2020年09月27日

ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン( 英題:HOUSE OF CARDIN )

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監督・プロデューサー:P・デヴィッド・エバソール、トッド・ヒューズ
プロデューサー:コリ・コッポラ
撮影監督:ローレント・キング
音楽:ジェームズ・ピーター・モファット
出演:ピエール・カルダン、ジャン=ポール・ゴルチエ、シャロン・ストーン、ナオミ・キャンベル、森英恵、高田賢三、桂由美

ピエール・カルダンはファシズムが台頭する祖国イタリアを出て、フランスに移り住む。パリでファッションの道に進んだ彼は、オートクチュール(高級仕立服)から抜け出て、業界で初めてプレタポルテ(既製服)に本格参入する。アバンギャルドなスタイルを得意とするカルダンは、宇宙時代の感覚を表現したコスモコール・ルックで一躍有名になる。

”カルダンはバカンスをとらない”という話を聞いたことがある。バカンスのために働く印象あるの仏国に於いて、本当にそんな人がいるのか?と俄かには信じ難かった。が、本作を観て都市伝説ではないことが明白に。とにかくバイタリティ溢れる現役の98歳なのだ。インタビューを受ける様は赫灼としており、記憶力もしっかり!
多国籍・グループ企業化しつつあるファッション業界で、揺るぎない単独のブランド帝国を築き上げている。仏国に根を下ろしたパリジャンと思っていたカルダンが、イタリアの貧しい農家に生まれた出自は意外だった。ファシズムが台頭する祖国から仏国へ逃れる際、列車上の遠ざかる風景を昨日のことのように鮮明に語る。移民はパリでゼロからスタートしなければならなかった。バカンスをとらない働き詰めの習慣はこの時に培われたのかもしれない。

第二次世界大戦終結戦の1945年、23歳のカルダンは当時の人気メゾンで『美女と野獣』の衣装を依頼にきたジャン・コクトー監督と出会う。
「あの頃のアート界は狭くてね。直ぐに色々な芸術家と知り合えた。コクトー、ピカソ、ジャン・マレー…。みんな僕と寝たがったものだよ(笑)」
若きカルダンの映像を見ると、モテモテの美男子だったことは想像に難くない。こうした逸話からも、カルダンはゲイだと思い込んでいたため、ジャンヌ・モローとの5年間の恋物語は、美男美女のツーショットが映るに連れ、ロマンチックな気分にさせてくれた。2人が出会った頃、カルダンには公私に渡る男性パートナーがいたが、モローの熱烈アプローチで破局したそう。情熱的な容姿は役の上だけではなかったのだ。
『天使の入江』、『黄色いロールス・ロイス』、『ビバ!マリア』など立て続けにモローの衣装を手掛けたカルダン。一連の作品の中で幼心にも強烈な思い出があるのは、フランソワ・トリュフォー監督作『黒衣の花嫁』だ。婚約者を殺された花嫁が5人の男たちを次々に殺していく復讐劇。登場する度にプリーツやリボンなどメリハリある凝ったディテールの衣装を着こなすモローに見惚れたものである。

ファッションだけでなく、芸術文化全般を大衆化したカルダン。情熱を注いだ劇場運営では、名優ジェラール・ドパルデューを見出していた。また、松本弘子ら、いち早く白人以外のモデルを起用。当時のスーパーモデルとして最先端モードを着こなしていた松本弘子の映像が眩しい。逸話を紹介し出すと止まらなくなる本作。カルダンの「カラフルな人生」を丸わかりできるドキュメンタリーだ。(幸)


2019年製作/101分/G/アメリカ・フランス合作/ビスタサイズ/5.1ch
配給:アルバトロス・フィルム
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ日本
提供:ニューセレクト
(C) House of Cardin - The Ebersole Hughes Company
公式サイト:https://colorful-cardin.com/
★2020年10月2日(金)より、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
posted by yukie at 01:01
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