2021年02月27日

DAU.ナターシャ(原題:DAU.Natasha)

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監督・脚本:イリヤ・フルジャノスキー、エカテリーナ・エルテリ
撮影:ユルゲン・ユルゲス
出演:ナターリヤ・ベレジナヤ(ナターシャ)、オリガ・シカバルニャ(オーリャ)、ラジーミル・アジッポ(MGB/KGB調査官、研究所長)、リュック・ビジェ(生化学研究所の科学者)

1952年。ソヴィエト連邦の秘密研究所内のカフェは、秘密実験について話す科学者たちで賑わっている。40代のナターシャと若いオーリャがウェイトレスとして働いている。閉店後二人は片付けをしながらシャンパンを飲んで愛について語りあう。ナターシャは以前恋した既婚男性に未練がある。オーリャはまだ恋愛経験がない。オーリャが自宅で開いたパーティで、ナターシャはフランス人の科学者と親密になる。言葉も通じず、監視下にあるのも知らずに幸せに浸っていた。ソヴィエト国家保安委員会のウラジーミル・アジッポはナターシャを連行し、外国人と寝たことを責めたてる。きつい尋問を受け続けたナターシャは打ちのめされていく。

元は物理学者レフ・ランダウの伝記映画としてスタートしたのが、膨大な予算をかけた例のないプロジェクトに発展。ソビエト連邦時代の記憶を呼び起こすため、当時の社会を完全に再現し40ヶ月に渡って映画撮影を行っています。オーディション人数延べ39万2千人。主要キャスト400人、エキストラ1万人。衣装4万着。欧州市場最大の12000平米のセットで、主要キャストはそこで2年間生活したそうです。ストーリーラインがあって、撮影の前に監督や共演者との話合いもなされたけれども、そのときの感情は本物でその流れの即興も生まれているのだとか。施設のいたるところで撮影が行われ、35ミリフィルムで700時間のフッテージから何本もの作品が生まれ、これからも増えていくそうです。スタッフもいつ映りこんでもいいように、そのシーンに合った衣裳を着て現場にいたそうです。
ナターシャを始め、キャストの99%はプロの俳優ではなく、実際の彼らを元に1950年代に沿わせて人物を作りました。科学者やKGBも実生活でもそうだということです。
映画を観る際、そういった背景を知らずに作品そのものを観ます。モノクロの映像が美しいですが、秘密研究所で行われているのは非常に不穏な実験であり、どこにでもKGBの監視の目が光っています。この人工的な空間の中で、ナターシャとオーリャが働くカフェだけが温かい空気を醸し出して、二人の喧嘩でさえ血の通った人間らしさを感じます。ナターシャが束の間味わったロマンスや、生きていくために発揮する強さは劇場を出た後も残るでしょう。これが例を見ない撮り方で制作されたということに驚くのはその後。(白)


2020年・第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞。
2019年/ドイツ、ウクライナ、イギリス、ロシア合作/カラー/ロシア語/ビスタ/139分
配給:トランスフォーマー
(C)PHENOMEN FILMS
http://www.transformer.co.jp/m/dau/
★2021年2月27日(土)シアターイメージフォーラム、アップリンク吉祥寺ほか全国公開
posted by shiraishi at 17:32| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月02日

甦る三大テノール 永遠の歌声(原題:THREE TENORS VOICES FOR ETERNITY 30TH ANNIVERSARY EVENT)

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出演:ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、ズービン・メータ、ニコレッタ・マントヴァーニ、 マリオ・ドラディ、ラロ・シフリン、ポール・ポッツ他

1990年イタリア、ワールドカップ・サッカーの前夜祭として、ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスがローマ、カラカラ浴場で伝説のコンサートを開催した。‟三大テノール”のはじまりである。同じ時代に活躍したライバルたちが何をきっかけに同じ舞台で競演を果たし、どのように成功を手にしたのかを紐解いていく。

同じパートを歌う歌手が同じ舞台に立つ。本来ではあり得ない舞台のきっかけは白血病から奇跡の復活を遂げたホセ・カレーラスの舞台にローマ市長が来て「来年W杯を開催するのでコンサートをやってほしい」と頼んだこと。カーラスが「ローマでは10回もコンサートをやっている。何か違うことをやってはどうだろうか」とマリオ・ドラディに相談し、マリオがルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴとの競演を提案したのです。マリオ・ドラディの自宅に保管された貴重な記録写真や映像などもふんだんに使って、選曲から当日のバックステージの様子まで映し出します。多くの放送クルーがW杯に行ってしまっているため、せっかくのコンサートを少人数体制で撮らねばならなかった撮影スタッフの苦労話はここでしか聞けません。
このコンサートは1回だけのはずでしたが、成功がビジネスを引き寄せてしまいます。4年後にはアメリカのドジャースタジアムで再演が行われ、さらにパリ、横浜と続きました。ローマとロサンゼルスでの選曲の違いやどんな有名人が来場したのかも興味深く語られます。
作品では三大テノールコンサートの商業主義について批判的な声もあったことを取り上げていますが、3人の歌声の素晴らしさの前にはその批判は何の意味もないことが伝わってきました。(堀)


2020/ドイツ/ビスタ/94分/英語・イタリア語 
配給:ギャガ
© C Major Entertainment2020
公式サイト:https://gaga.ne.jp/threetenors/
★2021年1月8日(金)よりBunkamura ル・ シネマほか全国順次公開

posted by ほりきみき at 02:26| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月10日

ヘルムート・ニュートンと12人の女たち  原題:Helmut Newton - The Bad and the Beautiful

Bunkamuraル・シネマ、新宿ピカデリーほかで 2020年12月11日公開
劇場情報

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監督:ゲロ・フォン・べーム
製作:フェリックス・フォン・ベーム
出演
シャーロット・ランプリング、イザベラ・ロッセリーニ、グレイス・ジョーンズ、アナ・ウィンター、クラウディア・シファー、マリアンヌ・フェイスフル、ハンナ・シグラ、シルヴィア・ゴベル、ナジャ・アウアマン、アリヤ・トゥールラ、ジューン・ニュートン、シガニー・ウィーバー、スーザン・ソンタグ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ヘルムート・ニュートンほか

“20世紀を最も騒がせた写真家”の撮影の舞台裏に迫る

「ヴォーグ」「エル」「マリ・クレール」「シュテルン」など、一流ファッション誌で女性を撮り続けたファッション・フォトグラファー、ヘルムート・ニュートン。彼にインスピレーションを与えた12人の女たちの視点から、“20世紀を最も騒がせた写真家”の撮影の舞台裏に迫るドキュメンタリー。
1920年ベルリンに生まれ、映画やラジオなどの大衆文化が広まったワイマール文化の中で育ったニュートンは、50年代半ばから各国版の「ヴォーグ」誌をはじめとするファッション誌にユニークかつ衝撃的な作品を次々と発表。いかつい大柄な筋肉隆々のアマゾネスのような女性など、それまでの着せ替え人形のようなしとやかな女性の写真を見慣れていた読者に強烈なインパクトを与えた。だが、その作品は「ポルノまがい」「女性嫌悪主義」との議論も巻き起こし、「20世紀を最も騒がせた写真家」とも呼ばれた。
この作品は、ニュートンの生誕100年を記念し、2020年に制作された。シャーロット・ランプリングやイザベラ・ロッセリーニ、ハンナ・シグラなどの女優たち、米国版「ヴォーグ」編集長のアナ・ウィンター、モデルのクラウディア・シファーらの貴重なインタビューを収録。さらにニュートンを鋭く批判した小説家、評論家のスーザン・ソンタグとのTV討論のアーカイブ映像なども紹介。稀代の才能の作品世界を、ニュートンにインスピレーションを与えた12人の女性たちの視点から捉え直したスリリングなドキュメンタリー。

50年くらい前に写真を始めた私。そのころは公害問題が多かったり、ベトナム戦争中で、私にとって写真とは「報道写真」だった。なのでユージン・スミス、ロバート・キャパ、桑原史成、岡村昭彦、沢田教一、石川文洋、一之泰造などの写真をよく見ていた。
そして、写真学校に通い始め世界の写真家のことを学び、アンリ・カルティエ=ブレッソン、アンセル・アダムス、リチャード・アヴェドン、エドワード ・ウェストン、ドロシア・ラング、セバスチャン・サルガド、土門拳、木村伊兵衛、森山大道、名取洋之助などを知り、ヘルムート・ニュートンの写真も知った。ファッション雑誌なんて見たことがなかったので、それまではファッション写真なんて見たことがなかった。だから、ファッション写真という分野があるということ自体知らなかったけど、高度成長時代でファッションや料理などの写真の分野、山や自然を写した写真の分野などの世界も広がっていった。
1975年頃はカメラや写真プリント技術、印刷技術なども飛躍的に発展した時期だったので、表現方法が広がっていった時期。それまでの写真表現から、かわった表現をする写真家も出てきた時期でもあった。その中でヘルムート・ニュートンのユニークで衝撃的な写真は突出していてインパクトがあった。パルコのCM写真なども、そのあたりから変わっていったような気がする。たぶんヘルムート・ニュートンの影響があったと思う。日本での写真展も何度か開催され、行ったことがある。

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Rue Aubriot, Paris, 1975 (C) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation


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Crocodile, Wuppertal, 1983 (C) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation


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Chicken, French Vogue, Paris, 1994 (C) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation

彼が撮る写真は女優やモデルたちを撮った写真は凛としているものがあり、女性が活躍する時代を象徴するようなものもあったが、グロテスクな写真や、そんなのあり?の写真も多く、たとえばスーツの男性の横に裸の女性が立っていたり、ワニが裸の女性をくわえていたり、鶏?の料理をするのに処理したときの写真など、これまでは発表されてこなかったような写真も数多くあった。女性と男性が写っている独特の写真だったり、衝撃的な写真を見て、私はこんな表現方法もあるんだと思った。確かに表現は自由だけど、好きな写真かというと好きではなかった。不快感も覚えた。なのでニュートンを鋭く批判した評論家のスーダン・ソンダクの意見に共感できる。「ポルノまがい」「女性嫌悪主義」との議論も巻き起こし、「20世紀を最も騒がせた写真家」とも呼ばれたというけど、そういう写真家だったのもうなずける(暁)。


取材対象者を女性に限定して撮られたドキュメンタリー作品。次々と取り上げられる作品や当時、モデルをした女性などのインタビューを通じて、ヘルムート・ニュートンの独特な美意識が浮かび上がってきます。映し出される写真はヌードが中心。どれも挑戦的ですが、痛々しさも内在しています。作品ではユダヤ人として戦前のベルリンで生まれ、裕福な暮らしを経験したことを紹介していますが、その生い立ちが彼の作品の根底にあるのかもしれません。
これまでヘルムートが撮る写真は高く評価される一方で、「ポルノまがい」「女性嫌悪主義」という批判もありました。本作では監督の個人的な主観は一切入っておらず、ヘルムートの作品は挑発的なのか、それとも下品な悪趣味なのか、そもそもアートなのかを観る者に判断が委ねられています。あなたはどう感じるでしょうか。(堀)


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Grace Jones and Dolph Lundgren, Los Angeles, 1985 (C) Foto Helmut
Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation

『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』公式HP
2020年製作/93分/PG12/ドイツ
配給:彩プロ
posted by akemi at 09:11| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月28日

100日間のシンプルライフ(原題:100 Dinge)

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監督・脚本:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ
出演:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ(パウル・コナスキー)、マティアス・シュヴァイクホファー(トニー)、ミリアム・シュタイン(ルーシー)、ハンネローレ・エルスナー(レナーテ・コナスキー)、カタリナ・タルバッハ(オマ・コナスキー)

スマホ依存症で、ネットショッピングと人工知能搭載アプリ「NANA」に満足、生身の恋人不要のパウル。金儲け大好きなイケイケのハンサム、実はコンプレックスの塊のトニー。2人は幼なじみのビジネスパートナー。質素だったご先祖様とは違って、多くの好きなモノに囲まれて暮らしている。酔って大げんかした2人は、とんでもない勝負をすることになった。負けたら財産は社員たちが山分け。それは家財道具全てを倉庫に預け、素っ裸の状態から1日1つずつ必要なモノを取り戻し100日間生活する、というものだった。

ベースのドキュメンタリー『365日のシンプルライフ』(2013/フィンランド)は日本でもヒットしました。たった一人で1年間という長丁場。ご本人が来日して舞台挨拶されたのを見ていました。映画にすっかり感銘を受けて断捨離を試みましたが、早々に挫折したのでした。モノを減らすのは難しいです。
この作品は舞台をドイツに移し、2人のイケメンの意地と財産をかけたエンタメ作品に変えています。人生にほんとに必要なものは何か?二人と一緒に観客も考えることになります。初めは大笑いして次第に共感していくのは、ドキュメンタリーと同じ。コナスキー家の一癖も二癖もある家族、個性的な社員たち、倉庫仲間のルーシーの秘密など、退屈反対の要素がいっぱい。観終わったころには大切なものに気づいているはず。(白)


パウルが開発したアプリ「ナナ」はまるで生きている人間のように話しかけてくれ、買いたくなるものを勧めてきます。パウルはナナの甘い言葉に釣られて、ついついクリック。家の中は使っていないモノで溢れています。一方のトニーは見た目を磨くことに必死。体を鍛えて、髪を整え、洋服にもこだわります。そんな二人が仕事上の行き違いでケンカをし、シンプルな生活に耐えられるかで賭けをしました。
ベースになっている『365日のシンプルライフ』は主人公とモノの関係をストレートに映し出していますが、本作は2人の関係の変化を通じて、人との向き合い方も見る人に問いかけてきます。隣の芝生は青く見えるといいますが、パウルとトニーも親しいゆえに相手が完璧に見えて、お互いのコンプレックスを刺激したのです。
でも、完璧な人なんていません。みんな、どこか不完全な部分があるもの。だからこそ、相手の不完全さも受け入れられる。自分の心に空いている穴を埋めようと、モノや形に依存じていた登場人物たちがそれに気がつくラストは清々しく、観ている私たちにも自分で考えようとメッセージを投げ掛けています。(堀)


冒頭、第一次世界大戦の時代を生きた曾祖父母、ヒトラーにすべてを奪われた祖父母、ベルリンの壁崩壊を経験した両親、そして物に溢れた時代に生きる私たちと、この100年の変貌ぶりを一気に見せてくれます。ついポチって物を買ってしまう主人公のパウルを、フロリアン・ダーヴィト・フィッツ監督自身が自虐的に演じて、笑わせてくれます。
でも、笑ってはいられません。スマホを片時も離せなくなった私たち。検索履歴から好みをしっかり把握されていて、購買意欲をそそる情報が届くのですから。私はネットでは買わない主義だけど、妹はすぐポチるので、今、我が家の玄関には洋梨、お米、オイルヒーター、テーブルと椅子のセットが山積みになっています。いるものではあるのですが、箱を開けるのも一仕事! 
映画の中で、パウルのおばあちゃんが収容所から持ち帰ったトランクが出てきます。中に収めてある品々から、人生で何が大事かのヒントを貰えたような気がします。(咲)



2018年/ドイツ/カラー/111分
配給:トランスフォーマー、フラッグ
(C)2018 Pantaleon Films GmbH / Erfttal Film & Fernsehproduktion GmbH & Co. KG / WS Filmproduktion / Warner Bros. Entertainment GmbH
https://100simplelife.jp/
★2020年12月4日(金)ロードショー

posted by shiraishi at 00:44| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月08日

アウステルリッツ  原題:Austerlitz

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(C)Imperativ Film

陽光の照りつける中、人々が気楽な恰好で、スマホで自撮りしながら歩いていく。
「ARBEIT MACHT FREI(働けば⾃由になる)」と書かれた門。
そこは第二次世界大戦中のザクセンハウゼン強制収容所の跡地。
収容所の中には監獄があって、刑罰が目的でなく、情報を聞き出すために拷問を行うための監獄。政治犯やナチスの暗殺に関わった者たちが収監されていた。窓も塞がれ、暗闇の中、孤独に襲われた。口を割らなかった囚人は吊るして殺された。
1941年~43年、ここは囚人であふれていた。労働力として必要だったのだ。
絶滅の為の施設では、遺体から飲み込んだ宝石や金歯などを取り出した。ガス室担当の囚人は、4か月働き殺された。次に任務についた囚人の最初の仕事は死体処理。自分の末路がわかる・・・
ドイツ人小説家・W.G.ゼーバルト著書「アウステルリッツ」より着想を得て製作した、ダーク・ツーリズムのオブザベーショナル映画。

人々が見学する姿にあわせ、淡々と綴られる解説に、一時も目が離せませんでした。
ユダヤ人だけでなく、同性愛者、エホバの証人の信者、ロマ、共産主義者なども収監されていたこと、それが、東ドイツ時代に博物館になり、共産主義がファシズムに勝利したとされ、共産主義者以外の囚人の苦しみは無視され、歴史が歪められたという解説がありました。逆に、一般的には、ユダヤ人の虐殺だけがクローズアップされている感があります。歴史をどういう立場で見るかで、事実が歪められることを教えられました。
それにしても、「Travel for Peace」 と書かれたお揃いのTシャツを着た人たちが、次々と門から出てくる様に、過去を学ぶことは大切だけど、なんとも物見遊山な印象が拭えなくて複雑な気持ちになりました。(咲)


ザクセンハウゼン強制収容所の跡地を見学する人たちの姿を淡々と映し出します。施設の音声ガイドが聞こえるのですが、そのガイドが説明する肝心の部分は映し出さないので、「そこも映してほしい!!」と何度も叫んでしまいそうになりました。しかし、この作品はザクセンハウゼン強制収容所そのものの紹介ではなく、あくまでも群衆がテーマだったと気づき、集う人々の様子に目がいくように。いろいろ興味を持って見ている人がいると思えば、ガイドの説明に目もくれず、ただただ人の流れに身を任せているような人も。撮られている(見られている)ことを知らない、無防備な状態だと人間性がはっきりと出てしまうものなのですね。気をつけなきゃと今は思っても、きっと外では知らない人からいろんな風に思われているんだろうなぁ。(堀)

セルゲイ・ロズニツァ「群衆」ドキュメンタリー3選 『国葬』『粛清裁判』『アウステルリッツ』
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/478352334.html

2016年/ドイツ/ドイツ語、英語、スペイン語/モノクロ/94分
配給:サニーフィルム
公式サイト:https://www.sunny-film.com/sergeiloznitsa-films
★2020年11月14日(土)~12月11日(金)シアター・イメージフォーラムにて公開 全国順次ロードショー



posted by sakiko at 12:43| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする