2020年02月02日

静かな雨

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監督:中川龍太郎
原作:宮下奈都
脚本:梅原英司、中川龍太郎
撮影:塩谷大樹
出演:仲野太賀(行助)、衛藤美彩(こよみ)、三浦透子(斉藤真理)、坂東龍汰(木村)、古舘寛治(医者)、川瀬陽太(パチンコ屋店長)、河瀬直美(こよみの母)、萩原聖人(牧原)、村上淳、でんでん(教授)

大学の研究室に勤める行助(ゆきすけ)は、足が不自由で引きずりながらゆっくり歩く。家に帰る途中、若い女性が1人で切り盛りしている小さな鯛焼き屋を見かけた。美味しそうなにおいにつられて買ってみると、今まで食べたことがないほど美味しかった。以来、ときどき立ち寄っては店主のこよみと言葉を交わすようになる。二人の穏やかな日々に満たされていた行助だったが、こよみは交通事故に遭ってしまう。目覚めたこよみは、古い記憶は残っているものの、新しい記憶は一日しか持たなくなっていた。朝起きると記憶がリセットされているこよみに、行助は毎回同じ説明をして一日を始めることにした。

原作は『羊と鋼の森』の原作者でもある宮下奈都さんのデビュー作です。100ページほどの薄い綺麗な装丁の本でした。原作ものの映画化は初めての中川龍太郎監督がメガホンをとっています。仲野太賀さんは中川監督の『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(2015)でも主演をつとめていました。どんな役でも安心して観ていられる俳優さんです。衛藤美彩さんは初の映画出演ですが、なかなか男前!なこよみをすっきりと演じています。印象的な助演が何人か配されていますが、ほぼ主演二人が出ずっぱりです。少しずつ工夫しながらこの人たちは幸せに暮らしていくんだろうな、と想像できる優しい作品でした。

記憶は時間の長短に関わらず、保持しているのが当たり前とつい思ってしまいますが、精神的なストレスや外傷などでなくなってしまうこと、あるのですね。それだけでドラマチックなので、そんな設定の映画や小説はいくつも。一定の時間でリセットされてしまうのは『50回目のファースト・キス』(2004/アダム・サンドラー&ドリュー・バリモア)。この作品も記憶が一日しか持ちません。同名のリメイク作品が長澤まさみ&山田孝之の二人で作られました(太賀さん出演)。もっと短いのが2005年の『博士の愛した数式』で数学者役の寺尾聡さんが80分しか記憶が持たず、家政婦役の深津絵里さんがたくさんメモを貼っていました。最近では川口春奈&山﨑賢人の『一週間フレンズ。』(2017)、こちらはタイトル通り1週間ごとにリセットされてしまいます。見比べてみるのも一興。(白)

2019年/日本/カラー/99分
配給:キグー
(C)2019「静かな雨」製作委員会/宮下奈都・文藝春秋
https://kiguu-shizukana-ame.com/
★2020年2月7日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 15:46
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