監督・脚本:エナ・センディヤレヴィッチ
撮影:エモ・ウィームホフ
編集:ロット・ロスマーク
衣装:ネダ・ナゲル
音響:ヴィンセント・シンセレッティ
音楽:エラ・ファン・デル・ワウデ
出演:サラ・ルナ・ゾリッチ、エルナド・プルニャヴォラツ、ラザ・ドラゴイェヴィッチ
オランダからボスニアへ
少女でも大人でもないアルマの”自分探し”の旅
誰か連れ出して…この退屈な世界から
大人への入り口に立つアルマは、オランダ育ちのボスニア人。母と自分を置いて母国に帰った父が入院し、死にかけているという知らせを受け、父に会うため一人ボスニアへ向かう。冷たい態度で彼女を迎える従兄弟のエミルと、下心いっぱいで近づくその親友デニス。エミルのアパートに着いたものの、キャリーケースの鍵が壊れ、母に買ってもらったぺらぺらのベロアのワンピース一枚の着たきり雀となったアルマ。
ひとり夜の街をさまよい、まるで大人ぶるように髪をブロンドに染める。父の病院に車で送ってほしいと頼むが、忙しいからとエミルたちに相手にされず、アルマは仕方なく長距離バスに乗り込む…。
両親が戦火を逃れてあとにした故国に初めて降り立ったアルマ。
祈りの時を告げるアザーンが聴こえてきて、モスクがみえるサラエボの町。オランダ育ちのアルマにとって、自分のルーツの国でありながら、どことなく自分の居場所ではない不安定な感じ。居心地が悪いというわけでもない、不思議な感覚が映画の最後まで漂いました。
ボスニア・ヘルツェゴビナ出身、オランダ育ちというエナ・センディヤレヴィッチ監督自身のルーツを色濃く投影した半自伝的作品。監督が心酔するジム・ジャームッシュの代表作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』から多大なインスピレーションを受けているとのこと。
また、『テイク・ミー・サムウェア・ナイス』というタイトルは、エナ・センディヤレヴィッチ監督が愛するスコットランド出身のポストロックバンド「モグワイ」の楽曲名に由来。大人になりかけて、自分探ししながら、これからの人生に何が起こるかの期待を密かに抱いていることも感じさせてくれました。(咲)
監督・脚本:エナ・センディヤレヴィッチ
Ena Sendijarević
1987年ボスニア・ヘルツェゴビナ生まれ。モドリチャにて幼少期を過ごすも、ボスニア紛争の勃発により家族と共に避難。ベルリンを含む約20回の転居生活を経て、2002年にオランダ・アムステルダムに移住した。アムステルダム大学およびベルリン自由大学でメディアと文化を学び、2014年にオランダ映画アカデミーで脚本と演出を専攻、卒業。難民としてオランダに渡った自身の背景や、複雑なアイデンティティの問題は、彼女の作品全体に深く息づいている。2013年、初の短編映画『Reizigers in de Nacht(夜の旅人)』を発表。2016年には、オランダに逃れたボスニア難民家族の移住をテーマにした短編映画『Import』が、カンヌ国際映画祭監督週間で上映され、大きな注目を集めた。2019年、『テイク・ミー・サムウェア・ナイス』で長編デビュー。ミニマリズム、東欧的ロードムービー、 キッチュな美術センスを融合させ、主人公アルマの内面と不安定な旅を詩的かつユーモラスに描いた。(公式サイトより)
第48回ロッテルダム国際映画祭タイガーアワード特別賞
第92回アカデミー賞最優秀国際長編映画部門オランダ代表
2019サラエボ映画祭ハートオブサラエボ賞
第21回ソウル国際女性映画祭最優秀映画賞
2019年/オランダ・ボスニア/オランダ語・ボスニア語/カラー/4:3/91分
日本語字幕:上條葉月
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション
配給:クレプスキュール フィルム
公式サイト:https://take-me.crepuscule-films.com/
★2025年9月13日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開


