2022年05月01日

明日になれば ~アフガニスタン、女たちの決断~  原題:Hava,Maryam,Ayesha 

asuninareba.jpg
(C)2019 Noori Pictures

監督:サハラ・カリミ
脚本:サハラ・カリミ、サミ・ハシブ・ナビザダ
撮影監督:ベッフルーズ・バドロージュ
録音:アスカール・アーブグーン
録音監修:モハマッド・レザー・デルパク
編集:マスタネー・モハジェル
音楽:サバ・ネドイ、アリ・タヴァコリ
プロデューサー:カタユーン・シャハビ、サハラ・カリミ
出演:
ハヴァ:アレズー・アリアプーア
ミリアム:フェレシュタ・アフシャー
アイーシャ:ハシバ・エブラヒミ

アフガニスタンの首都カブールで暮らす3人の女性の物語。
妊婦のハヴァは認知症の義母と、何かと用事を言いつける義父の世話をしながら家事に追われている。今日も、夫から友人を招くと電話があり、隣家の息子に買い物を頼む。お腹の子に「あなたがいるから頑張れる」とつぶやく・・・

ニュースキャスターのミリアムはモデルのオファーもある美貌に加え、英語も出来て仕事場で重宝されている。結婚して7年になるが、夫ファリードは結婚当初から浮気が続いていて離婚しようとしている。夫からは復縁を求めて花束が届くが、ごみ箱に捨てる。「テロで殺されても葬式には来ないで」と留守電に残す。それなのに、妊娠してしまったことに気づく。仕舞い込んでいたウエディングドレスを着てみるミリアム・・・

結納の日を迎えた18歳のアイーシャには家族に言えない秘密があった。妊娠したと同時に恋人が姿を消し、いとこのプロポーズを受け入れたのだ。母親と違って、恋愛結婚をしたかったのに・・・

それぞれの思いを抱えた3人が時同じくして向かった先は・・・
asita 1メインスチール.jpg
(C)2019 Noori Pictures
家父長制の根強いアフガニスタン。さらに、イスラームを極端に解釈する習慣が強い伝統社会で、女性一人では買い物にも病院にも行くのが難しいのです。そんな中で、自分の運命を変えようと一歩踏み出す女性たち。
アフガニスタン映画機構(Afghan Film)初の女性会長を務めていたサハラ・カリミの長編監督デビュー作。ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品。
カリミ監督は、昨年8月、ウクライナの救援機でアフガニスタンを逃れ、その後、パリやローマなどを転々としていて、今はローマにいるそうです。ターリバーンの台頭で映画も音楽も禁じられてしまったアフガニスタン。女性たちが自由にのびのびと生きることのできるアフガニスタンにいつかなることを願うばかりです。(咲)



<監督・共同脚本 サハラ・カリミ コメント>
サハラ・カリミ監督写真.jpg
伝統に縛られた社会での生活を変えようとしている同胞の女性たちについて語ることは、アフガニスタン出身の女性映画製作者としての私の使命です。アフガニスタンの多くの町や村を回り、ハヴァ、マリアム、アイーシャのような女性たちの実話を見つけました。ハヴァはアフガニスタンの主婦、マリアムは知的で学のある女性、アイーシャは中産階級のティーンエイジャーです。彼女たちは家父長制社会に屈服しないように努めています。彼女たちの選択は、あらかじめ決められた人生への抵抗です。私が目指したのは、何年も声を出すことができずにいたけれども、運命を変える覚悟ができた女性たちの人生について語ることです。

サハラ・カリミ プロフィール
1985年生まれ。イランのアフガニスタン難民二世。15歳の頃、2本のイラン映画に出演。これをきっかけにスロバキアで映画を学び始め、映画監督として博士号を取得。その後30本以上の短編映画やドキュメンタリー映画を制作し、国際映画祭で多数の受賞実績を持つ。
10年間、短編映画やドキュメンタリーを制作した後、カブールに戻る。制作したドキュメンタリー映画2本が国際的成功を収め、ARTEFranceとBBCで放送。本作は、カリミ監督の長編処女作であり、アフガニスタンの女優を起用し全編カブールで撮影。


2019年/アフガニスタン・イラン・フランス/カラー/1.85:1/83分/ペルシャ語、ダリ語
配給:NEGA
公式サイト:https://afganwomenmovie.com/
★2022年5月6日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開




posted by sakiko at 18:34| Comment(0) | アフガニスタン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする