2025年10月17日
ローズ家 崖っぷちの夫婦(原題:The Roses)
監督:ジェイ・ローチ(『ミート・ザ・ペアレンツ』)
脚本:トニー・マクナマラ(『哀れなるものたち』)
原作:ウォーレン・アドラー
撮影:フロリアン・ホーフマイスター
音楽:セオドア・シャピロ
出演:ベネディクト・カンバーバッチ(テオ・ローズ)、オリヴィア・コールマン(アイヴィ・ローズ)、アンディ・サムバーグ(バリー)、アリソン・ジャネイ(エレノア)、ケイト・マッキノン(エイミー)ほか
建築家のテオはこれまで仕事は評価され、順調なキャリアを築いてきた。料理家の妻アイヴィはチャンスを逃さず、仕事も拡大していく。男女一人ずつの子供に恵まれ、完璧な家庭生活に彩られたカップル…のはずだった。一見幸せな家庭に見えていたが、胸には互いの競争心と不満が渦巻き、口に出せない分が積もり積もっていた。
ある晩、テオのキャリアは一夜にして崩壊、信用を失い事業は破綻する。愛する妻と建てた理想の家は、二人の争いの元になってしまう。ついに友人の弁護士に離婚の相談をするに至るのだが…
『ローズ家の戦争』(1989/ダニー・デヴィート監督)のリメイクです。旧作はキャスリーン・ターナーとマイケル・ダグラスが夫婦を演じました。自分の気持ちや要求を主張するのがあまり得意ではない日本の夫婦は度肝を抜かれましたっけ。
今回はイギリスの名優ベネディクト・カンバーバッチとオリヴィア・コールマンが、熱烈な恋愛結婚をしたものの、いつしか心はすれ違い夫婦喧嘩に突入。前作と筋立ては同じながら、パワーアップしてこれはケガで済まない!命がけ!という、アクション映画さながらの進展となります。いやはや。
演技巧者の二人にキャラの濃い友人たち、それぞれが抱える不満や要求があらわになって、大小の差こそあれ「夫婦あるある」に胸が痛むこと必至のブラックコメディです。傷つくかと思われた子供たちはとてもクールで、安堵したり先々を憂えたりでした。不満はゴミと同じ、ため込まずに小まめに出すに限ります。(白)
2025年/アメリカ/カラー/105分
配給:ディズニー
(C)2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
https://www.searchlightpictures.jp/movies/theroses
★2025年10月24日(金)より全国ロードショー
2025年09月27日
ブラックバッグ(原題:Black Bag)
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
脚本:デヴィッド・コープ
撮影:ピーター・アンドリュース
出演:ケイト・ブランシェット(キャスリン)、マイケル・ファスベンダー(ジョージ)、マリサ・アベラ(クラリサ)、トム・バーク(フレディ)、ナオミ・ハリス(ゾーイ)
英国のサイバーセキュリティセンター(NCSC)のエリート諜報員ジョージの機密任務”ブラックバッグ”は、組織内部の裏切り者を見つけること。盗み出された「セヴェルス」とは世界を揺るがす不正プログラムだった。容疑者は諜報員の同僚たち4人。フレディ、ジミー、情報分析官のクラリサ、局内カウンセラーのゾーイ。さらにジョージの愛妻である凄腕諜報員キャスリンも対象だ。タイムリミットは1週間。
ジョージは彼ら全員を自宅でのディナーに招待した。食事には薬が仕込まれている。アルコールの効果も加わって、彼らは思いがけないことを口にする。
ケイト・ブランシェットとマイケル・ファスベンダーが凄腕諜報員の夫婦、2人の邸宅も衣装も素敵で見ものです。ケイト・ブランシェットは相変わらずエレガントでゴージャス。マイケル・ファスベンダー演じる夫ジョージは、その愛妻+4人の同僚の中にいるはずのスパイをあぶり出す任務と、妻への愛情の間で板挟みです。普通は私情を挟まない全く関わりのない人にさせるのでは?と思うんですが、それではドラマが薄くなるか・・・。
互いに探り合いながらの頭脳戦が展開し、ドキドキしながら行く末を見守りました。ややこしい人間関係と次々明らかになっていく秘密。最後までしっかりついていってお楽しみください。(白)
2025年/アメリカ/カラー/94分
配給:パルコ
(C)2025 Focus Features, LLC. All Rights Reserved.
https://www.universalpictures.jp/micro/black_bag
★2025年9月26日(金)全国公開中
2025年09月25日
ラスト・ブレス 原題:Last Breath
監督:アレックス・パーキンソン
原作:ドキュメンタリー『ラスト・ブレス』(メットフィルム)
脚本:ミッチェル・ラフォーチュン、アレックス・パーキンソン&デヴィッド・ブルックス
出演:ウディ・ハレルソン、シム・リウ、フィン・コール、クリフ・カーティス
若き飽和潜水士のクリス(フィン・コール)。婚約者にしばしの別れを告げ、スコットランドのアバディーン港で潜水支援船、タロス号に乗り込んだ。1ヵ月間にわたる、北海の海底に張り巡らされたガスのパイプラインを補修する定例のミッション。クリスがチームを組むのはベテランのダンカン(ウディ・ハレルソン)と、ぶっきらぼうだがプロ意識が強いデイヴ(シム・リウ)。敬愛するダンカンが会社から引退を宣告され、これが最後の潜水になると知って、クリスはショックを受ける。
水深91メートルの海底で作業を行っている最中、タロス号のコンピュータ・システムが異常をきたす非常事態が発生。制御不能となったタロス号が荒波に流されたことで、命綱が切れたクリスは深海に投げ出されてしまう。クリスの潜水服に装備された緊急ボンベの酸素は、わずか10分しかもたない。海底の潜水ベルにとどまったダンカンとデイヴ、タロス号の乗組員はあらゆる手を尽くしてクリスの救助を試みるが、それはあまりにも絶望的な時間との闘いだった……。
世界中の海底に張り巡らされたパイプラインや通信ケーブルを守る飽和潜水士は、“地球上で最も危険を伴う職業”のひとつ。命綱を失い、海上からの酸素供給も絶たれたまま深海に置き去りにされてしまい、“生存確率ゼロ”ともいえる絶体絶命の状況から生還した実話に基づく物語。
映画の最後には、クリスのモデルになったご本人の結婚式の場面が映し出されました。「ここに僕の唇を奪った人が」との花婿の発言も。助け出されたときに人工呼吸を施した同僚がいた次第。
無事、結婚式を挙げたことにほっとさせられましたが、こんな事故にあったにもかかわらず、あまり間を置かず、また潜水の仕事に赴いたとのこと。徹底した訓練を受けた強靭な精神の持ち主なのだと感嘆! (咲)
2025年/米・英/英語/93分/カラー/5.1ch/シネマスコープ
字幕翻訳:大西公子
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ
公式サイト:https://lastbreath.jp/
★2025年9月26日(金)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー
2025年09月19日
劇場版スマーフ おどるキノコ村の時空大冒険(パラレルアドベンチャー)(英題:Smurfs)
監督:クリス・ミラー
出演:リアーナ(スマーフェット)、ジェームズ・コーデン(ノーネーム)、ジョン・グッドマン(パパスマーフ)
日本語吹き替え:早見沙織(スマーフェット)、宮野真守(ノーネーム)、山寺宏一(ラーザメル、ガーガメル)、茶風林、山路和弘、大塚芳忠
すべてがうまくいくキノコ村で、毎日踊って楽しく過ごすスマーフたち。しかしある日、村のリーダー・パパスマーフが何者かにさらわれてしまう!ノーネーム、スマーフェットらはパパスマーフを救うべく、時空を越える大冒険へ!無事パパスマーフを救い、またみんなで踊れる平和な日々を取り戻すことができるのか?
スマーフはベルギーの漫画家、ペヨ(ピエール・キュリフォール)が50年代に生み出したバンド・デシネ(漫画)です。青い肌に揃いの白い帽子、リンゴ三つ分の大きさの妖精。これまでに漫画を元にしたテレビアニメ、映画があります。今回は歌手のチーナがプロデューサーをつとめ、スマーフェットの声を当てています。
みんな同じように見えるスマーフですが、実はちゃんと一人一人に個性があります。その中で自分だけが名前もない、個性もないと悲しんでいたのは「ノーネーム(名無し)」というスマーフ。ダンスの上手な女の子スマーフェットに慰められ、みんなと一緒にパパスマーフを探しに出かけます。誰にも知られていないはずの平和なキノコ村を見つけ出したのは、スマーフの天敵?!の魔法使いガーガメル。いかにも悪人顔です。小さなスマーフたちが、力を合わせてパパスマーフを助け出すストーリーは、お子様にもわかりやすいでしょう。ご家族でご覧ください。(白)
2025年/アメリカ/カラー/91分
配給:東和ピクチャーズ
Smurfs TM & (C) PEYO - 2025 Lic. Lafig B./IMPS (C) 2025 Par. Pics.
https://smurfs-movie.jp/
★2025年9月19日(金)全国ロードショー
ザ・ザ・コルダのフェニキア計画(英題:The Phoenician Scheme)
監督・脚本:ウェス・アンダーソン
原案:ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ
撮影:ブリュノ・デルボネル
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:ベニチオ・デル・トロ(ザ・ザ・コルダ)、ミア・スレアプレトン(リーズル)、マイケル・セラ(ビョルン)、ブライアン・クランストン(レーガン)、トム・ハンクス(リーランド)、ブライアン・クランストン(レーガン)、スカーレット・ヨハンソン(ヒルダ)、ベネディクト・カンバーバッチ(ヌバル)、マチュー・アマルリック、ジェフリー・ライト、ウィレム・デフォー、ビル・マーレイ
1950年代のヨーロッパ、独立国フェニキアの大富豪ザ・ザ・コルダが乗ったプライベート・ジェットが上空で突然爆発した。これが6度目の暗殺未遂だが、強運なザ・ザはまたしても生き延びた。兵器と航空業界での世界的な実業家には敵が多い。これまでの強引で冷徹なやりくち、限りなく黒に近い灰色の彼は常に命を狙われていた。今や一世一代のプロジェクトを取り組んでいるザ・ザは、一人娘のリーズルを後継者として育てることにする。修道女見習い中の娘と会うのは6年ぶりだ。
リーズルは父の汚れた財産を嫌悪するものの、善行の資金になると考え直す。亡き母の死の真相も知りたい。家庭教師で昆虫学者のビョルンと共に父の旅に同行する。
ザ・ザと娘のリーズル、家庭教師のビョルンの3人のほか、出演者が書ききれないほど並んでいます。主役クラスの方々が嬉々としてヘンな役を演じて、登場するたびにニヤついてしまいました。ベニチオ・デル・トロにあてがきというザ・ザは、攻守ともにハイレベルのやり手実業家ですが、娘との関係修復に目覚めました。初めは不信の目を向けていたリーズルも修道院と違って危険だらけの旅をするうちに、心に変化が起きてきます。ケイト・ウィンスレットの実の娘ですが、親の七光りではなくオーディションを勝ち抜いて主役を勝ち取りました。見た目も雰囲気もすでにベテラン?スターたちとの共演でたくさん貴重な体験をし、得るものも多かったのでしょう。
ザ・ザのプロジェクトの進行、父と娘のその後と気になる点がたくさん、ドラマだけでなく、作品内で使われた絵画や小物なども監督こだわりの本物や特注品が使われているので、好きな方には眼福です。(白)
2025年/アメリカ、ドイツ合作/カラー/シネスコ/102分
配給:パルコ、ユニバーサル映画
Courtesy of TPS Productions/ Focus Features (C)2025 All Rights Reserved
https://zsazsakorda-film.jp/
★2025年9月19日(金)TOHOシネマズシャンテ、渋谷シネクイントほか全国ロードショー


