2026年01月06日

コート・スティーリング(原題:Caught Stealing)

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監督:ダーレン・アロノフスキー
原作・脚本:チャーリー・ヒューストン
キャスト:オースティン・バトラー(ハンク・トンプソン)、レジーナ・キング(ローマン刑事)、ゾーイ・クラヴィッツ(イヴォンヌ)、マット・スミス(ラス)、リーヴ・シュレイバー(リーブ)、ヴィンセント・ドノフリオ(シュムリー)、ベニート・マルティネス・オカシオ(コロラド)

1998年、ニューヨーク。バーテンダーのハンクは、かつてメジャーリーグのドラフト候補になるほどの有望株だったが、事故によって夢は消えてしまった。今は恋人のイヴォンヌにからかわれながら、ひいきの野球チームの応援に甘んじている。隣人のラスから不在の間、飼い猫バドの世話を頼まれ、しぶしぶ引き受けた。ラスが出かけたとたんに、いかにも危険な男たちが次々とやってきて、ハンクはボコボコにされてしまう。入院する羽目になって、ハンクはマフィアの大金がらみ事件に巻き込まれたと知る。恐怖にかられ警察に打ち明け、マフィアから逃げ続けていたが、ハンクの身近な人たちにも危害が及んできた。

主演した『エルヴィス』(2022)でのステージが今も目に浮かぶオースティン・バトラー、本作では不運なハンク役。敵は何者か?探しているのは何なのか?誰を信じたらいいのかわかりません。事件の全容が明らかになるまで、とにかくひどい目に遭い続けニューヨークを走り回ります。オースティン本人のスタントなしアクションにご注目を。ハラハラさせながら、あちこちに張られた伏線も気持ちよく回収されるので、もう一度観たくなります。

生粋のニューヨークっ子の監督は、90年代当時の街にこだわり、すでになくなったスポットをデジタルで復元しています。ドキュメンタリーで観た「キムズビデオ」の看板はハンクが走る背景にあり、すぐに気がつきました。野球選手を目指していたハンクなので、ママとの合言葉も、気になるものも野球がらみ。
タイトルの「コート・スティーリング(Caught Stealing)」とはスチール(盗塁)をキャッチされて失敗するという野球用語。一般的には「チャンスをつかみ損ねる」ことをいうそうです。ハンクは自分の運命を嘆いていましたが、自分がしでかしたこととその結果に遅まきながら気づきます。さて絶体絶命から逆転していけるのか、ハラハラしながら見守ってください。連れまわされる猫のバドは、キーパーソンならぬキーキャットです。幸福・金運を招く猫となるでしょうか。(白)


2025年/アメリカ/カラー/107分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
https://caught-stealing.jp/
★2026年1月9日(金)全国ロードショー
posted by shiraishi at 22:43| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年01月05日

ストレイト・ストーリー(原題:The Straight Story)

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監督:デヴィッド・リンチ
脚本・編集:メアリー・スウィーニー
撮影:フレディ・フランシス
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
出演:リチャード・ファーンズワース(アルヴィン・ストレイト)、シシー・スペイセク(娘ローズ)、ハリー・ディーン・スタントン(ライル・ストレイト)

アルヴィン・ストレイトは73歳。娘のローズとアイオワ州ローレンスに暮らしている。ある日家の中で転んで起き上がれなくなった。驚いたローズに病院に連れていかれ、あちこち悪いところが見つかるが、治療を拒み杖を2本持つことだけをしぶしぶ受け入れた。
そんなときに仲違いしたまま、10年も口を聞いていない兄のライルが倒れたと連絡がある。兄も自分も年を取ったのだ。かつて並んで星空を見上げたことを思い出し、会いに行こうと決心した。免許証を持たないアルヴィンは愛用の小さなトラクターにワゴンを括り付け、560㎞離れた兄の家を目指して旅に出る。

日本初公開は2000年。四半世紀をへて4Kのクリアな映像で観ることができます。リンチ監督作品が苦手な人が驚くような、まっすぐに愛と赦しを描いた作品です。当時リンチ監督のパートナーだったメアリー・スウィーニーが新聞で見つけた記事を元に、映画にしようと提案しました。モデルのご本人は亡くなられていましたが、彼の辿った道筋、出会った人々を取材して、脚本を書きあげました。
アルヴィンをリチャード・ファーンズワースが演じています。人好きのする笑顔は『赤毛のアン』(1986)のマシューと変わりません。マシューは控え目で優しい役でしたが、アルヴィンは一度決めたら変えない頑固一徹。周囲に反対されながら出発します。
アルヴィンが時速8㎞で進んでいく農道やミシシッピ川にかかる橋など、今は様変わりしているかもしれない景色もお楽しみください。景色と共に心に残っていくのは、旅先で出会う人たちとの会話です。
若い女性から修理工の兄弟、軍隊経験のある同年代の男性など、アルヴィンがぽつりぽつりと話すことばで彼の過去が垣間見えます。深い傷を負った娘に向けるまなざし、勢いで仲たがいしてしまった兄との再会など、時代を超えて共感するでしょう。公開時には観られませんでしたが、自分も年を取った今、より胸に沁みてきます。(白)


1999年/アメリカ/カラー/118分
配給:鈴正、weber CINEMA CLUB
(C)1999 - STUDIOCANAL / PICTURE FACTORY - Tous Droits Reserves
https://straightstory.jp/
★2026年1月9日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

posted by shiraishi at 20:01| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年01月04日

小屋番 八ヶ岳に生きる

1⽉9⽇(⾦)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
劇場情報 https://theaters.jp/29305

小屋番 八ヶ岳に生きる

“山”そして“命”を知る小屋番たちの言葉が、いまを生きるわたしたちの心をほどいていく

監督・撮影・MA:深澤慎也(TBS ACT)
企画・プロデューサー:永⼭由紀⼦
出演:菊池哲男(⼭岳写真家)
ナレーション:東野幸治 ⼀双⿇希
エグゼクティブプロデューサー:津村有紀
総合プロデューサー:須永⿇由 ⼩池 博
協⼒プロデューサー:⽯⼭成⼈ 塩沢葉⼦ 和⽥圭介
進⾏プロデューサー:鈴⽊秀明 尾⼭優恵

“コヤガタケ”と呼ばれるほど山小屋が多く存在する八ヶ岳。そんな八ヶ岳を山岳写真家菊池哲男と巡る。山小屋を経営している人、そして山小屋に勤める人たちを「小屋番」というが、さまざまな想いを抱えながら山小屋や山を守っている。登山を楽しむ人々を支え、時には死とも遭遇する小屋番という仕事。彼らが自然と真正面から向き合う過酷な日常を選んだ理由とは? 彼らの仕事に迫る。水の確保、自家発電でしか電気を得られないなど、麓で暮らすのとは違いの不便な生活だけど、便利だけど、せわしない情報社会や社会生活に疲れている現代を生きる人たちに対して、「暮らしの在り方」さらには「人生の在り方」への新たな視点も提示している。

公式HPより
ナレーションを務めるのはお笑い芸人東野幸治。庄司智春(品川庄司)、木村卓寛(天津)らと<東野登山隊>としてガチ登山に挑戦していることでも知られる。そして日頃から数多くの登山に挑戦し『小屋番 KOYABAN〜八ヶ岳に生きる〜』でも声を吹き込んだ一双麻希が続投をしている。監督は、連続ドラマや報道特番のMAミキサーとして活動するかたわら、コロナ禍を機に山小屋支援のため、山の美しさや登山の魅力を動画などで届けてきたTokyo Climb代表・深澤慎也。企画・プロデュースを、多くの情報番組やドラマ制作に携わってきた永山由紀子が担当している。

TBSドキュメンタリー映画祭2025年にて上映された「小屋番 KOYABAN 八ヶ岳に生きる」をもとに、四季折々の自然をとらえた新たな映像やインタビューを加えて再編集を施し、劇場版として公開。

菊池哲男(山岳写真家)
1961年、東京生まれ。立教大学理学部物理学科卒。山岳写真家として様々な山岳・カメラ誌やカレンダー、ポスターなどに作品を発表。主な写真集に『白馬岳 自然の息吹き』 、『アルプス星夜』、『鹿島槍・五竜岳 -天と地の間に-』(共に山と溪谷社)、『山の星月夜 -眠らない日本アルプス-』(小学館)ほか。
2007年、長野県白馬村和田野の森に菊池哲男山岳フォトアートギャラリーがオープン。フランスのアウトドアブランド「ミレー」のアンバサダー。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員、日本写真協会(PSJ)会員。

監督・撮影・MA: 深澤慎也(TBS ACT)
認定NPO法人チーム・ユニコン理事 動画制作チームTokyo Climb代表
2004年専門学校卒業後、約20年に渡って主にTBSの連続ドラマ、報道特番のMAミキサーとして番組制作に携わる。2018年の西日本豪雨を機に、所属するNPOの活動で災害支援を行った際に現地で活躍する「プロボノ」に興味を持ち、2020年から世界的なパンデミックで営業自粛を余儀なくされた山小屋支援をスタート。本業の傍ら、動画制作チームTokyo Climbのプロボノ活動の一環として「山小屋動画」の制作を行なっている。現在は、東京からもアクセスしやすい八ヶ岳エリアの山小屋のPV動画を制作中。

プロデューサー: 永山由紀子
1989年東京放送(現TBSテレビ)入社。情報番組やドラマのディレクター・プロデューサーに従事し、「筑紫哲也のNEWS23」「はなまるマーケット」「サマーレスキュー〜天空の診療所〜」「同窓生〜人は三度恋をする」など、多数の番組に携わる。現在はドラマ部マネジメント

かつて山屋だった私にとっては、とても懐かしく、また、最近の山小屋の様子もわかったし、小屋番の人たちの働く姿を見ることができて、とてもうれしかったです。救助活動や、新しいことに挑戦する山小屋の方たちのことを知り、とても心強く思いました。山小屋への荷揚げの大変さは今も昔も変わらないですね。登山道の整備や、鹿による食害を防ぐ対策が描かれていましたが、かつては野生の鹿をこの山域で見ることはなかったので、今は相当増えているのだなと思いました。山での救助活動や、駒草の保護・育成など、大変さが伝わってきます。それに山岳医療に取り組んでいる赤岳鉱泉山岳診療所の話も出てきました。いろいろな挑戦をしています。それにしても山小屋の食事は格段によくなっているのですね。かつて、山小屋の食事はカレーが多かったですが、ステーキにはびっくりしました。
1970年に、北アルプス表銀座コースに行ったことがきっかけで山にハマり、その後2カ月に1回位の山行を2000年ころまで続けていました。八ヶ岳にも何回か登り、八ヶ岳連峰の山々は8割くらいは登ったかと思います。でもはるか昔のことなので、すっかり忘れていました。ここに出てきた山小屋も5か所くらいは行ったことがあります。でも蓼科山はいつも眺めるだけで、登ったことがないかもしれません。この作品を観て、とても残念に思いました。もう山へは登れないので。
私は、南八より北八の方が好きで、白駒池あたりは何回か行きましたし、一番行ったのは縞枯山でした。冬の縞枯が好きで、たぶん10回くらいは行ったと思います。いつも縞枯山荘に泊まっていました。
そして、1980年頃から約5年、白馬村の山麓にある会社の寮で働きながら鹿島槍ヶ岳という山の写真を撮っていました。菊池哲男さんの写真ギャラリーのそばにある山荘で働いていました(東急ホテルの奥にありました)。その頃はこのギャラリーはまだありませんでしたが、その後、この菊池さんのギャラリーには2回くらい行っています。菊池さんは八ヶ岳もたくさん撮っているのだなと、この映画で知りました(暁)。


製作︓TBS 配給︓KeyHolder Pictures 宣伝︓KICCORIT
2026 年/⽇本/85 分/5.1ch/16:9 ©TBS
公式HP:https://koyaban.com/
posted by akemi at 21:01| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

五十年目の俺たちの旅

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@「五十年目の俺たちの旅」製作委員会


監督 中村雅俊
原作・脚本 鎌田敏夫
主題歌 「俺たちの旅」歌:中村雅俊
出演:中村雅俊 秋野太作 田中健 / 前田亜季 水谷果穂 左時枝 福士誠治 / 岡田奈々

昭和を代表する青春ドラマの金字塔
「俺たちの旅」が令和の時代に戻ってくる。


津村浩介“カースケ”(中村雅俊)と、大学時代の同級生の神崎隆夫“オメダ”(田中健)、カースケの小学校の先輩である熊沢伸六“グズ六”(秋野太作)の3人は70代になり、付き合いはすでに50年を過ぎている。カースケは現在、従業員10人ほどの小さな町工場を経営し、オメダは現在も鳥取県の米子市長を務め、グズ六は妻のおかげで介護施設の理事長の座に収まり、それぞれ平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日、カースケの工場にオメダがやってくる。カースケは、米子市長を務めるオメダを誇らしい気持ちで従業員に紹介するが、オメダは思いつめた様子ですぐにその場を後にしてしまう。
また別の日、カースケの工場で製作中だったポットが大量に割られる事件が起きる。その中に懐かしい砂時計を発見したカースケ。その砂時計はかつての恋人・洋子と行った思い出の地、鳥取砂丘で買ったものだった。20 年前に病死した洋子を懐かしむカースケだが、グズ六から「洋子が生きてる!」と驚きの情報を耳にし…。

1975年10月から日本テレビ系列で放送された「俺たちの旅」。中村雅俊が主演していることや、主題歌は知っていましたが、ドラマは見たことがありませんでした。その後、『十年目の再会』『二十年目の選択』『三十年目の運命』と主人公たちの人生の節目ごとにスペシャルドラマが作られてきたとのことですが、それも、見ていません。この度、放送開始50周年を迎え、20年ぶりの続編『五十年目の俺たちの旅』が初の映画版として製作されたという次第。過去を知らないで見てわかるかなぁ~と思ったら、公式サイトに、ばっちりこれまでの歩みがわかる動画がありました。
約10分でわかる!「俺旅」まとめ動画① 「オメダの家族」編
約10分でわかる!「俺旅」まとめ動画② 「オメダの50年」編
約10分でわかる!「俺旅」まとめ動画③ 「カースケ・洋子」編


動画で予習してから映画を見ましたが、今回の映画の中で肝心な出来事は、過去の映像を織り込んで作ってありますので、50年後の物語についていけます♪
過去のドラマは見てなかったものの、なんといっても中村雅俊さんたちのほんの少し下の年代なので、50年にわたる友や異性との付き合いには、いろいろと胸に刺さるものがありました。
昭和の香りたっぷりの青春ドラマ、そして、昭和に青春を過ごした私たちの今の姿を投影する映画を見ることができて感無量! オメダのお母さん役の八千草薫さんの素敵な姿を見ることができたのも嬉しかったです。(咲)


2026年/日本/109分/G
配給 NAKACHIKA PICTURES
公式サイト:https://oretabi50th-movie.jp/
★2026年1月9日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
posted by sakiko at 20:41| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

YADANG/ヤダン  原題:야당(ヤダン 野党)

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ⓒ 2025 PLUS M ENTERTAINMENT AND HIVE MEDIA CORP, ALL RIGHTS RESERVED.
 
監督:ファン・ビョングク
出演:カン・ハヌル(「イカゲーム」『ラブリセット 30日後、離婚します』『空と風と星の詩人 〜尹東柱の生涯〜』)、ユ・ヘジン(『破墓 パミョ』『タクシー運転手 約束は海を越えて』)、パク・ヘジュン(「夫婦の世界」『ソウルの春』)  

“ヤダン”とは、麻薬犯罪者から情報を引き出し、検察や警察に提供して司法取引を操る、闇のブローカー。
国家権力と裏社会の境界で暗躍する韓国に実在する存在。


イ・ガンス(カン・ハヌル)は、捜査当局へ情報を流す韓国麻薬界のキープレイヤー。冤罪で服役中に、検事ク・グァニ(ユ・ヘジン)から“ヤダン”の役割を持ちかけられ、麻薬犯と組織を密告することで減刑を約束される。ある日、次期大統領候補の息子チョ・フンが絡む麻薬事件に巻き込まれる。“ヤダン”イ・ガンスと検事ク・グァニの裏取引は、執念深い捜査で麻薬捜査界の“皇帝”と呼ばれるオ・サンジェも絡み、最悪の事態へと転がり落ちていく・・・

『空と風と星の詩人 〜尹東柱の生涯〜』の尹東柱や、ドラマ「未生~ミセン~」のチャン・ベッキ役など、穏やかな人物が似合うカン・ハヌルが、本作では、裏社会で暗躍するあくどい役柄。
ユ・ヘジンも、ぎらぎらと権力志向の強い悪徳検事ですが、『マイ・スイート・ハニー』での、女性に奥手のはにかみ屋と対照的でした。さらに、執念深い捜査で恐れられている麻薬捜査官役のパク・ヘジュンは、ドラマ「夫婦の世界」で、ヘタレな浮気夫のイメージでしたが、それぞれにがらっと違う強くて悪い男を演じていて、さすが役者だなぁ~と唸りました。(咲)


★公開初日1月9日(金)新宿バルト9で舞台挨拶が行われました。
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映画『YADANG/ヤダン』公開記念来日舞台挨拶 観客にたっぷり寄り添ったイベントでした(咲)
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/519706711.html?1768114752

Facebookのアルバム 映画『YADANG/ヤダン』公開記念来日舞台挨拶
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1473867101407537&type=3


2025年/韓国/123分/スコープ/カラー/5.1ch/R15 
字幕翻訳: 福留友子
配給:ショウゲート
公式サイト:https://yadang.jp/
★2026年1月9日(金)より、新宿バルト9ほか全国公開



posted by sakiko at 19:37| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする