2021年07月28日
明日に向かって笑え!(原題:La odisea de los Giles)
監督:セバスティアン・ボレンステイン
原作:エドゥアルド・サチェリ
脚本:セバスティアン・ボレンステイン、エドゥアルド・サチェリ
撮影:ロドリゴ・プルペイロ
出演:リカルド・ダリン(フェルミン)、ルイス・ブランドーニ(アントニオ)、チノ・ダリン(ロドリゴ)、アンドレス・パラ、ベロニカ・ジナス、ダニエル・アラオス、アレハンドロ・ヒへナ
2001年、アルゼンチン。寂れた田舎町に住む元サッカー選手のフェルミン。今は妻リディアと二人ガソリンスタンドを経営してつましく暮らしている。放置されて荒れ果てていく農業施設の復活を思いつき、隣人たちに声をかけた。なけなしのお金を出し合って銀行に融資を願い出、現金を預けた翌日、金融危機で預金が凍結されてしまった。しかも相談に応じた弁護士と銀行がこの状況を悪用して、フェルミンたちのお金は戻らなくなってしまう。呆然としてはいられない、盗まれた財産を取り戻さねば!
『瞳の奥の秘密』の脚本家エドゥアルド・サチェリと主演俳優のリカルド・ダリンが再びタッグを組んだ本作、く同じように金融危機に煮え湯を飲まされ、振り回された国民の支持を得たのでしょう。大ヒットとなったそうです。日本でも銀行が破綻したことはありましたが、預金は守られました。一番頼りになるはずの銀行や弁護士が騙すってどういうこと!?金融などさっぱりわからない私は頭がぐるぐるしてしまいました。HPにも少し解説がありますが、国が外国に作った借金を返すために、銀行のお金をあてたということなんでしょうか(ざっくりすぎ)?きちんと知りたい方は自力で調べましょう。
日本は関係ないと思うかもしれませんが、日本の国債発行高もかなりのものですよ。国が国民に借金しているわけなんですが、これ変ですよね。増税だって国が支出をよく見て、無駄遣いをやめるのが先じゃないですか。自分たちが払った税金の使い道に目を光らせてもっと口うるさくならなきゃ。フェルミンたちのように、気づいたときには大損ってことになるかも。
さて、怒り心頭のフェルミンたちはリベンジに出るのですが、それが雑というかなんというか、見ていてドキドキさせられます。父たちの計画におおいに貢献する息子のロドリゴ役に、リカルド・ダリンの実の息子、チノ・ダリン。『永遠に僕のもの』(2019)で主人公が惹かれるイケメン役でした。(白)
ラテンの国アルゼンチンなのに、なぜだか本作、ヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」が軽やかに奏でられる中、悲劇は始まります。いえ、最初は、10年間放置されていた倉庫を皆で農協にしようという夢だったのです。
貸金庫に預けたままなら問題なかったのに、預金が凍結されることを知っていた銀行員と弁護士に、融資を受けるなら口座に入金すればいいと、まんまと騙されてしまった次第。
夢を取り戻そう!と、騙し取られたお金の隠し場所を探し当てて盗み返そうと奮闘する人たちの姿がユーモアを交えて描かれていて、原題「La odisea de los Giles」の「まぬけたちの一連の長い冒険」という意味に納得!(咲)
2019年/アルゼンチン/カラー/シネスコ/116分/スペイン語
配給:ギャガ
(C)2019 CAPITAL INTELECTUAL S.A./KENYA FILMS/MOD Pictures S.L.
https://gaga.ne.jp/asuniwarae/
★2021年8月6日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開