2020年12月28日

チャンシルさんには福が多いね(原題:Lucky Chan-sil) 

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監督・脚本: キム・チョヒ
撮影: チ・サンビン 
編集: ソン・ヨンジ 
録音: パク・ジョンウ 
音楽: チョン・ジュンヨプ
主題歌: イ・ヒームーン
出演: カン・マルグム ユン・ヨジュン キム・ヨンミン ユン・スンア  ぺ・ユラム

ずっとプロデューサーとして支えてきた映画監督が打ち上げ宴会中に急死。これを機に失職して、何もかも失ってしまったチャンシルさん。映画だけに捧げてきた人生、気がつけば男も子供も家もなし、もちろん青春なんていまいずこ。そんな八方塞がり、アラフォー女子のチャンシルさんに、ある日突然、思わぬ恋の予感が…。

主人公は監督が急死して仕事を失い、それをきっかけに自分は何がしたいのかを悩みます。キム・チョヒ監督はもともと監督志望でしたが、自分より映画作りに向いている人がいるならその人のサポートに徹して映画作りに全力を尽くそうと考え、ホン・サンス監督のプロデューサーに。『ハハハ』や『ソニはご機嫌ななめ』『自由が丘で』などを担当しました。しかし映画作りの夢が捨てきれないことに気づき、41歳でプロデューサーを辞めてカナダに渡り、自分を見つめ直しました。主人公の葛藤は監督自身の葛藤と重なります。
主人公を演じたカン・マルグムは一般企業で働いた後、30歳で演劇の世界に入り、2007年『コメディア』で舞台デビューしました。短編『自由演技』(2018/キム・ドヨン監督)でワンオペ育児に疲れた俳優役を演じたのをキム・チョヒ監督が見て、本作に繋がりました。カン・マルグムもいろいろ迷った末に会社を辞めたのかもしれません。
自分が何をやりたいのか。分かっている人は少ないのではないでしょうか。それでも生きていくしかないのなら、自分にも他人にもちゃんと向き合って丁寧に生きていれば、きっとそれが何かに繋がっていくはず!迷っている人の背中をそっと押してくれる作品です。

ところで、主人公だけに見える、自称レスリー・チャンの幽霊を演じたキム・ヨンミンは本作で第56回百想芸術大賞・映画部門の助演男優賞にノミネートされました。残念ながら受賞は逃しましたが、同時に「夫婦の世界」でテレビ部門の助演男優賞にもノミネートされるという快挙を遂げています。白いシャツと下着姿は『欲望の翼』のレスリー・チャンを真似ているもののイマイチダサいのですが、洋服を着ているときは結構カッコいいです。Netflixで話題になったドラマ「愛の不時着」では耳野郎と呼ばれる盗聴係を演じて注目を集めましたし、これからブレイクしていくのかも。今後は要チェックです!(堀)


アラフォーのキム・チョヒ監督の体験を元にしたオリジナル作品だそうです。プロデューサーをなさっていたんですね。
劇中に白いランニングシャツにトランクスの「レスリー・チャン」が登場します。演じているのは、キム・ヨンミン。ここで、監督は香港映画好きで、レスリーファンに違いない!と確信しました。香港映画ファンなら画面に登場したとたん、どよめくか爆笑するはずです。髪型や衣裳が似ていても「レスリーじゃない」と真正レスリーファンは言うでしょうが、いないんですから無理言わないのっ。
ともかく彼は迷えるチャンシルさんに何かと金言を与えてくれます。仕事がなくなって何も残っていない、と失望していたチャンシルさんは、あれ?意外に「福」があるじゃん、ってことに気がついていくんです。いやネタバレじゃないですよ。これだけわかってても、「あるある」と、あちこちに共感できる作品です。あなたの周りの福にも気がつきますように。(白)


レスリー・チャンの追っかけ仲間(今や、未亡人会?)のLINEで、「映画館で、僕はレスリー・チャンと、なに~?なセリフがある予告見たんだけど」と話題に。
気になるレスリー迷は、まずはこの予告編を見てくださいませ。
https://youtu.be/L_gHX3Q2U9g
レスリーと名乗る彼に、「うそでしょ、全然似てない」とチャンシルさん。
眉毛をキッと描いて、キム・ヨンミンがそれなりにレスリーに見えます。(苦笑)
そして、「3時に人に会う約束なので」と出かけていきます。『欲望の翼』を観た人なら、思わずクスッとするでしょう。
韓国映画や韓国ドラマでは、いまだにレスリー・チャンやチョウ・ユンファのパロディが出てきて、日本よりも香港映画人気が根強いのを感じます。欧米スターも交えた人気外国人スターの20位以内に入るのもこの二人。『男たちの挽歌』はじめ香港映画を観て育った4~50代位の人たちが、脚本家や監督になって、盛り込んでいるようです。「花様年華」というドラマでも『欲望の翼』のリバイバル上映を観に行く場面があるとか。
似てなくても、いつまでも話題にしてくれるのはファン冥利に尽きます。(咲)


この作品は、2020年3月の大阪アジアン映画祭で初めて観た。会場はほぼ満員。あの『欲望の翼』のランニングとトランクス姿のレスリー(らしき人)が出てきた時、会場がドッと沸いた(笑)。そして彼が出てくるたびに会場では苦笑が。うれしい反面、全然似ていないという思いがあったみたい。でも香港ファンも多かったので、みんな嬉しそうだった。それにしても、監督が突然亡くなってしまい無職になってしまうというのは、映画界「あるある」だなと思った。そして、とりあえず後輩の女優の家で働き、知り合ったフランス語家庭教師。彼も映画を作る人だった。チャンシルさんは彼に興味をもち、彼も自分に関心があるのではと勘違いして行く姿が、可笑しくもちょっと寂しかった。
この中で印象的だったのは、長い階段を昇って、坂の上のほうにある家に引越しするシーン。何人かの人たちに手伝ってもらうくらいの荷物しかもっていなかったのだろうか。その後、何度もその坂を上ったりさがったりして移動する姿に、こんなところに住んだら大変そうと思いながら観ていた。尾道みたいなところなんだろうか(暁)。


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2019年/韓国/96分/韓国語/カラー/DCP・BD
配給:リアリーライクフィルムズ + キノ・キネマ 
配給協力: アルミード
© KIM Cho-hee All RIGHTS RESERVED/ ReallyLikeFilms
公式サイト:https://www.reallylikefilms.com/chansil
★2021年1月8日(土)、福いっぱいの新春ロードショー!
ヒューマントラストシネマ渋谷・ヒューマントラストシネマ有楽町 他にて


☆映画公開日の 1/8(金)限定で福袋発売!
ヒューマントラストシネマ渋谷・ヒューマントラストシネマ有楽町の劇場窓口および webサイトにて4,000 円で発売予定。
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☆公開を前に特別映像を一挙お披露目!
【主題歌「チャンシルさんには福が多いね」ミュージックビデオ】
 https://youtu.be/Q9c0uc7M4mE
【ショートショート5編】
「あなたは誰? 」https://youtu.be/c-vQnxDAY0A
 出演:キム・ヨンミン
 白のランニングシャツにトランクスという出立で現れた男は誰?
「帰省」 https://youtu.be/cCgiLdq09Jo
 出演: カン・マルグム
 帰省バスのチケットを買ったチャンシル。バスが来るまでの間、母親に電話するも、奇妙なリクエストばかり。
「宇宙から」 https://youtu.be/glZajl8DNfw
 出演:キム・ヨンミン
 まるでどこかの新興宗教の教祖のような、謎のメッセージを繰り返す、白いランニングシャツにトランクスの男。
「福探し」 https://youtu.be/iwhBMw4JtTE
 出演: カン・マルグム
 どこかの国営放送のような女性アナウンサーが、笑顔で緊急アナウンス。
「良いお年を」 https://youtu.be/lDx_T3S6BVI
 出演: カン・マルグム
 まもなく到着するバスを待つチャンシル 。こちらに向かって謎の微笑み。
posted by ほりきみき at 16:48
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