2019年12月08日

リンドグレーン (原題:Unga Astrid)

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監督:ペアニレ・フィシャー・クリステンセン
脚本:キム・フォッブス・オーカソン
出演:アルバ・アウグスト、マリア・ボネヴィー、マグヌス・クレッペル、ヘンリク・ラファエルセン
トリーネ・ディアホム

兄弟姉妹とスモーランド地方の自然の中で伸び伸びと育ったアストリッドは、思春期を迎え、より広い世界や社会へ目が向きはじめる。教会の土地で農業を営む信仰に厚い家庭で育ちながら、“率直で自由奔放”な彼女は、次第に教会の教えや倫理観、保守的な田舎のしきたりや男女の扱いの違いに、息苦しさを覚え始めていた。そんな折、文才を見込まれ、地方新聞社で働き始めた彼女は、才能を開花させはじめる。しかしその矢先、アストリッドの人生は、予期せぬ方向へと進んでいく――。

「長くつ下のピッピ」「ロッタちゃん」「やかまし村の子どもたち」シリーズで有名なリンドグレーン。作家としての素地はどう育まれたのか。厳格なクリスチャン家庭に育つが、期せずして未婚の母になる。子どもを手放すしかなかった葛藤、やっと一緒に暮らし始めれば、ワンオペ育児で苦労の連続。もがきながらも妥協せずに生きる彼女の生き様は現代の女性にも通じるだろう。
アストリッド役を演じたのは、巨匠ビレ・アウグスト監督の娘アルバ・アウグスト。本作の演技が高く評価され、ヨーロピアン・フィルム・プロモーション審査員賞の新人賞にノミネートされた。(堀)


2018年/スウェーデン=デンマーク/123分/スウェーデン語、デンマーク語/シネスコ/カラー
配給:ミモザフィルムズ
(C) Nordisk Film Production AB / Avanti Film AB. All rights reserved.
公式サイト:http://lindgren-movie.com/
★2019年12月7日(土)より岩波ホールほか全国順次公開
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2019年12月07日

映画 ひつじのショーン UFOフィーバー! (原題:Shaun the Sheep Movie: Farmageddon)

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監督:リチャード・フェラン、ウィル・ベッカー
脚本:ジョン・ブラウン、マーク・バートン

ショーンが仲間たちと暮らす牧場のある田舎町の外れにUFOが不時着した。乗っていたのは宇宙人の女の子ルーラ。ひょんなことから牧場に迷い込んだルーラと知り合ったショーンは意気投合。ショーンの仲間たちもルーラに魅了される。
一方、宇宙人探知省のエージェント・レッドが調査に来たことで、田舎町はUFOフィーバーに。牧場主はフィーバーに乗じて、UFOのテーマパーク“ファーマゲドン”を作り、一儲けをしようと企む。
やがて事情を知ったショーンたちはルーラを家に帰してあげようと奔走するが、エージェント・レッドに見つかり、捕らえられてしまう。ショーンたちはルーラを無事、故郷に帰してあげることができるのか。

セリフはないが話はわかる。よく練られた脚本とクレイ・アニメーションの細かい作業をこなした制作チームのがんばりは絶賛モノ。
今回はショーンたちが暮らす町にUFOが不時着。帰れなくなった幼い宇宙人を助けようと奮闘する。いつもながらショーンたちの見事なコンビネーションには笑ってしまう。
子供は何をしでかすかわからない。目が離せないのはどこの星でも同じよう。ルーラの父母の苦労や心配に共感。一方で、秘密組織の女性がトラウマを克服する場面にほろっとした。(堀)


2019年/イギリス・フランス/アニメーション/英語/カラー/シネスコ/5.1ch/86分
配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
©2019 Aardman Animations Ltd and Studiocanal SAS. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.aardman-jp.com/shaun-movie/
★2019年12月13 日(金)全国ロードショー
posted by ほりきみき at 23:33| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ルパン三世 THE FIRST 

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監督・脚本:山崎貴
原作:モンキー・パンチ
音楽:大野雄二
声の出演:栗田貫一 小林清志 浪川大輔 沢城みゆき 山寺宏一 広瀬すず 吉田鋼太郎 藤原竜也

「ブレッソン・ダイアリーを戴きに参上します ルパン三世」
その謎を解き明かしたものは莫大な財宝を手にするとされ、かのアルセーヌ・ルパンが唯一盗むことに失敗したといわれている秘宝・ブレッソン・ダイアリー。
そんな伝説のターゲットを狙うルパン(栗田貫一)は考古学を愛する少女レティシア(広瀬すず)と出会い、2人で協力して謎を解くことに。しかし、ブレッソン・ダイアリーを狙う秘密組織の研究者ランベール(吉田鋼太郎)と、組織を操る謎の男ゲラルト(藤原竜也)が2人の前に立ちはだかる。

不朽の名作『カリオストロの城』から40年。今年4月にこの世を去った原作者モンキー・パンチの悲願だった3DCGアニメーションによる劇場版を山崎貴監督が完成させた。「ルパン三世」シリーズとしては23年ぶりの劇場版でもある。
オープニング曲が流れるだけでワクワクし、サスペンスタッチで物語が始まると気持ちがスクリーンに引き寄せられる。今回のヒロインは考古学を愛する少女レティシア。雰囲気が何だかクラリスに似ている。ルパンが張り切るのも当然だろう。随所に『カリオストロの城』へのオマージュが感じられ、うれしさで涙が止まらない。
ストーリー展開は大風呂敷を広げてしまった感もあるが、最後は何とかうまくまとめた。さすが山崎監督!
3DCGのルパンはいつもと違うので、最初、ちょっと違和感があったが、次第に慣れてくる。ルパンの赤いジャケットの質感まで伝わってきたのだが、まさかレザージャケットだったとは!40年以上ルパンを見てきて初めて知った事実だった。(堀)


2015年の東京アニメアワードで『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』上映後、モンキー・パンチ氏と小池健監督、浄園祐プロデューサーのトークを聞きました。
以下モンキー・パンチ氏の言葉のみ。
「駆け出しの漫画家だったので1967年に連載の話がきたとき、冗談かと思った。アニメになってこんなに長く続くとは」
「原作では小物についてこだわりはなかった。週刊誌に20~25ページ書くのでワルサーP38 とかベンツとかに限定してしまうと、どこから見てもそう描かなくてはいけないから。その点についてはアニメの方々が凝ってくれたんです」
「見た人が朗らかになってほしいと描いていました。不可能なことに挑戦して成功する。必ず20何ページかで完結する。それ以外は創作の幅を狭くするのできっちり決めていませんでした。ルパンの年齢も見ている人が決めていいんです。アニメについてはまかせっきりでした。3Dのルパンが観たいですね」
やっとお目見えしたこの3DCGのルパン、モンキー・パンチさんもどこかできっと観て喜んでくださっているでしょう。(白)


2019年/日本/93分
配給:東宝
(C) モンキー・パンチ/2019映画「ルパン三世」製作委員会
公式サイト:https://lupin-3rd-movie.com/
★2019年12月6日(金)全国東宝系にてロードショー
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午前0時、キスしに来てよ 

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監督:新城毅彦      
脚本:大北はるか  
音楽:林イグネル小百合  
主題歌:「One in a Million -奇跡の夜に-」GENERATIONS from EXILE TRIBE
出演:片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、 橋本環奈、眞栄田郷敦、八木アリサ、岡崎紗絵、鈴木勝大、酒井若菜、遠藤憲一 

優等生の花澤日奈々(橋本環奈)は、まじめすぎる性格で周りから一目置かれる存在だが、本当は王子様と恋に落ちるおとぎ話のような恋愛にあこがれる夢見がちな女子高生だった。ある日、日奈々の高校に国民的人気スターの綾瀬楓(片寄涼太)が映画の撮影でやってきた。エキストラとして参加することになった日奈々は、楓の飾らない素顔とやさしさに魅せられ、楓も日奈々の裏表のない実直さに次第にひかれるようになり、芸能人と一般人の誰にも知られてはいけない秘密の恋がスタートする。思いもよらぬ障害が2人に降りかかる中、日奈々をひそかに思い続けてきた幼なじみの浜辺彰(眞栄田郷敦)が楓に宣戦を布告してくる。

スーパースターに見初められ、幼馴染にも告白される。その上でスーパースターと相思相愛に。完璧すぎるシチュエーションにときめかない女の子はいないだろう。王道ラブストーリーだ。しかも、演じているのが片寄涼太と眞栄田郷敦。どちらもカッコいい!片寄涼太はすでにいくつもの映画に出演しているが、眞栄田郷敦は新田真剣佑の弟で、5つ気に公開された『小さな恋のうた』でデビュー。TBSのドラマ「ノーサイド」にも出ていたが、これからブレイクまちがいなし。(堀)

2019年/115分/G/日本
配給:松竹        
ⓒ2019映画『午前0時、キスしに来てよ』製作委員会
公式サイト:https://0kiss.jp/
★2019年12月6日(金)全国公開
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つつんで、ひらいて 

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監督・編集・撮影:広瀬奈々子
出演:菊地信義、水戸部功、古井由吉
音楽:biobiopatata
エンディング曲:鈴木常吉

菊地信義は40年以上にわたり日本のブックデザイン界をリードしてきた稀代の装幀家。空前のベストセラーとなった俵万智「サラダ記念日」をはじめ大江健三郎、古井由吉、浅田次郎、平野啓一郎、金原ひとみら1万5千冊以上もの本を手掛けてきた。菊地が手作業で一冊ずつデザインする指先から、本の印刷、製本に至る工程までを丁寧に綴り、ものづくりの原点を探る。
第20回東京フィルメックスのコンペティション部門でスペシャル・メンションを受賞。

装幀家・菊地信義を追ったドキュメンタリー。
まずは製本の様子から。さまざまな機械がリズミカルに動き、流れるようにいくつもの工程を経て本が出来上がっていく。バックに流れる音楽が機械の動きにぴったり。まるで小人が機械を動かしているかのよう。見ていて楽しい。広瀬奈々子監督のセンスの良さを感じた。さすが是枝裕和監督の秘蔵っ子!
菊地は紙質、色、文字のタイプとサイズ、配置などを内容に合わせてトータルでデザインする。ピンセットを使っての細やかな作業。1ミリ、1%の違いに拘る。丁寧な仕事ぶりを丁寧に映し出す。これまで装幀した本の数は1万5000冊を超えた。長い付き合いの古井由吉が「作家は自己模倣を危惧するが、装幀も同じでは」と思いやる。最近は本を手にすることはなかったが、久しぶりに書店に行きたくなった。(堀)


高校生の3年間、図書局員で過ごしました。新聞・放送・図書は部活と違っていつでもいられる局室があったので、居心地が良くて。傷んだ本の修復をする製本の仕事もありました。ここにいる間に乱読して、読む本の分野が広がったかも。だからか、いまだに紙の本が好きで、デジタル図書は落ち着きません。書店には今もよく行って、棚や平台の本がずれているとつい直してしまいますし、どんな本が並んでいるのか見るだけでも楽しいものです。
そこでまず眼に入るのはやはり装幀。色と形とロゴのデザイン、手触り、厚さ、重さも重要です。著者を知らなくても、おお~という本に出会うとつくづく見入ってしまいます。これまで何度も出会った菊池信義さんの本がどうやって生まれてきたのか、この映画で細部まで見ることができました。本好きのみなさま必見です。(白)


東京フィルメックス2019でスペシャル・メンション受賞(2019.11.30) 撮影:宮崎
広瀬奈々子監督受賞.jpg

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2019年/日本/カラー/HD/16:9/ステレオ/94分
配給:マジックアワー
©2019「つつんで、ひらいて」製作委員会
公式サイト:https://www.magichour.co.jp/tsutsunde/
★2019年12月14日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
posted by ほりきみき at 02:53| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする