監督・脚本:アダム・エリオット
音楽:エレナ・カッツ=チェルニン
声の出演:サラ・スヌーク(グレース・パデル)、ジャッキー・ウィーバー(ピンキー)、コディ・スミット=マクフィー(ギルバート)
1970年代のオーストラリア。双子のグレースとギルバートは、明るくてひょうきんな父と3人暮らし。母は双子を出産したときに亡くなってしまった。父も2人を残して急死してしまい、グレースとギルバートは別々の里親の元に引き取られる。グレースは子どものいない夫妻のもとへ、何不自由なかったが里親は留守がちで、いつも一緒だった弟が恋しかった。ギルバートの里親は怪しげな宗教団体を営んでいて、ギルバートは働き手の一人になった。内気なグレースの友達はカタツムリだけ。近所の陽気なお婆さんピンキーと知り合い、ようやく友達ができた。
クレイアニメーション『メアリー&マックス』(09)のアダム・エリオット監督が8年かけて制作した新作アニメーション。本作もCGやAIに頼らず、一つ一つ手作りしたアイテムやキャラクターを一コマずつ撮影しました。その数13万5千カット!!冒頭に流れるクレジットはその小さなアイテムに書かれていました。ミニチュア好きな人は一時停止してじっくり見たくなるはずです。
キャラクターたちの動きはあまり多くなく、表情で語っています。渋めな色合いは大人向けに見えますが、内気なグレースの心模様は子どもたちにも理解できるでしょう。初恋に出逢ったり、傷ついたりもしましたが、年上のピンキーという親友もできました。カタツムリのようにゆっくり生きていいんだよ、とエリオット監督からエールをもらった気がします。(白)
アダム・エリオット監督(新潟国際アニメーション映画祭にて)
2024年/オーストラリア/カラー/94分
配給:トランスフォーマー
(C)2024 ARENAMEDIA PTY LTD, FILMFEST LIMITED AND SCREEN AUSTRALIA
https://transformer.co.jp/m/katatsumuri/
★2025年6月27日(金)より全国ロードショー