2019年06月23日

COLD WAR あの歌、2つの心  原題:Zimna wojna

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監督・脚本:パヴェウ・パヴリコフスキ((『イーダ』)
出演:ヨアンナ・クーリク、トマシュ・コット、アガタ・クレシャ、ボリス・シィツ、ジャンヌ・バリバール、セドリック・カーン 他

1949年、ポーランド。ピアニストのヴィクトルは、国立舞踊団立ち上げの為、才能ある少年少女発掘の命を受けて訪ねた先で、ズーラという少女に心を奪われる。父親殺しで執行猶予中と知り驚くが、才能を見込んで舞踊団に抜擢する。舞踊団の花として成長したズーラと激しい恋に落ちるヴィクトル。冷戦下で禁じられているジャズを捨てられないヴィクトルは、ズーラと共にパリへの亡命を決意する。約束の場所にズーラは現われず、一人でパリに赴く。その後、舞踊団のパリ公演でズーラと再会するヴィクトル。二人の運命は?

ポーランド、東ベルリン、パリ、ユーゴスラビアを舞台に、別れと再会を繰り返すヴィクトルとズーラの15年。まさに冷戦という時代に翻弄された二人の仲。それだけに二人の思いは激しく揺れ動く。民族音楽、クラシック、ジャズ等々、様々な音楽が映画を彩る。モノクロームの映像も哀愁を漂わせる。自由な時代だったなら、これほどまでに狂おしい気持ちになっただろうかとも、ふと思う。心に深く残る一作。(咲)

2018年/ポーランド・イギリス・フランス/ポーランド語・フランス語・ドイツ語・ロシア語 /モノクロ / スタンダード / 5.1ch / 88分 / DCP
配給:キノフィルムズ・木下グループ /
後援:駐日ポーランド共和国大使館、ポーランド広報文化センター、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
© OPUS FILM Sp. z o.o. / Apocalypso Pictures Cold War Limited / MK Productions / ARTE France Cinéma / The British Film Institute / Channel Four Televison Corporation / Canal+ Poland / EC1 Łódź / Mazowiecki Instytut Kultury / Instytucja Filmowa Silesia Film / Kino Świat / Wojewódzki Dom Kultury w Rzeszowie
公式サイト:https://coldwar-movie.jp/
★2019年6月28日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町 ヒューマントラストシネマ渋谷 他 全国ロードショー





posted by sakiko at 09:42| Comment(0) | ポーランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月25日

メモリーズ・オブ・サマー  原題:Wspomnienie lata

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監督:アダム・グジンスキ
出演:マックス・ヤスチシェンプスキ,ウルシュラ・グラボフスカ,ロベルト・ビェンツキェビチ

1970年代末、ポーランドの田舎町。12歳のピョトレックは、夏休みを大好きな母ヴィシャと過ごしている。父は外国へ出稼ぎ中だ。やがて、母が昼間の仕事だけでなく、夜も毎日のようにおしゃれをして出かけるようになる。ピョトレックは置き去りにされて不満だ。昼間、暇を持て余して近くの湖に行き、年上の少年が率いる不良グループと親しくなる。一方、都会からやって来た少女マイカとも知り合い、ピョトレックは彼女に好意を抱くようになる。だが、マイカが不良少年と親しくしているのを目撃してしまう。相変わらず母が浮き浮きと出歩いている中、父が出稼ぎ先から帰ってくる・・・

12歳の夏の出来事。初恋、そして挫折、親との確執・・・ いろんなことがあって、少年は大人への一歩を踏み出します。
1970年代のポーランドという背景が、なんともノスタルジック。
虫の入った琥珀のお守りがいかにもポーランドらしいアイテムとして登場します。
人それぞれの大人への通過儀礼があるけれど、このピョトレックのケースは、ちょっと衝撃的? (咲)


美しい母、端正な顔立ちで、きちんと躾けられた息子。湖畔で戯れ、線路脇の道を電車と並び、自転車で駆け抜けるさまはまるで恋人同士のよう。幸せいっぱいのシーンだが、何となく不安感が拭い去れないのは、冒頭の衝撃的なシーンのせい。「この幸せは長く続かないはず」と物語に引き込まれてしまう。巧みな演出だ。
最初に変化を見せたのは母。夜の外出が増え、口紅が濃くなり、まとめ上げていた髪が解かれる。母が知らない誰かに女を見せるために出掛けていく姿を12歳の少年が受け入れるのは酷だ。時折、反抗的な態度を見せるようになる。そして、少年もかさぶたを剥がすような痛みを経験しながら、大人に近づいていく。
夏が終わり、秋を迎えたとき、少年は母から飛び立っていった。(堀)


アダム・グジンスキ監督インタビュー記事はこちらから。

2016年/ポーランド/83分/マグネタイズ/DCP
配給:マグネタイズ
公式サイト:http://memories-of-summer-movie.jp/
★2019年6月1日(土)より YEBISU GARDEN CINEMA / UPLINK吉祥寺ほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 19:41| Comment(0) | ポーランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする