2022年01月22日

アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!(原題:The Addams Family 2)

adams family.jpg

監督:グレッグ・ティアナン、コンラッド・ヴァーノン
声の出演:生瀬勝久(ゴメズ)、杏(モーティシア)、二階堂ふみ(ウェンズデー)、堀江瞬(パグズリー)、京田尚子(バァバ)、秋山竜次(フェスター)、大塚明夫(ラーチ)、森川智之(サイラス・ストレンジ)

ウェンズデーは夏休み恒例の自由研究発表会で当然優勝を狙っている。フェスターおじさんにペットのタコ”ソクラテス”の特性を移植する実験を披露したが、順位をつけず全員入賞という結果になってがっかり。主催者のサイラス・ストレンジに共同研究を提案されるが「家族の秘密だから」と断った。思春期を迎えたからか、家族との食卓にも姿を見せない娘を心配したパパのゴメズは家族旅行に出かけることにした。火葬炉つき特製キャンピングカーでアメリカ横断の旅が始まった!ナイアガラの滝、マイアミビーチ、グランドキャニオンと騒動を巻き起こしながらアダムス一家は進む。家族の絆は期待通り深まるのか?

2020年9月に公開された『アダムスファミリー』の第2弾。今回は娘のウェンズデーを中心に、どこの家庭でも起こりうる(?)成長過程の子どものストーリーが展開します。自分の存在に疑問を抱くウェンズデー、爆発実験が大好きな息子のパグズリーも恋する年頃になりました。助言するのが今もって独身のフェスターおじさんというのが、頼りないところです。家族が出かけた留守を守るバァバがほくそ笑んでいるのがなんとも怪しい。キャンピングカーを付け狙う車はもっと怪しい。何が起こるのかお楽しみに。
キャラ立ちまくりの一家に声をあてているスターたちにもぜひ注目を。試写は日本語吹き替え版でした。
ゴメズの従兄のエンタテイナー、カズン・イット役にスヌープ・ドッグが出演。(白)


2021年/アメリカ/カラー/93分
配給:パルコ ユニバーサル映画
(C)2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.
https://www.universalpictures.jp/micro/addams-family-2
★2022年1月28日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 23:20| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月16日

クライ・マッチョ 原題:Cry Macho

公開日 2022年1月14日
上映劇場情報


スタッフ
監督:クリント・イーストウッド
製作:クリント・イーストウッド アルバート・S・ラディ ティム・ムーア ジェシカ・マイヤー
製作総指揮:デビッド・M・バーンスタイン
原作:N・リチャード・ナッシュ
脚本:ニック・シェンク N・リチャード・ナッシュ
撮影:ベン・デイビス
美術:ロン・リース
衣装:デボラ・ホッパー
編集:ジョエル・コックス
音楽:マーク・マンシーナ
出演
クリント・イーストウッド:マイク・マイロ
エドゥアルド・ミネット:ラフォ
ナタリア・トラベン
ドワイト・ヨーカム
フェルナンダ・ウレホラ

ほんとうの強さの意味を問う

誘拐から始まった少年との出会いが、二人の人生を変える。
テキサス。ロデオ界のスターだったマイク・ミロ(クリント・イーストウッド)は落馬事故の後、家族と別れ、今は競走馬の種付けの仕事をしながら一人で暮らしている。そんなある日、恩義がある元雇い主から詳しい理由は告げられぬまま、別れた妻に引き取られている息子のラフォ(エドゥアルド・ミネット)をメキシコから連れ戻してほしいと頼まれる。誘拐まがいの犯罪スレスレの仕事。最初は断ったが、結局、元雇い主に恩義があるマイクは引き受け、メキシコに向かう。
ラフォは、自分の思い通りにしようとがんじがらめの母に見切りをつけ、自分で生きていこうと闘鶏用のニワトリとストリートで生きていた。マイクは街でラフォをみつけ父親の元に行こうと説得。二人で米国境への旅を始める。そんな二人に迫るメキシコ警察やラフォの母が放った追手をくぐりぬけ、国境に向かう。そして国境で決断した二人の選択は…。人生の岐路は緊張感の連続。二人にとってそれぞれの居場所とは。
そして「マッチョ」を目指す少年に、「マッチョ」とは強がりであってほんとの強さではないこと。ほんとの強さとは何かということを、マイクはこのロードムービーの中で少年に伝えていく。


クリント・イーストウッド監督デビュー50周年。監督40作目の記念作品。
本作の舞台は、1979年。実は企画を持ち込まれたのは40年程前。主人公のマイクは落馬事故以来落ちぶれた元ロデオ界のスター。家族も亡くし孤独に暮らす老人をクリント・イーストウッドが演じるには、まだ若すぎてお蔵入り。それでも物語が頭の片隅に残っていて、2019年、クリントは映画製作者のアルバート・S・ラディに「まだ脚本が手元にあるか」と電話。そうして機が熟して完成したのが本作。
身も心もぼろぼろの90を過ぎたマイクが、元雇い主に最後の恩返しをしようとする物語。枯れたとはいえ、ダンディなマイク。途中で知り合った酒場のメキシコ人の女主人との素敵な関係に、人生、捨てたもんじゃないと勇気が貰えました。

ところで、試写で本作を観た前日に、やはり試写で観たリーアム・ニーソン主演の『マークスマン』(2021年、ロバート・ローレンツ監督、1月8日公開)の物語の設定がとてもよく似ていました。
愛妻に先立たれ、メキシコ国境付近の人里離れた地で細々と牧場を営みながら愛犬と暮らす元海兵隊の腕利き狙撃兵のジム。ある日、メキシコの麻薬カルテルに追われ、国境を越えて逃げて来た母子に出会います。母親は追手に撃たれ、ジムに11歳の息子ミゲルをシカゴの親戚のところに送り届けてほしいと言って絶命。行きがかり上、ミゲルをシカゴまで送るのですが、メキシコの麻薬カルテルは執拗に二人を追ってくるという物語。
2作とも少年役がとても光っていました。アメリカとメキシコの国境を越えての母と引き裂かれた少年の物語に、事情は全く違うのですが、思い起こしたのが、トランプ大統領の時代に移民流入阻止の政策のために親と引き裂かれたメキシコの子どもたちのことでした。地続きの国境を挟んで、さまざまな物語がありそうです。(咲)



2121年/アメリカ/104分/スコープサイズ/2D/5.1chリニアPCM+ドルビーダラウンド7.1(一部劇場にて)
字幕:松浦美奈
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/crymacho-movie/


posted by akemi at 20:31| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シルクロード.com 史上最大の闇サイト(原題:Silk Roard)

silkroad.jpg

監督・脚本:ティラー・ラッセル
原作:デビッド・クシュナー
撮影:ペーター・フリンケンバリ
出演:ジェイソン・クラーク(リック・ボーデン)、ニック・ロビンソン(ロス・ウルブリヒト)、ダレル・ブリット=ギブソン(レイフォード)、ポール・ウォルター・ハウザー(カーティス)

「世界を変えたい」─天才的な頭脳に恵まれたロスは、自由な世界を求め、表では絶対に買えない違法物を匿名で売買できる闇サイトを立ち上げた。〈シルクロード〉と名付けたサイトは、瞬く間に熱狂的なブームを巻き起こし、栄華を極める。ハデな動きですぐに警察にマークされるが、ロスは絶対に身元がバレない強固なシステムを創り上げていた。そんなロスを追う捜査官の中に、一人のはぐ れ者がいた。リック・ボーデン、問題行動を起こし、麻薬捜査課からサイバー犯罪課へ左遷された男だ。アナログ全開で足手まといのリックだったが、独自の捜査でロスとの接触に成功する。 リックが考えた驚愕の捜査方法とは?そして二人を待つ運命とは─?

“闇のアマゾン”と呼ばれた 史上最大のダークウェブ〈シルクロード〉を立ち上げた若き天才を、パソコンも使えないアナログ捜査官が暴く!これが実際にあった事件を元にしているとは!
2011年にロスがたちあげた闇サイトは警察、FBIの追求もかわし、ドラッグの売り上げは1日1億円を超えたそうです。通貨がビットコインだったのも成功の元だったとか(と言われてもよくわからない)。追い詰めていくのがアナログ捜査官であることに、世のパソコン苦手なおじさまたちは溜飲が下がるのではないでしょうか。見えないものは少しも現実と思えない私も同意。無骨なリックをジェイソン・クラーク。体格も良くて味方ならば頼れる感じがしますよね。
〈シルクロード〉は他者に危害を加えたり、詐欺行為を禁じていて、ロスが理想とした”自由至上主義”を共有していたそうです。せっかくの天才的頭脳を世界が良くなる方向で使ってほしかったです。今どうしているのでしょう?(白)


今やスマホがあれば、何でも買える時代。妹は次々にお知らせがきて、ポイントも使えるからとあれこれ購入していますが、私は現物をみないと買う気になれません。そも現金派で、クレジットなどを使うのも嫌い。でも、ドラッグなど違法なものが匿名で買えるとなれば、欲しい人は飛びつきますね。売り上げが一日1億円超えるというのも納得です。ウルブリヒトは巧妙に闇サイトを構築しましたが、悪はいつかは暴かれるもの。
ティラー・ラッセル監督は、闇サイト〈シルクロード〉を実際に運営していたロス・ウルブリヒトが逮捕された翌日から、本作の構想を始めたそうです。ドキュメンタリーを数多く製作してきた監督は、本作も徹底して資料を調べあげ、そこから今回はフィクションとして昇華させたとのこと。捜査官のリック・ボーデンは、いわゆる切れ者ではなく、実に人間臭いキャラクター。一方、闇サイトを運営していたロス・ウルブリヒトは、一見、将来を夢見るごく普通の青年。捜査官として大先輩のリックを小馬鹿にするサイバー犯罪課の若き上司シードルのキャラも際立っていました。
リックが娘に語る「世の中、白と黒だけじゃない。でも善と悪がある。正しいものを選びなさい」という言葉が心に残りました。(咲)


2021年/アメリカ/カラー/シネスコ/117分
配給:ショウゲート
(C)2020 SILK ROAD MOVIE, LLC ALL RIGHTS RESERVED. VE
https://silkroad-movie.com/
★2022年1月21日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 18:52| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月07日

スティルウォーター(原題:Stillwater)

still.jpg

監督:トム・マッカーシー
脚本:トム・マッカーシー マーカス・ヒンチー トーマス・ビデガン ノエ・ドゥブレ
撮影:マサノブ・タカヤナギ
出演:マット・デイモン(ビル)、アビゲイル・ブレスリン(アリソン)、カミーユ・コッタン(ヴィルジニー)、リル・シャウバウ(マヤ)

オクラホマ州のスティルウォーターで暮らしているビルには、一人娘のアリソンがいる。しかし、留学したフランスで女友達を殺した嫌疑で、もう5年も収監されている。かつては不仲の父娘だったが、アリソンが頼れるのは父親のビルだけ。アリソンの無実を信じるビルは、単身フランスへと旅立つ。マルセイユに着いてが言葉もわからないビルは、手掛かりを探したくても右往左往するだけ。ようやく通訳してくれる女性ヴィルジニーを見つけたのだが。

マット・デイモンが演じるのは留学先の仏マルセイユで殺人罪で捕まった娘アリソンの無実を証明すべく、米オクラホマ州スティルウォーターから言葉も通じない異国の地へ単身渡った父親ビル。ジェイソン・ボーンのときのようなスキルがあるのかと思ったら、本当にただの中年のおじさん。不良少年たちに囲まれると簡単に打ちのめされてしまいます。しかし、娘を思う気持ちはへこたれない。マット・デイモンはこういう役も似合いますね。ネタバレに絡んでくるので多くは語れないのですが、娘の無実を証明するために奔走した結果、娘の人生に大きく関わってくることを決断することになります。それは親として正しかったのか、間違っていたのか。苦渋するビルの心の内が映画を見終わった後もざらつきのように残っています。
そんなビルをサポートしてくれるフランス人女性を演じるのはカミーユ・コッタン。この作品と同日公開の『ハウス・オブ・グッチ』で主人公の夫といい仲になってしまう幼馴染みを演じていますが、全然雰囲気が違う。娘をしっかり育てながら演劇の世界で自己実現も諦めないシングルマザーをたくましく体現していました。(堀)


ビルがスティルウォーターからマルセイユに飛ぶという時点で、これはアラブが関係してくるなと思った直感は大当たり。マルセイユに留学した娘アリソンは同棲していた同性の恋人リナを殺したとして収監されているのですが、アリソンは、アキムという男が犯人だと弁護士への手紙に書いています。ヴィルジニーの運転する車で、アキムの住む移民の多い地区に行くのですが、車を降りようとしたビルは、危険だから降りるなと言われます。
「アラブ人を誰でもいいから投獄したい」というフランス人男性の言葉も飛び出して、マルセイユが地中海の対岸のマグレブ3国(モロッコ、アルジェリア、チュニジア)はじめアラブ系移民で溢れているのをフランス人たちが快く思っていないことも描かれています。(ちなみに、アキムを演じているIdir Azougliは、名前からするとトルコ系?)
アリソンがお墓参りに行く場面で、恋人リナ・ハムディの墓石に三日月と☆が刻まれていてイスラーム教徒だとわかります。アリソンは、彼女から学んだイスラームの「マクトゥーブ」という教えに解き放たれたと語ります。「マクトゥーブ」というアラビア語は直訳すれば「書かれている」ですが、イスラーム教徒なら誰しも、「すでに神によって(書かれた)定められた運命」と理解している言葉。字幕では、「寛容」とされていましたが、「定められたことを受け入れる」ことから転じての理解でしょうか。
本作、最初と最後のスティルウォーターの場面は、まぎれもなくアメリカ映画なのですが、大半を占めるマルセイユの場面はアラブの香りも漂うヨーロッパ映画だと感じました。
それもそのはず、トム・マッカーシー監督はマルセイユを舞台に映画を撮りたいと切望して自身で脚本を書いたものの、どうもしっくりこないと感じて、フランス人作家のトーマス・ビデガン(『預言者』脚本)とノエ・ドゥブレに脚本への協力を仰いだのです。さらに、製作チームの9割がフランス人という徹底ぶりです。
トム・マッカーシー監督は、『スティルウォーター』は究極的にはアメリカ、そして世界におけるアメリカの立ち位置を示している。我々アメリカ人が信じる道徳的義務に訴える映画である」と語っています。映画を振り返って、その言葉の意味をしみじみと噛みしめています。(咲)


2021年/アメリカ/カラー/シネスコ/139分
配給:パルコ
(C)2021 Focus Features, LLC.
https://www.universalpictures.jp/micro/stillwater
★2022年1月14日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 15:53| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マークスマン(原題:The Marksman)

marksman.jpg

監督:ロバート・ローレンツ
脚本:クリス・チャールズ ダニー・クラビッツ ロバート・ローレンツ
撮影:マーク・パッテン
音楽:ショーン・キャラリー
出演:リーアム・ニーソン(ジム・ハンソン)、キャサリン・ウィニック(サラ)、フアン・パブロ・ラバ(マウリシオ)、テレサ・ルイス(ローサ)、ジェイコブ・ペレス(ミゲル)

元海兵隊員で狙撃兵だったジムは愛妻に先立たれ、メキシコ国境付近の町で愛犬と暮らしている。細々と続けてきた牧場は左前になっているが娘に頼りたくはない。ある日、国境を越えて逃げて来た母子に出逢う。2人を追っていたのはメキシコの麻薬カルテル。撃たれた母親は彼に11歳の息子ミゲルを託して絶命した。ジムは行きがかり上、1人残されたミゲルをシカゴに住む親せきの元へ送り届けることになってしまった。カルテルの追撃をかわしながらシカゴにたどり着くことができるのか? 

娘や愛する人を守って闘う男の役が続いていたリーアム・ニーソン。スーパーマンではなく、一芸に秀でてどこか陰のある人物がはまります。今回は頑固な元狙撃兵(=マークスマン)。初めて会った母子が狙われていたため、つい迎え撃った麻薬カルテルから追われ続けます。一緒に1400㎞を旅するこの11歳のミゲルがしっかりしていて、ジムもたじたじ。緊張した場面が続く中で、2人のぎこちない会話に思わず頬が緩みます。
百発百中の狙撃シーンに思わずガッツポーズしたくなります。一番の見どころではありますが、執拗な追手との修羅場をくぐり抜けるうちに、ミゲルとジムが互いをリスペクトしていく心の動きも見逃さないでください。子役賞をあげたいくらいです。
このほど公開されたリーアム・ニーソンのインタビュー動画はこちら(白)


国に尽くし、税金も払ってきたにも関わらず、病気になった妻の医療費を払うために借金をしたことで、妻との思い出の詰まった家を手放さなくてはいけない状況に陥った初老のジム。リーアム・ニーソンにぴったりの役どころですね。何より、守らなくてはいけない存在(妻)を失ったことで途方に暮れていたジムにとってミゲルとの出会いは望んでいたことではなかったし、彼本人は気づいていなかったけれど、守るべき存在ができたことは生きる張り合いになったはず。ミゲルに生きる術の1つとして銃の撃ち方を教えるシーンは本当の親子のよう。
ラストの解釈は見る人によって違うかもしれないけれど、夕暮れのバスに揺られていた、あの時間は幸せだったはずだと思います。(堀)



2021年/アメリカ/カラー/シネスコ/108分
配給:キノフィルムズ
(C)2020 AZIL Films, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト:http://marksman-movie.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/Marksman_JP
★2022年1月7日(金)よりロードショー

posted by shiraishi at 14:46| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする