監督:バフティヤル・フドイナザーロフ
脚本:セルゲイ・アシケナージ
出演:エゴール・ベロエフ、アナスタシア・ミクリチナ、デトレフ・ブック
アラル海の畔。
魚が獲れますように!と、願掛けしながら踊る人々。
今日は獲れないという船長マラット。妻のダリが一緒に行くと乗り込む。妹のタマラも乗りたいというのを言い聞かせて、港を後にする。船は大嵐に襲われ、マラットは助かるが、妻や仲間を失ってしまう。
数年後、列車に乗っているマラット。食堂車で働いていた妻の妹タマラがマラットに気がつき、思わぬ形で再会を果たす。
マラットは、久しぶりにアラル海のアバスタ港を訪れるが、アラル海は5年前にほとんど干上がってしまい、錆びた船がいくつも放置されている。マラットは自分の船を見つけ、なんとか水のあるところまで引っ張っていこうとする・・・

カザフスタンとウズベキスタンにまたがって広がるアラル海。今や、干上がって、かつての10分の1になってしまったと聞きます。マラットは、ラクダを何頭か連ねて、船を引っ張るのですが、もちろん無理。
本作に出てきたラクダは、ひとコブでした。もう少し東で撮影した『ルナ・パパ』では、ふたコブや、ひとコブ半のラクダでした。中央アジアが、ひとコブとふたコブの境目なのだと実感させられました。
音楽を担当したのは、日本人のかみむら周平さん。
本作がフドイナザーロフ監督最後の作品になってしまいました。変わりゆく中央アジアに、どんな思いを抱えながら、本作を撮ったのでしょう・・・ (咲)
2012年/ロシア、ベルギー、フランス、カザフスタン、ドイツ、タジキスタン/110分/カラー/1:1.85/ドルビー5.1
再発見!フドイナザーロフ ゆかいで切ない夢の旅
公式サイト https://khudojnazarov.com/
主催・配給:ユーロスペース、トレノバ
★2023年6月3日(土)よりユーロスペースほか全国順次開催