2025年07月12日

マドリード王立劇場 シネマ・ステージ 『エフゲニ・オネーギン』&『アドリアーナ・ルクヴルール』

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(C)LBFF2025

マドリード王立劇場 シネマ・ステージ
スペインの首都マドリードにある「マドリード王立劇場(テアトロ・レアル)」。同劇場は荘厳な佇まいと圧倒的な芸術性、最新の舞台設備を有し、文化遺産にも登録されている権威ある歌劇場です。2021年、世界最高のオペラ劇場に贈られる「International Opera Award 2021(国際オペラ賞)」を受賞。そんな由緒ある「テアトロ・レアル」で上演された名作オペラが、日本の映画館で堪能できる特別上映シリーズ。
オペラの美しい歌声、舞台の一瞬一瞬を切り取った臨場感ある演出をどの席からでも余すことなく味わえるのは映画館ならでは。まるで「テアトロ・レアル」で生のオペラを鑑賞しているかのような感覚です。記念すべき第1弾は、報われない愛をテーマにしたピョートル・チャイコフスキーの傑作『エフゲニ・オネーギン』と、実在した女優アドリアーナ・ルクヴルールの華麗で苛烈な愛と人生を描いた悲劇『アドリアーナ・ルクヴルール』。映像の完成度は高く、“舞台芸術と映画の融合”と呼ぶにふさわしい作品です。映画とは異なる“生の芸術”がもたらす、心揺さぶる新たな感動体験。

●『エフゲニ・オネーギン』 原題:EUGUENE ONEGIN
上映期間:2025年7月18日(金)~24日(木) 

●『アドリアーナ・ルクヴルール』 原題:ADRIANA LECOUVREUR 
上映期間:2025年7月25日(金)~31日(木) 

上映劇場:TOHOシネマズ日本橋/TOHOシネマズ流山おおたかの森/TOHOシネマズららぽーと横浜/大阪ステーションシティシネマ/TOHOシネマズ二条
チケット料金:一般2,500円/学生・HC割引2,000円(税込)  

企画・提供:ラテンビート 
後援:スペイン大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京 
配給:ラテンビート、ライトフィルム
公式サイト:http://www.lbff.jp

◆上映作品紹介
●『エフゲニ・オネーギン』 原題:EUGUENE ONEGIN
音楽監督:グスタボ・ヒメノ コルニリオス・ミハイリディス 
舞台監督:クリストフ・ロイ 
原作:アレクサンドル・プーシキン
キャスト:カタリナ・ダライマン、クリスティーナ・ムヒタリアン、ヴィクトリア・カルカチェワ、エレナ・ジリオ、イウリイ・サモイロフ
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(C)Javier del Real
若者たちの葛藤を叙情豊かな音楽で綴る
ロシアの田舎と上流社会を舞台に、無垢な少女タチアナと、虚無な青年オネーギンの悲劇的な恋と心の綾を描く。

悲恋をテーマにした、ピョートル・チャイコフスキーの傑作。1879年、モスクワ初演。テアトロ・レアルでは2010年に続き、2025年に原作者アレクサンドル・プーシキンの生誕225周年を記念して上演された。オスロのデン・ノルスケ・オペラ劇場とバルセロナのグラン・テアトロ・デル・リセウ劇場の共同制作。
2025年/スペイン/156分 
テアトロ・レアル上演期間:2025年1月22日~2月18日 

ロシアの田舎町の大きなお屋敷で、使用人があちこちで働く姿に始まり、邸宅で繰り広げられる宴には大勢の人々が集い、総出演者は果たして何人? 舞台いっぱいの人々に圧倒されました。
一方、青年オネーギンの秘めた恋の行方は、しっとりと描かれていました。
まるで劇場にいるかのような臨場感ですが、この舞台をテアトロ・レアルで実際に観ることができれば!と思わずにはいられませんでした。(咲)



●『アドリアーナ・ルクヴルール』 原題:ADRIANA LECOUVREUR
音楽監督:ニコラ・ルイゾッティ 
舞台監督:デビッド・マクヴィカー 
原作:エルネスト・ルグーヴェ ウジェーヌ・スクリーブ
キャスト:エルモネラ・ジャホ、マリア・アグレスタ ブライアン・ジャグデ、マシュー・ポレンザニ マウリツィオ・ムラロ エリーナ・ガランチャ、クセニア・ドゥドニコワ、テレサ・ロマーノ 
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(C)Javier del Real
美しい愛の歌でつむぐ、パリ社交界に生きた女優の生涯
18世紀のパリを舞台に、実在したコメディ・フランセーズの花形女優アドリアーナ・ルクヴルールの華麗で苛烈な愛と人生を綴る。

フランチェスコ・チレアによる抒情的レパートリーで、1902年にミラノで初演。本公演は、テアトロ・レアルでの初上演で、スペイン出身の三大テノール、ホセ・カレラスが1974年に同郷のソプラノ、モンセラート・カバリェと共演し、大きな反響を呼んだ伝説的舞台から50周年を記念して企画された。演出は、オペラと演劇の分野で幅広く活躍するデビッド・マクヴィカーが務めている。
2024年/スペイン/139分 
テアトロ・レアル上演期間:2024年9月23日~10月11日 


◆マドリード王立劇場(テアトロ・レアル/Teatro Real de Madrid)とは?
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イサベル1世の治世下の1850年に、建築家アントニオ・ロペス・アグアドが?がけ開場。その後、一時期は閉鎖されましたが、1966年に王立高等音楽院および演劇芸術学校の音楽ホール兼校舎として使用。数年間にわたる改修工事を経て、1997年にオペラハウスとして再オープンしました。1977年にはスペインの文化遺産に登録されています。同劇場の最大の特徴は、最大1958席を誇るメインホールと、1,472平方メートルのステージ・ボックス。舞台やオーケストラ・ピットに合わせて舞台装置を変更可能で、照明・音響の組み合わせも多様につくり出せます。テアトロ・レアルでは、世界中で評されるさまざまな劇場と共同でオペラを制作しています。2015年には100万ユーロを投資し、同劇場に録音スタジオを設置。著名な映画監督や演出家によるオペラからバレエまで数々の舞台を収録し、世界各国の映画館で上映しています。
公式サイト:https://www.teatroreal.es/es
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posted by sakiko at 12:21| Comment(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月26日

ザ・ルーム・ネクスト・ドア  原題:The Room Next Door

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©2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. ©El Deseo. Photo by Iglesias Más.

監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
原作:シーグリッド・ヌーネス「What Are You Going Through」
出演:ティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーア、ジョン・タトゥーロ、アレッサンドロ・ニボラ

巨匠ペドロ・アルモドバル監督の初の長編英語作品
第81回ベネチア国際映画祭 金獅子賞受賞


安楽死を望む女性と寄り添う親友の最期の数日間

小説家のイングリッド(ジュリアン・ムーア)は、久しぶりに帰ってきたニューヨークでのサイン会で、若い頃、同じ雑誌社で一緒に働いていた親友のマーサ(ティルダ・スウィントン)が末期ガンだと共通の友人から聞かされる。戦場ジャーナリストとなったマーサとは、長い間音信不通だった。イングリッドはマーサと再会し、会ってなかった時間を埋めるように語らう日々を過ごす。そんなある日、マーサから、「もう治療はせず、自らの意志で最期を迎えたい、ついては、その日を迎えるのを見届けてほしい」と頼まれる。悩んだ末、マーサが借りた森の中の一軒家で一緒に暮らし始める。マーサは「ドアを開けて寝るけれど もしドアが閉まっていたら、私はもうこの世にはいない」と告げる・・・

戦場ジャーナリストだったマーサは、死を間近にみてきて、自身がガンで余命わずかと知った時、治療で苦しい思いをするよりも、静かに最期を迎えたいと決意します。かつての同僚で胸のうちを明かせるイングリッドに一緒にいてほしいと願い、イングリッドもまた自分にできることは寄り添って話を聞くことだと悟ります。マーサにとって、心残りは若い時に産んだ娘のミシェルとそりが合わず、何年も会ってないことでした。イングリッドがマーサのためにミシェルにしてあげたことに、涙。
死は誰にでも訪れるもの。それでも、潔く死を受け入れることはなかなかできません。死を迎えることを決意したマーサのそばで、イングリッドのほうが戸惑うのもわかります。さて、私なら?  (咲)


2024 年/スペイン
配給:ワーナー ブラザース映画
公式サイト:https://warnerbros.co.jp/movies/detail.php?title_id=59643&c=1
★2025年1月31日(金)より全国公開
posted by sakiko at 20:05| Comment(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月07日

ロボット・ドリームズ(原題:Robot Dreams)

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監督・脚本:パブロ・ベルヘル
原作:サラ・バロン

1980年代のニューヨーク。大都会のアパートで一人暮らしのドックは、食事も一人、テレビを見るのも一人、の孤独な毎日を過ごしている。窓の向こうに見える家族だんらんがちょっとうらやましい。テレビで友達ロボットのコマーシャルを見つけて、さっそく申し込んでみた。後日、大きな箱が届いてドックはワクワク。説明書にしたがって部品を組み立てると、パチリと目が開き、ロボットが誕生した。その日から二人暮らし、なんでも一緒に楽しめる!
ある日ビーチに出かけて遊んでいるうちに、ロボットが海水のためにさびて動けなくなった。ドックは修理しようと奔走するが、シーズンオフに入ったビーチは閉鎖されてしまった。

パブロ・ベルヘル監督(代表作『ブランカニエベズ』)の初のアニメーション。アメリカのグラフィックノベルが原作で、擬人化された動物たちの暮らしを描いています。友達ロボットはプラモデルのように簡単に作れて高性能。もしも将来実現できたなら爆売れでしょう。昨年の第36回東京国際映画祭で上映されています。セリフがないため、世界中どこの国でも楽しめる作品です。
ロボットがビーチで砂に埋もれてしまうので心配になりますが、自分で起き上がれないだけで生きて(?)います。子どもと一緒に観ても大丈夫。離れている間にもいろいろありますが、信頼しあう二人の友情は変わりません。観終わって胸がほっこりします。
ドックになんだか懐かしさを感じましたが、大人向けの漫画やテレビ番組「お笑い漫画道場」で人気を博した富永一朗さんのキャラと体型が似ているんです。親近感があるのはそのせいでした。60年~90年代に活躍した人なので若い方にはなじみがないですね。昭和は遠くなりにけり。(白)


2023年/スペイン・フランス/カラー/102分
配給:クロックワークス
(C)2023 Arcadia Motion Pictures S.L., Lokiz Films A.I.E., Noodles Production SARL, Les Films du Worso SARL
https://klockworx-v.com/robotdreams/
★2024年11月8日(金)より全国ロードショー


posted by shiraishi at 00:50| Comment(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月30日

ユニコーン・ウォーズ(原題:Unicorn Wars)

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監督・脚本:アルベルト・バスケス

とあるディストピア。熊とユニコーンがそれぞれのテリトリーに住んでいた。この両者は先祖代々闘いが続いている。テディベアの双子の兄弟、ゴルディとアスリンは軍の新兵訓練所で厳しい特訓を受けていた。
先発の部隊が魔法の森へ行ったまま戻らず、捜索部隊が出動することになった。ほどなくアスリンたちが目にしたのは無残な姿の隊員たちだった。聖書には「最後のユニコーンの血を飲む者は、美しく永遠の存在になる」という言葉がある。部隊はユニコーンを追って深い森へと進軍していくが、その地で巻き起こる悲惨で残酷な出来事の先には、とんでもない結末が待ち受けていた…。

こちらは昨年開催された第一回新潟国際アニメーション映画祭のコンペティション部門で拝見。テディベアを始めとして可愛いキャラたちが勢ぞろいで、お子様向けかと思いきや・・・そのキャラの姿で血みどろの闘い、幻覚からの殺戮、飢餓に襲われと驚愕のシーンが繰り広げられます。
ことに双子で生まれたゴルディとアスリンの兄弟。気弱な兄のゴルディに母の愛情をとられたと思っている節があるアスリンは、何かにつけ意地悪をします。闘いの合間に過去の思い出が挿入され、なぜこうなってしまったかが明らかになります。
ユニコーンと熊の長い闘いを、同道する神父は聖書をもとに此方が正義と意味を説きます。寄せ集めの最弱部隊を死んでも惜しくないと言い放つ上官たち。テディベアの姿だから観続けられましたが、今の人間世界と変わらないではありませんか。戦争の醜悪さ残酷さが詰め込まれています。ラストまで心して観よ。(白)


☆監督フィルモグラフィ
<長編アニメーション>
『ユニコーン・ウォーズ』(2022)※ゴヤ賞 最優秀長編アニメーション映画賞
『サイコノータス
忘れられたこどもたち』(2015) ※ゴヤ賞 最優秀長編アニメーション映画賞
<短編アニメーション>
『Homeless Home』 (2020)※アヌシー国際アニメーション映画祭 審査員賞
『Decorado』 (2016) ※ゴヤ賞 最優秀短編アニメーション賞
『Unicorn Blood』 (2013)
『Birdboy』 (2011) ※ゴヤ賞 最優秀短編アニメーション賞

2022年/スペイン、フランス/カラー/ビスタ/92分
配給:リスキット
©︎2022 Unicorn Wars
公式HP: unicornwars.jp
★2024年5月25日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて先行公開中
5月31日(金)よりTジョイPRINCE品川ほか全国順次公開


posted by shiraishi at 09:51| Comment(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月26日

VIVA! SAURAカルロス・サウラ監督追悼『情熱の王国』『壁は語る』

撮った、愛した、生きた!
VIVA! SAURA 未来を生きるシネアスタ


2023年2月10日、スペインの名匠カルロス・サウラ監督が91歳で亡くなられました。
50を超える作品を撮り続け、ゴヤ賞栄誉賞を受賞する前日のことでした。
この度、カルロス・サウラ監督を追悼し、最後の劇映画であるメキシコで撮影された『情熱の王国』(2021)と、遺作となった監督自らが出演するドキュメンタリー『壁は語る』(2022)の2本が同時公開されます。

公式サイトhttp://www.action-inc.co.jp/saura/
配給:Action Inc. 配給協力:インターフィルム
★2024年6月1日(土)より、ユーロスペースほかにて追悼ロードショー


カルロス・サウラ
本名:カルロス・サウラ・アタレス
生年月日:1932年1月4日 ウエスカ生まれ
没:2023年2月10日 マドリード
4歳の時にスペイン内戦(1936-39)がはじまり、共和国派地域のマドリード、バルセロナ、バレンシアを転々とする。ピアニストの母と画家の兄の影響で芸術に興味を示し、高校の頃から写真、1950年から16mmで映像を撮り始める。1952年、IIEC(現在の国立映画学校)に入学。1958年からIIECで映画美術の教鞭に立つがフランコ政権の検閲に反対して1963年に解任。1958年に短編ドキュメンタリー「Cuenca」(クエンカ)でサンセバスチャン映画祭、短編部門特別賞を受賞。長編デビュー作「Los Golfos」(ならず者たち)は1960年のカンヌ映画祭に正式出品され、1965年、「La Caza」(狩り)でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。その後、ほぼ年に1本のペースで作品を発表し、フランコ政権が終わりを迎えた翌年、ビクトル・エリセの『ミツバチのささやき』から2年後のアナ・トレントが主演した『カラスの飼育』(1976)が、カンヌ映画祭審査員グランプリ、ゴールデン・グローブ賞にもノミネート。「Mamá cumple cien años」(ママは百歳|1979)で米国アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたことで、世界に名が知られた。作品は物語から音楽映画まで多岐に渡るが、日本で初めて劇場公開されたのは1983年、フラメンコのアントニオ・ガデスとタッグを組み、米アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『カルメン』。1991年からオペラや舞台の演出も手がけ、2023年「サウラによるロルカ」舞台稽古中に体調を崩し2月10日、呼吸不全で家族に見守られながら息を引き取った。最後に「充実したいい人生だった」とつぶやいたという。 2023年2月11日のゴヤ賞で栄誉賞を受賞。
(公式サイトより)


カルロス・サウラ監督のお名前を、恥ずかしながら『サウラ家の人々』(2017年、監督:フェリックス・ビスカレット)を観るまで、認識していませんでした。
監督の作品『血の婚礼』(日本公開:1985年1月22日)は観ているのですが、フランコ独裁の時代に犠牲になった詩人ロルカに興味を持っていたから観に行ったものでした。
オペラ「サウラによるロルカ」舞台稽古中に体調を崩して亡くなられたとのこと。この舞台にも興味津々です。
Action Inc.比嘉世津子様のご尽力で、この度、公開されることになったカルロス・サウラ監督の最後の2作品。「過去より未来」(過去を反芻するより、次のことを考えることに時間を使いたい)と言い続けてきたカルロス・サウラ監督に思いを馳せながらご覧いただければと思います。(咲)



情熱の王国  原題:El REY DE TODO EL MUNDO
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(C)PIPA FILMS&PACHA INVERSIONES Y PRODUCCIONES AUDIOVISUALES
監督・脚本:カルロス・サウラ
出演:アナ・デ・ラ・レゲラ、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、グレタ・エリソンド、イサーク・アラトーレ、イサーク・エルナンデス、マノロ・カルドナ、ダミアン・アルカサル

メキシコ第二の都市、グアダラハラ。
演出家のマヌエルが次に考えている舞台は、ミュージカルを作るためのミュージカル。構想からキャスティング、完成までを描くには、振付師が不可欠だった。彼は元妻であり女優で著名な振付師のサラに助けを求める。ただ、マヌエルが書く脚本の中で、サラは交通事故にあい車椅子になった振付師だ。引き受けたサラが主導するキャスティングでは、何とかオーディションに受かろうとする若者たちの緊張感と競争心、そこから頭角を表す男女3人が生き生きと描かれる。その中の一人、イネスは父親と地元ギャングとの対立を心配しながら稽古に励む。メキシコの過去と現在を繋ぐために、独自の舞台を作ろうとする演出陣。数々の力強い伝統音楽がダンスとコラボレーションする中で、悲劇と虚構と現実が交錯する物語が生まれる。

2021年/ スペイン=メキシコ/DCP/99分/カラー
配給:Action Inc. 配給協力:インターフィルム
http://www.action-inc.co.jp/saura/jounetsunookoku.php#j_story_wrapper



壁は語る   英題:Walls Can Talk
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(C)MALVALANDA
監督・出演:カルロス・サウラ
出演:ミケル・バルセロ、ペドロ・サウラ、ホセ・ルイス・アルスアガ、ロベルト・オンタニョン、Suso33、Zeta、Musa71、Cuco、アンナ・ディミトロヴァ

洞窟の壁画からグラフィティをたどる、映画監督カルロス・サウラ最後の旅。

芸術の起源についてカルロス・サウラが、監督と主演を務めながら探求するドキュメンタリー映画。先史時代の洞窟における最初のグラフィック革命から、最も前衛的な都市表現まで、創造的なキャンバスとしての「壁」と芸術との関係を描く。
人類進化の偉大な思想家フアン・ルイス・アルスアガや、現代アートを代表するアーティスト、ミケル・バルセロなど、個性的な人々が同行するパーソナルな旅。自らのことは多く語らないが、芸術に関しては饒舌で、まるで子供のようになるサウラ。アルタミラ洞窟の専門家と共にスペインの遺跡や洞窟をめぐり、人類の進化と共に、人はなぜ壁に描いたのか、を探っていく。そして、その視点は現代の若い世代、グラフィティ・アーティストのZeta、グラフィティ・ライターのMusa71、アーバン・クリエイターのSuso33、アーティストのCucoにも注がれる。サウラ監督自身が彼らに迫り、壁に描くようになった経緯を問いながら、現代と太古の壁画アーティストたちが時空を超えて、繋がっていく。カルロス・サウラ監督、生涯最後の作品。

2022年/スペイン/DCP/75 分/カラー
配給:Action Inc. 配給協力:インターフィルム
http://www.action-inc.co.jp/saura/kabewakataru.php#k_intro_wrapper



posted by sakiko at 18:45| Comment(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする