2021年11月28日

ベロゴリア戦記 第2章:劣等勇者と暗黒の魔術師(原題:The Last Warrior: Root of Evil)

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監督:ドミトリー・ディアチェンコ
脚本:ヴィタリー・シュリャッポ、ドミトリー・ジャン、ワシリー・クツェンコ、パヴェル・ダニロフ、イゴール・トゥドヴァセフ
撮影:パベル・カピノス
音楽:ジョージ・カリス
出演:ヴィクトル・ホリニャック(イワン)、ミラ・シヴァツカヤ(ヴァシリーサ)、エカテリーナ・ヴィルコワ(ヴァルヴァラ)、コンスタンチン・ラヴロネンコ(コシチェイ)、イェーレナ・ヤコブレワ(バーバ・ヤーガ)、セルゲイ・ブルノフ(ヴォジャノーイ)

ベロゴリアにようやく平和が訪れ、イワンはヴァシリーサと共に暮らしていた。たびたび人間界に戻って最新機器を持ち帰り便利さを自慢しているが、ヴァシリーサはそんな文明の利器が好きではない。イワンは結婚して人間界へ行こうと誘うが気が乗らずにいた。一方闇に潜んでいた強大な敵が目覚めるときが近づいていた。そうとは知らず、力比べの大会を前にいまだ戦士の能力が覚醒しないイワンは、恋敵の出現に心穏やかではない。ヴァルヴァラも復活し、イワンの剣を狙っている。そして意外な人物がそこに…。

第1章の続きこの第2章も本国で大ヒット。前作よりさらにダイナミックなアドベンチャー+アクション色が濃くなっています。イワンは相変わらずお調子者で、バーバ・ヤーガのベリーを盗んだり嘘をついたりこりない男です。スマイルマーク立体版のようなコロボークや巨人も登場。コロボークもお話に登場するジャガイモ団子(バスケボール大)、イワンが優しくしてくれたと旅の友になります。自分で「イワンの馬鹿」と言うやつですが、いいところもあります。テーマがなかなか深いのですよ。ラストに明かされる過去におおっとびっくりします。第3章も控えているようですが、どんな未来になるのでしょう?お楽しみに。(白)

2021年/ロシア、アメリカ/カラー/シネスコ/121分
配給:アルバトロス・フィルム
(C)Disney 2020 (C)YBW Group 2020
https://belogorie.jp/
★2021年12月3日(金)よりロードショー
posted by shiraishi at 02:22| Comment(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月27日

ナチス・バスターズ 原題:Krasnyy prizrak  英題:The Red Ghost

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© ABC, Ltd. © Russian World Vision, LLC All rights reserved.2020

監督・製作・脚本:アンドレイ・ボガティレフ
出演:アレクセイ・シェフチェンコフ(『セイビング・レニングラード』)、ウラディミール・ゴスチューキン、ユーリー・ボリソフ(『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』『ワールドエンド』)、オレグ・バシリコフ、ポリーナ・チェルニショワ、ウォルフガング・セルニー(『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』)、ミクハイル・ゴレボイ、パベル・アブラメンコフ、コンスタンティン・シモノフ、ブヤチェスラフ・シクハリフ、ポール・オルリヤンスキー、ミクハイル・メリン

1941年、冬。ドイツ軍はソ連に侵攻したが、モスクワを目前に戦線が膠着していた。一匹狼のロシア狙撃兵が、ドイツ兵を次々と射殺しているらしいという噂が広まり、ドイツ兵はその正体不明の死神を《赤い亡霊》と呼び、いつ狙撃されるか分からない恐怖に怯えていた。
そんな中、頭に袋を被せられたロシア人の男がドイツの大尉の前に連れて来られる。負傷兵を癒すための役者だという。「芝居をして見せろ!」と命じられ、ヒトラーの演説の真似をするが、「笑えない」と怒鳴る大尉が、銃弾に倒れる。《赤い亡霊》が木陰から狙い撃ちしたのだ。《赤い亡霊》に助けられた5人のロシア兵の一行は、部隊とはぐれて味方の戦線に戻ろうと敵地を進んでいたのだった。一行の中には役者のほか、看護師で妊婦のベラもいた・・・

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© ABC, Ltd. © Russian World Vision, LLC All rights reserved.2020

ヒトラー風の格好をしていてもドイツ語は話せないロシア人の役者。そして、ドイツの将校はロシア語を解さないので、多少ロシア語のわかる若いドイツ兵が通訳を務めるのですが、完璧な通訳はできません。人と人とが対面した、かつての戦争では、言葉が通じないことで誤解が生じて、殺しあうことになってしまったことも多々あるのではと思いました。
冗談の通じなさそうな四角四面のドイツ兵に対して、ロシア人の小話(アネクトード)好きを垣間見ることができました。イギリス兵とフランス兵とロシア兵が、ドイツ兵に捕まって、「最後の望みは?」と聞かれた時のお国柄の出た答え。別の話もあるよと、ほんとにロシア人は小話好き。
あと、圧巻は、看護師のベラが産気づいたとき、これまでに3回お産に立ち会っているというロシア兵が、みごと、男の子を取り上げる場面。戦地に臨月の身で参加していたとはと驚きます。
映画は、「名もなき戦士に捧ぐ」と終わりました。80年前、極寒の戦地で、命を落とした人たちを悼む作品でした。(咲)


冒頭からハラハラの連続で、緊張感が続きます。ドイツ軍のブラウン大尉はモデルばりのイケメンですが冷血。兵隊になったばかりのグンターは心優しい若者で、子豚を可愛がったり妊婦のベラをかばったりします。古参の兵はそんな彼にわざわざ辛い役目を押しつけ、戦争は人を歪ませるとつくづく思います。
5人のロシア兵が30人のドイツ兵と闘うときにブラウン大尉は入浴中で素っ裸。いちいち入るボカシが一緒に動き、きりりとした軍服姿と違って無防備で笑わせてくれます。どうしても酒が飲みたいロシア兵もいて、笑ってる場合ではないんですけどところどころにそんなシーンがありました。極寒の地で命がけの闘いを続ける戦争映画ですが、キレキレのエンタメ作品でもありました。(白)


こちらも、あわせてどうぞ!
11/19公開 『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』


2020年/ロシア映画/ロシア語・ドイツ語/99分/シネマスコープ
字幕:仲村渠和香子
提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
公式サイトhttps://nazisbusters.com/
★2021年12月3日(金)よりグランドシネマサンシャイン池袋ほか全国順次公開




posted by sakiko at 19:14| Comment(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ベロゴリア戦記 第1章:異世界の王国と魔法の剣(原題:The Last Warrior: Root of Evil)

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監督:ドミトリー・ディアチェンコ
脚本:ヴィタリー・シュリャッポ、ドミトリー・ジャン、ワシリー・クツェンコ、パヴェル・ダニロフ、イゴール・トゥドヴァセフ
撮影:パベル・カピノス
音楽:ジョージ・カリス
出演:ヴィクトル・ホリニャック(イワン)、ミラ・シヴァツカヤ(ヴァシリーサ)、エカテリーナ・ヴィルコワ(ヴァルヴァラ)、コンスタンチン・ラヴロネンコ(コシチェイ)、イェーレナ・ヤコブレワ(バーバ・ヤーガ)、セルゲイ・ブルノフ(ヴォジャノーイ)

人気TV番組に魔術師として出演するイワン。魔術が使えるわけではなく、孤児院で育ち口先だけで生き抜いてきたペテン師。騙した相手は数知れず、その日も嘘がばれて逃走劇を繰り広げ、プールのウォータースライダーに逃げ込んだ。飛び出したのは全く見覚えのない世界。目の前には魔法使いのようなお爺さん。なぜかイワンを待っていたらしい。ここはベロゴリア王国で、イワンは戦士イリヤの息子に生まれてすぐ人間界に隠されていたのだ。そして今、王国を救う「救世主」として召喚されたんだそうだが…イワンには電波の届かないスマートフォンがあるだけだった―。

ディズニー・ロシアが送り出す異世界ファンタジー。イワンは人間界から異世界に召喚されて、王国を救わねばならないのですが、強大な敵の前になんのスキルもありません。そこに賢くて勇敢な娘ヴァシリーサが現れ、力を合わせて闘うことになります。イワンがまた調子のいい奴で、ペテン師で食べていけたのも納得。
この頼りないイワンを助けてロシアの民話や神話に登場する妖怪たちも活躍します。バーバ・ヤーガはロシア版山姥。鳥の足が生えている小屋に住んで、どこへでも移動する人食い妖怪。「美しいヴァシリーサ」というお話では、ヴァシリーサは継母の使いでバーバ・ヤーガの小屋で働かされますが、亡くなった母が残してくれた人形の知恵で切り抜けるヒロインでした。ヴォジャノーイは沼や川に住む水の精で、大事にすると豊漁となり、粗末にすると人間を引きずり込みます。どちらもロシアのベテラン俳優が演じています。
2017年、ロシアでは大ヒットし、2020年に第2章が作られました。作りこんだ異世界を舞台に、馴染みのあるキャラが活躍するので、大人も子どもも大いに楽しんだはず。悪役がまた迫力あるんですよ。ファンタジー好きな方、ご覧くださいませ。(白)


2017年/ロシア/カラー/シネスコ/114分
配給:アルバトロス・フィルム
(C)Disney 2017 (C)YBW Group 2017
https://belogorie.jp/
★2021年11月26日(金)よりロードショー
posted by shiraishi at 01:59| Comment(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月13日

1941 モスクワ攻防戦80年目の真実   原題:Podolskiye kursanty 英題:THE LAST FRONTIER

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© Voenfilm

監督・脚本:ヴァディム・シメリェフ
製作・脚本:イゴール・ウゴルニコフ(『ブレスト要塞大攻防戦』)
製作:ヴァディム・ザドロジニ
撮影:アンドレイ・ガーキン
音楽:ユーリ・ポテイェンコ(『ナイト・ウォッチ』)
出演:アルチョム・グビン、リュボフ・コンスタンティノワ、イゴール・ユディン、アレクセイ・バルデュコフ「メトロ42」、エフゲニー・ディアトロフ、セルゲイ・ベズルコフ、ロマン・マディアノフ、エカテリーナ・レドニコワ、セルゲイ・ボンダルチュク(『スターリングラード 史上最大の市街戦』)、グラム・バブリシヴィリ(『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』)

第2次世界大戦の流れを変える転換点となった「モスクワ攻防戦」。
最前線でドイツ軍に対峙した若き士官候補生たちの知られざる物語。

1941年10月、ポドリスク砲兵学校で訓練中の士官候補生ラヴロフとディミトリ。二人は共に思いを寄せている看護師のマーシャをめぐって喧嘩し、独房に入れられてしまう。そんな最中、ナチス・ドイツ軍がワルシャワ街道をモスクワに向かって進撃中との情報が入る。中央司令部は適切な援軍を集めるまで進軍を阻止するべく、訓練中の学生兵を前線に送ることを決断する。士官候補生のラヴロフたちは、いずれは将校や中尉となり、兵士を率いる立場だが、基礎訓練も終えておらず、現役の経験もない。いきなり最前線でし烈なドイツ軍の攻撃を受け、仲間が次々に命を落としていく・・・

1941年10月、ポドルスクの2つの軍事学校とモスクワの軍事工学学校から、20歳前後の若者約3,500人の士官候補生が、指揮官とともにマロヤロスラベッツ近郊の前線に派遣された。彼らの任務は、第43軍の部隊とともに、ワルシャワ街道をモスクワに向かって進む敵軍の進撃を少なくとも5日間は阻止すること。ドイツ・ナチス軍は、重砲、空爆、戦車などで士官候補生たちの陣地を叩いたが、突破することはできなかった。士官候補生たちは12日間イリインスキーラインを守り続け、一人として自分の持ち場を捨てようとはしなかった。この作戦で約2,500人が命を落とした。

1941年のイリインスキー防衛線を忠実に再現するために、現在は住宅地となっている前線から少し離れた場所に映画のセットを建設。人工の川、村、ピルボックス、橋、ワルシャワ・ハイウェイの一部などを、航空写真などのアーカイブ資料を使って再現。Vadim Zadorozhny氏の車両博物館に展示されていたソ連やドイツの戦車の実物を使用し、銃器や軍装にも、こだわって1941年の戦いを再現しています。果敢にドイツの戦車に立ち向かう若き士官候補生たちが次々に命を落としていきます。あまりに過酷な戦場の実態。遠隔操作で敵を攻撃する今の時代と違って、戦争が人と人が殺し合うものであることを思い起こさせてくれます。
軍医の女性が嘆きます。「なぜ、未来のある若者が戦うの? 母国を守るために戦っている若者たちを、母国はなぜ助けないの?」
一人の女性を巡って争うけれど、深い友情で結ばれたラヴロフとディミトリ、前線に向かう前に思いを寄せている女性に思い切ってプロポーズする青年、ノートに詩を書きとめ皆に聞かせる青年・・・ 世界のどこにでもいそうな若者たちの姿が描かれていて、戦争の虚しさをずっしりと感じさせられました。(咲)


こちらも、あわせてどうぞ!
12/3公開 『ナチス・バスターズ』


2020年/ロシア映画/ロシア語/142分/シネマスコープ
字幕:藤本聡
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
© Voenfilm
公式サイト:https://1941.jp/
★2021年11月19日(金)より東京・グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国ロードショー



posted by sakiko at 23:42| Comment(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月09日

クー!キン・ザ・ザ   原題:Ku! Kin-dza-dza

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監督:ゲオルギー・ダネリア
共同監督:タチアナ・イリーナ
声の出演:ニコライ・グベンコ(ウラジーミル・チジョフ)、イワン・ツェフミストレンコ(トリク)、アンドレイ・レオノフ(ウエフ)、アレクセイ・コルガン(ビー)

雪に覆われたモスクワ。世界的に著名なチェリストのウラジーミル・チジョフは、大通りで「あなたの甥だ」というDJ志望の青年トリクから金を貸してくれと頼まれる。二人の前にパジャマ姿の裸足の宇宙人が現れ、彼の”テレポーター”のボタンをうっかり押してしまい、キン・ザ・ザ星雲にワープしてしまう。そこは見渡す限りの砂漠に覆われ、身に着けるズボンの色によって階級が分かれた場所だった。「クー!」の一言がその抑揚で名詞・形容詞・副詞・感嘆詞などを表す世界。トリクは、臨機応変に異星人たちと「クー!」を駆使して物々交換し、なんとか地球に還ろうと奮闘する・・・

ソ連時代のジョージア(グルジア)で、1986年に製作された『不思議惑星キン・ザ・ザ』を、ゲオルギー・ダネリア監督が自らアニメ化した作品。2019年に88歳で逝去し、遺作となりました。
2016年8月に公開された実写版『不思議惑星キン・ザ・ザ デジタル・リマスター版』を拝見し、何とも不思議な世界で面白かったので、これは絶対見逃せないと観てみました。
実写版の方がインパクトありましたが、アニメも負けず劣らず脱力系の作品で楽しみました。描かれている世界は、はっきりとした階級社会。現実社会への皮肉がたっぷりです。 (咲)


不思議な寓意に満ちた作品でした。あまりアニメとか見ない私ですが、たまにはアニメもいいかなと感じさせてくれました。言葉が通じない世界で、「クー」の抑揚を変えることで、話がわかるというのがおかしかったし、なるほどと思いました。現在の世界でもそういうのが通じたらいいのにと思ったけど、実際、言葉が通じないところに行ったら、大変でした。それにしても、階級社会、差別化された社会への痛烈な批評が込められた作品で、こういうアニメだからこそ表現できたのかもと思います(暁)。

2013年/ロシア/92分
配給:パンドラ
公式サイト:http://www.pan-dora.co.jp/kookindzadza/
★2021年5月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
posted by sakiko at 18:44| Comment(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする