2024年04月21日
夜明けへの道(原題:Rays of Hope)
監督・脚本・撮影・音楽:コ・パウ
音楽:コ・ピョウ
出演:コ・パウ
2021年2月1日、軍事クーデターが勃発。10年前、市民が手に入れた自由と平穏な生活は再び取り上げられた。軍は民主派政権の幹部を拘束し非常事態を宣言する。市民たちの抗議デモが繰り返され、コ・パウ監督はデモを先導したとして指名手配される。危険を感じた監督は、安全のためヤンゴンの家族と離れ、民主派勢力の地域へ逃れていく。いつ見つかるかもしれない、追われる恐怖の日々の中、撮影し続けたセルフドキュメンタリー。
コロナ禍で外出が制限されていたとき、コ・パウ監督が家族で作った動画が冒頭に流れます。俳優でもある監督が面白おかしいショートフィルムを作り、SNSに投稿して人々を元気づけていました。クーデター後はデモに参加し、軍の圧政に抗議を続ける姿勢を崩しませんでした。指名手配を受け、妻や子供たちに影響がないように、一人で逃亡する決心をします。家族の顔を見られるのは携帯での動画だけ、厳しい表情だった監督が、このときだけは優しいお父さんの顔に変わります。双方、どんなにか会いたいだろうと、想像するだけで胸が痛みます。
監督は自由を取り戻すまで、この戦いはやめない、と決心しています。しかし、クーデターから3年の時が過ぎ、世界の関心は新しいニュースに移っていきます。当事者の苦しみは終わっていないのに、世界中から無関心でいられることは足の下に何もないような感覚でしょう。これを「最後の闘いにしたい」と、大きな代償をはらっている人たちが、大勢います。コ・パウ監督たちが家族との平和な暮らしを取り戻せますように。そのために祈るだけでなく、形ある支援、行動を伴った支援をしなくてはと思います。(白)
2023年/ミャンマー/カラー/101分
配給:太秦
(C)Thaw Win Kyar Phyu Production
https://yoake-myanmar.com/
★2024年4月27日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
■本作の興行収入より映画館への配分と、配給・宣伝経費を差し引いた配給収益の一部は支援金とし、コ・パウ監督らを通じてミャンマー支援にあてられます。[配給: 太秦株式会社]