2024年02月17日

マリア 怒りの娘  原題:LA HIJA DE TODAS LAS RABIAS

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(C)Felipa S.A. - Mart Films S.A. de C.V. - Halal Scripted B.V. - Heimatfilm GmbH + CO KG - Promenades Films SARL - Dag Hoel Filmprooduksjon as - Cardon Pictures LLC - Nephilim Producciones S.L. ‒ 2022

監督:ローラ・バウマイスター
出演:アラ・アレハンドラ・メダル、バージニア・セビリア、カルロス・グティエレス、ノエ・エルナンデス、ダイアナ・セダノ

中米ニカラグア、マナグア湖そばの広⼤なゴミ集積場。11歳のマリア(アラ・アレハンドラ・メダル)は、風が舞う中、ゴミの中から残飯を拾って家に帰る。子犬たちと戯れていると、⺟親のリリベス(バージニア・セビリア)から、「売り物よ。情がわくから可愛がっちゃダメ」と言われる。
政府がゴミ収集事業の⺠営化を決定する。リリベスが廃品を売りに集積場に行くが、民営化反対の抗議活動の影響で、ここでは引き取れないと言われる。リリベスは知⼈夫婦(ノ エ・エルナンデス、ダイアナ・セダノ)が営むリサイクル施設にマリアを預け、街に出かけていく。その施設では身寄りのない⼦どもたちが廃棄物のリサイクル作業を⼿伝っていた。タデオという少年(カルロス・グティエレス)が、字を教えてくれて、優しくかまってくれる。ニュースで映し出された抗議デモで負傷した人たちの姿に、戻ってこない母が心配になり、 マリアはタデオの手助けを得て、施設を抜け出し母を探す旅に出る・・・

これまで製作された⻑編映画はわずか数本のニカラグア出身の女性監督による初監督作品。

監督:ローラ・バウマイスター LAURA BAUMEISTER
1983年、ニカラグア⽣まれ。映画監督、社会学者。 メキシコの国⽴映画学校・CCC映画センター(Centro de Capacitacion Cinematografica) で映画制作を学び、 これまで数本の短編を制作。短編『Isabel Im Winter』 (2014 年/22分/メキシコ・ドイツ/ドイツ語/⽇本未 公開)は、2014年カンヌ国際映画祭批評家週間で上映された。本作『マリア 怒りの娘』で⻑編デビューを果たす。


「欲しいものは自分で勝ち取れ」という母親の言葉を胸に、少女から大人の女性へと育っていく姿を圧倒的な映像で描いています。 マリアを演じたアラ・アレハンドラ・メダルの存在感が凄いです。当初予定していたマリア役の少女が、コロナ禍で撮影が延びる中、成長してしまったので、当初エキストラで参加予定だったアラ・アレハンドラ・メダルが抜擢されたのだそうです。
母リリベスを演じたバージニア・セビリアも、必死に社会の中で抗う姿と、マリアの夢に出てくる妖艶ともいえる子を思う姿の対比が素晴らしいです。
楽曲は、フランス映画『燃ゆる⼥の肖像』などを担当したパラ・ワン(ジ ャン=バティスト・デ・ラウビエ)とアーサー・シモニーニが担当。母と娘を描いた本作を、しっとりと盛り立てています。
環境問題や児童労働という、ほかの国でもあることを織り込みながら、なかなか目にすることのないニカラグアの風景を映し出していて、興味を惹かれました。 (咲)


2022年/ニカラグア、メキシコ、オランダ、ドイツ、フランス、ノルウェー、スペイン/91分/スペイン語
字幕:田渕貴美子
配給:ストロール
公式サイト: https://strollfilms.com/daughter
★2024年2月24日(土) ユーロスペースほか全国順次公開



posted by sakiko at 16:01| Comment(0) | ニカラグア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする