2024年04月18日

異人たち(原題:All of Us Strangers)

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監督・脚本:
原作:山田太一
撮影:ジェイミー・D・ラムジー、SASC
音楽:エミリー・ルヴィエネーズ=ファルーシュ
出演:アンドリュー・スコット(アダム)、ポール・メスカル(ハリー)、ジェイミー・ベル(アダムの父)、クレア・フォイ(アダムの母)

ロンドンのマンションに住む脚本家アダムの両親は、彼が12歳のときに交通事故で他界している。両親の思い出を脚本に生かそうと郊外の実家に行ってみると、無人のはずが30年前と変わらない両親がそこにいた。夢か幻か目を疑うアダムだが、両親は大喜び。これまでの歳月を埋めるように、アダムは足しげく通う。
失うことを恐れ、人と深くかかわらずに来たアダムの元を、別の階に住むハリーが訪ねてくる。一度は拒んだアダムだったが、いつしか恋に落ちる。

日本で映画化された『異人たちとの夏』(1988/大林信彦監督)では、片岡鶴太郎さんと秋吉久美子さんが風間杜夫さんの両親役、下町の夫婦がとても魅力的でした。幽霊譚というより家族の話として観て、再会や別れに涙していました。本作も両親が事故死してから孤独に生きた息子が、若い両親と幸福な時間をすごすファンタジー色は変わりません。大きく違うのは、原作では女性だったもう一人の主要人物を、ゲイの男性に変えたこと。二人の恋愛ドラマは、底知れない寂しさを抱えたハリーの存在でより哀切になりました。すっかり大人になった息子をすぐに受け入れた母親ですが、息子のカミングアウトにはやっぱり戸惑います。父親(ジェイミー・ベル!)とは30年前のわだかまりを解消することができました。
アダムを演じたアンドリュー・スコットは、テレビドラマ「シャーロック SHERLOCK」の宿敵モリアーティ教授役が印象に残っています。舞台、映画にと活躍中。ハリー役のポール・メスカルは、『aftersun アフターサン』で若いパパを演じていました。96年生まれでまだ20代、先が楽しみです。(白)


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2023年/イギリス/カラー//105分
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
https://www.searchlightpictures.jp/movies/allofusstrangers
★2024年4月19日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 22:34| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月10日

COUNT ME IN 魂のリズム   原題:COUNT ME IN

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(C)2020 Split Prism Media Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.

監督・製作:マーク・ロー
出演:ロジャー・テイラー(クイーン)、イアン・ペイス(ディープ・パープル)、ニック・メイソン(ピンク・フロイド)、チャド・スミス(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、スチュワート・コープランド(ポリス)、ニック・“トッパー“・ヒードン(ザ・クラッシュ)、テイラー・ホーキンス(フー・ファイターズ)、シンディ・ブラックマン・サンタナ(サンタナ/レニー・クラヴィッツ)、クレム・バーク(ユーリズミックス/ブロンディ)、ニコ・マクブレイン(アイアン・メイデン)、ラット・スキャビーズ(ザ・ダムド)、ボブ・ヘンリット(ザ・キンクス/アージェント)、ジム・ケルトナー(トラヴェリンク・ウィルベリーズ/エリック・クラプトン/ライ・クーダー)、エミリー・ドーラン・デイヴィス(ザ・ダークネス/ブライアン・フェリー)、スティーヴン・パーキンス(ジェーンズ・アディクション/ポルノ・フォー・パイロス)、ベン・サッチャー(ロイヤル・ブラッド)、サマンサ・マロニー(イーグルス・オブ・デス・メタル/ホール)、エイブ・ラボリエル・ジュニア(ポール・マッカートニー/スティング)、ジェス・ボーウェン(ザ・サマー・セット)

音楽におけるドラムの役割とドラマーの想い
ドラムを通じた 人々や社会、世界との繋がり。
超一流のドラマーから若い世代のドラマー、ドラムに関するスペシャリストにもスポットを当てた、全ての音楽ファン必見のドキュメンタリー

鍋やフライパンまでありとあらゆるものを叩きながら過ごした子供時代から、世界中のスタジアムで旋風を巻き起こすようになるまでの道のりはどんなものだったのだろうか?
名だたるドラマーたちが語るドラムの歴史、自身のキャリア、音楽やドラムのこと・・・

現代ドラム文化の本拠地・米国と、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、レッド・ツェッペリンなどの偉大なバンドを産み、お互い影響しながら音楽文化を発展させてきた英国。伝説的なジャズ・ドラマーたちが現代のドラマーと音楽に対して与えてきた影響を解説しながら、それらのレガシーをロックへ持ち込んだジンジャー・ベイカーの功績を讃え、ニック・”トッパー“・ヒードンやラット・スキャビーズといった伝説的なパンク・バンドのドラマーをフィーチャーするなど、英国制作ならではの視点が光る。

ドラマとドラマーだけに焦点を当てた映画が、これまでにあったでしょうか・・・
ミュージッシャンにフォーカスした映画が、ここ数年も数多く作られていますが、思えば、ドラマーの映画はほとんどなかったように思います。
バンドの後ろに、ど~んと構えて、派手な演奏をすることも多いのに、意外と目がいかないのがドラマーかもしれません。 あらためて、ドラムの存在意義を認識させられた映画です。
密かに家の一部屋にドラムセットを置いて、楽しんでいる友人がいます。ジャズ倶楽部で、本格的にセッションも! 思い切り叩くと、すっきりすると言ってます。確かに気持ち良さそう! そんなドラムの魅力も感じることのできる1作。(咲)


2021年/イギリス/英語/86分/ビスタ/カラー/5.1ch
日本語字幕:堀上香  字幕監修:北野賢、山本拓矢
配給:ショウゲート
公式サイト:https://countmein.jp/
★2024年3月15日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにて全国ロードショー



posted by sakiko at 19:38| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月28日

ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ『英国式庭園殺人事件』『ZOO』『数に溺れて』『プロスペローの本』

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ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ
 美を患った魔術師

英国アート映画の先駆者として、世界中でカルト的人気を誇る映画監督ピーター・グリーナウェイ。
アリ・アスターが「映画人生を狂わされた」と語り、淀川長治が「英国アート映画史上最もエレガントな狂的天才」と絶賛した英国紳士。

今回の特集上映では、グリーナウェイの数ある作品のなかでも『髪結いの亭主』、『ピアノ・レッスン』、『ガタカ』等で世界的に知られる音楽家マイケル・ナイマンが音楽を手掛けた作品を選定。異彩を放つグリーナウェイの世界に音で更なる煌めきを与えたナイマンとの、世紀のコラボレーションと呼ぶに相応しい4作が上映されます。

上映作品
『英国式庭園殺人事件』 4Kリマスター (1982)
『ZOO』 (1985)
『数に溺れて』 4Kリマスター (1988)
『プロスペローの本』 (1991)

配給宣伝協力:Gucchi’s Free School
配給:JAIHO
公式サイト:https://greenaway-retrospective.com/
★2024 年 3 月 2 日 ( 土 ) よ り シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開


ピーター・グリーナウェイ
1942年イギリス、ウェールズのニューポート生まれ。
幼少期はフェルメール等の絵画に魅せられ画家を志す。一方で、イングマール・ベルイマンの『第七の封印』等、映画にも夢中になる。ロンドンのウォルサムストー美術学校在学中に初の映像作品『Death of Sentiment(原題)』(62・未)を制作。
80年、飛行機事故に遭った92人の事故後を記録したフェイクドキュメンタリー『ザ・フォールズ』で長編デビュー。82年、『英国式庭園殺人事件』を手掛け、その独特な構図と画角のなかで描かれる貴族の美しくも下品な表裏の世界を皮肉とユーモアを交えた独創的な内容が話題を呼び、その名を世界に広く知らしめた。
88年に『数に溺れて』で第41回カンヌ国際映画祭芸術貢献賞を受賞、89年にジャンポール・ゴルチエが衣裳を担当した事で話題となった『コックと泥棒、その妻と愛人』で世界中を震撼させた。
2014年、第67回英国アカデミー賞英国映画貢献賞受賞。
現在、ダスティン・ホフマンが主演するイタリアの都市ルッカを舞台にした新作映画『Lucca Mortis(仮題)』を準備中。

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『英国式庭園殺人事件 4Kリマスター』 原題:The Draughtsman's Contract
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C1982 Peter Greenaway and British Film Institute.
監督:ピーター・グリーナウェイ
音楽:マイケル・ナイマン
出演:アントニー・ビギンズ、ジャネット・スーズマン、ルイーズ・ランバート、ニール・カニンガム他

主人を殺したのは誰?屋敷の庭を描いた画家の 12 枚の絵の中に浮かび上がる、完全犯罪の謎。
ピーター・グリーナウェイの名を有名にした初期の傑作ミステリー!
17 世紀末、画家ネヴィルは英国南部ウィルトシャーにあるハーバート家の屋敷へ招かれる。主人のハーバート氏は不在で、代わりに出迎えた夫人のヴァージニアは、夫が戻るまでに屋敷の絵を 12 枚完成させること、報酬は一枚 8 ポンドに寝食の保証、そして夫人はネヴィルの快楽の要求に応じると言い、契約を結ぶ。ネヴィルは絵を描き始めるが、描こうとする構図の中に誰かがハーバート氏のシャツ、裂かれた上着等、何かを暗示するような物を紛れ込ませようとする。

1982年/イギリス/英語/カラー/ヨーロピアンビスタ/モノラル/107 分
※2022 年に4K リマスターされたものを修正無し・オリジナル版で初上映


『ZOO』原題:A Zed & Two Noughts
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C1985 Allarts Enterprises BV and British Film Institute.
監督:ピーター・グリーナウェイ
音楽:マイケル・ナイマン
出演:アンドレア・フェレオル、ブライアン・ディーコン、エリック・ディーコン他

腐敗していく動物の死骸に捉われた双子の兄弟を描いたトラウマ級の衝撃作。
オランダ・ロッテルダムの動物園で働く双子の動物学者オズワルドとオリヴァーは交通事故で同時に妻を亡くし、車を運転していた女性アルバは一命をとりとめるが片足を失う。事故後、オズワルドとオリヴァーは何かに憑かれたように動物の死骸が腐敗していく過程を映像に記録する事に没頭する。やがて 2 人はアルバと親しくなり、アルバも 2 人に好意を抱き始める。

1985年/イギリス/英語/カラー/ヨーロピアンビスタ/2.0ch/116 分
※2000 年初期の HD リマスター版を無修正で劇場初上映


『数に溺れて 4Kリマスター』 原題:Drowing by Numbers
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C1988 Allarts/Drowing by Numbers BV
監督:ピーター・グリーナウェイ
音楽:マイケル・ナイマン
出演:ジョーン・プロ―ライト、ジュリエット・スティーヴンソン、ジョエリー・リチャードソン、バーナード・ヒル他

同じシシーという名前を持つ3人の女性による殺人を描いたサスペンス。第 41 回カンヌ映画祭芸術貢献賞受賞
英国サフォーク州の水辺に暮らす同姓同名の 3 人の女性シシー・コルピッツたちは、愛の冷めてしまった夫をそれぞれで殺そうとする。1 人目のシシーは若い女と浮気している夫を湯に沈め、2 人目のシシーは自分に関心のない夫を海で溺れさせ、3 人目のシシーは、新婚早々熱が冷めた夫をプールで溺れさせた。検視官のマジェットは 3 人から一連の出来事を全て事故死として処理するように脅されるが...。

1988年/イギリス/英語/カラー/ヨーロピアンビスタ/2.0ch/118 分
※2022 年に4K リマスターされたものを修正無し・オリジナル版で初上映


『プロスペローの本』原題:Prospero's Book
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監督:ピーター・グリーナウェイ
音楽:マイケル・ナイマン
衣裳:ワダエミ
出演:ジョン・ギールグッド、マイケル・クラーク、ミシェル・ブラン、エルランド・ヨセフソン他

シェイクスピアの戯曲テンペストを原案に、24冊の魔法の書を手に入れた男による復讐劇
衣裳は日本を代表するデザイナーのワダエミ
ミラノ大公プロスペローは、ナポリ王アロンゾ―と共謀した弟アントーニオに国を追われ、娘のミランダと共に絶海の孤島に幽閉される。アロンゾ―への復讐を片時も忘れなかったプロスペローは友人ゴンザーローから譲り受けた 24 冊の魔法の書を読み解いて強大な力を身に着け、島にいる悪魔の力を持つ怪物キャリバンや妖精エアリエルを操り、魔法の力で復讐を実行する。

1991年/イギリス・フランス・イタリア/英語/カラー/ヨーロピアンビスタ/2.0ch/126 分
※2011 年の HD リマスター版を無修正で劇場初上映


公式サイトに、大きく
大好きか大嫌いかの二極、貴方はどちら?
と書かれています。

せっかく試写のご案内をいただいたので、恐る恐る、『英国式庭園殺人事件』を拝見。
庭園に佇むエレガントな英国婦人と裏腹に、なんとも凄い場面が・・・ 観たくないものを観てしまったという思いもよぎりました。
でも、なぜだか、ほかの作品も観たくなってしまいました。
 『プロスペローの本』は、24冊の魔法の書というのにも惹かれましたが、衣装がワダエミさんとあっては、やはり気になります。さすがなお仕事でした。
そうなると、カンヌ映画祭芸術貢献賞を受賞した『数に溺れて 4Kリマスター』も観ないわけにいきません。 何回と数えながら縄跳びする若い娘。なんといっても「数」がキーワード。そこかしこに「数」が出てきます。シシーという名前は同じだけど、年齢も境遇も違う3人の女性が、ダメ夫に愛想をつかして殺してしまいます。艶やかな衣装で葬る姿がお見事! 
3本観て、どれも強烈な印象で、確かに癖になる人はなるという作風。でも、腐敗していく動物の死骸に捉われた双子の兄弟を描いた『ZOO』だけは、まだ観る勇気がありません。
アリ・アスターの『ミッドサマー』を思い起こしてみれば、なるほど、アリ・アスターが彼の作品に衝撃を受けたのがわかります。
好きか嫌いか・・・ 勇気を出して、口にしてみてください! (咲)





posted by sakiko at 19:58| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月16日

ネクスト・ゴール・ウィンズ(原題:Next Goal Wins)

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監督:タイカ・ワイティティ
脚本:タイカ・ワイティティ、イアン・モリスン
撮影:ラクラン・ミルン
音楽:マイケル・ジアッキノ
出演:マイケル・ファスベンダー(トーマス・ロンゲン)、オスカー・ナイトリー(タヴィタ)、エリザベス・モス(ゲイル)、カイマナ(ジャイヤ)

アメリカ領サモアのサッカー代表チームは、2001年のWC予選で0対31という記録的な大敗を喫した。創設以来、試合で得点したことがない最弱チームだ。次の予選が近づき、サッカー協会の会長は新しいコーチを招へいした。言動の粗暴さから、チームをクビになったトーマス・ロンゲンがやってくる。何事もゆるやかなサモアの暮らしやチームにいらだつトーマスは、チームの立て直しを図る。鬼コーチは世界最弱のサッカーチームを鍛え直し、悲願の1点をあげることができるのか。

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実話を元に、ハリウッドでひっぱりだこのタイカ・ワイティティ監督が映画化。
サモアというと、みんなのうたの「♪サモアのしま、楽しいしまよ~♪」というフレーズが浮かびます。その歌のまま明るく楽しく暮らしている島では、怒鳴り散らし、椅子を放り投げる鬼コーチは、すっかり浮きまくっています。しかし、有望な選手を見つけ出す目は曇っていません。マイケル・ファスベンダーが、いつものセクシーな空気を消してちょっとわけありなサッカー・コーチを演じています。愛娘の動画に微笑んだかと思えば、別れた妻とその彼氏にげんなりし、チームメイトに溶け込むまで、山あり谷ありの毎日です。
サッカーチームの面々も個性豊かで、フォワードのジャイヤは第3の性”ファファフィネ”、トーマスと一番関わります。演じるカイマナも”ファファフィネ”として生きています。ワイティティ監督のユーモアと愛がたっぷりの作品をお楽しみください。エンドロールにモデルの選手たちの写真が出ますので最後までお席で。(白)


2023年/イギリス、アメリカ/カラー/シネスコ/104分
配給:ディズニー・ピクチャーズ
(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
https://www.searchlightpictures.jp/movies/nextgoalwins
★2024年2月23日(金・祝)公開
posted by shiraishi at 20:22| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月10日

きっと、それは愛じゃない  原題:What's Love Got to Do with It?

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(C)2022 STUDIOCANAL SAS. ALL RIGHTS RESERVED.

監督: シェカール・カプール 
脚本:ジェミマ・カーン
出演: リリー・ジェームズ、シャザド・ラティフ、シャバナ・アズミ、エマ・トンプソン、サジャル・アリー

ロンドンでドキュメンタリー監督として活躍するゾーイ。実家の隣のパキスタン人の一家の次男の結婚パーティに招かれる。長男で医師のカズとは幼馴染。久しぶりに会ったカズから、「僕も結婚する」と明かされる。それも親が選ぶ相手と見合いすると聞かされ驚く。
翌日、プロデューサーから新作の企画が暗すぎると却下されたゾーイは、咄嗟に「見合い結婚するパキスタン男性を追う」と提案。ゴーサインが出る。
親の知り合いの紹介で、パキスタンのラホールに住む22歳のマイムーナとオンライン見合し婚約。ゾーイはラホールでの結婚式を撮影する為、カズについていく。
ラホールで初めて実際に会ったカズとマイムーナに、「愛は生まれると思う?」とインタビューするゾーイ。実は、カズはゾーイの初恋の人。ダメ男ばかりに出会っては別れを繰り返してきたゾーイは、複雑な思い。いよいよ3日間にわたる結婚式が始まる・・・

日本でも、かつてはお見合い結婚が一般的な時代がありましたが、私の知人のパキスタンの方も、この映画のように親の決めた相手と顔も知らないまま結婚式に臨み、5人の子に恵まれ、とても幸せと言ってます。
一方で、この映画の冒頭、臨家の次男の結婚式で、肌を出した服装で踊る女性たちに、お祖母さんが「恥を知れ」と顔をしかめる場面があります。カズの結婚相手マイムーナも、独身最後のパーティでお酒を飲んで踊るという、はじけぶり。パキスタンの女の子たちも、決しておとなしくしていないことを描いていて痛快。 脚本を書いたジェミマ・カーンはイギリス出身ですが、20歳の時にパキスタン人(前首相のイムラン・カーン氏)と結婚し、ラホールとイスラマバードで10年間過ごした経験があって、パキスタン女性への応援歌のようにも思えました。しっとりとしたラホールの町の風情も味わえて、ラホール出身のシェカール・カプールや、ジェミマ・カーンのパキスタン愛もたっぷり感じました。なにより、ヌスラット・ファテ・アリー・ハーンと、ラハット・ファテ・アリー・ハーンの演奏によるカウワーリー(イスラーム神秘主義音楽)が聴けたのは、私にとってサプライズでした。 
さて、ゾーイの初恋の行方は? どうぞ映画をご覧ください。(咲)



2022年/イギリス/英語・ウルドゥー語/109分/カラー/スコープ/5.1ch
字幕翻訳:チオキ真理
提供: 木下グループ 配給: キノフィルムズ
公式サイト:https://wl-movie.jp/
★2023年12月15日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、恵比寿ガーデンシネマほか全国公開



posted by sakiko at 04:42| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする