2024年09月07日

ザ・ブレイキン(原題:Breaking Point)

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監督:ダニア・パスクィーニ&マックス・ギーワ 
原案:レイチェル・ヒロンズ
脚本:サリー・コレット
撮影:ステファン・ヤップ 
振付:ニーク・トラア 
出演:カラム・シン(トレイ)、ケルビン・クラーク(ベンジー)、ハナ・ジョン=カーメン、エミリー・キャリー、ジルー・ラスール、エリオット・コーワン、ルシアン・ムサマティ、アリス・イヴ

トレイとベンジーは仲の良い兄弟で、ブレイキンのパートナーでもあった。ところが子どものころの事故の後から、対立して口も利かなくなった。トレイは大学を目指して勉強に励むが、ブレイキンに夢中のベンジーは父と折り合わず家にも戻らなくなった。父の誕生日を家族で祝おうとベンジーを連れ戻しにいったトレイは、ベンジーの誘いにのりブレイキンで決着をつけることになった。2人の動画がSNSで拡散され、世界選手権のイギリス代表選考会に招かれる。降ってわいた大きなチャンスにかける2人。

公園などで見かけたことのあるダンス、オリンピックの種目になってびっくりでした。競技なんですね。出演者の見事な技に目が丸くなります。それもそのはず、兄弟役のカラム・シンとケルビン・クラークは世界的に評価されたブレイカー、周りをかためる人たちもほんもののブレイカーなのだそうです。家族の絆や同じ目標を持った仲間との友情やあつれきも描かれて、青春時代から遠くへきてしまった私にも楽しめました。
作品中に日本勢も出演しています。2005年に結成された「BODYCARNIVAL」の面々、先日のオリンピックでも活躍していました。競技の前に公開だったらもっと良かったですね。いやいや、初の種目で金メダルを獲った興奮の余韻をもういちど味わってください。(白)


2023年/イギリス/102分/DCP/5.1ch/カラー/シネマスコープ/字幕:平井かおり/G
提供:楽天 
配給:松竹
© FAE FILM BP LTD 2023 ALL RIGHTS RESERVED
https://www.rakuten-ipcontent.com/thebreakin/
★2024年9月13日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー<2週間限定>

posted by shiraishi at 08:46| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月29日

セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男  原題:The Session Man

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(C)THE SESSION MAN LIMITED 2024

監督・脚本・製作:マイケル・トゥーリン
製作総指揮:フランク・トルチア
共同プロデューサー:マイク・シャーマン、ジョン・ウッド
撮影監督:ルーク・パーマー
編集:アシュリー・スコット
ナレーター:ボブ・ハリス
出演:ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ビル・ワイマン(ザ・ローリング・ストーンズ)、ピーター・フランプトン、ピート・タウンゼント(声/ザ・フー)、デイヴ・デイヴィス(ザ・キンクス)、ニルス・ロフグレン、ベンモント・テンチ(トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ)、チャック・リーヴェル、テリー・リード、グレアム・パーカー、P.P.アーノルド、ハリー・シアラー、モイラ・ホプキンズ
(アーカイブ映像)ニッキー・ホプキンズ、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、アート・ガーファンクル

ローリング・ストーンズ、ビートルズ、ジェフ・ベックに愛された男

伝説のセッション・ピアニスト、ニッキー・ホプキンズの軌跡を、時代とともに振り返る音楽ドキュメンタリー。
1960年初頭、16歳のときにロンドンの名門・王立音楽アカデミーを自主退学し、サヴェージズのピアニストとしてキャリアをスタート。
ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フー、ザ・キンクス、ジェフ・ベックをはじめとする60年代~70年代に数多くのアーティストのレコーディングにセッション・ピアニストとして参加。ザ・ビートルズのメンバー全員のソロアルバムにも参加した稀有な存在である。
素晴らしいピアノリフと音楽センスで多くのミュージャンを魅了し、50歳の若さで逝去するまで250枚を超えるアルバムと膨大な数のシングル・リリースに貢献した。
この若き天才ピアニストの活躍は病との闘いでもあった。1963年、病院に緊急搬送されたニッキーはクローン病と診断される。闘病生活を送りながらも、30年以上にわたるロック人生において数々のミュージャンと共演し愛された“最高のセッション・マン”の物語を、彼を知る仲間たちが語る。

ピアノ界の生きる伝説
どんなジャンルも弾ける
目立ちすぎないけれど存在感がある
曲が一変する・・・


ニッキー・ホプキンズを知るミュージシャンたちが語る言葉の数々から、いかに素晴らしいセッション・マンだったかが伺えます。自身がバンドを組んで活動していたら、どんな曲を残していたでしょう・・・。クローン病でいつ倒れるかわからない身だった故、セッション・マンに徹した彼の胸の内は? ニッキー・ホプキンズ自身のインタビュー映像も出てきて、温厚な方だったことを知ることができました。
「ショパンの生まれ変わり」との言葉が出てきて、王立音楽アカデミーでしっかりクラシックの基礎を身に着けたニッキーらしいと思いました。ゴスペルもブルースも、あらゆるジャンルが弾けた天才的ピアニスト。 60年代~70年代に、洋楽をよく聴いていたので、きっと彼のピアノも耳にしたことがあるのだと思いました。(咲)


2023年/イギリス/英語/87分/カラー/16:9/5.1ch
字幕監修:ピーター・バラカン、朝日順子
配給:NEGA
公式サイト:https://sessionman.jp/
★2024年9月6日(金)より池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開




posted by sakiko at 21:48| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月18日

ポライト・ソサエティ(原題:Polite Society)

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監督・脚本:ニダ・マンズール
出演:プリヤ・カンサラ(リア)、リトゥ・アリヤ(リーナ)、アクシャイ・カンナ(サリナ)、セラフィーナ・ベー(クララ)、アラ・ブロッコレリ(アルバ)

ロンドンで暮らす女子高校生リアはアクション映画が大好き、夢はスタントウーマンになること。学校では変わり者扱いで、両親も将来を心配している。唯一理解してくれるのは、姉のリーナだけ。リアのYouTubeチャンネルのビデオ制作にも協力を惜しまない。
リーナは芸術家を目指していたが、両親のすすめでお見合いに出かけた。相手は大富豪の息子でプレイボーイ、まさかあの姉が恋に落ちるとは!憤懣やるかたないリアだったが、愛する姉が幸せになるならと自分を納得させる。しかし、一族に不審な点を見つけて独自に調査を開始すると、とんでもない陰謀が隠されていた!リアは友人たちと結婚式を阻止するべく立ち上がる!!

パキスタン系イギリス人(3世代目)であるマンズール監督は、脚本も担当して自分が一番見たかった「南アジア系の10代の女の子がアクションヒーローになる」映画を作り上げました。リアも友人たちもユニークでクール、これまで脇役に甘んじていた彼女たちが物語の中心になって溜飲がさがること請け合いです。姉のお見合い相手の富豪一家はひとくせもふたくせもある人たち。リアが彼らに果敢に挑む攻防がみものです。家族の愛情、シスターフッドのほか、高校でのヒエラルキー、家父長制など社会のしがらみももりこんだ脚本は、英国インディペンデント映画賞最優秀新人脚本家賞を受賞しました。音楽がまた絶妙のチョイスで(HPで出だしが聞けます)、浅川マキさんの「ちっちゃな時から」がかかったときはびっくり&内心で拍手。
衣装がご覧のとおり、すばらしくゴージャス!カンフー服でなく、このビーズや刺繍いっぱいの重そうな民族衣装で戦う姉妹たちの雄姿を見よ!(白)


2023年/イギリス/カラー/104分
配給:トランスフォーマー
(C)2022 Focus Features LLC. All rights reserved.
https://www.transformer.co.jp/m/politesociety/
★2024年8月日(金)新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開

posted by shiraishi at 10:43| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月11日

エア・ロック 海底緊急避難所(原題:No Way Up)

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監督:
監督:クラウディオ・ファエ
脚本:アンディ・メイソン
撮影:アンドリュー・ロジャー
出演:ソフィー・マッキントッシュ(エヴァ)、ウィル・アッテンボロー(カイル)、ジェレミアス・アムーア(ジェド)、マヌエル・パシフィック(ダニーロ)、グレース・ネトル(ローザ)、ジェームズ・キャロル・ジョーダン(ハンク)、フィリス・ローガン(マーディ)、コルム・ミーニイ(ブランドン)

大型旅客機は南国メキシコのリゾート地・カボへと向かっている。州知事の娘・エヴァは恋人ジェドと友人カイルとの卒業旅行、お目付け役のブランドンもついてきたが彼がいると安心できる。10歳のローザは大好きな祖父ハンクと祖母マーディとの3人旅行、お気に入りのテディベアも一緒だ。CAのダニーロの夢は彼氏との同性婚、いじってきた乗客のカイルに一矢報いてやった。
それぞれの夢を乗せての飛行中、エンジンに鳥が激突して機体は高度2万フィートから、海へと墜落する。機体は大破したが、海底の岩場にとどまった。生き残ったのはエヴァとローザを含む僅か7名のみ。生き延びられる場所は機内のエア・ロックただ一カ所、この空間で救助を待つことしかできない。

鳥が原因の航空機事故だけでもパニックを起こすには十分なのに、海中に墜落してしまいます。そこにはサメがうようよ。生き残った人間たちは、今は呼吸のできる空間にいますがそのうち酸素がつきてしまうでしょう。壊れて浸水した機内にいつまでも電気がつくのはなぜ?と素朴な疑問がわきますが、明るくないと見えないので無視しましょう。
事故の信号が届いて捜索が始まりますが、沈没した機体を探すのは容易ではありません。機内と外の状態を交互に観せられる観客は休む暇などなく、ハラハラと気をもむことになります。航空機と鳥の事故は実際多いようで、大半は目的地まで無事に飛行できるようですが、まれに大事故につながることも。こればかりは当たることのないように願っています。
これまでの映画と違って、女性の役割が多いんです。ここぞというときに大切なセリフを言ったり、率先して行動したり。それなりの背景は持っているものの、ちょっと嬉しいストーリーでした。(白)


2023年/イギリス/カラー/91分
配給:ギャガ
(C)NWUP Limited 2023
https://gaga.ne.jp/airlock/
★2024年8月16日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー

posted by shiraishi at 10:35| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月28日

風が吹くとき   原題:When the Wind Blows

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(C)Channel Four Television Corporation 2001

監督:ジミー・T・ムラカミ
原作・脚本:レイモンド・ブリッグズ
音楽:ロジャー・ウォーターズ 
主題歌:デヴィッド・ボウイ「When The Wind Blows」
日本語版監督:大島渚
製作:ジョン・コーツ 
製作総指揮:イエイン・ハーヴェイ 
アニメーション:リチャード・フォードリー
美術・レイアウトデザイン:エロル・ブライアント 
技術:ピーター・ターナー
プロダクション・コーディネーター:アン・ゴドール 
特殊効果:スティーブン・ウェストン
声の出演: ジム:森繁久彌 ヒルダ:加藤治子

★日本語(吹替)版 リバイバル公開★
 日本初公開:1987年7月25日

イギリスの田舎町で暮らすジムとヒルダの夫婦。2度の世界大戦を経験し、子供を育てあげ今は老境に差し掛かった二人。仕事をリタイアしたジムの楽しみは図書館で新聞を読むことだ。新たな世界戦争が起こると知ったジムは、政府のパンフレットに従って核シェルターを作り始める。ヒルダはそんなジムをちょっと冷ややかな目でみている。だが、その時はやってきた。爆弾が炸裂し、凄まじい熱と風が吹きすさぶ。すべてが瓦礫と化した中で、生き延びた二人は政府の教えにしたがってシェルターでの生活を始めるが…。

「スノーマン」や「さむがりやのサンタ」で知られる作家・イラストレーターのレイモンド・ブリッグズが、マンガのようなコマ割りスタイルで描いた同名の原作「風が吹くとき」(あすなろ書房刊)を、長崎に住む親戚を原爆で亡くした日系アメリカ人のジミー・T・ムラカミ(『スノーマン』)が監督。音楽を元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズが手掛け、主題歌「When the Wind Blows」をデヴィッド・ボウイが歌っている。さらに『戦場のメリークリスマス』(1983)で生まれたボウイとの友情から、日本語(吹替)版を大島渚監督が担当。

今は天国にいらっしゃる森繁久彌さんと加藤治子さんが、吹替を担当されていて、お声が懐かしいです。 今も世界のあちこちで戦火が絶えませんが、日本もいつ巻き込まれるかわからない世の中です。 核戦争が起これば、地球は消滅の危機。 牧歌的な田園風景の広がる中にある一軒家で、一生懸命核シェルターの準備をするジムの姿を見ながら、虚しくなりました。生き延びても、大変な世界が待っていることも見せつけられました。戦争のない世界はいつ実現するのでしょう・・・ 今こそ観てほしい映画です。(咲)

1986年/イギリス/カラー/85分/1.33:1(スタンダード)/ステレオ/映倫G
提供:コンテンツ・ポテンシャル 
後援:ブリティッシュ・カウンシル
配給:チャイルド・フィルム 
配給協力・宣伝:プレイタイム
公式サイト:https://child-film.com/kazega_fukutoki/
★2024年8⽉2⽇(⾦)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開




posted by sakiko at 09:54| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする