2021年11月07日

これは君の闘争だ 原題:Espero tua (Re)volta

11月6日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・脚本:エリザ・カパイ 
撮影:エリザ・カパイ、ブルーノ・ミランダ 
編集:エリザ・カパイ、ユリ・アマラウ 
音楽:Décio 7  
ナレーション:ルーカス・“コカ”・ペンチアド、マルセラ・ジェズス、ナヤラ・スーザ 
音響:Confraria de Sons & Cigars 
プロデューサー:アリアナ・ジェネスカ

ブラジルの高校生たちの闘争を描く

2013年6月、ブラジル・サンパウロの路上学生たちが繰り広げる、公共交通機関の値上げ反対デモや、公立高校再編案に反対する学校占拠など、活発な政治運動がおこった。初めはバス料金20セントに対する要求だったが、次第に政治に対するものになり、物価上昇や重税、LGBTQ+や女性の権利、人種差別など、様々な問題に対する抗議へと広がっていった。
そして、2015年10月サンパウロの高校生たちが公立学校の予算削減案、公立学校再編案に抗して自らの学校を占拠することになった。運動はブラジル全土を巻き込み、翌月には200以上の学校が占領されるまでになった。ブラジル社会で高校生たちによる大きな変革が起きようとしていた。若者たち学校を、そして街頭を次々と占拠し、自らの主張を政治家たちに認めせていくが、しだいに警察は暴力的なものになり、学校占拠から3年後、ブラジル初の極右政権が成立するとともに裏切られることになった。14年間続いた左派政権は、たび重なる汚職や治安悪化により民衆の支持を失い、「ブラジルのトランプ」と称されるジャイル・ボルソナロにその座を奪取されてしまった。
当事者である3人の高校生が当時の運動を振り返りながら、そんな激動の2010年代のブラジル社会を学生たちの視点から描いた。それぞれの意見をヒップホップ・ミュージックに乗せラップバトルのように展開させる。進歩的な公共政策の下で育った世代の彼らが混迷化し、急速に右傾化していくブラジル社会を糾弾していく過程で、学生たちの社会に対する希望と不安とが浮き彫りになっていく。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019インターナショナル・コンペティション部門優秀賞受賞。
*参照記事 シネマジャーナルHP 映画祭報告
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 授賞式レポート
●エリザ・カパイ監督.jpg
エリザ・カパイ監督 2019山形授賞式にて(撮影 宮崎暁美)

ELIZA CAPAI(エリザ・カパイ) 公式HPより
エリザ・カパイは社会問題に焦点を当てたインディペンデントのドキュメンタリー映画監督である。サンパウロ大学でジャーナリズムを専攻し、近年までマサチューセッツ工科大学(MIT)のオープン・ドキュメンタリー・ラボに特別研究員(fellow)として所属していた。
初長編作品Here Is So Faro (2013)は、7ヵ月間のアフリカ横断旅行での女性との出会いに基づいている。このドキュメンタリーは、リオ国際映画祭のニュートレンド部門でプレミア上映され、最優秀長編映画賞を受賞したほか、ブラジル国内外で複数の賞を受賞した。
長編2作目The Tortoise and the Tapir (2016)は、ブラジルで起きた数十年に一度の大干ばつの期間にアマゾンの熱帯雨林の真ん中に建設・計画された巨大な水力発電所を調査した作品である。
長編3作目『これは君の闘争だ』(2019)は、ブラジルの教育予算削減に対抗して学生たちが学校を占拠する様子を描いた作品である。2019年のベルリン国際映画祭でプレミア上映され、アムネスティ・インターナショナル映画賞と平和映画賞を受賞した。本作はその後、100以上の映画祭で上映され、20以上の賞を受賞している。
最新作『エリーゼ・マツナガ: 殺人犯が抱える心の闇』(2021) は、実在の殺人事件を追った作品であり、2021年9月現在、Netflixで視聴可能である。このドキュメンタリーシリーズでカパイは、ブラジルで最も有名な殺人事件の被告であるエリーゼ・マツナガに事件後初のインタビューを試みた。本シリーズは2021年7月に世界190ヶ国のVODプラットフォームで同時公開された。

新型コロナウィルスの流行下、ボルソナロ大統領はパンデミックが始まってから、新型ウイルス対策において、ロックダウンやマスク着用、ワクチンなどに否定的な発言を繰り返し、その対応によってブラジルでは大量の感染者を出したが、そんな今こそ、振り返るべき“闘争の記録”がここにある(暁)。

配給:太秦  
2019年/93分/HD/16:9/ブラジル/ドキュメンタリー
公式HP
posted by akemi at 07:00
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