2025年11月15日

ベ・ラ・ミ 気になるあなた(原題:漂亮朋友/ Bel Ami)

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監督・脚本:ゲン・ジュン
出演:シュー・ガン、ジャン・ジーヨン、シュエ・バオホー、ユエン・リーグオ、ジャン・シュン、ワン・ズーシン、チェン・シュエンユ、ワン・チン

中国黒竜江省の雪深い町。大餅ダービン売りのシュー・ガンは、毎日出来立てをバイクで配達する。顧客から「小さい」「髪が入っていた」と言われても謝るでもなく、無言で走り去る。理髪師の若い男シャンチュエンに別れを告げられても執着を捨てられない。三度目の別れを告げられたシュー・ガンは、やっと彼の店を後にした。
古道具屋を営むジャン・ジーヨンは、妻との関係が冷え切って罵倒される日々。食堂で初めて会った男に「同志だろ。仲間に入れてくれ」と声をかけるも拒まれる。公衆トイレでは「同性の友人募集」の貼り紙を撮影したり、ハッテン場のカフェを訪ねたりする。
一方、食堂でジーヨンが目撃した女性カップルのアブとリウ・インは理髪師のシャンチュエンとその恋人シアオ・ホータオを巻き込み、人工授精で子を持とうと計画中。

黒竜江省を中心に活躍する監督と旧知の中年俳優陣が実名で登場。若手と女優陣は役名があります。美少年&美青年がからむBLものではありません。ファンタジーではない、ちょっとおかしくてうら寂しい中年ゲイの恋模様です。レズビアンの二人の精子提供者に対する要求は厳しく、監視される青年が気の毒に思えるほど。異性愛者同士の結婚願望は生活の苦しさもあいまって、誰もかれもが結婚しなきゃという風潮ではないようですが、ゲイの方たちの相手探しはより切実。あの手この手で近づき探し出す努力がいるようです。
ところどころで笑わせて、少し物悲しく、ラストはなんだか暖かくなる作品でした。
2024年第61回金馬奨にて主演男優賞(ジャン・ジーヨン)、撮影賞、編集賞、観客賞を受賞。大阪アジアン映画祭2025では『イケメン友だち』のタイトルで上映されました。かの国では制作も上映もできないラブ・ストーリー。(白)


2024年/フランス・ポルトガル合作/カラー/116分
配給:パンドラ
http://pan-dora.co.jp/belami/
★2025年11月15日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開


posted by shiraishi at 23:07| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年11月13日

『赤い風船 4K』『白い馬 4K』公開記念・特集上映<映像詩人アルベール・ラモリスの知られざる世界>『小さ なロバ、ビム』『素晴らしい風船旅行』『フィ フィ大空をゆく』

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『赤い風船』『白い馬』の初公開から70 年。
48 歳という 若さで、イランのテヘラン郊外でヘリコプターでの撮影中の事故でこの世を去った伝説の映像詩人アルベール・ラモリス。 彼の名作『赤い風船』『白い馬』の2作品が、時を経て4Kで蘇りました。2本立てで上映されます。
また、『赤い風船』『白い馬』4K版初公開を記念して、<映像詩人アルベール・ラモリスの知られざる世界>として、 『小さ なロバ、ビム』『素晴らしい風船旅行』『フィ フィ大空をゆく』の3作品が一挙公開されます。

配給:セテラ・インターナショナル
公式サイト:https://akaifuusen4k.com/
★2025年11 月 14(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開


映画監督 アルベール・ラモリス Albert Lamorisse 
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(1922年1月13日-1970年6月2日)
フランス、パリ生まれ。IDHEC(高等映画学院)の聴講生となり、写真家としても活躍。47年、短篇ドキュメンタリー“Djerba(ジェルバ)”で映像作家としてデビュー。49年に、同じジェルバ島で撮影された劇映画第1作『小さなロバ、ビム』を監督する。詩人ジャック・プレヴェールに見出され、新たにプレヴェールがナレーションを加え、51年公開された。
53年に劇映画第2作『白い馬』を監督し、カンヌ国際映画祭短編グランプリ(最高賞)を始め数々の賞を獲得する。56年『赤い風船』にもカンヌ国際映画祭短編パルム・ドール(最高賞)、アカデミー賞®脚本賞を始め映画賞を多数受賞。アルベール・ラモリスの名声は世界に広がり、多くのファンが生まれた。
60年、ヘリコプターに耐震装置をつけた「ヘリヴィジョン」を発明し、長編劇映画第1作となる『素晴らしい風船旅行』を監督する。『赤い風船』と同様に息子のパスカルをふたたび主演にし、フランス全土を横断し撮影した。65年、時計泥棒の青年が、天使のように空を飛ぶロマンティックなファンタジー『フィフィ大空をゆく』を監督、「ヘリヴィジョン」が活躍した。
1970年、ドキュメンタリー“Le vent des amoureux(恋人たちの風)”の撮影のため、イランのテヘラン郊外をヘリコプターで飛行中に事故に遭い、湖に落下し、48歳で死去する。世界中でその若すぎる死が惜しまれた。“恋人たちの風”はアルベールの製作ノートに基づいて未亡人が完成させて、78年に公開された。 (公式サイトより)



『赤い風船 4K』 原題:Le Ballon Rouge  ★4K 版日本初公開
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© Copyright Films Montsouris 1956
監督・脚本:アルベール・ラモリス
撮影:エドモン・セシャン
音楽:モーリス・ルルー
出演:パスカル・ラモリス、サビーヌ・ラモリス、ジョルジュ・セリエ、ヴラディミー ル・ポポフほか

パリの街を漂う不思議な赤い風船と出会った少年の物語
ある朝、少年パスカルは学校に行く途中で、ふわりと宙に浮かぶ赤い風船を見つける。風船は街灯に紐が引っかかって動けなくなっていたのだ。放課後、風船を持って家へ帰り着いたが、窓から風船を放り出されてしまう。しかし、不思議なことに、風船は窓際にふわふわと浮いてとどまった。風船と友達になったパスカル。いじめっ子たちが、風船を我がものにしようと追いかけてくる。パスカルは風船とパ リの街を逃げ回る・・・。
パリ 20 区、アーティストが多く集うメニルモンタンが舞台。少年と風船の心の交流に優しさが溢れる。パリの街並みに映える赤い風船の色彩、CG や機械仕掛けでもない撮影技術が素晴らしい。

今から約70年前のパリの街。 パリには行ったことはないけれど、昨年のパリオリンピックの折に、観た空から映したパリの街が重なりました。古い伝統的な家並みも大事にしていそう。
真っ赤な風船がパスカルの気持ちに寄り添うように舞い、パスカルもまた、雨が降れば、風船を傘に入れてあげます。いったいどうやって撮影したのかと思うのですが、なんの仕掛けもしていないというのが凄いです。(咲)

2008年7月26日公開時のシネジャ作品紹介

第 29 回アカデミー賞®脚本賞受賞 第 9 回カンヌ国際映画祭短編パルム・ドール(最高賞)受賞 1956 年度ルイ・デリュック賞受賞
1956 年/フランス/仏語/35 分/カラー/スタンダード
字幕:星加久実


『白い馬 4K』  原題:Crin Blanc   ★4K 版日本初公開
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© Copyright Films Montsouris 1956
監督・脚本:アルベール・ラモリス
撮影:エドモン・セシャン
音楽:モーリス・ルルー
出演:アラン・エムリー、パスカル・ラモリス、ローラン・ロッシュ、フランソワ・プリエほか

南仏カルマグ地方を舞台に、荒々しく気高い白い馬と漁師の少年の友情
南仏カマルグ地方に、白く美しい荒馬をリーダーにした野生馬の一群がいた。“白いたてがみ”と呼ばれる馬の存在は噂となり、牧童たちは野生馬を捕獲し始める。漁師の少年フォルコは、牧童たちの手から逃れた“白いたてがみ”を見つけ、ひっそりと近づき、手綱を握った。ひきずられながらも手綱を放さないフォルコに、馬は次第に心を許す。しかし、すぐに牧童たちに見つかり、フォルコは馬をなんとしても守ろうとするが・・・。
カマルグは特異な自然環境が独自の生態系を育む大湿地帯で、国立自然保護地域に指定されている。実在する馬たちをモデルに作られた物語で、馬はこの神秘的な場所を象徴する存在。少年と馬の美しき友情に感涙。

モノクロの作品。白い馬が引き立ちます。リーダー的な白い馬を執拗に追う牧童たち。少年フォルコが優しく見守ります。フォルコが白い馬を引いて歩く姿が湖に逆さに映る場面の美しいこと! 
2008年7月26日公開時のシネジャ作品紹介

第 6 回カンヌ国際映画祭短編グランプリ(最高賞)受賞 1953 年度ジャン・ヴィゴ賞受賞
1953 年/フランス/仏語/40 分/白黒/スタンダード
日本語字幕:星加久実


『小さなロバ、ビム 4K』原題: Bim le petit âne  *日本劇場初公開
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© Copyright Films Montsouris 1951
監督・脚本:アルベール・ラモリス
共同脚本&語り:ジャック・プレヴェール

島一番の美しいロバと貧しくも優しい少年の物語
はるか昔、東の国のある島。子供たちひとりひとりがロバを飼う習慣があった。ビムは最も美しいロバで、アブダラがその飼い主だったが、アブダラはとても貧しかった。意地悪な領主の息 子メサウドは、美しいビムに一目惚れし、アブダラからビムを奪い取った。連れ去れたビムを取り返そうと、アブダラは勇敢にも領主の屋敷に忍び込むが、護衛に見つかり牢に入れられてしまう・・・。
北アフリカ、チュニジアのジェルバ島で撮影。当初、商業性が薄いと却下 されたが、詩人ジャック・プレヴェールに再発見され、ナレーションを追加し公開された。ロバと少年たちが愛らしく輝く、隠れた傑作。

アブダラは貧しくて、ロバのビムにハチミツのお菓子も買ってあげられないのですが、心優しい少年で、ビムをとても大事にしています。かたや、領主の息子メサウドは意地悪でロバたちから嫌われていて、従うのは老ロバのみ。そんなメサウドがビムを力づくで自分のものにして、白いペンキを塗ったり、耳を切ろうとしたりします。お屋敷に忍び込んで囚われの身になったアブダラのことをビムが慕っている姿を見て、メサウドは反省し、その後は心を入れ替えるというめでたしめでたしの物語。 
撮影地チュニジアのジェルバ島の真っ白な建物が青空に映えて美しいです。
ジェルバ島といえば、紀元前6世紀に設立されたとされるシナゴーグがあって、古くからユダヤ人がアラブ人やベルベル人などと共存して暮らしていたところ。今は、イスラエルやフランスに移住してかなり人口は減っているそうですが、この映画が撮影された頃には、10万人ものユダヤ人がいたようです。そして、ジェルバ島は、2023年9月に世界遺産に登録されました。撮影されたころの面影は健在でしょうか・・・ いつか訪れてみたい地です。 (咲)


1951 年/フランス/仏語/55 分/白黒/スタンダード
日本語字幕:星加久実


『素晴らしい風船旅行 4K』  原題:Le Voyage en Ballon  *4K 版日本初公開
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© Copyright Films Montsouris 1956
監督・空中撮影:アルベール・ラモリス
撮影:モーリス・フェルー、ギイ・タパリー
音楽:ジャン・プロドロミデス
出演:パスカル・ラモリス、アンドレ・ジル、モーリス・パケほか

祖父と少年の壮大な夢、空飛ぶ冒険の旅
パスカルの祖父は学者で、気球を発明し、フランス中を旅する計画を立てていた。なんとしても冒険がしたいパスカルは、こっそりゴンドラにしがみつき、気球に乗り込む。北フランスのベテューヌを出発し、パリを通過、ブルターニュから南へ。次々と災難に見舞われるが、 アルプスを越え、ニームで海水浴を楽しむ。しかし、闘牛場での一時着陸の際に、気球はパスカルひとりを乗せたまま空に上がり、みな 大慌てする・・・。
ヘリコプターに耐震装置をつけた「ヘリヴィジョン」を使用して撮影。パリをはじめ、フランス全土の風景を気球に乗った 人の視点で楽しめる。『赤い風船』と同様に息子パスカルが主人公で、祖父と少年の冒険に心温まる。助監督にジャック・ドゥミが参加。

いつ観たのかは覚えていないのですが、カッパドキアの気球が流行るよりもずっと前のこと。自由自在に気球を操れることを、とても不思議に思ったものでした。空から眺めるフランス各地の景色が素敵です。工場のある町を飛び立った気球は、ストラスブールの大聖堂、パリに戻ってエッフェル塔や凱旋門、シュノンソー城、帆船がたくさん浮かぶ海、そして村の結婚式の宴に。さらに、モンブランから、海沿いの街へ。『白い馬』に出てきたカマルグの牛や馬の群れも出てきました。多様なフランスの姿を空からたっぷり楽しませてくれました。(咲)

第 21 回ヴェネツィア国際映画祭 国際カトリック映画事務局賞受賞
1960 年/フランス/仏語/84 分/カラー/スコープ


『フィフィ大空をゆく 4K』 原題:Fifi la Plume   *4K 版日本初公開
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© Copyright Films Montsouris 1956
監督・脚本:アルベール・ラモリス
撮影:ピエール・プチ、モーリス・フェルー
音楽:ジャン・ミシェル・ドフェイ
出演:フィリップ・アブロン、ミレイユ・ネーグル、アンリ・ランベール、ラウール・ドルフォスほか

天使に扮した泥棒とサーカスの女性とのロマンティック・ファンタジー
フィフィは邸宅から時計を盗み、サーカス団に逃げ込む。支配人は彼を警察には突き出さず、鳥人間に仕立てようとする。背中に羽をつけ空中を飛ぶ危険な演目だ。団員のミミに一目惚れし練習をはじめたフィフィは、空中を飛べるようになり、天使のふりをして時計を盗みミミにプレゼントをする。しかし、ミミに想いを寄せる猛獣使いと喧嘩になり、サーカスは崩壊。警察の追跡がはじまり、フィフィは空高く舞い上がる・・・。
人間がもし鳥のように自分の羽で空を飛べたなら・・。神話のイカロスの夢を再現。監督が 12 年間もアイデアを温めて製作した夢とユーモア溢れるロマンティック・ファンタジー。公開時には日本でも大ヒットを記録した。

フィフィはアンティーク時計にこだわる泥棒。そんな彼が逃げ込んだサーカス団で、鳥人間の訓練を承諾したのはミミという女性に惚れたからでした。そのミミにプレゼントする為に、また時計を盗みに行くのですから呆れます。でも、練習の甲斐あって、自由自在に飛べるように! 自転車に乗って飛ぶ場面もあって、これまたどうやって撮影したの?と。  
一度付けたらはずせないといわれていた天使の羽根を、最後に切られてしまいます。それが思いもかけない展開♪ (咲)


第 18 回 カンヌ国際映画祭 フランス映画高等技術委員会賞受賞
1965 年/フランス/仏語/78 分/白黒/スタンダード
日本語字幕:横井和子



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2025年11月07日

モンテ・クリスト伯(原題:Le Comte de Monte-Cristo)

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監督・脚本:マチュー・デラポルト、アレクサンドル・ド・ラ・パトリエール
原作:アレクサンドル・デュマ
出演:ピエール・ニネ(エドモン・ダンテス/モンテ・クリスト伯)、アナイス・ドゥムースティエ(メルセデス)、バスティアン・ブイヨン(フェルナン)、ロラン・ラフィット(ヴィルフォール検事)、パトリック・ミル(ダングラール船長)、アナマリア・ヴァルトロメイ(エデ)、ジュリアン・ドゥ・サン・ジャン(アンドレ/アンドレア・カヴァルカンティ公爵)、エルフランチェスコ・ファヴィーノ(ファリア司祭)

1815年、若き航海士エドモン・ダンテスは、結婚式当日花嫁の目前で、ナポレオンに加担したとして逮捕された。身に覚えがないと無実を訴えるも、海に囲まれた監獄に閉じ込められる。絶望の中、生きる気力を失っていくが4年後、脱獄を企てるファリア司祭と出会う。経緯を知った司祭は自分の知識や学問、教養をダンテスに注ぎ込み、ダンテスは初めて希望を持つことができた。
収監されて14年後・・・ダンテスはついに脱獄を果たした。司祭に告げられたテンプル騎士団の隠された財宝を手に入れ、大富豪“モンテ・クリスト伯”として準備を整える。パリ社交界に登場し、自分を陥れたフェルナン、ダングラール、ヴィルフォール検事ら3人に巧妙に近づいていく。

原作は1844年~1846年新聞に連載後、出版された小説。日本でのタイトル「巌窟王」がよく知られています。小説の長さに恐れをなして、少年少女向けのダイジェスト版だけ読んだ記憶があります。実際に友人に裏切られ、無実の罪で監獄に入れられた事件があり、それをヒントに書かれたという長大な小説です。大河ドラマになりそうなほど、エピソードてんこ盛り、登場人物も多く入り組んでいるのですが、映画は3時間にうまくまとめられていました。ロケーション、美術や衣装も見どころ。
若いダンテスは、周りの嫉妬や悪意に気づきません。ファリア司祭に導かれ、大人になったようなものです。日も差さない地下牢で互いが生きる支えになったはずです。脱獄後は、同じように彼らのために辛酸をなめたアンドレとエデを仲間に着々と計画を実行します。見守る観客も緊張と期待にドキドキです。観たあとは原作も読んでみてはいかがでしょう?(白)


2025年/フランス/カラー/178分
配給:ツイン
(C)2024 CHAPTER 2 – PATHE FILMS – M6 FILMS – FARGO FILMS
https://monte-cristo.jp/
★2025年11月7日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

posted by shiraishi at 19:05| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年10月18日

ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション(原題:WEEKEND IN TAIPEI)

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監督:ジョージ・ホアン『ザ・プロデューサー』
製作・脚本:リュック・ベッソン
撮影:コリン・ワンダースマン『DOGMAN ドッグマン』
音楽:マッテオ・ロカシューリ
出演:ルーク・エヴァンス(ジョン)、グイ・ルンメイ(ジョーイ)、サン・カン(クワン)、ワイヤット・ヤン(レイモンド)

麻薬取締局(DEA)の捜査官ジョンは、麻薬密売の疑いのあるクワンの組織への潜入捜査に失敗した。帳簿データがあるという匿名のメールが台湾から届いたが、上司は捜査の継続を許さず休暇を命じた。密かに台北へ飛び、メールの差出人と接触する。なんとクワンの養子のレイモンドという少年だった。しかもレイモンドの母はかつての恋人ジョーイ。天才的なドライブテクニックで裏社会の違法な物品のトランスポーター(運び屋)をしていた。当時捜査のため台北を訪れたジョンは彼女と出会い恋に落ちたが、帰国した後連絡が取れなくなったまま十数年が経過。ジョーイはクワンの妻となっていたが、ジョンがクワンの部下に追いこまれたとき車で激走、追手を振り切って身を隠す…。

つい先月『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』で観たばかりのグイ・ルンメイ。仕事や家事、親の介護と疲れの見える主婦役でしたが、今度は台湾で暗躍する富豪の妻役です。ゴージャスな衣装も似合えば、天才ドライバーとして台北の街を疾走するきりりとした表情も似合います。
ルーク・エヴァンスとサン・カンはそれぞれ人気シリーズの「ワイルド・スピード」に数本ずつ出演していて、共演もあったのかも。
冒頭の中華料理店厨房でのアクション、追いつ追われつのカーアクションなど楽しみどころをお見逃しなく。グイ・ルンメイはあまり変わりないのに、ルーク・エヴァンスはずいぶん体重が増えた感じです。太りやすいお年頃になったんですねぇ。(白)


デビュー作『藍色夏恋』(2002年)での爽やかな高校生役が忘れられないグイ・ルンメイ。出演しているとなれば、観たくなる女優さんの一人。本作では、10代の息子がいる母親役で、もうそんな歳に・・・と感慨深いものがありますが、爽やかさにカッコよさがプラス。期待を裏切りません。
リュック・ベッソンが台湾を舞台に撮ったこの映画には、モダンな台北の街と、風情ある海辺の漁村の両方が出てきて、西洋人が好みそう! 
スクリーンの前が舞台になっているレトロな映画館で、上映中の映画の前でルーク・エヴァンスとサン・カンが闘うシーンがあるのですが、そのスクリーンに雪の中にチャン・ツィイーのアップ。そして、金城武にアンディ・ラウ。中華圏の映画が好きな人なら、すぐにわかるシーンが展開されます。客席で観ている老夫婦、3D映画みたいだと!(咲)



2024年/フランス、台湾、アメリカ/カラー/100分
配給:アット エンタテインメント
(C)2024 - EuropaCorp – All rights reserved (C)Photo Hsing-Hsuan Kao
https://drivecrazytm.com/
★2025年10月24日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国順次公開

posted by shiraishi at 13:29| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年10月05日

ホーリー・カウ   原題:Vingt dieux  英題: Holy Cow

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(c)2024 - EX NIHILO - FRANCE 3 CINEMA - AUVERGNE RHONE ALPES CINEMA


監督:ルイーズ・クルヴォワジエ
/脚本:ルイーズ・クルヴォワジエ、テオ・アバディ
撮影:エリオ・バレゾー
編集:サラ・グロセ
音響:フランソワ・アブデルヌール
美術:エラ・クルヴォワジエ
音楽:リンダ・クルヴォワジエ、シャルリ・クルヴォワジエ
出演:クレマン・ファヴォー 、ルナ・ガレ、マティス・ベルナール、ディミトリ・ボードリ、マイウェン・バルテレミ、アルマン・サンセ・リシャール、リュカ・マリリエ、イザベル・クラジョー

父が死んだ。残されたのは、行き詰ったチーズ工房と幼い妹。

フランス、コンテチーズの故郷ジュラ地方。18歳の青年トトンヌは、仲間と酒を飲み、パーティに明け暮れ気ままに過ごしていた。村祭りの帰り道、チーズ職人だった父親が交通事故で突然亡くなってしまう。ひとりで7 歳の妹クレールの面倒を見なければいけなくなる。生活のため父のトラクターを売り払い、清掃員としてチーズ工場で働き始めるが、因縁のある青年と騒ぎを起こし、すぐにクビになってしまう。そんな折、チーズのコンテストの賞金が3万ユーロと知り、金を工面してトラクターを買い戻し、伝統的な製法で最高のコンテチーズを作ることを決意する・・・

監督のルイーズ・クルヴォワジエは、本作の舞台であるジュラ地方で育ち、リヨンの映画学校La CinéFabriqueでの卒業制作がカンヌの若手育成部門 “シネフォンダシオン” でグランプリを獲得した注目の女性監督。2024年のカンヌ国際映画祭を皮切りに、夭折の天才ジャン・ヴィゴにちなみ若手監督に授与されるジャン・ヴィゴ賞、フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞など数々の映画祭を席巻。

トトンヌは、ナンパや喧嘩に明け暮れる、どうしようもない青年。父親の急逝で、妹の世話をしなければいけなくなって、その自覚はあって、賞金を狙ってチーズを作ろうと決意します。いいチーズには、いい牛乳が必要と知って、評判の牛を飼っている女性のもとを訪れるようになるのですが、隙あれば、牛乳を盗もうという魂胆。いい牛乳を使ったからといって、すぐにいいチーズが作れるはずもないのですが、そこに気づくまでには、もう少し時間がかかりそう。ダメ青年の成長物語。まだ途上ですが。
原題「Vingt dieux」は、「なんてこった、マジかよ」の意味を持つ慣用句。「Holy Cow」は、その英訳。トトンヌが、「Vingt dieux」と叫ぶ場面にご注目を! (咲)


2024年カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門ユース賞受賞作

2024/フランス/92分/フランス語/カラー/2.39 : 1/5.1ch
日本語字幕:橋本裕充
提供:キングレコード  
配給・宣伝:ALFAZBET  
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
公式サイト:https://alfazbetmovie.com/holycow/
★2025年10月10日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開



posted by sakiko at 18:38| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする