2021年02月02日

ディエゴ・マラドーナ 二つの顔   原題:Diego Maradona

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監督・製作総指揮:アシフ・カパディア
製作:ジェームズ・ゲイ=リース、ポール・マーティン
編集:クリス・キング
音楽:アントニオ・ピント
出演:ディエゴ・マラドーナ、ペレ、チーロ・フェラーラ、ディエゴ・マラドーナ・ジュニア、クリスティアーナ・シナグラ、クラウディア・ビジャファーネ

アルゼンチン出身の天才的サッカー選手ディエゴ・マラドーナ。
本作はマラドーナ本人の完全な協力を得て作られた、栄光と挫折を繰り返す人生ドラマ。

1984年、ディエゴ・マラドーナは、イタリア南部の弱小クラブSSCナポリに移籍する。
母国アルゼンチンでの活躍の後、1982年にFCバルセロナに史上最高額の移籍金760万ドルで移籍するも、病気と怪我で結果を残せず、唯一買ってくれたのがナポリだった。貧しいナポリが高額で契約したことから、記者会見ではマフィアの金が流れているのではと問われる。ナポリの人たちに愛され、86-87シーズンはクラブ史上初のセリエA優勝とコッパ・イタリア優勝で2冠、1990年、イタリアW杯準決勝のイタリア戦で勝ったことで南北摩擦が激化、決勝で大ブーイングを浴びて準優勝。悪魔、悪童と嫌われ、ここから人生が狂う。1991年、薬物と売春への関与が疑われ、ついにイタリアサッカー協会から15か月の出場停止処分が出され、アルゼンチンに帰国する・・・

弱かったSSCナポリがマラドーナの活躍で、めきめきと勝ち進みます。面白くないのがイタリアの北のサッカーファンたち。「ナポリっ子はイタリアのアフリカ人」「糞」「病気持ち」「ナポリはイタリアの下水」と汚い言葉を投げかけます。マラドーナ自身、ブエノスアイレスの下水も飲み水もない貧困地区の生まれ育ちなので、そんな風にけなされるナポリには同情する思いがあったのではないでしょうか。
アルゼンチンに帰国後も、コカイン所持で逮捕されたりしながらも、選手や監督として活動を続け、1997年37歳で現役を引退しています。
ペレの後継者と言われたことに対して、「後継者ではなくマラドーナでいたい」と語ったマラドーナ。多くの人の記憶に残るサッカー選手であることは間違いありません。

監督のアシフ・カパディアは、1972年、ロンドンのインド系ムスリムの家に生まれたイギリス人。初の長編映画『THE WARRIOR(原題)』(2001年)ではインドの名優イルファン・カーンが主役を務めています。2003年英国アカデミー賞英国作品賞&新人監督特別賞受賞。
本作では、500時間に及ぶ未公開映像をもとに、マラドーナ本人にも取材し、彼の人生の光と影を描き出しています。

昨年6月5日(金)公開予定だった本作。コロナ禍で公開が延期され今年4月の公開予定だったのですが、2020年11月25日にブエノスアイレス郊外の自宅でマラドーナが亡くなられたことにより、公開が前倒しになりました。
また、1月30日からの「ヨコハマ・フットボール映画祭2021」ではオープニングを飾る予定でしたが、映画祭は延期になってしまいました。
映画の最後には、ディエゴ・マラドーナ・ジュニアと並んで、笑顔を見せています。ご冥福をお祈りします。(咲)



2019年/イギリス/130分/ビスタサイズ/5.1chデジタル
字幕翻訳:高橋彩/字幕監修:西部謙司
配給:ツイン
(C) 2019 Scudetto Pictures Limited
公式サイト:http://maradona-movie.jp/
★2021年2月5日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー




posted by sakiko at 16:00| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月14日

どん底作家の人生に幸あれ!(原題:The Personal History of David Copperfield)

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監督:アーマンド・イアヌッチ
原作:「デイヴィッド・コパフィールド」チャールズ・ディケンズ著(新潮文庫刊、岩波文庫刊)
脚本:アーマンド・イアヌッチ サイモン・ブラックウェル
撮影:ザック・ニコルソン
音楽:クリストファー・ウィリス
出演:デヴ・パテル(デイヴィッド・コパーフィールド)、ピーター・キャパルディ(ミスター・ミコーバー)、ヒュー・ローリー(ミスター・ディック)、ティルダ・スウィントン(ベッツィ・トロットウッド)、ベン・ウィショー(ユライア)

ディヴィッドは何でも書き留めておくのが好きな少年だった。しかし母親が再婚した相手は厳格で、のびのび育ったデイヴィッドを鞭を持って躾け、母と別れて寄宿学校に入ることになった。しばらくすると学費を止められ瓶工場に売り飛ばされてしまう。母親が死んだと知らせがあり、それを機にデイヴィッドは工場を逃げ出し、カンタベリーの大叔母の家まで歩いていく。道中で追いはぎに遭い、着の身着のままでようやくたどり着く。富豪の大叔母の伝手で名門校に入れることになった。極貧の生活から抜け出たデイヴィッドは楽しい学生生活を送り、法律事務所に職を得る。恋人もできて順調な人生のはずだった、が。

冒頭、まず主人公のデイヴィッド・コパフィールドが登場。どこかの劇場で満員の観客を前に、自分の出生から上がったり下がったり波乱万丈のストーリーを話し始めます。この原作は長大で日本語訳の全5巻がありますが、1冊450~500ページ。登場人物が数えきれないほどいて読んでいるうちに誰だっけ?となります。いやまだ全部読み終わっていません(汗)。
とりあえずアーマンド・イアヌッチ監督が大好きな”ディケンズを知ってほしい”と映画化したこのお話をご覧になってくださいませ。みっちりつまった予告編だけでも、その片鱗がわかります。これまで何度も映像化されたそうですが、以前の作品が省きがちだったコメディ要素をたっぷり入れて、明るく元気な物語にしています。キャストも贅沢(見た目は違いますがみなイギリス人)、個性的な人物をなんとも楽しそうに演じています。出てきたときの印象と後からが違っていたり、デイヴィッドと同じく波乱含みだったり。
ディケンズ本人の人生とオーバーラップするような、ディヴィッドのジェットコースターのような、それでいて決して弱音を吐かず、あきらめず、振り落とされもしなかったお話。この時期にぴったりではありませんか。(白)


デイヴィッド・コパフィールを演じたデヴ・パテルは、ケニア出身のヒンドゥー教徒のインド系移民の両親のもとロンドン郊外で生まれたイギリス人。映画デビュー作『スラムドッグ$ミリオネア』では、ムンバイのスラムの少年。その後、『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(ジャイプールのホテル支配人)、『奇蹟がくれた数式』(インドの天才数学者)、『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』(5歳で迷子になりオーストラリアに養子に貰われたインド青年)、『ホテル・ムンバイ』(シク教徒のホテルマン)と自らのルーツであるインド系の役が多いのですが、本作では、イギリスの文豪ディケンズの自伝的物語の主人公! 違和感ないです。さらに、生まれたての赤ちゃんの時も、瓶工場であくせく働く少年時代も、デヴ・パテルを彷彿させる風貌! キャスティングの妙に唸ります。ミスター・ウィックフィールドを演じた香港系イギリス人ベネディクト・ウォンも、印象に残りました。
波乱万丈の人生、こまめにメモにして、それがちゃんと文学として結実しているのですね。いやはや! (咲)


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アーマンド・イアヌッチ監督はあらゆる人種を混ぜ合わせたキャスティングにこだわり、譲らなかったとのこと。出演者はみなイギリスで活躍する俳優ですが、インド系、アフリカ系、アジア系と多種多様。親と子の肌の色の違いに最初は戸惑うかもしれませんが、そこは早めにさらっと受け入れることがこの作品を楽しむポイントです。
苦しいときでも笑いを忘れず、人を恨まず。人生を謳歌しているデイヴィッドたちを見ていると自分の抱えている悩みがちっぽけなものに見えてくるから不思議。
ところで、監督は主役のデイヴィッド・コパフィールを最初からデヴ・パテルしか考えていなかったようですが、いろんな人に振り回されているデイヴィッドを見ていると、何だか福田雄一作品に出ている賀来賢人に似ているような気がしてきたのですが、いかがでしょう?
ベン・ウィショーが出演しています。それを分かって見ていたはずなのに、見終わったときに「あれ?ベン・ウィショーって出ていた?」と思ってしまうほどのなりきりぶり。主だった登場人物の中ではちょっと異質な存在で、誰もが持っている嫌な部分を象徴しているように思えました。(堀)


2019年/イギリス、アメリカ/カラー/シネスコ/120分
配給:ギャガ
(C)2019 Dickensian Pictures, LLC and Channel Four Television Corporation
https://gaga.ne.jp/donzokosakka/
★2021年1月22日(金)TOHOシネマズシャンテ、シネマカリテほか全国順次公開


posted by shiraishi at 17:34| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月08日

キング・オブ・シーヴズ(原題:King of thieves) 

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監督:ジェームズ・マーシュ(『博士と彼女のセオリー』)
出演:マイケル・ケイン、ジム・ブロードベント、トム・コートネイ、チャーリー・コックス、ポール・ホワイトハウス、レイ・ウィンストン、マイケル・ガンボン  

かつて「泥棒の王(キング・オブ・シーヴズ)」と呼ばれたブライアン(マイケル・ケイン)。一度は裏社会から引退し、愛する妻と平穏な日々を過ごしていた。しかし、妻が急逝したことをきっかけに、かつての犯罪にまみれた自分が呼び起こされることになる。知人のバジル(チャーリー・コックス)からロンドン随一の宝飾店街〝ハットンガーデン″での大掛かりな窃盗計画を持ちかけられたブライアンは、テリー(ジム・ブロードベント)、ケニー(トム・コートネイ)、ダニー(レイ・ウィンストン)、カール(ポール・ホワイトハウス)ら、かつての悪友たちを集め、平均年齢60歳オーバーの窃盗団を結成。綿密な計画のもといざ実行日を迎えようとしたとき、ブライアンは突然計画から抜けると言い出す・・・。

本作は、英国史上もっとも最高額で最高齢の金庫破りと呼ばれた実話の映画化です。マイケル・ケインを始めとする英国を代表する名優たちが集結し、圧倒的な存在感を示しました。
作品が描いているのは事件の顛末だけではありません。シルバー世代の生活も描くことで、彼らの悩みや葛藤を浮かび上がらせます。窃盗団リーダーのブライアンは愛する妻を喪い、生きる喜びさえ失いそうになっていましたが、窃盗を持ち掛けられた途端に目が活き活きとしてきました。けっしてお金が目的ではなかったのが伝わってきます。シルバーパスでバスに乗り、現場の下見に出掛けるシーンは何とも微笑ましい。高級車が似合うマイケル・ケインが自然に演じるのには驚きましたが。
ストーリーの合間には名優たちの若かりし頃の出演作からチョイスされた本作に通じるようなカットが挿し込まれています。これも彼らに長く偉大なキャリアがあるからこそ。何の作品なのかを見つけるのも一興かもしれません。(堀)


泥棒稼業で人生を送ってきた人の老後ってどうよという姿を垣間見せてくれました。何度か臭い飯も食ったであろう人たち。もしかしたら刑務所の中で友情をはぐくんで、出所したら一緒に大きな山を当てようなんてこともあったのではないでしょうか。
名優たちが、それなりのワルに見えて凄みさえあります。最後に映し出されるモデルになった人たちのお顔にも注目を! 映画で顔を知られることになるとは!・・・とご本人たちは苦笑しているかも。(咲)


2018/イギリス/スコープサイズ/108分/カラー/英語/DCP/5.1ch/
配給:キノフィルムズ
(C) 2018 / STUDIOCANAL S.A.S. - All Rights reserved
公式サイト:https://kingofthieves.jp/
★2021年1月15日(金)TOHOシネマズ シャンテ ほか全国順次公開
posted by ほりきみき at 23:26| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月21日

アーニャは、きっと来る   原題:Waiting for Anya

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監督:ベン・クックソン
脚本:トビー・トーレス、ベン・クックソン
原作:マイケル・モーパーゴ 「アーニャは、きっと来る」(評論社刊)
出演:ノア・シュナップ、トーマス・クレッチマン、フレデリック・シュミット、トーマス・レマルキス、ジャン・レノ、アンジェリカ・ヒューストン

ユダヤ人を救った羊飼いの少年の成長物語。

1942年、第二次世界大戦下のフランス。スペインとの国境ピレネー山脈にある小さな村レスカン。13歳のジョー(ノア・シュナップ)は、ドイツの捕虜となって不在の父親に代わって羊飼いとして一家を支えていた。
ある日ジョーは山の中で、ナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人の男ベンジャミン(フレデリック・シュミット)と出会う。彼は義理の母オルカーダ(アンジェリカ・ヒューストン)の家で、各地から逃げ延びてきたユダヤ人の子どもたちを匿っていて、山の向こうの安全なスペインに逃がす計画を企てているとジョーに語る。ジョーは、祖父アンリ(ジャン・レノ)の旧知の仲でもあるオルカーダから、山の家に食料を定期的に届けることを頼まれる。レスカンにも今やナチス・ドイツが駐留していて、しかも橋が壊され、食料が入ってこない中、大量の食糧の買い出しを怪しまれないように行うのは大変なことだった。
ある日ジョーは、食料品店でナチスのホフマン伍長(トーマス・クレッチマン)と知り合う。伍長に誘われ鷲を見に行ったジョーは、彼の人柄に惹かれ親しくなるが、彼もまたベルリンの空襲で娘を失った戦争被害者であることを知る。
ジョーの父親(ジル・マリーニ)がドイツの収容所から4年ぶりに帰国する。気持ちの荒んでいた父親も、ユダヤ人の子どもたちの救出作戦を知って、協力を惜しまない。夏の移牧で子どもたちを羊飼いに仕立てて山越えさせてスペインに逃す計画にレスカン村一丸となって取り組む・・・

冒頭、黄色いダビデの星を胸に付けたユダヤ人たちが列車に乗せられていきます。傍らで一人の男性が少女を別の列車の見知らぬ人に託し、「いつかおばあちゃんの家で会おう」と約束して別れます。この少女がユダヤ人のアーニャ。男性はアーニャの父親ベンジャミン。羊飼いの少年ジョーが山で知り合ったユダヤ人です。駅で生き別れになったアーニャがいつかきっと村にやって来ると山の家で待っているのです。

時が止まったような静かな山あいの村レスカン。こんなところにまで、ナチス・ドイツが駐留したのは、ここがピレネーを越えて、中立国スペインに逃れることのできる要衝の地だからでした。ベン・クックソン監督は、マイケル・モーパーゴの原作「アーニャは、きっと来る」の舞台であるレスカン村を訪れ、物語はフィクションですが、戦争中にこの村の人たちが実際に避難民の人たちを救ったことを知り、映画をぜひレスカン村で撮りたいと思ったとのこと。
フランスでユダヤ人狩りが行われたことを描いた映画で、強く印象に残っているのは、『サラの鍵』(2010年)や『秘密』(2007年)。いずれも、ユダヤ人を匿う善意の人たちが出てくる一方、フランス警察が片棒を担いでいる姿を描いていました。ナチス占領下とはいえ、フランス警察がユダヤ人を連行し収容所に移送したという事実は長らく伏せられていて、1995年、シラク大統領により国家が迫害に加担したことが明らかにされ、国民に衝撃を与えたそうです。
ナチスの駐留軍とフランス警察の監視下で、ジョーやレスカン村の人たちが身の危険を顧みずユダヤ人の子どもたちを救った物語に、素直に感涙です。
それにしても、「ドイツ語はわからない。フランス語もわからないけど」というジョーのつぶやきに、ドイツ兵どころか、地元の者じゃないフランスの警察官との間にも、言葉の壁があったことを思いました。意思疎通がはかれなかった為の事故もあったのではないでしょうか。(咲)


冒頭、ユダヤ人たちが列車に乗せられるシーンから、一気にフランスのピレネー山脈の麓に佇む小さな村に画面が移る。そこは戦争の気配がまだ来ていないのどかな山郷の村。羊飼いの少年ジョーに話が繋がっていく。しばらく、ここの田舎暮らし、村の人間関係が映し出される。それでも戦局は変わってゆき、ここにもとうとうナチスがやってくる。この展開のうまさに思わずうなる。
村人たちはひそかにユダヤ人たちをスペインに逃すための行動に協力しあう。絶妙な作戦でなんとかナチスにみ捕まらないようにユダヤ人たちを隠し、ひそかにスペイン側に移動する機会をうかがっている。そんな中でもドイツ兵とのかかわりも描かれる。観客はヒヤヒヤ、ドキドキしながら、村人たちを巻込んだ救出作戦を見守る。ジョーは、村がナチスに占領された中、自分の家族や友人、ユダヤ人、ドイツ兵らとのかかわりの中で、彼らの境遇や人生を垣間見、ユダヤ人の迫害や救出劇をめぐって、村の人々の連帯や思いやり、生命の尊厳など様々なこと学び、大人へと一歩づつ近づいていく。戦争を舞台に市井の人々の姿を通して生きることの素晴らしさと希望を描いた。そしてアーニャはやって来るのか(暁)。


主人公のジョーを演じたのはノア・シュナップ。Netflixテレビドラマシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」で人気を博し、11月20日に公開された『エイブのキッチンストーリー』でも主人公を演じています。役柄上はフランス人でナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人と出会い、ユダヤ人の子どもたちを山の向こうのスペインに逃す作戦に協力していましたが、彼自身はユダヤ系。思うところがあったに違いありません。
羊飼いの仕事は朝が早い。ジョーは羊を山に連れていき、うっかり居眠りをしてしまって熊に襲われます。このころのジョーにはまだまだ幼さが残っていますが、ベンジャミンと知り合い、彼らの逃亡の手助けをするうちに少しずつ成長をしていきました。そして特に夏の移牧をカモフラージュにする救出作戦に関わり、ぐっと大人びた表情をするように。この変化を違和感なくさらりと演じのけたノア・シュナップはさすが! 今後がますます楽しみです。(堀)


2019年/イギリス・ベルギー/英語/109分/カラー/ヨーロッパビスタ/5.1ch/字幕翻訳:関美冬
配給:ショウゲート
©Goldfinch Family Films Limited 2019
公式サイト:https://cinerack.jp/anya/
★2020年11月27日(金)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー
posted by sakiko at 22:50| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月13日

プラスチックの海(原題:A PLASTIC OCEAN) 

plasticocean.jpg

監督:クレイグ・リーソン
脚本:クレイグ・リーソン、ミンディー・エリオット
撮影:マイケル・ピッツ
編集:ミンディー・エリオット
音楽:ミリアム・カトラー、ローレンス・シュワルツ
出演:クレイグ・リーソン、デイビッド・アッテンボロー、バラク・オバマ、シルビア・アール、タニヤ・ストリーター、リンジー・ポルター、ジョー・ラクストン、ダグ・アラン、ベン・フォーグル、マイケル・ゴンジオール他

シロナガスクジラに魅せられ、幼い頃から追い続けていたクレイグ・リーソン。しかし、世界中の海を訪れる中、プランクトンよりも多く見つけたのはプラスチックゴミだった。美しい海に、毎年800 万トンものプラスチックゴミが捨てられている事実を知り、海洋学者、環境活動家やジャーナリスト達と共に、自身が監督となり世界の海で何が起きているのかを調査し撮影することを決意する。
21 世紀に入り、生産量が激増しているプラスチック。便利さの一方で、大量のプラスチックが海に流出し続け、近年は 5mm 以下の「マイクロプラスチック」による海洋汚染にも大きな注目が集まっている。調査の中で明らかになるのは、ほんの少しのプラスチックしかリサイクルされていないこと。海鳥の体内から、234 個のプラスチックの破片が発見されるなど、海に捨てられたプラスチックで海洋生物が犠牲になっていること。そして、プラスチックの毒素は人間にも害を及ぼすかもしれないこと。撮影クルーは世界中を訪れ、人類がこの数十年でプラスチック製品の使い捨てを続けてきた結果、危機的なレベルで海洋汚染が続いていることを明らかにしていく。

海が汚染されていることは頭では理解していたつもりでしたが、ここまで深刻な状況に陥っているとは思いもしませんでした。砂浜にプラスチックごみが打ち上げられている様子は見たことがありましたが、ダイバーの方々が潜る深いところまでこんなに汚れていたとは! 何も知らずにゴミを食べてしまい、お腹の中で詰まってしまった生き物たちの姿を見ていると申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
汚れてしまった海をきれいに戻すこと私たちには難しくても、これ以上汚さないことはできるはず。私一人くらいという気持ちは捨てて、真剣に取り組まないといけないところまで来ているのを感じました。

実は以前から気になっていることがありました。亡くなった人を悼んで、海に花束を捧げる場面を映画やドラマで見かけます。しかし、その花束のラッピング素材はゴミとなっているのですよね。イベントでたくさんの風船を空に放つ企画がありますが、その風船がゴミとなって海に落ちる場合もありますよね。気にしすぎかもしれませんが、本作を見ているとそのくらい海に対して心を配らないといけない気がしてきます。(堀)


2016年/イギリス・香港/100分
配給:ユナイテッドピープル
© UNITED PEOPLE
公式サイト:https://unitedpeople.jp/plasticocean/
★2020年11月13日(金)アップリンク渋谷・吉祥寺・京都ほか全国順次ロードショー
posted by ほりきみき at 01:56| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする