2025年10月06日
グランドツアー 原題:Grand Tour
監督:ミゲル・ゴメス
撮影:ルイ・ポサス、サヨムプー・ムックディプローム、グオ・リャン
出演:ゴンサロ・ワディントン、クリスティーナ・アルファイアテ、クラウディオ・ダ・シルヴァ、ラン=ケー・トラン
逃げる男 追う女
1918年、ビルマのラングーン。大英帝国の公務員エドワードと結婚するために婚約者モリーは現地を訪れるが、エドワードはモリーが到着する直前に姿を消してしまう。逃げる男と追う女の、ロマンティックでコミカルでメランコリックなアジアを巡る大旅行の行方は…。
映像の魔術師ミゲル・ゴメスが4年の歳月をかけ完成させた最新作
観る者をアジアの迷宮へと誘う、時空を超えた幻想の映画の旅
『熱波』『アラビアン・ナイト』などで知られるポルトガルの鬼才ミゲル・ゴメスが、コロナ禍を乗り越え制作期間4年をかけて完成させた本作は、第77回(2024年)カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した話題作。撮影に『ブンミおじさんの森』『君の名前で僕を呼んで』『チャレンジャーズ』の名撮影監督サヨムプー・ムックディプローム、日本側のプロデューサーに『大いなる不在』の近浦啓監督ら豪華スタッフが参加し、ミャンマー/シンガポール/タイ/ベトナム/フィリピン/日本/中国のアジア7カ国でロケを敢行。観る者を摩訶不思議な境地〈グランドツアー〉に誘う。
ミゲル・ゴメス監督は、自身の結婚式の前夜に読んでいた文豪サマセット・モームの「パーラーの紳士」の中に、出会ったビルマに住むイギリス人の男が婚約者から逃げるためにアジアの果てへと旅に出た・・・という話があって、それに触発されて作ったのが本作。まずは、自分自身で旅をして、その時に撮った映像も織り交ぜてあって、過去と現在が、モノクロとカラーで交錯し、幻想的なアジアの旅へと誘ってくれます。 まさに西洋人が憧れるオリエンタリズム。シンガポールのラッフルズホテル、バイクの溢れる街、春節等々。
日本部分は、大阪道頓堀、つるつる庵、虚無僧、雪深い白川郷?、露天風呂に入るお猿さん・・・ さらに旅は中国へ。上海、長江、重慶、そしてチベットが遥かに見える山奥でパンダに出会います。
それにしても、ネットもない時代に、モリーはエドワードの逃げる先をどうやって突き止めて、電報を送ったり、船に乗って追いかけたりしたのでしょう! 結婚を前に逃げたくなるのは、女の方かと思ったら、男も逃げたくなるのですねぇ。
モリーはエドワードに追いつくことはできるのか・・・ 結末はぜひ劇場で! (咲)
2024年/ポルトガル・イタリア・フランス・ドイツ・日本・中国/ポルトガル語、中国語、タイ語、フランス語、ビルマ語、ベトナム語、フィリピン語、日本語/129分/カラー・モノクロ/1.66:1/5.1ch
字幕:齋藤敦子 字幕監修:木下眞穂
後援:ポルトガル大使館
提供:シネマライズ、ミモザフィルムズ
配給:ミモザフィルムズ
公式サイト:https://mimosafilms.com/grandtour/
★2025年10月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開
2020年09月13日
ヴィタリナ 原題:Vitalina Varela
監督:ペドロ・コスタ
出演:ヴィタリナ・ヴァレラ、 ヴェントゥーラ マヌエル・タヴァレス・アルメイダ、フランシスコ・ブリト、マリナ・アルヴェス・ドミンゲス、ニルサ・フォルテス
闇の中、一列になって黒人の男たちが歩いていく。十字架の並ぶ墓地。
リスボンの片隅、移民たちが暮らす、フォンタイーニャス地区。
暗く狭い部屋。小さな祭壇の傍らに座る女性ヴィタリア。夫が亡くなった知らせを受けて、カーボ・ヴェルデから駆け付けたが、3日前にすでに葬儀は終わっていた。
弔いにきた男たちに、ぽつりぽつりと語るヴィタリア。
「1982年の12月14日に婚姻届を出し、1983年3月5日に結婚式を挙げた」
「出稼ぎ先のポルトガルからカーボ・ヴェルデに一時帰国して、牝牛1頭売って、45日で10室も部屋のある立派な家をひとりで作ってくれた。別れも告げずにポルトガルに帰ってしまって、ドアや窓は私が作った。完成した家を夫は見ていない」
「リスボン行きの切符が届くのを40年待った」
ヴィタリアは夫が過ごしたリスボンの家で暮らす決意をする・・・
ペドロ・コスタ監督は、『ホース・マネー』を撮影中の2013年秋、カーボ・ヴェルデからやってきたヴィタリアに出会う。まさに、亡き夫の家に着いたばかりだった。連日、家に通って彼女の話を聞きだしたのが、本作の始まり。演じたのも、ヴィタリア本人。2019年ロカルノ国際映画祭でみごと女優賞を受賞。『ヴィタリア』は最高賞である金豹賞も受賞し、まさに作品の力。
ヴィタリアには夫が一時帰国したときにできた子どもが二人。夫は故郷に立派な家も作りながら、なぜ一生を狭いリスボンの暗く狭い家で終えたのか・・・ その狭い家で暮らすことを選んだヴィタリア。夫と長く一緒に暮らせなかったことへのヴィタリアの思いが感じられて切ない。(咲)
2019年/ポルトガル/ポルトガル語・クレオール語/DCP/130分
配給:シネマトリックス
公式サイト:http://www.cinematrix.jp/vitalina/
★2020年9月19日(土)ユーロスペースにてロードショー、全国順次公開


