2024年06月16日

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家  原題:Anselm

anzelm.jpg
(C)2023, Road Movies, All rights reserved.

監督:ヴィム・ヴェンダース(『PERFECT DAYS』)
出演:アンゼルム・キーファー、ダニエル・キーファー、アントン・ヴェンダース

戦後ドイツを代表する芸術家、アンゼルム・キーファー。本作は、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー。
アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で壮大な世界を創造。ヴェンダース監督と同じ1945年生まれ。初期の作品の中には、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど“タブー”に挑戦する作家として美術界の反発を生みながらも注目を浴びる存在となった。1992年からは、南フランスに拠点を移し、わらや生地を用いて、歴史、哲学、詩、聖書の世界を創作している。彼の作品に一貫しているのは戦後ドイツ、そして死に向き合ってきたことであり、“傷ついたもの”への鎮魂を捧げ続けている。
制作期間には2年の歳月を費やし、3D&6Kで撮影。従来の3D映画のような飛び出すような仕掛けではなく、絵画や建築を、立体的で目の前に存在するかのような奥行きのある映像を再現し、ドキュメンタリー作品において新しい可能性を追求した。
本作は『PERFECT DAYS』が出品された第76回カンヌ国際映画祭で、ヴィム・ヴェンダース監督作品として2作同時にプレミア上映された。

広大で天井も高いアトリエに並ぶ様々な作品の間を自転車で行くアンゼルム。作品の制作現場は、まるで工事現場のよう! 大型建設機械も駆使しての制作。観ただけではわからない作品の背景が丁寧に語られます。絵を埋め尽くす神話の英雄、ジークリフト、ヘルマン、パルツィファル・・・ ナチスが崇拝した血塗られたレジェンド。ベネチアビエンナーレに出品された時、批評家たちはアンゼルムをファシストだと非難。ドイツの過去の癒えぬ傷を描いたアンゼルムですが、非難されたことに反論もしません。
アンゼルムが父の軍服を着てナチス式の敬礼をする姿を映し出した作品も、ネオナチか?と言われても、自分が1930年代にいたら、どんな人間かわからないと思い、何も言いません。この作品を制作した1968~69年当時、ドイツで第二次世界大戦の反省は皆無で、学校でもファシズムや第三帝国についてもほとんど教えられなかったことから、忘れていることへの抗議の意味を込めたものなのです。
戦後ドイツの最も重要な詩人パウル・ツェランへの思いを込めた作品の前では、ツェラン自身が詩を朗読する声が披露されました。ツェランはユダヤ人で、両親をウクライナで殺されています。その後、ドイツで、ホロコーストで犠牲になったユダヤ人の子孫でありながら、ドイツ語で詩を書かざるをえなかった苦悩が絵から浮かび上がってきます。
「先入観を捨てて、この衝撃的なビジュアルをただ楽しんでもらいたい」とヴェンダース監督。最初から最後まで圧倒され、アンゼルム・キーファーが胸に秘めた思いを静かに感じることができました。(咲)


2023/ドイツ/93分/1.50:1/ドイツ語・英語/カラー・B&W/5.1ch
字幕:吉川美奈子
配給:アンプラグド
公式サイト:https://unpfilm.com/anselm/
★2024年6月21日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国順次公開




posted by sakiko at 13:40| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月12日

ありふれた教室  原題:Das Lehrerzimmer 英題:The Teachers’Lounge

arifureta.jpg
(C) if… Productions/ZDF/arte MMXXII

監督・脚本:イルケル・チャタク
出演:レオニー・ベネシュ(『白いリボン』)、レオナード・ステットニッシュ、エヴァ・ロバウ、マイケル・クラマー、ラファエル・シュタホヴィアク

若き女性教師カーラ・ノヴァク。新たに赴任した中学で1年生を受け持ち、張り切る日々。学校では盗難事件が頻発していて、ある日、授業中に校長たちが抜き打ち検査を行う。大金を持っていたアリが疑われ、両親が学校に呼ばれるが、母親がいとこへのプレゼントを買う為に渡したものだと判明する。正義感溢れるカーラは、独自に犯人を捜そうと、職員休憩室でパソコンのカメラをオンにしておく。すると、特徴ある柄のブラウスから、ベテラン事務職員クーンがカーラのお金を盗んだらしいことが判明する。クーンは犯行を否定するが、休職させられる。成績優秀な息子のオスカーはカーラのクラスで、母は犯人じゃないと言い張る・・・

カーラは職員休憩室で、ある人物がコーヒー代を入れる箱から小銭を持ち去る姿を見て、カメラを仕掛けるのですが、その行為が人権侵害だと指摘されて、クーンを疑いながらも、画像を公開しません。教師の中には、「今の清掃会社になって盗みが増えた」という者もいます。盗難犯は、おそらく一人ではないはず。オスカーが母親の潔白を信じる姿が、あっぱれです。
移民の多いドイツを反映して、カーラのクラスにはスカーフをした女子生徒やトルコ系や色の黒い男の子もいます。カーラ自身、ドイツ生まれですが、両親はポーランドからの移民という設定。ポーランド系の同僚からポーランド語で話しかけられ、「ここではほかの人もいるからドイツ語で」と言っています。盗難を疑われたアリの両親が、トルコ語で会話した時には、「ここではドイツ語で」と促されます。
イルケル・チャタク監督は、トルコ移民の両親のもとドイツ・ベルリンで生まれ、12歳の時にイスタンブールへ。現地のドイツ系高校での同級生ヨハネス・ドゥンカーと共同で脚本を書いています。二人の学校時代、体育の時間に休んだ者が盗みを働いていたという思い出などが本作のきっかけ。
どこの国でもあり得る物語。ただ、ドイツでは、日本のような職員専用の机のある職員室はなくて、授業の合間の休憩時間に職員が過ごす場所があるとのこと。英語のタイトル『The Teachers’Lounge』が、そのイメージ。ところ変わればですね。
生徒たちが作る学校新聞には、「移民の背景を持つ生徒を証拠もなく疑った」と大きく掲載されます。移民排斥や人種差別があることも、映画の背景になっているようです。(咲)

*本年度アカデミー賞®国際長編映画賞ノミネート
*第73回ベルリン国際映画祭 W 受賞(C.I.C.A.E Award、Label Europa Cinemas)

2022年/ドイツ/ドイツ語、トルコ語、ポーランド語/99分/スタンダード/5.1ch
配給:アルバトロス・フィルム
公式サイト:https://arifureta-kyositsu.com/
★2024年5月17日(金)、新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋他全国公開




posted by sakiko at 17:44| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月28日

ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ 原題:Rabiye Kurnaz gegen George W. Bush  英題:Rabiye Kurnaz vs. George W. Bush

mrs kurnas.jpg
(C)2022 Pandora Film Produktion GmbH, Iskremas Filmproduktion GmbH, Cinema Defacto, Norddeutscher Rundfunk, Arte France Cinema

監督:アンドレアス・ドレーゼン(『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』
脚本:ライラ・シュティーラー
出演:メルテム・カプタン、アレクサンダー・シェア、チャーリー・ヒューブナー、ナズミ・キリク

2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ。そのひと月後、ドイツのブレーメンに暮らすトルコ移民のクルナス一家の母ラビエのもとに、19歳の長男ムラートからパキスタンに行くと電話が入る。トルコから妻を呼び寄せる前にイスラム教の信仰を確かにしたいからだという。その後、ムラートはパキスタンでタリバンとの関係を疑われて拘束され、キューバのグアンタナモ湾にある米軍の収容所に移送されたことが判明する。ラビエは息子を救うため奔走するが、赤十字もアムネスティも行政も動いてくれない。藁にもすがる思いで、電話帳で見つけた人権派弁護士ベルンハルトの元を訪れる。弁護士から、ブッシュ大統領はグアンタナモ収容者の権利を認めないので、ホワイトハウスで請願書を手渡ししてマスコミにアピールしようと勧められる。人権団体の支援を受けて、ラビエは弁護士と共にワシントンに飛ぶ・・・

アンドレアス・ドレーゼン監督が、プロデューサーからムラート・クルナスの著書「Five Years of My Life: An Innocent Man in Guantanamo」(私の5年間/グアンタナモに収容された無実の男/2007年出版)を渡されたのが、本作の始まりでした。ムラートが主人公の物語を想定して、ブレーメンでムラートと会った折に、監督は母ラビエとベルンハルト弁護士と食事を共にする機会があり、この二人を主人公にした映画にしようというアイディアが浮かんだそうです。
★公式サイトの監督インタビューをぜひお読みください。

映画のエンドロールに、実物のラビエとベルンハルト弁護士の写真が出てきますが、演じた二人がそっくりです。ラビエは天真爛漫で、ユーモアがあって、それでいて、息子のためならばどんな遠くにでも行くという勇気を持った女性。人権派弁護士のベルンハルトはお金も受け取らず、親身になって動く人物。
それでもムラートが釈放されてドイツに戻ってくるまでに、1786日もの歳月が流れました。政治的理由で解放が遅れた証拠を後に調査委員会が見つけていますが、ムラートの名誉回復も、その後の保障も得られませんでした。
同時多発テロ後、ブッシュ大統領の「テロとの戦い」で、世界中で誤認逮捕が行われたことは、ほんとうに憂うべきことでした。
『モーリタニアン 黒塗りの記録』(21)は、不当に逮捕されグアンタナモに14年2か月も収監されたモーリタニア人のモハメドゥ・ウルド・スラヒの手記に基づく映画でした。司法手続きなしに厳しい尋問や拷問が行われたことが描かれていました。
グアンタナモ収容所には、少なくとも 15 人の子どもを含む約 780 人が各地から連行され収監されました。世界各地の彼らの家族が、本作のラビエと同じ思いで解放を待ちわびたと思うと胸が痛みます。

本作では、ドイツに移民したトルコ人の家族のことも垣間見ることができ、興味深かったです。ラビエは、息子が収監されたと聞いて、「ドイツの国籍を取れと言ったのに・・・」とつぶやいています。一方、トルコ政府は、兵役に行ってないからと対応が冷たいです。
ラビエの家での会話は、トルコ語がまじるドイツ語。おそらく、子どもたちは学校でドイツ語を学んでいるのでドイツ語の方が楽なのでしょう。ドイツに馴染もうとしているラビエですが、作る料理は故郷トルコのもの。美味しそうな料理やケーキを作りながら、遠く離れたところに収監されている息子に食べさせてあげたいというラビエの思いが切なかったです。(咲)



ベルリン国際映画祭 銀熊賞(主演俳優賞 / 脚本賞) 2冠
ドイツ映画賞 作品賞〈銀賞〉 主演女優賞 助演男優賞受賞


ドイツ映画祭 HORIZONTE 2023上映タイトル 『クルナス母さんVS.アメリカ大統領』

2022年/ドイツ・フランス/ドイツ語、トルコ語、英語/119分/カラー/2.39:1/5.1ch
字幕翻訳:吉川美奈子
配給:ザジフィルムズ
後援:ゲーテ・インスティトゥート東京
公式サイト:https://www.zaziefilms.com/kurnaz/
★2024年5月3日(金・祝)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー



posted by sakiko at 03:36| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月21日

システム・クラッシャー  原題:Systemsprenger 英題:System Crasher

system crasher.jpg
© 2019 kineo Filmproduktion Peter Hartwig, Weydemann Bros. GmbH, Oma Inge Film UG (haftungsbeschränkt), ZDF

監督・脚本:ノラ・フィングシャイト
撮影:ユヌス・ロイ・イメール
音楽:ジョン・ギュルトラー
出演:ヘレナ・ツェンゲル、アルブレヒト・シュッフ、リザ・ハーグマイスター、ガブリエラ=マリア・シュマイデ

9歳の少女ベニーは、一見普通の女の子。だけど、いったん怒りの感情に火がつくと、あたり構わず暴力をふるって手がつけられなくなる問題児。里親の家庭、グループホーム、特別支援学校・・・と、問題を起こすたびにたらい回し。学校にも行かずに過ごしている。ベニーは、顔を触られることが大嫌い。赤ちゃんの頃、父親が顔にオムツを押し付けたことがトラウマになっていて、触られるとパニック発作を起こすのだ。ママ以外、誰にも顔を触らせない。心を許せるのはママと、社会福祉課のマリア・バファネの二人だけ。またトラブルを起こしたベニーの為に、マリアが新しい通学付添え人としてミヒャを連れてくる。彼の役目はベニーの通学に付き添うことだけど、ベニーは学校へ行く気などさらさらない。グループホームで包丁を振り回し、病院に連れていかれる始末。ミヒャが「森で3週間、1対1で世話をする。水も電気もない環境で」と提案。最初は、何もしたくないと素っ気なかったベニーが、親身に相手をしてくれるミヒャにだんだん心を開いていく・・・

システム・クラッシャーとは、あまりに乱暴で行く先々で問題を起こし、施設を転々とする制御不能で攻撃的な子供のこと。助けることができない子供たちを指す言葉。
本作が長編映画デビュー作となるノラ・フィングシャイトは、教育支援学校、緊急収容センター、児童精神科病棟など綿密に取材を重ね、現場を体験しながら5年間のリサーチを経て脚本を執筆し、映画化。
ベニーを演じたヘレナ・ツェンゲルの破壊的な怒りの演技がすごいです。これが地だったら、ほんとに手に負えなくて、親も周りも大変。でも、実際にこういう子供はいるのですよね。だから私は子育てしたくなかったのだと変に納得してしまいました。もちろん育てやすい子もいるのでしょうけど。先日、バスの中で泣きわめいてはた迷惑な女の子がいて、母親が何も言わないのが解せなかったのですが、思えば、あそこで母親が何か言ったとしても泣き止まないのを経験上わかっているからなのですね。あ~子育ては大変!(咲)


☆ヘレナ・ツェンゲルはドイツ映画賞の主演女優賞を歴代最年少で受賞

2019年/ドイツ/ドイツ語/カラー/125分/ビスタ
日本語字幕:上條葉月
後援:ゲーテ・インスティトゥート東京
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション
配給:クレプスキュール フィルム
公式サイト:http://crasher.crepuscule-films.com
★2024年4月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開



posted by sakiko at 04:21| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月24日

RHEINGOLD ラインゴールド   原題:Rheingold

Rheingold.jpg
©2022 bombero international GmbH & Co. KG/Palosanto Films Srl/Rai Cinema S.p.A/Lemming Film/corazón international GmbH & Co. KG/Warner Bros. Entertainment GmbH
Photo© 2022 Bombero Int. _ Warner Bros. Ent. _ Gordon Timpen

監督・脚本:ファティ・アキン(『クロッシング・ザ・ブリッジ 〜サウンド・オブ・イスタンブール〜』『女は二度決断する』
出演:エミリオ・ザクラヤ、カルド・ラザーディ、モナ・ピルザダ、アルマン・カシャニ、フセイン・トップ、ソゴル・ファガーニ

クルド人のラッパー&音楽プロデューサーXatar(カター)の破天荒な人生

Xatarカター
1981年12月24日イラン北部クルディスタン州のサナンダジュ生まれ。
本名ジワ・ハジャビ(Giware Hajabi)。愛称はG。カターはクルド語で「危険」を意味する。
1985年 家族でドイツのボンに亡命。
ラッパー、音楽プロデューサー、レストラン経営者など様々な顔を持つ。
2015年に出版した自伝「Alles oder Nix: Bei uns sagen man, die Welt gehört dir(オール・オア・ナッシング:世界はお前のもの)」をベースに『RHEINGOLD ラインゴールド』は作られた。

イラン革命でイスラーム政権となり音楽が禁じられ、クルド人の音楽家の両親は命からがら演奏会場から逃げ出す。反体制運動をする最中、母はジワを出産。一家は逮捕され、ジワの最初の記憶は刑務所の中だ。数年後、出国し、滞在中のイラクで父が有名な音楽家であることから保護され、パリ経由、ドイツのボンに亡命する。
1996年、父が作曲した曲のコンサートが開かれ、家族は晴れがましい思いだったが、父は愛人を作って家を出ていく。その頃、歌がうまいパレスチナ人のサミーと出会う。クスリの売人になるが、不良たちにクスリを盗まれ、復讐のためにボクシングジムで戦い方を覚え、Xatar(カター:危険)と呼ばれるようになる。クスリを売っていたクラブでラップに出会い、作曲やキーボード演奏を楽しむようになるが、クスリの密売容疑で少年刑務所に。
出所後、オランダで音楽マネジメントを学ぶ。ボンに帰り資金稼ぎのために金塊強盗をし、国際手配され、シリアで8か月拘束された後、ドイツに送還され8年の禁固刑が言い渡される。見張りの目を盗んでレコーディングし、アルバムを完成させる。獄中から発売したアルバムはヒット、“ギャングスタ・ラッパー”として、さらに音楽プロデューサーとしても、その名を轟かせていく・・・

トルコ移民の両親のもと、ドイツで生まれたファティ・アキン監督が紡いだ壮大なXatar(カター)の物語。彼の自伝を読み、様々なことが描けると確信。カターにインタビューを重ね、大胆に脚色した脚本に。カターについて知らない観客やドイツのヒップホップに興味のない観客にもわかるストーリー、さらにカターのファンにも納得のいくものを心掛けたとのこと。撮影現場でカターからアドバイスを受け、カター自身も納得のいく作品になっているようです。
本作は、ファティ・アキン監督の亡き父に捧げられていますが、カターが父親と語る場面が味わい深く、印象に残っています。
1986年、オペラハウスでワーグナーの「ラインの黄金」のリハーサルを聴きながら、父が「ラインの黄金は不滅。掴んだ者は手放さない」とジワに語る場面。そして、刑務所に父が面会に来た時の会話。収監されている時間も活用するという父の言葉に、カターは作曲しCDまで作ってしまうのです。

イラン好きの私には、イラン生まれのカターに興味津々。革命後、クラシック音楽のコンサート会場に、ターバン姿の聖職者と革命防衛隊が押し入ってくる場面は、ちょっとオーバーかなと思いましたが、あり得ないことでもないなぁと。
ジワの母を演じたモナ・ピルザダも、ジワの妻となるシーリンを演じたソゴル・ファガーニも、ドイツで活躍するイラン人の女優さん。どんな経緯で、今ドイツにいらっしゃるのかも気になります。1979年の革命後、どれだけ多くの人たちが、世界各地に散らばってしまったことでしょう。そんな移民の思いも込められた作品です。(咲)



2022年/ドイツ・オランダ・モロッコ・メキシコ/ドイツ語、クルド語、トルコ語、オランダ語、英語、アラビア語/140分/1.85:1 *ペルシア語部分もありました(咲)
日本語字幕:吉川美奈子 
配給:ビターズ・エンド
公式サイト: https://www.bitters.co.jp/rheingold/
★2024年3月29日㈮より、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次ロードショー!




posted by sakiko at 00:33| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする