2022年11月26日

ワイルド・ロード(原題:One Way)

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監督:アンドリュー・ベアード
脚本:ベン・コンウェイ
撮影:トピア・センピ
出演:コルソン・ベイカー(フレディ)、ケヴィン・ベーコン(フレディの父)、ストーム・リード(レイチェル)、トラヴィス・フィメル(ウィル)、ドレア・ド・マッテロ(ヴィック)

ギャングの組織から金とコカインを横取りしたフレディは、引き入れた仲間と落ち合う約束だった。腹部に銃弾を受けながらも命からがら逃げ出し、長距離バスに乗り込む。冷酷無比な女ボスのヴィックは、裏切りを絶対に許さない。仲間たちと連絡を取り続けるが、次々と捕まり殺されていく。フレディは、ひとり娘のリリーのためになんとしても金を手に入れて逃げ切りたい。父親らしいことが何もできなかった自分のせめてもの償いのつもりだった。出血多量で意識が朦朧としていくフレディは、これまで疎遠だった父に連絡を取って助けを乞うのだが。

ほとんどのストーリーがフレディが逃げ込んだ長距離バスの中で進みます。携帯電話でのやり取りで相手の場面が挿入され、仲間が追っ手に捕まっていくたびに緊迫感が増していきました。フレディは銃創から流れる血を元妻(看護士)の指示で止めますが、それに使うのが前の座席の女の子からもらったナプキン。そんな使い道があるとは。この女の子レイチェルがフレディに携帯を借りて、もう一つのストーリーが動き出します。とにかく携帯電話が必需品。なければ映画が進まない時代なんですね。
ケヴィン・ベーコンは『パトリオット・デイ』(2016)以来久しぶりの日本公開作です。フレディの父親役ですが、こちらもロクデナシ臭がプンプン。この作品、女性たちの強さに注目。(白)


2022年/アメリカ/カラー/シネスコ/97分
配給:アルバトロス・フィルム
(C)2022 INSPIRED CREATIONS FILM, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
https://wild-road.jp/
★2022年12月2日(金)全国ロードショー
posted by shiraishi at 13:54| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月24日

ビー・ジーズ 栄光の軌跡  原題:The Bee Gees: How Can You Mend a Broken Heart

11月25日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー 劇場情報

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©2020 Polygram Entertainment, LLC – All Rights Reserved

監督:フランク・マーシャル
製作:ナイジェル・シンクレア ジーン・エルファント・フェスタ マーク・モンロー フランク・マーシャル
製作総指揮:デビッド・ブラックマン ジョディ・ガーソン スティーブ・バーネット ニコラス・フェラル キャシディ・ハートマン ライアン・サファーン
脚本:マーク・モンロー
撮影:マイケル・ドワイヤー
編集:デレク・ブーンストラ ロバート・A・マルティネス
出演:バリー・ギブ、ロビン・ギブ、モーリス・ギブ、アンディ・ギブ、エリック・クラプトン、ノエル・ ギャラガー(オアシス)、ニック・ジョナス(ジョナス・ブラザーズ)、マーク・ロンソン、クリス・マー ティン(コールドプレイ)、ジャスティン・ティンバーレイク、ピーター・ブラウン、ヴィンス・メロー ニー、ミカエル・ライリー、ルル、アラン・ケンドール、イボンヌ・ギブ、ビル・オークス、デニス・ブ ライオン、ブルー・ウィーバー

「マサチューセッツ」「ジョーク」「ホリディ」「ワーズ」「メロディ・フェア」「ステイン・アライヴ」など時代とジャンルを超越して名曲を生み出し続けたビー・ジーズ 栄光の軌跡

“人生のサウンドトラック”ともいえる名曲の数々を生み出してきた「ビー・ジーズ」。時代を疾走した楽曲と、彼らの人生を描き、ビー・ジーズのすべてを詰め込んだ音楽ドキュメンタリー。
ビー・ジーズは英国出身のバリーと双子の弟ロビンとモーリスのギブ3兄弟によるグループ。オーストラリアに渡った少年時代から音楽活動を開始し、1967年に帰英し本格的な音楽活動を始め、半世紀を超えるキャリアを誇る。時代の変遷の中、数々の名曲を作り続け、全世界でのレコードセールスは2億枚以上、そのうち全英・米 No.1ヒットが 20 曲、トップ10ヒットが70曲を数える。澄んだ歌声とスリーパート ハーモニーがトレードマーク。日本でも映画『小さな恋のメロディ』(1971)や『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977)のサウンドトラックでその存在を知ったファンも多い。
しかしビー・ジーズの歩みは、実際には逆風と戦い続ける日々でもあった。ヒット曲連発の中、創作をめぐって想像を超えるプレッシャーにさらされ、世界的な名声を得た反動として壮絶なバッシングも受けた。それでも彼らは時代と立ち向かい、多くの人々の心に残る楽曲を作り続けた。
これは時代やジャンルを超越して名曲の数々を生み出し続けたビー・ジーズの3兄弟の「栄光の軌跡」を描いた感動のドキュメンタリー。
モーリスが2003年に他界するまで半世紀以上にわたる活動を続け、多くのアーティストに影響を与えた。貴重な写真や未公開映像を通して名曲誕生の瞬間を振り返り、エリック・クラプトン、ノエル・ギャラガー、クリス・マーティンらビー・ジーズを敬愛するアーティストたちが彼らについて語る。
監督は『インディ・ジョーンズ』シリーズなど数々の名作を手がけたプロデューサーで、『生きてこそ』などの監督作で知られるフランク・マーシャル。

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©︎ 1970 Shutterstock / Photo credit: South Coast Press/Shutterstock

『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977)の主題歌「ステイン・アライブ」で始まり、もう胸が高鳴る。この映画には思い入れがある。1982年頃だったと思うけど、当時、長野県白馬村に住んでいて、松本にある中劇シネサロンで『サタデー・ナイト・フィーバー』が上映されるというので、遠く松本まで観に行った。中劇シネサロンは座席数40席くらいで、日本一小さいと言っていた映画舘だった。この映画を観終わって、白馬村までの車中、ずっとこの「ステイン・アライブ」の曲が頭の中で繰り返し流れ、「Ah, ha, ha, ha, stayin' alive, stayin' alive. Ah, ha, ha, ha, stayin' alive.」と、繰り返し口づさみながら暗い夜道の運転をして帰ったことを思いだした。そして、その次の日からもずっと、この曲が耳について離れないので、また次の休みの日にも観に行った。確か2週間くらい上映していたと思う。白馬、松本間は約60㎞、山間部なので片道2時間くらいはかかった。でも、どうしても行っておきたかった。それまで2回も観た映画はなかった。2回も観た、初めての映画だった。中劇シネサロンではほかにも映画を観たのに、他は何を観たか忘れてしまった。まだ映画にハマる7年くらい前。今回のことで中劇シネサロンを調べてみたら、2004年に閉館していた。それこそミニシアターブームの前からあった映画館だった。
だから「ステイン・アライブ」が最初に流れてびっくりしてしまった。私はこの曲が流行っていたというのを知らなかった。ただ、この映画の主題歌として知っていたが、ビー・ジーズのアルバムの中で、当時最高のアルバムセールスを記録した『サタデー・ナイト・フィーバー』のサウンドトラックアルバムと書かれていたので、そんなにヒットしたんだと思った。
この曲で、一気に当時を思い出し、たくさんのビー・ジーズの曲が流れ、懐かしさがこみ上げた。それにしても私は曲は知っていたけど、ビー・ジーズのことをなにも知らなかった。兄弟グループだというのもこの映画で知ったし、イギリス、アメリカと活動の場を変えていったというのも知らなかった。60年代から半世紀以上の歳月、変化し続け、時代を越えて歌を作り出していたビー・ジーズの軌跡を知ることができてよかった。オアシスのノエル・ギャラガーが「兄弟の歌声は誰にも買えない楽器だ」と讃えていたが、ほんとにそう思う。彼らの歌声は永遠だ(暁)。



ビー・ジーズのドキュメンタリーと知って、あ~大好きだったビー・ジーズ!と、喜び勇んで映画を観たのですが、実は、彼らについてほとんど何も知らなかったことを突き付けられました。
ビー・ジーズと聞いて思い浮かべるのは、「マサチューセッツ」「ジョーク」「ワーズ」といった曲でした。私がラジオをよく聴いていた中学・高校時代に、聴いて心地よいと思った曲たちです。なにしろラジオ。どんな顔をした人が歌っているのか知っていたのは、ビートルズやサイモン&ガーファンクルなど、ごく一部。
映画『小さな恋のメロディ』は観てないのですが、あらためて曲を聴いてみれば、ほとんど知っている好きな曲で、この映画のための楽曲だったのかとあらためて知りました。
『サタデー・ナイト・フィーバー』に至っては、映画は観ているし、20代の頃、会社帰りに皆で行ったディスコで「ステイン・アライヴ」はよく流れていた曲なのに、この映画を観て、ビー・ジーズの曲だったの?と驚いた次第。それまでのビー・ジーズの曲風とちょっと違っていたから、結び付かなかったのかも。
このところ、1960年代、70年代に活躍したミュージシャンの映画が数多く公開されていて、今さらながら知ることが多いです。今なら、ネットですぐに何でも情報が入るところですが、あの頃は、よほど興味を持って調べないとわからない時代でした。それはそれで、手探りの楽しさもあったことを懐かしく思い出します。(咲)



公式HP https://thebeegees-movie.com/#
2020年製作/111分/G/アメリカ
日本語字幕:大渕誉哉/字幕監修:吉田美奈子
配給:STAR CHANNEL MOVIES
posted by akemi at 05:50| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月13日

戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン   原題:WINE and WAR

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監督:マーク・ジョンストン、マーク・ライアン
脚本 : マーク・ジョンストン、マーク・ライアン、マイケル・カラム
プロデューサー:マーク・ジョンストン
製作総指揮:セルジュ・ドゥ・ブストロス、フィリップ・マスード
撮影:マーク・ライアン
音楽:カリム・ドウアイディー
編集:マレク・ホスニー、マシュー・ハートマン
出演:セルジュ・ホシャール、マイケル・ブロードベント、ジャンシス・ロビンソン、エリザベス・ギルバート、ミシェル・ドゥ・ブストロス、サンドロ・サーデ、カリム・サーデ、ジェームス・パルジェ、ジョージ・サラ、ジャン=ピエール・サラ、ナジ・ブトロス、ジル・ブトロス、ロナルド・ホシャール、ガストン・ホシャール、ファウージ・イッサ、サミー・ゴスン、ラムジー・ゴスン、マイケル・カラムほか

中東の⼩国レバノン。1975 年から断続的に内戦や隣国との軍事衝突が続き、その不安定な情勢を報じられることが多いが、実は知られざる世界最古のワイン産地の⼀つ。レバノンワインの起源は5千年前とも⼀説には7千年前ともされ、現在も約50のワイナリーが点在している。
本作には、戦争中もワインを作り続けてきた不屈のワインメーカーたちが登場する。

1975年から1990年にかけての内戦をものともせず、レバノンワイ ンを世界に売り込み「レバノンワインの⽗」と呼ばれたシャトー・ミュザールの2代⽬セルジュ・ホシャール。
1978年、内戦から3年⽬に設⽴したワイナリー、シャトー・ケフラヤのオーナー、ミシェル・ドゥ・ブストロス。1982年のイスラエル侵攻では、ブドウ畑の上空でイスラエル軍とシリア軍のジェット機による空中戦を体験した。
シリアのドメーヌ・ド・バージュラスとレバノンのシャトー・マー シャスのオーナーであるサンドロ&カリム・サーデ。シリア内戦の最中もワイン造りを続け、2020年 8 ⽉ 4 ⽇のベイルート⼤爆発では⾟くも死を免れたことで世界的な ニュースとなった。
戦争ではなく平和をもたらすために内戦中にワイン造りを始めた修道院の神⽗。
⾃分で⾝を守れるようにと 11 歳 で銃の扱い⽅を教えられ、⽗の遺志とワイナリーを受け継ぐ⼥性。
内戦中、虐殺が起こった故郷の村で、村の再起のためにワイナリーを続ける夫婦・・・
極限の状況でもワインを造り続 けてきた 11 のワイナリーのワインメーカーたちが語る⼈⽣哲学や幸福に⽣きる秘訣とは?
「私がセルジュから学んだことは、ワインのことよりも⼈の⽣き⽅についてだった」と『⾷べて、祈って、恋をして』の著者エリザベス・ギルバートは語る・・・

レバノンというと、今ではすっかり戦争のイメージがつきまといますが、かつては、ベイルートが「中東のパリ」といわれたように、地中海に面した温暖で華やかさもある地でした。中東の中では、イスラーム教徒とキリスト教徒が半々という人口構成で、まさにワインの似合うところ。
地中海に沈んだ船からは、その昔、古代レバノン⼈であるフェニキア⼈がワインを輸出するときに使った入れ物である素焼きの壺「アンフォラ」がたくさん見つかっています。内陸のバールベックの遺跡には、ワインを作った形跡があるのですが、アンフォラは出土していなくて、ワインは地元で消費していたのだろうといわれています。

古い歴史を持つレバノンのワインを守るべく、内戦やイスラエル侵攻にさらされる中でも、不屈の精神でワインを作り続ける人たちの物語。さらに、内戦で壊滅状態と思っていたシリアでも、ワインを作り続けている人がいることにも胸が熱くなりました。
美味しいレバノン料理とともに、いつかレバノンでワインを味わいたいものです。(25年前に、旅費を払いながら、入院してレバノンに行き損ねた私!)(咲)


戦争が続くレバノンで。まさかワインが造られているとは思ってもみなかった。しかもイスラム教徒がほとんどだと思っていたから、お酒があるとは思ってもみなかった。でも、キリスト教徒もいて、イスラム教徒とキリスト教徒が半々くらいということを知り、それならワインもあるのだなと納得した。それどころかレバノンワインの起源は5千年前とも7千年前とも言われているということを知り、そんな昔からワインは造られてきて、爆撃が続く中でも、絶えることなく続いているということが驚きだった。
不屈の精神でワインを造り続けるレバノンのワインメーカーたちの心意気が素敵だなと思った。また、平和を求め、内戦中にワインを造り始めた修道院の神父の話を観て、ここでも宗教者がワインを造っていると思った。日本でも山梨・勝沼にある大善寺というお寺では1000年くらい昔から葡萄を育てワインを造ってきたらしい。ま、日本ではワインとは言わず、葡萄酒だったのだろうけど。今でも大善寺はワインのお寺として有名で、ワインを造っている。宿泊もできるので、5年くらい前にここに泊まり、帰りにここで作ったワインを買ってきたことがある。宗教とワインというのは、なかなか結び付かないけど、ワインが生活に密着したものとして根付いているということなのでしょう。レバノンのワインを見たことも飲んだこともないので、チャンスがあったら飲んでみたい。そして、爆撃にさらされながらもワインを造り続けてきたレバノンの方たちにエールを送りたい(暁)。


95分/アメリカ/2020年/ドキュメンタリー
配給:ユナイテッドピープル
公式サイト:https://unitedpeople.jp/winewar/
★2022年11月18日(金)アップリンク吉祥寺他にて全国順次ロードショー!




posted by sakiko at 16:11| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月12日

ザリガニの鳴くところ(原題:Where the Crawdads Sing)

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監督:オリヴィア・ニューマン
脚本:ルーシー・アリバー
原作:ディーリア・オーエンズ、友廣純 訳『ザリガニの鳴くところ』(早川書房)
製作:リース・ウィザースプーン、ローレン・ノイスタッター
出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ、テイラー・ジョン・スミス、ハリス・ディキンソン、マイケル・ハイアット、スターリング・メイサー・Jr.、デヴィッド・ストラザーン
音楽:マイケル・ダナ
オリジナル・ソング:テイラー・スウィフト「キャロライナ」

1969年、ノースカロライナ州の湿地帯で、裕福な家庭で育ち将来を期待されていた青年の変死体が発見された。容疑をかけられたのは、‟ザリガニが鳴く”と言われる湿地帯でたったひとり育った、無垢な少女カイア。彼女は6歳の時に両親に見捨てられ、学校にも通わず、花、草木、魚、鳥など、湿地の自然から生きる術を学び、ひとりで生き抜いてきた。そんな彼女の世界に迷い込んだ、心優しきひとりの青年。彼との出会いをきっかけに、すべての歯車が狂い始める…。

原作は動物学者ディーリア・オーエンズによる同名ミステリー小説。2019年、2020年の2年連続、アメリカで最も売れた本とのこと。日本でも2021年に本屋大賞翻訳小説部門第1位に輝きました。
鳴くはずのないザリガニが鳴くってどういうこと?と思われるかもしれません。これは比喩のような表現で、ザリガニの鳴き声が聞こえるような気がするくらい茂みの奥深く、生き物たちが自然のままの姿で生きている場所という意味です。
両親に見捨てられながらもノースカロライナの湿地帯でたった一人、自然に抱かれて逞しく生きる少女がある殺人事件の容疑者として捕まってしまうのですが、その裁判の過程と並行して、彼女の生い立ちが描かれて、やがて2つの時系列が1つになった先に驚きの結末が待っています。
「読み始めたら止まらなかった」と原作に惚れ込んだ女優リース・ウィザースプーンが、自身の製作会社ハロー・サンシャインを通して映像化権を得て自らプロデューサーを担当しました。主人公のカイアを演じるのはデイジー・エドガー=ジョーンズ。イギリス人の彼女がカロライナ訛りや舞台となる湿地帯を移動するためのボートの操縦、絵を描く技術を身につけて役に挑んでいます。さらにシンガーソングライターのテイラー・スウィフトが、原作を愛するあまり、「この魅力的な物語に合うような、心に残る美しい曲を作りたかった」と自ら懇願してオリジナルソング「キャロライナ」を書き下ろして提供しました。(堀)


ミステリーではありますが、舞台となる広大な湿地の美しさが際立ちます。ロケ地としてここが見付かり、原作ファンも満足ではないでしょうか。
冒頭では揃っていた家族が減っていき、最後に一人残された少女カイアは自然によって生かされました。ひとりぼっちのカイアですが、豊かな自然に包まれて孤独ではありません。湿地に生きるたくさんの鳥や魚、植物たち。湿地は生きる術を身につけさせ、店の夫婦と唯一の友人が学校に行かないカイアを何くれとなく気遣ってくれます。
そんな生い立ちが法廷の場で少しずつ明らかになります。この極上の小説はディーリア・オーエンズによって書かれました。動物学者なので、研究書やノンフィクションは発表しても、69才にして初の小説なのだそうです。それも最後まで読者を惹き付けるミステリーとは!
原作者自身が魅せられているにちがいない湿地の美しい四季を愛でるとともに、生きることや命をそれぞれに考えられる作品でした。
カイアの好きなものや、細部まで丁寧に描かれた絵が飾られた家をじっくり見せてもらいたいなあ。(白)


2022年/125分/G/アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
公式サイト:https://www.zarigani-movie.jp/
★2022年11月18日(金)ロードショー
posted by ほりきみき at 18:53| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ザ・メニュー(原題:The Menu)

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監督:マーク・マイロッド
脚本:セス・リース、ウィル・トレイシー
撮影:ピーター・デミング
音楽:コリン・ステットソン
出演:レイフ・ファインズ、アニャ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルト、ホン・チャウ、ジャネット・マクティア、ジョン・レグイザモ ほか

太平洋岸の孤島をカップルで訪れたマーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)とタイラー(ニコラス・ホルト)。お目当ては、なかなか予約の取れない有名シェフのスローヴィク(レイフ・ファインズ)が振る舞う、極上のメニューの数々。 「ちょっと感動しちゃって」と、目にも舌にも麗しい、料理の数々に涙するタイラーに対し、マーゴが感じたふとした違和感をきっかけにレストランは徐々に不穏な雰囲気に。 一つ一つのメニューには想定外の“サプライズ”が添えられていたのだ 。果たして、レストランには、そして極上のコースメニューにはどんな秘密が隠されているのか?そしてミステリアスな超有名シェフの正体とは…?

これまでにもレストランを舞台にした映画はいくつも作られてきました。それらには大抵、人生に躓いてしまった人が登場し、その人物が料理を作ることやお店を切り盛りすることで立ち直っていくハートウォーミングな結末を迎えるが多いような気がします。
本作はそれらとは一線を画し、スローヴィクとマーゴの心理戦の様相を呈した展開は最後までサスペンスフル。極上の料理が提供されているものの、それどころではなくなってしまいます。そして、恐らく、この作品を見た多くの人がチーズバーガーを食べたくなること必至。その理由はぜひご自身でお確かめください。(堀)


わざわざ孤島に行くというところで、まずひっかかりを感じます。わたしは行きませんよ、ええ。招待されていませんけど。豪華な食事が次々と現れ、ストーリーが進んでいくと、頭が???マークでいっぱいになります。このディナーって??? 目的は何???
レイフ・ファインズといえば「名前の言えないあの人」のイメージがいまだ強くて、それはご本人にも痛し痒しでしょう。この超人気シェフの役も板についているのに、何かあるに違いない、と勘ぐってしまいます。ヒロインの目力と、胆力に天晴れ。じわじわと背中を這い上がってくる疑問と恐怖に負けず、最後まで美食を楽しんでお帰りください。(白)



2022年/107分/R15+/アメリカ
配給:ディズニー
©2022 20th Century Studios. All rights reserved.
公式サイト:https://www.searchlightpictures.jp/movies/themenu
★2022年11月18日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

posted by ほりきみき at 18:24| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする