2020年03月22日

世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ

2020年3月27日 ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館で公開。
全国順次ロードショー 上映情報
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(c)CAPITAL INTELECTUAL S.A, RASTA INTERNATIONAL, MOE

監督:エミール・クストリッツァ
製作:ウーゴ・シグマン
製作総指揮::レティシア・クリスティ
脚本:エミール・クストリッツァ
編集:スベトリク・ミカ・ザイッチ
出演:ホセ・ムヒカ、ルシア・トポランスキー

南米ウルグアイの第40代大統領ホセ・ムヒカの魅力に迫る

2010年3月1日より2015年2月末まで、南米ウルグアイの第40代大統領を務めたホセ・ムヒカ。大統領就任中、収入の大半を貧しい人々のために寄付し、職務の合間にはトラクターに乗って農業に親しんだホセ・ムヒカさんの魅力に迫ったドキュメンタリー。
そんな姿勢から「世界で一番貧しい大統領」と言われ、全世界から注目を受けるようになったのは2012年リオデジャネイロ(ブラジル)で開催された「国連持続可能な開発会議」で、「環境危機を引き起こしている真の原因は消費至上主義である」と鋭く指摘。「経済発展は必ずしも人類の幸福に結びついておらず、むしろ経済格差が広がり続ける現状を憂い、怒り、よりよい未来に向けて行動を起こせ」と呼びかけた。この発言に世界中の人が共感し、2013年、14年には2度ノーベル平和賞にノミネート。日本でも多数の本が出版され2016年には初来日を果たした。
まん丸な体とやさしい瞳のムヒカ大統領だが、極貧家庭に育ち、左翼ゲリラとして権力と戦い、13年もの投獄生活を送り、愛するパートナー、ルシア・トポランスキーと離ればなれの苛烈な拘留生活を経て大統領に就任した。ペペという愛称で国民から親しまれているムヒカさんは、今もトラクターを運転し農業を続けている。
ムヒカさんの波乱万丈の人生に魅了され、この作品を作ったのは、ユーゴスラビア出身で『パパは、出張中!』『アンダーグラウンド』『黒猫・白猫』などの作品で知られるエミール・クストリッツァ監督。

私がホセ・ムヒカさんのことを知ったのは、リオデジャネイロで行われた国連地球環境サミット(通称)の時。ムヒカさんの発言が注目され「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれ来日もしました。この時、広島などを訪問し、それらがニュースで流れました。その後、去年ピースボートでウルグアイを訪問した時、船にムヒカさんが訪れる予定だったけど、前の日、雨の中農作業をして風邪をひき本人の来船はありませんでした。だけど妻のルシアさんは来船し、ムヒカさんの話、ウルグアイの話を聞けました。それにしても85歳の今もトラクターに乗って農作業を続けているのでしょうか。だとしたらすごいです。若い頃にはウルグアイに移住した日本人とも働いたことがあるようで、菊の花も作っているようです。そのことはスタッフ日記に書きました(暁)。

参考 シネマジャーナルHP スタッフ日記
2019年、最後に観た映画は『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』でした

ホセ・ムヒカのことを知ったのは、2019年の『ハッパGoGo 大統領極秘指令』を見たとき。世界で初めてマリファナを合法化したと知り、「なんて大胆なことをする大統領なのだろう」と驚いたのを覚えている。
本作では、ムヒカが極貧家庭に育ち、左翼ゲリラとして権力と戦い、愛する妻と離ればなれの苛烈な拘留生活を経て、大統領になったことを伝える。今の穏やかそうな姿からは想像もできない。政治活動のために子どもを産み育むことを諦めたそうだが、そこまでの覚悟に驚く。また夫婦の絆の深さも感じる。
2016年に来日しているが、日本を見てがっかりしたのではないかと心配になった。(堀)



2018年製作/74分/G/アルゼンチン・ウルグアイ・セルビア合作
原題:El Pepe, Una Vida Suprema
配給:アルバトロス・フィルム
公式HP
https://pepe-movie.com/
posted by akemi at 18:58| Comment(0) | ウルグアイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月07日

ハッパGoGo 大統領極秘指令(原題:Get the Weed) 

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監督:デニー・ブレックナー、アルフォンソ・ゲレロ、マルコス・ヘッチ
原案:デニー・ブレックナー
脚本:デニー・ブレックナー、アルフォンソ・ゲレロ、マルコス・ヘッチ
撮影:アルフォンソ・ゲレロ、マルコス・ヘッチ
出演:デニー・ブレックナー、タルマ・フリードレル、グスタポ・オルモス、イグナシオ・ロケ、ペペ・ムヒカ(友情出演)

南米のウルグアイ政府が世界で初めてマリファナを合法化される。当時のホセ・ムヒカ大統領は「麻薬密輸業者(ナルコス)と戦うための大いなる実験だ」と法案に署名し、国が栽培と販売を統括し、薬局において1グラム1ドルで売ると発表した。
薬局を営むアルフレド(デニー・ブレックナー)は、苦しい経営状況を打開するために、早速、試験販売として、ブラウニーにマリファナを混ぜて売り始める。噂が噂を呼び、薬局には長蛇の列。テレビが取材に訪れるまでになったが、実は、密売業者からマリファナを入手していたことがバレて、逮捕され、独房に入れられる。
一方、法案成立から数ヶ月たっても、栽培が始まらず、人々は徐々に不満をつのらせ、議会に押し寄せるようになっていた。任期満了を控えた大統領は、国外の供給ルートを探ることにし、独房にいたアルフレドに釈放と引き替えに、歴史的なオバマ大統領との会談までに米国でマリファナ50トンを手に入れろ!と極秘指令を出す。
母タルマ(タルマ・フリードレル)と共に米国に渡るアルフレド。「ウルグアイ合法大麻会議所」をねつ造し、コロラド州デンバーで行われる「420ラリー」や「カンナビス・カップ」を通して、米国マリファナ業界に潜入する。垣間見える米マリファナ業界の事実。ウルグアイからの助っ人警察官タトと共に、果たして大統領のからの指令を遂行することができるのか?

大麻を合法化したのに売るべき大麻がない! ウルグアイの大統領から密命を受け、アメリカに販売ルートを開拓しに行った息子と母、警察官の珍道中をドキュメンタリータッチで描く。監督が主演し、実母が母役で出演。母は素人とは思えない大胆な振る舞いで作品を牽引する。麻薬密輸組織の温床と言われるラテンアメリカの国から大麻を輸入させてくれと言われたときのアメリカ人の反応は興味深い。アメリカで知り合う麻薬の関連団体の関係者たちは本物? 駐米ウルグアイ大使は? どこまでが事実? すべてが気になってしまう。(堀)

2017年/ウルグアイ=米国/カラー/75分
配給:Action Inc.+Smoke
© 2019 Action Inc.All rights reserved
公式サイト:https://www.8855movie.com/
★2019年7月13日(土)ロードショー
posted by ほりきみき at 17:03| Comment(0) | ウルグアイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする