2025年08月01日

よみがえる声

8月2日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開

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©『よみがえる声』上映委員会


2025年に90歳を迎えた在日朝鮮人2世の映画作家・朴壽南(パク・スナム)が、娘の朴麻衣(パク・マイ)と共同監督し、歴史に埋もれた声なき者たちの物語を描き出したドキュメンタリー

監督:朴壽南 朴麻衣
プロデューサー:朴麻衣 ムン・ジョンヒョン
撮影:大津幸四郎 星野欣一 照屋真治 朴麻衣 金稔万 キム・ミョンユン
編集:朴麻衣 ムン・ジョンヒョン
助監督:佐藤千綋
フィルム復元協力:安井喜雄

朴壽南さんは在日朝鮮人二世として三重県で生まれた映像作家。小松川事件(1958年に江戸川区の小松川高校で起きた女子学生殺人事件)の在日朝鮮人2世の少年死刑囚・李珍宇(イ・ジヌ)との往復書簡「罪と死と愛と」で注目を集め、その後、1964年より、植民地支配による朝鮮半島から日本への強制連行された人々や、広島と長崎で被爆した在日朝鮮人の声を掘り起こした証言集を出版。ペンをカメラにかえ1986年、朝鮮人被爆者のドキュメンタリー映画『もうひとつのヒロシマ』を初監督。その後、1991年に沖縄戦の朝鮮人「軍夫」「慰安婦」を追った『アリランのうた−オキナワからの証言』を製作。2012年には、沖縄戦の「集団自決」と朝鮮人「慰安婦」「軍属」の証言を集めた『ぬちがふぅ(命果報)−玉砕場からの証言』を完成。2017年に韓国の「慰安婦」被害者たちの闘いの記録『沈黙−立ち上がる慰安婦』を送り出してきた。『よみがえる声』は、約40年前から朴壽南監督が撮り続けていた16mmフィルムを基に制作された。制作された映画の中で使われなかった部分も生かそうと声なき声を復活させた。

1935年に生まれた彼女は、幼少期に皇民化教育を受け、天皇を神と信じる「皇国少女」として育てられた。5歳の時、民族衣装をまとった母親が、日本人に石を投げられ罵声を浴びせられるという屈辱的な経験を目の前で見て、在日朝鮮人への深い憎悪の視線に触れる。彼女はその苦しみに耐えきれず自らの朝鮮人としてのアイデンティティから逃げ出した。しかし1945年の解放後、朝鮮学校で祖国の歴史と文化を学ぶ中で、自分自身の民族的な魂を再び取り戻していった。
戦後の1950年代、日本に定住した約60万人の在日朝鮮人たちは、民族差別によってまともな職に就くことができず、貧困に苦しんでいた。この絶望的な状況から抜け出すため、「地上の楽園」と宣伝された北朝鮮への帰国事業が進められる中で、小松川事件という悲劇が起きた。
その後、朴壽南は在日朝鮮人一世たちの体験を聞き取るために、日本各地を訪ね歩き取材記事を発表していった。1964年、朴壽南は在日朝鮮人一世への取材を開始し、日韓協定によって賠償を受けることができなくなってしまった朝鮮人被爆者たちの声を記録し始めた。差別への恐れから沈黙を続ける彼らの姿に向き合い、高齢化した一世たちが次々と他界していく中で、その沈黙を映像で表現するためペンからカメラへと手段を変えていった。
朴壽南は、ライフワークとして朝鮮人原爆被爆者の実情と今日の課題に焦点を当て続けた。日本政府による歴史の歪曲や、関連作品への介入が続く中でも、朴壽南は30年以上もの間、沈黙の中に埋もれた歴史の被害者たちの声を記録し続けてきた。

活動を続ける中で、黄斑変性症の影響で視力が亡くなってきた朴壽南監督だが、娘の朴麻衣さんがサポートし、制作を続けてきた。母娘の絆が紡ぐフィルムによって、作られたこの作品は各国の映画祭で上映され、数々の賞を受賞。韓国ではすでに公開されている。2025年2月の座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルでもコンペティション部門で大賞を受賞。
時代の波に飲み込まれた記憶や事実を丹念に掘り起こし光を当てていて、単なる過去の記録ではなく、私たちがいま直面する課題にも深く結びついている。

公式HPより
朴麻衣(共同監督)
1968年3月、神奈川県生まれの在日朝鮮人3世。朴壽南の長女で10代の頃から母親の自主上映活動の一端を担う。2006年から沖縄の撮影に同行し『ぬちがふぅ(命果報)−玉砕場からの証言』に助監督として参加した。2016年には『沈黙−立ち上がる慰安婦』編集及びプロデューサーとして参加。朴壽南が撮りためた16mmフィルム映像ほか各種の映像記録の復元、アーカイブ化、自主上映の運営を継続している。

朴壽南監督のこれまでの仕事。ほんとに頭が下がります。自身も辛い目に遭いながら、ずっと活動を続け、知られてこなかった歴史と出来事を掘り起こし、映画の形に作り上げ、人々に知らしめてきたことはすごいことだと思います。長い年月、続けてきたことによってできた作品ではありますが、映画に出なかった取材分もたくさんあり、それをどう生かすかと始まったデジタル化。そしてアーカイブ化。娘の麻衣さんと壽南監督が喧々諤々で始まる最初のシーンではどうなることかと思ったけど、たくさんの記録を見る中で、デジタル化とアーカイブ化の行方が見えて来て、ちょっとホッとしました(暁)。

公式HPはこちら
2025年製作/148分/日本・韓国合作
配給:「よみがえる声」上映委員会

『よみがえる声』イベント情報

《語り継ぐ映画祭》イベント情報
posted by akemi at 07:44| Comment(0) | 合作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月20日

突然、君がいなくなって(原題:Ljósbrot/英題:When the Light Breaks)

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監督・脚本:ルーナ・ルーナソン
撮影:ソフィア・オルソン(『サーミの血』「ザ・クラウン」)
音楽:ヨハン・ヨハンソン(『メッセージ』『博士と彼女のセオリー』)
出演:エリーン・ハットル(ウナ)、ミカエル・コーバー(グンニ)、カトラ・ニャルスドッティル(クララ)、バルドゥル・エイナルソン(ディッディ)

アイスランドの首都レイキャビクの美大生のウナには、大切な恋人ディッディがいる。しかし、彼には遠距離恋愛をしている長年の恋人、クララがいた。ディッディはクララに別れを告げに行くと家を出た後、事故に巻き込まれ帰らぬ人となってしまう。誰にも真実を語ることができないまま、ひとり愛する人を失った悲しみを抱えるウナの前に、何も知らないクララが現れる――。

アイスランド映画を何本観たか数えていませんが、背景になる風景にいつも目を奪われます。たくさんの映画のロケ地にもなっていて、氷河やフィヨルド、白夜が思い浮かびます。この作品では海辺で恋人たちが並んで観る夕陽が印象的。教会の前では映画と同じように「飛べる」人が出現しそうです。
突然恋人を失ったウナは、悲しみの持って行き場所がありません。日本のドラマだったら、もっとすったもんだになりそうですが、淡く品よくまとまっています。しかし、もとはと言えば二股かけたデッディがあかん。2人泣かせたではないかっ。(白)


第 77 回カンヌ国際映画祭ある視点部門オープニング上映
第 48 回ヨーテボリ映画祭ドラゴン賞最優秀北欧映画賞
第 26 回エッダ賞 作品賞/主演女優賞(エリーン・ハットル)/助演女優賞(カトラ・ニャルスディットル)/視覚効果賞
第 49 回トロント国際映画祭センターピース部門上映
第 29 回釜山国際映画祭ワールド・シネマ部門上映

2024年/アイスランド、オランダ、クロアチア、フランス/カラー/ビスタ/80分
配給:ビターズ・エンド
(C)Compass Films,Halibut,Revolver Amsterdam,MP Filmska Produkcija,Eaux Vives Productions,Jour2Fete,The Party Film Sales
https://www.bitters.co.jp/totsuzen/
★2025年6月20日(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

posted by shiraishi at 18:30| Comment(0) | 合作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月30日

未完成の映画 原題:一部未完成的電影 英題:An Unfinished Film

2025年5月2日より 角川シネマ有楽町、池袋シネマ・ロサ、渋谷シネクイント、アップリンク吉祥寺ほか、全国順次公開

監督:婁 燁 ロウ・イエ( LOU Ye )
製作:マー・インリー、フィリップ・ボベール
脚本:ロウ・イエ マー・インリー
撮影:ツォン・ジエン
出演
ジャン・チェン:秦昊(チン・ハオ)
マオ・シャオルイ:毛暁瑞(マオ・シャオルイ)
サン・チー:斉渓(チー・シー)
イエ・シャオ:ホアン・シュエン

未完成の映画をコロナ禍で完成させようとするドキュドラマ。
時は2019年。10年電源を入れてなかったパソコンが起動され、そこに入っていた未完の映画を完成させたいと(婁燁監督と思われる)シャオルイ監督は思い、この映画の主演俳優ジャン(秦昊)を呼び出し「この映画を完成しよう」と説得。本人っぽく演じているので、そこもクスっと笑える。しかし「クイア映画」で、ジャンは10年前だったらよかったけど、今は妻子がいるので出演したくないと渋る。しかも公開されるあてもない。しかし、結局、撮影は開始される。
撮影もあと少しという頃、武漢からコロナによるパンデミックに。程なくしてホテルはロックダウンされ、主演俳優とクルーはホテルのそれぞれの部屋に閉じ込められる。部屋に閉込められた人達は身動きが取れず、コミュニケーション手段はスマホだけ。劇中ではコロナ禍で撮影されたスマホの動画が次々とスクリーンに映し出される。スマホでニュースを追いかけたり、オンライン会議や通信手段などなど。混沌とした画面が続く。コロナ禍、世界中の人々が体験したことがここに。そして映画はまた中断?
東京フィルメックスで上映され、「観客賞」受賞。
カンヌ映画祭でも特別上映作品として上映された。

これまでコロナ禍の映画をいくつか観てきたが、これほど、その状況をうまく活用した作品はなかったかも。現実とフィクションが入り交り、混乱ぶりがすごく出ていて、今となっては防護服など、あのコロナ禍の過度の服装が、笑い話にも思える。でもあの頃は真剣だった(暁)。

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第25回 東京フィルメックス(2024)でのロウ・イエ監督とマー・インリーさん


公式HP https://www.uplink.co.jp/mikansei/
シンガポール、ドイツ / 2024 / 107分
配給:アップリンク
posted by akemi at 05:57| Comment(0) | 合作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月26日

王兵(ワン・ビン)監督最新作『青春 -苦ー 第2部』『青春 -帰ー 第3部』2作品同時公開

2025年4月26日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次(2作同時公開) 一部の公開劇場では『青春 -春-』(第1部)のアンコール上映も 上映情報

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© 2023 Gladys Glover – House on Fire – CS Production – ARTE France Cinéma – Les Films Fauves – Volya Films – WANG bing
『青春 -苦-』(第2部)監督:王兵(ワン・ビン) 
原題:青春 苦  英題:YOUTH (HARD TIMES) 2024 年 
フランス=ルクセンブルク=オランダ 226 分(3 時間46 分)字幕:磯尚太郎

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© 2023 Gladys Glover - House on Fire - CS Production - ARTE France Cinéma - Les Films Fauves - Volya Films – WANG bing
『青春 -帰-』(第3部) 監督:王兵(ワン・ビン)
原題:青春 帰 英題:YOUTH (HOMECOMING) 2024 年 
フランス=ルクセンブルク=オランダ 152 分(2 時間32 分)字幕:磯尚太郎

『青春 -春-』第 1 部 青春 春 はこちら
2023年 フランス=ルクセンブルク=オランダ 215分
第1部は昨年4月に日本公開

『鉄西区』『三姉妹 雲南の子』『死霊魂』などで知られる中国のドキュメンタリー作家、王兵(ワン・ビン)の最新作『青春』。3部作のうちの第2部『青春 -苦-』と第3部『青春 -帰-』が公開される。
第1部は2023年カンヌ国際映画祭で初上映され、翌年に日本公開。第2部『青春-苦-』は2024年8月のロカルノ映画祭、第3部『青春-帰-』は2024年9月のヴェネチア国際映画祭で世界初上映。今回、1,2,3ブ同時公開される映画館もあり、3本一緒に上映されるのは日本が初めてとのこと。

2部、3部は、1部同様、長江デルタ地域の「子供服の製造」で有名な、織里(しょくり)という町の縫製工場で働く若者たちの労働と日常が描かれる。農民工と呼ばれる、出稼ぎの若者たちを通して、中国の若者たちの姿、出稼ぎの街の姿、農民工たちの故郷の姿を通し、てこの時代の中国の姿が浮かびあがってくる3部作。

『青春』-苦-(第2部)
第2部タイトルは「苦」。中国、織里。ある縫製工場で繰り広げられる若者たちの姿。1部と同じく、ものすごいスピードでミシンで子供服を縫製するシーンが繰り返し映し出される。子供服製造の速度を競い合ったり、歌を流しながら、おしゃべりをしながら、ミシンに向かう若者たち。笑い合ったり、ふざけ合ったり、喧嘩したり、そんな光景が続く。ミスばかりする者もいて仲間に呆れられ、働きたくない者も。帳簿をなくして、社長に賃金は払えないと言われたり、賃上げ交渉のシーンも。交渉決裂で、なかなか妥結しない。そういうのが延々映し出される。別の工場では、社長が全財産を持ち逃げしてしまい、賃金が支払われなかったり、生々しい状況が続く。気楽に働いているようだけど、そういうリスクもいろいろ出てくる。そして、春節を祝うため、故郷へ帰る人々。そして、故郷までカメラは追いかける。

『青春』-帰-(第3部)
春節の休暇が近づき、職工たちは故郷で春節を祝うため郷里に順次戻り、織里の縫製工場は閑散としている。わずかに残った労働者たち。カメラは彼らの故郷まで追いかける。故郷で春節を祝う人々。休暇中に結婚式を挙げる人もがいる。それぞれの故郷での出来事を追う。でも、故郷には仕事がない。春節の休暇が終わり、労働者たちはまた織里の縫製工場に戻る。働き場所がなくなって、職場が変わった人もいる。そして、新たに若い世代の出稼ぎが工場にやってきた。変わらない生活、変わっていく生活。でも同じように、ミシンの音は続く。

予告編
公式HPはこちら 
ムヴィオラ創立25周年記念作品
配給:ムヴィオラ

シアター・イメージフォーラム
●1週目4/26(土)〜5/2(金)&3週目5/10(土)〜5/16(金) 
1部『青春-春-』(3時間35分)11:00-14:40
2部『青春-苦-』(3時間46分)14:55-18:56(休憩あり)
3部『青春-帰-』(2時間32分) 19:10-21:47
●2週目5/3(土)〜5/9(金)&4週目5/17(土)〜5/23(金)
2部『青春-苦-』11:00-15:01(休憩あり)
3部『青春-帰-』15:30-18:07
1部『青春-春-』18:20-22:00
●4/29(火・祝)、5/10(土)は特別上映『鉄西区』(9時間5分)11:30-20:55(休憩2回あり)
●5/5(月・祝)は特別上映『死霊魂』(8時間28分)12:00-20:48(休憩2回あり)
※上記3日は『青春』は休映となります。
posted by akemi at 22:14| Comment(0) | 合作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月19日

ラ・カリファ 原題:LA CALIFFA

2024年4月19日 新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー 劇場情報

©1970 RTI

91年の生涯で、500作品以上もの映画・TV作品の音楽を手がけた映画音楽界の巨匠、エンニオ・モリコーネ(1928-2020)

必聴!必見!モリコーネの名曲がスクリーンに甦る!!
映画『モリコーネ 映画が恋した音楽科』(21)でも取り上げられた、名匠エンニオ・モリコーネが手がけた名曲映画2作品の特選上映。

昨年(2023)劇場公開されたジュゼッペ・トルナトーレ監督によるドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(21)での大きな感動と称賛を経て、3/22(金)から彼の出世作であり代表作の『荒野の用心棒』(64)『夕陽のガンマン』(65)『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(66)の“ドル3部作”が4K劇場リバイバルされるなど、いま再びモリコーネ・リスペクト、再評価の動きが高まっている。

これらの動きに連動するかたちで、4/19(金)より『モリコーネ 映画が恋した音楽家』でも取り上げられた『死刑台のメロディ』(71)の4Kリマスター版と、日本初公開となる『ラ・カリファ』(70)の2作品を、『永遠のフィルム・マエストロ エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2』として上映。

『ラ・カリファ』

監督・脚本:アルベルト・ベヴィラクア 撮影:ロベルト・ジェラルディ 音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ロミー・シュナイダー、ウーゴ・トニャッツィ、マリーナ・ベルティ、マッシモ・ファネッリ、ロベルト・ビサッコ
★1971年度カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品
★1971年度デヴィッド・ディ・ドナテッロ賞主演男優賞受賞(ウーゴ・トニャッツィ)

モリコーネの甘美なメロディが心に沁みる─。
最盛期のロミー・シュナイダーが許されぬ恋におちる女性を体当たりで演じた社会派メロドラマが、待望の日本初公開!
ストライキでイタリアが混乱する中、イレーネの夫は殺害され、彼女は亡き夫に変わって労働者たちの情熱的な先導者となった。 イレーネはかつて同じ仲間だった工場経営者のドベルドと対立するが、聡明なドベルトの考え方に共鳴するうち、いつしか彼にひかれていく。互いの立場の違いを抱えながらもふたりは逢瀬を重ねていくが、やがて悲劇が彼らを襲う。

かつての仲間だった工場長とストライキの女性リーダーが恋におちてゆく社会派メロドラマ。32歳の女盛りを迎えた凛々しいロミー・シュナイダーと、『Mr.レディ Mr.マダム』シリーズのウーゴ・トニャッツィが禁断の恋を演じる。本作のテーマ曲は、数あるモリコーネのスコアの中でも人気の高い曲として知られているが、映画自体は日本では劇場未公開だった。今回ファン待望の日本初公開が実現する。監督は脚本家出身で、本作で監督デビューを飾ったアルベルト・ベヴィラクア。

「ルートヴィヒ」「夕なぎ」などに出演しヨーロッパ映画界で人気を誇った女優ロミー・シュナイダーが、許されざる恋に落ちた女性を体当たりで演じた1970年製作の社会派メロドラマ。

亡き夫の遺志を継いでストライキのリーダーとなった女性が、かつての仲間であった工場長の男性と対立しながらも次第にひかれ合っていく姿を、巨匠エンニオ・モリコーネの甘美なメロディに乗せて描き出す。「Mr.レディMr.マダム」シリーズのウーゴ・トニャッツィが工場長を演じ、イタリアの脚本家アルベルト・ベビラクアが長編初メガホンをとった。

モリコーネによるテーマ曲は数ある彼の作品の中でも特に人気が高いことで知られるが、映画自体は日本では長らく未公開のままだった。2024年4月、特集企画「エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2」にて日本初公開。

公式HP https://www.morricone-ss.com/
1970年/イタリア・フランス合作/91分
カラー/ビスタサイズ/DCP/イタリア語モノラル 
配給:キングレコード
posted by akemi at 21:09| Comment(0) | 合作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする