2021年02月08日

METライブビューイング プレミアム・コレクション2021

コロナ禍が続き、METの2020-21シーズンは中止となりましたが、これまでに上演された数々の舞台の中から、大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』でも使用された、ヒットメロディ満載の《カルメン》や、人生で一度は観るべき「泣けるオペラ」《椿姫》、サッカーの応援曲で知られる〈凱旋行進曲〉等の名曲が鳴り響く《アイーダ》など、人気演目6作がMETライブビューイング プレミアム・コレクション2021として2021年2月12日(金)より東劇・新宿ピカデリーほか全国の映画館で上映されます。

第1作《カルメン》(2009-10):2/12(金)~2/18(木)

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指揮:ヤニック・ネゼ=セガン
演出:リチャード・エア
出演:エリーナ・ガランチャ、ロベルト・アラーニャ、バルバラ・フリットリ、テディー・タフ・ローズ 
上映時間:3時間24分(休憩1回)
MET上演日:2010年1月16日
言語:フランス語
(c)Marty Sohl/Metropolitan Opera

19世紀のスペイン、セヴィリャ。連隊の伍長ドン・ホセは、いずれ故郷に帰って幼なじみのミカエラと結婚する日を夢見ている。そんな彼の前に、自由奔放なジプシー女のカルメンが現れた。カルメンの手管に魅入られたホセは、けんか騒ぎを起こして捕らえられたカルメンを逃がし、営倉に送られる。出所したホセはカルメンと逢引し、彼女の仲間である密輸を働く無法者の一味に加わる。しかし間もなくカルメンの心は花形闘牛士に傾いていく。

「カルメンという名前は聞いたことがある」程度のオペラ初心者でしたが、冒頭に演奏されて曲を聴き、「あ~この曲、知ってる!」と私でも聞いたことがある曲が流れてきたので、一気に舞台に引き込まれていきました。オペラって歌がセリフ代わりだから意味が分かりにくくない?と思っていましたが、歌の部分も字幕があるので安心。しかも、舞台が始まる前に、キャストの名前と役名、その人のアップシーンを順番に紹介してくれているので、初心者にはうれしい限りです。また幕間には舞台裏でのキャストやマエストロ、振付師のインタビューカットが挟み込まれ、飽きさせません。
主人公のカルメンを演じているのはエリーナ・ガランチャ。妖艶な演技に驚きました。客席に人がいるのに、そんなに大胆に振る舞っていいの?と心配になってしまうほど。実はこの役、もともとはドン・ホセを演じたロベルト・アラーニャの妻、アンジェラ・ゲオルギューが演じることになっていたようですが、離婚協議に入ってしまって夫婦の共演が消えたらしい。エリーナ・ガランチャにとっては降って湧いたような幸せだったかもしれません。そういう意味では急遽代役としてエスカミーリョ役をつかんだテディ・タフ・ロドスも幸運な人と言えるでしょう。ロドスは幕間のインタビューで代役の話を当日の朝10時に電話で聞き、3時間後には舞台に立っていたと話します。せめて前日に分かっていればと思ったら、ロドスは当日でよかったそう。その理由に思わずなるほどと思うはず。
本作は演出がリチャード・エアというのが話題になったようです。残念ながら他のカルメンを見たことがないので、違いについては語れません。オペラ好きの方だったら、きっとその辺りも楽しめるのではないかと思います。(堀)


「カルメン」は世界でも日本でも1,2を争う人気オペラだそうです。どこかで聞いたようなアリアがたくさんです。運動会とかイベントとか。
初演は1875年と150年近く前ですね。ストーリーはわかりやすく、今のドラマでも似たような題材がある普遍的恋愛物語。恋多きジプシーのカルメンがウブな伍長のホセを誘惑。カルメンの色香にホセはぞっこん、それも許嫁ミカエラがわざわざ故郷の母親の手紙を届けに来た直後のこと。全くもう!ミカエラを裏切って、脱走までしたホセですが、一時の熱が冷めたカルメンは新しい男に心奪われてしまいました。今でいう肉食系女子?
(堀)さんが驚いたラブシーンも別の「カルメン」にはなく、昔だったらフェードアウトするところかな。ドラマならカーテンがゆれるとか(笑)。バレエが始まりに入っていたのもちょっと驚きました。長尺ですが、開始前には舞台に大道具や小道具を持ち込む設営のようす、休憩時間にはすっかり模様替えして次のシーンに変わるようすも見られます。全然長く感じませんでした。(白)


《カルメン》(2009-10)以降の作品はこちらです。

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第2作《メリー・ウィドウ》(2014-15):3/19(金)~3/25(木)

指揮:アンドリュー・デイヴィス
演出:スーザン・ストローマン
出演:ルネ・フレミング、ケリー・オハラ、ネイサン・ガン、アレック・シュレイダー、トーマス・アレン
上映時間:2時間53分(休憩1回)
MET上演日:2015年1月17日
言語:英語

20世紀初めのパリ。東欧の小国ポンテヴェドロの外交官ツェータ男爵は、亡夫から莫大な財産を受け継いだハンナが他国の男性と再婚すると国が破産しかねないと、書記官の伯爵ダニロにハンナに求婚するよう命じる。実はダニロはかつてハンナと恋仲で、身分違いゆえに結ばれなかったのだ。だが意地っ張りのダニロは頼みを断る。一方ハンナは、ツェータ男爵の妻ヴァランシエンヌの浮気をかばってダニロの誤解を招く。すれ違う恋のゆくえはいかに?

第3作《ワルキューレ》(2010-11):4/9(金)~4/15(木)

指揮:ジェイムズ・レヴァイン
演出:ロベール・ルパージュ
出演:ヨナス・カウフマン、ブリン・ターフェル、デボラ・ヴォイト、ステファニー・ブライズ、 エヴァ=マリア・ヴェストブルック
上映時間:5時間14分(休憩2回)
MET上演日:2011年5月14日
言語:ドイツ語

神話の時代。フンディングの妻ジークリンデは、戦いに負けて逃れてきたジークムントと出会う。実は2人は、神々の長ヴォータンが人間の女性に産ませた双子の兄妹だった。惹かれ合う2人は駆け落ちするが、ヴォータンの妻フリッカは兄妹の禁断の愛を責め、ジークムントの敵でもあるフンディングに彼を殺させるよう迫る。ヴォータンの娘で戦乙女ワルキューレのブリュンヒルデは、父からジークムントを倒すよう命じられるが、兄妹の愛に感動して彼らを助けようとする。命令に逆らった娘にヴォータンは激怒し…。

第4作《椿姫》(2018-19):5/21(金)~5/27(木)

指揮:ヤニック・ネゼ=セガン
演出:マイケル・メイヤー
出演:ディアナ・ダムラウ、フアン・ディエゴ・フローレス、クイン・ケルシー
上映時間:3時間25分(休憩2回)
MET上演日:2018年12月15日
言語:イタリア語

19世紀(本演出では18世紀)のパリ。高級娼婦のヴィオレッタは、享楽的な生活がたたって肺病を患っていた。そんな彼女に憧れていた田舎出のブルジョワ青年アルフレードは、ヴィオレッタに愛を打ち明け、一緒に暮らそうと申し出る。娼婦の暮らしを捨て、パリ郊外でアルフレードと愛の生活を送るヴィオレッタ。幸せな日々は、アルフレードの父ジェルモンの出現で一変する。ジェルモンは、アルフレードの妹が結婚するから身を引いてほしいと、ヴィオレッタに迫るのだった…。

第5作《セヴィリャの理髪師》(2006-07):6/18(金)~6/24(木)

指揮:マウリツィオ・ベニーニ
演出:バートレット・シャー
出演:ジョイス・ディドナート、フアン・ディエゴ・フローレス、ペーター・マッテイ、ジョン・デル・カルロ、ジョン・レリエ
上映時間:3時間21分(休憩1回)
MET上演日:2007年3月24日
言語:イタリア語

18世紀のスペイン、セヴィリャ。プラドで見初めた町娘ロジーナを追ってやってきたアルマヴィーヴァ伯爵は、彼女が後見人のバルトロの家で籠の鳥状態になっていることを知る。町の名物男で理髪師をやっている旧知のフィガロと再会した伯爵は、フィガロを相棒にロジーナを助け出そうと決心。フィガロのアドヴァイスに従い、伯爵は酔っぱらいの兵隊や音楽教師に変装してバルトロ家に潜り込むが・・・。

第6作《アイーダ》(2018-19):7/30(金)~8/5(木)

指揮:ニコラ・ルイゾッティ
演出:ソニヤ・フリゼル
出演:アンナ・ネトレプコ、アニータ・ラチヴェリシュヴィリ、アレクサンドルス・アントネンコ、クイン・ケルシー、 ディミトリ・ベロセルスキー、ライアン・スピード・グリーン
上映時間:3時間45分(休憩2回)
MET上演日:2018年10月6日
言語:イタリア語

ファラオの時代の古代エジプト。エチオピアの王女アイーダは、エジプトとの戦いに敗れて囚われ、身分を隠したまま奴隷になっている。だが彼女は、エジプトの将軍ラダメスと恋に落ちていた。同じくラダメスを愛するエジプト王女アムネリスは2人の仲に気づき、激しく嫉妬する。アイーダの父でエチオピアの王アモナズロは、再び兵を挙げてエジプト軍と戦うが、敗れ、捕虜になった。アイーダの恋人が敵方の将軍だと知ったアモナズロは、アイーダを脅してラダメスからエジプト軍の進路を聞き出させ、ラダメスは裏切りの罪で捕らえられてしまう。

★METライブビューイング公式HP  https://www.shochiku.co.jp/met/

posted by ほりきみき at 00:00
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