2019年12月08日

パリの恋人たち(原題:L' HOMME FIDELE) 

parikoi.jpg

監督:ルイ・ガレル
出演:ルイ・ガレル、レティシア・カスタ、リリー=ローズ・デップ、ジョゼフ・エンゲル

ジャーナリストの青年アベル(ルイ・ガレル)は、3年間同棲したマリアンヌ(レティシア・カスタ)から妊娠を告げられ喜ぶが、それもつかの間、父親は友人のポールであることから別れを切り出される。数年後、ポールの葬儀でアベルはマリアンヌと再会。同時にポールの妹エヴ(リリー=ローズ・デップ)からも思いを告白される。

2018年の東京国際映画祭で『ある誠実な男』として上映された作品。モテモテのアベルだが、主導権を握っているのはアベルではなく女性たち。マリアンヌにもエヴにも誠実に向き合うがゆえに戸惑い、翻弄される。
リリー=ローズ・デップの一途さはここまでくるとストーカーだが、それに余りある可愛らしさに許してしまいたくなる。そんな一歩間違えれば狂気さえ感じる思いより、経験を重ねたマリアンヌの読みが一枚上手。あっぱれ!といいたくなるのだが、実はマリアンヌさえも息子に踊らされていたのだから驚く。この息子が超美形!!!将来が楽しみである。(堀)


2018年/フランス/フランス語/カラー/75分
配給:サンリス
©2018 Why Not Production
http://senlis.co.jp/parikoi/
★2019年12月13日(金)ロードショー
posted by ほりきみき at 02:00| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月24日

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(原題:Nicky Larson et le parfum de Cupidon)

city hunter.jpg

監督・脚本:フィリップ・ラショー
原作:北条司
出演:フィリップ・ラショー(リョウ/ニッキー・ラルソン)
エロディ・フォンタン(カオリ/ローラ・マルコーニ)
タレク・ブダリ(パンチョ)
ジュリアン・アルッティ(ジルベール・スキッピー)
ディディエ・ブルドン(ドミニク・ルテリエ)
カメル・ゴンフー(ファルコン/マンモス)
ラファエル・ペルソナス(ヒデユキ/トニー・マルコーニ)

ボディガードと探偵を請け負うシティハンターことリョウは、凄腕だが女性にめっぽう弱いのが弱点。相棒のカオリにそれが元でたびたび天誅を受けている。ある日、二人に「キューピッドの香水」の奪回という珍しい以来が舞い込む。ただの香水ではなく、一度その香りを嗅ぐと虜になってしまうというもの。これが悪用されたら世界中を混乱させてしまうこと必至。奪還のタイムリミットは48時間。

監督・脚本・主演のフィリップ・ラショーはフランスの人気コメディ俳優。小学生のころから原作の「シティハンター」の大ファンだったそうです。権利元の北条司の事務所へ映画化を切望する手紙を企画やプロットと共に送り、次に脚本を書き上げて自ら来日し、許諾を得たのだとか。フランスでのアニメ版では冴羽獠はニッキー・ラルソン、相棒の槇村香はローラ。実写版はその設定のままなので、原題は『Nicky Larson et le parfum de Cupidon』、「ニッキー・ラルソンとキューピッドの香水」になっています。原作に忠実なことを第一に作られたのは、チラシを見てのとおり。フィリップ・ラショーが冴羽獠の雰囲気をよく伝えています。
テレビアニメを見ていたのは30年以上前になりますが、主題歌の「Get Wild」が耳に残っています。日本語吹替の冴羽獠は軽妙洒脱な山寺宏一さん。(白)


2019年/フランス/カラー/シネスコ/93分
配給:アルバトロス・フィルム
(C)AXEL FILMS PRODUCTION - BAF PROD - M6 FILMS
http://cityhunter-themovie.com/
★2019年11月29日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 12:03| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月31日

ラフィキ:ふたりの夢 英題:RAFIK

IMG_0340.JPG

監督・脚本:ワヌリ・カヒウ
出演:サマンサ・ムガシア、シェイラ・ムニヴァ、ジミ・ガツ、ニニ・ワシェラ、デニス ムショカ、パトリシア・アミラ

看護師を目指しているケナ(サマンサ・ムガシア)は、ナイロビで母と生活しながら、離婚して国会議員に立候補した父のことを応援していた。ある日、ケナは父の対立候補の娘・ジキ(シェイラ・ムニヴァ)と出会う。やがて二人は惹(ひ)かれ合うが、同性愛が違法であるケニアでは彼女たちの恋は命懸けだった。

2人の少女が暮らすケニアでは同性愛は絶対のタブー・違法行為だ。家族からも「悪魔憑き」と忌み疎まれ、周囲は謂れの無い暴力を振るう。父の仕事(選挙活動)に差し障る、世間体が悪い、と関係を引き裂かれる。偏見、憎悪、様々な悪意に満ちた視線に2人は晒され、女特有の禁忌に向き合わねばならない。

舞台となるナイロビはケニアの大都会だ。これほど過酷な環境の中で、2人の少女は愛を育む。監督の話によると、ケニアの映画では男女のラブシーンさえ見たことはないそうだ。本作は未だにケニアで上映禁止だが、国際映画祭へ出品するために7日間のみ裁判所から上映が許可されたという。監督をはじめ、多くのスタッフが女性である。まさに命懸けの覚悟でこの映画を生み出したのだろう。その決意の強さ、立ち向かう勇気を想像するだに敬服せざるを得ない。

が、本作は決して悲壮感が漂う訳ではない。アフリカの陽光に似合うカラフルな映像は、教会までも明るく彩り、魅力に富む。軽快な音楽、自在に着こなすファッション(スタイルの良さに垂涎!)、ダンス、バイクといったアフリカン・ストリート・カルチャーを纏った初恋青春物語なのだ。活き活きと躍動する少女たちを観ていると、LGBT映画と安易にジャンル分けするのを躊躇ってしまう。(幸)


IMG_0341.JPG

製作国:ケニア/南アフリカ/フランス/レバノン/ノルウェー/オランダ/ドイツ
配給:サンリス
カラー/2018/82分
 ©Big World Cinema.
公式サイト:http://senlis.co.jp/rafiki/
★11月9日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開★
posted by yukie at 11:08| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

永遠の門 ゴッホの見た未来 原題:At Eternity’s Gate

IMG_0342.JPG

監督・脚本:ジュリアン・シュナーベル 『潜水服は蝶の夢を見る』 
脚本:ジャン=クロード・カリエール『存在の耐えられない軽さ』
出演:ウィレム・デフォー 『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』、ルパート・フレンド『スターリンの葬送狂騒曲』、
マッツ・ミケルセン 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、オスカー・アイザック 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
マチュー・アマルリック『潜水服は蝶の夢を見る』、エマニュエル・セニエ 『潜水服は蝶の夢を見る』 

人付き合いができないフィンセント・ファン・ゴッホ(ウィレム・デフォー)は、いつも孤独だった。唯一才能を認め合ったゴーギャンとの共同生活も、ゴッホの行動により破たんしてしまう。しかし、ゴッホは絵を描き続け、後に名画といわれる数々の作品を残す。

監督のジュリアン・シュナーベルは、画家でもあり、音楽も担う才人だ。シュナーベルの「作家性」を抜きに本作は存在しない。監督の首をすげ替えても産業として成り立つハリウッド式生産手段・ハリウッド的ドラマツルギーとは一線を画した映画だという点を自覚しつつ鑑賞に臨んだほうがいいかもしれない。

シュナーベルは、ゴッホの目に映った世界を想像し、ビジュアル面を構築している。カメラは枯芝を踏み歩くゴッホの脚を映し出す。ゴッホが見上げる大空を、眼前に広がる麦畑もゴッホの主観映像に成り切り、表出する。時折、レンズにアイリスを掛け、周囲を楕円形に縁取る”もやい”映像は印象的だ。『潜水服は蝶の夢を見る』で、片目の瞼しか自由に動かせなくなった主人公が見た世界を描いたのと同じ手法である。
「私は自分が見たままに描く。永遠が見えるのは私だけなのか」
と呟くゴッホ。自らが見た世界を伝えたい!例え誰にも理解されなくとも…。自然や静物、肖像画を見たままに描く孤高の人ゴッホ。
本作はシュナーベルの目を通して描かれる111分のゴッホの動く肖像画といえる。
シュナーベルとウィレム・デフォー自身が描くゴッホ絵画の模写も、絵の具の盛り上がり、色彩に至るまで、驚くほどのクオリティを示す。

人間ドラマとしての演出も奥行きに富む。オスカー・アイザック扮するゴーギャンとの交流・芸術論、人生を共有する弟テオ(ルパート・フレンドが温かい)、”黄色い家”を提供する宿屋の女将(ポランスキー夫人のエマニュエル・セニエ)、後世に残ることになった肖像画のモデル・医師ガシェ、ゴッホと対話する聖職者マッツ・ミケルセン。英米仏欧の名優たちが演じると、ゴッホが実在を帯びた人間に感じられてくる。この秋、必見の1作だろう。(幸)


IMG_0343.JPG

配給:ギャガ、松竹 
 2018/イギリス・フランス・アメリカ/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/111分
© Walk Home Productions LLC 2018
公式サイト:https://gaga.ne.jp/gogh/
 ★11月8日(金)新宿ピカデリー他 全国順次ロードショー★
 


 
posted by yukie at 10:55| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月27日

ワイン・コーリング(原題:WINE CALLING)

winecalling.jpg

監督:ブリュノ・ソヴァール
出演:ジャン・フランソワ・ニック、ローランス・マニャ・クリエフ、オリビエ・クロ

近年、日本でも若者を中心に人気が高まっている自然派ワイン。有機栽培で育てたブドウで、添加物を使わずに作られるこのワインの生産者は、フランスでは全体3 %ほど。農薬や科学肥料を使わないということは、畑の管理に膨大な時間と手間がかかるということ。そして添加物を使用しないということは、発酵のトラブルがおきる危険性が高まるということ。そんなリスクを冒しても、生産に取り組む人がいる自然派ワインの魅力を、自然体で人生を楽しむ南フランスのワイン生産者たちの愛すべきライフスタイルとともに追いかけたドキュメンタリー。

自然派ワインという言葉を本作で初めて聞いた。明確な定義はないようだが、有機栽培で育てたブドウを野生酵母で発酵させ、添加物を極力使わずに作ったワインだという。登場する8人の生産者は情報を交換し、必要であれば助け合う。化学的な農薬・肥料・除草剤を使わないので手間暇がかかるが、そんな苦労をものともせず、ワインを造ることで人生を楽しんで生きているのが伝わってきた。
アルコールが苦手で、ワインを飲むことはほとんどなかったが、このワインなら飲んでみたいと思う。(堀)


私はワイン飲みというわけではないけど、ワイナリーの雰囲気が好きで、この3年くらいの間に6ヶ所くらい日本のワイナリーに行っている。ワイナリーが目的というわけではなく、長野、山梨、北海道と旅行に行ったところにあるワイナリーに行っている。私は赤ワインの渋さが苦手で、白ワインしか飲まないけど、だからといって、これはおいしいというワインにはなかなか出会えない。だから通っているのかも。どこも、けっこう昔から気になっていて行ってみたかったところである。
でも、「自然派ワイン」という言葉は、この作品を観るまで知らなかった。この作品で初めて知った。これまで私が行ったところも、そういう自然派ワインがあるのだろうか。この作品を観て、それが気になった。ワイン屋に行った時、「日本の自然派ワイン」を扱った本があるのか聞いてみたけどそういうのはないという。ワインの本の中で、時々「自然派ワイン」の特集があるだけとのことだった。どうりで、「自然派ワイン」という言葉を初めて聞いたわけだと思った。それにしてもワインも薬漬けなのだろうか。これまで言われなくてもワインは「自然派」だと思っていたけど、そうでもないらしい。少し心配になった。
この作品の中では「自然派ワイン」を造る作る仲間たちが助け合って、なるべく農薬やワイン造りの段階で添加物を使わずに造るワインを目指すということが描かれていたけど、とてもうらやましかった。そういう仲間たちが、良いワインを造るため情報交換をしたり、収穫やワイン造りの時に助け合ったり、イベントをやったり、ギターを抱えて歌ったりというシーンが出てきて、こんな生活したいなと思いながら観ていた(暁)。


『ワイン・コーリング』は、『ジョージア、ワインが生まれたところ』(アメリカ、監督・撮影・編集:エミリー・レイルズバック)と共に、自然派ワインにまつわるドキュメンタリー映画として同時公開されます。

2018年/フランス/90分/フランス語/DCP/5.1ch/1:1.85
配給:クロックワークス 
© PINTXOS2018
公式サイト:https://www.uplink.co.jp/winefes/
★2019年11月1日(金)シネスイッチ銀座、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺にてイベント上映
posted by ほりきみき at 11:16| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする