共演した直後の作品だし、情報交換してそれも有りかも。それにしてもあの重い姿で、あの切れの良いアクション。すごい!!!(暁)


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『肥龍過江』の看板を出した西門・喜満客絶色影城

2020年/香港/カラー/シネスコ/広東語・日本語/96分
配給:ツイン
(C)2020 MEGA-VISION PROJECT WORKSHOP LIMITED.ALL RIGHTS RESERVED.
https://debugon-tokyo.jp/
★2021年1月1日(金・元日)よりTOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開
posted by shiraishi at 13:09| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする