2019年06月16日

パピヨン(原題:Papillon)

papillon.jpg
 
監督:マイケル・ノアー
原作:アンリ・シャリエール
脚本:アーロン・グジコウスキ
撮影:ハーゲン・ボグダンスキー
音楽:デビッド・バックリー
出演:チャーリー・ハナム、ラミ・マレック、イヴ・ヒューソン、ローラン・モラー、トミー・フラナガン、ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン

〈1931年、パリ〉「狂乱の時代」の終焉。
胸に蝶の刺青を入れていることから “パピヨン”と呼ばれた男(チャーリー・ハナム)は、無実の罪で終身刑を言い渡され、フランス領ギアナのデビルズ悪魔島に送られる。
周囲を海に囲まれた、この島は脱出不可能な場所として知られ、囚人達は人権をはく奪され、過酷な強制労働を科せられていた。
絶望と死が支配する場所で、自由と希望を求めて足掻くパピヨンは、志を同じくする紙幣偽造の天才ドガ(ラミ・マレック)と出会い、やがて二人は奇妙な友情で結ばれてゆく…。

身の安全を保障する代わりに、脱獄資金を提供してほしい。最初は契約の関係だったパピヨンとドガだが、脱獄を繰り返すうちに信頼の絆を結んでいく。スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンが出演して大ヒットした作品が45年ぶりにリメイクされた。主演は何度も脱獄を試みる主人公パピヨンを演じるのはチャーリー・ハナム。偽金造りで投獄されたドガにラミ・マレック。
国からも見放された囚人たちが狭い部屋に下着一枚の裸で集められたシーンはアウシュビッツを彷彿させる。フランス領ギアナの徒刑場での生活もガス室こそないものの、奴隷に近い扱い。劣悪な環境に、我が身を守ることで精一杯の毎日。それでもパピヨンは自由を渇望し、脱獄を繰り返す。後半はアドベンチャー。緊張の連続で一時も目を離せない。その中で育まれる2人の絆と互いを尊重する思いに胸が熱くなる。(堀)


2017年/アメリカ/英語・スペイン/シネスコ/ DCP/カラー/5.1ch/133分
配給:トランスフォーマー
© 2017 Papillon Movie Finance LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:http://www.transformer.co.jp/m/Papillon/
★2019年6月21日(金)公開ロードショー
posted by ほりきみき at 00:47| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月13日

パージ:エクスペリメント(原題:The First Purge)

purge.jpg

監督:ジェラード・マクマリー
脚本:ジェームズ・デモナコ
音楽:ケビン・ラックス
出演:イラン・ノエル(ディミトリ)、レックス・スコット・デイヴィス(ナヤ)、ジョイヴァン・ウェイド( イザヤ)、スティーヴ・ハリス(フレディ)、マリサ・トメイ(アップデール博士)

経済が崩壊した21世紀のアメリカで政権を握っていた新政党NFFA(新しいアメリカ建国の父たち)は犯罪率を抑えるため、1年に一晩だけ殺人を含むあらゆる犯罪が合法となる「パージ法」の採用を決めた。反対デモも無視し、アメリカ全土での適用前に、ニューヨークのスタテン島内のみで実験することになった。島に残る島民に用意された賞金は5000ドル。島の住民たちが不安を抱える中、ついにパージ当日がやってくる。島のギャングのボスであるディミトリーは、愛する人を守るためにスタテン島に残ることを決意する。

2013年に第1作が制作された(日本公開は2015年)「パージ」シリーズの第4作。1年に1晩、12時間だけ全ての犯罪が合法化される法律=「パージ法」。この法律がなぜ施行されることとなったのか?その始まりが描かれています。
最悪の実験の被験者たちは、賞金にひかれて残ることを選んだ貧しい人、どこにも行く場所のない人たち。開発したのは暮らしにあえいだ経験もなさそうな富裕な白人たち。島に通じる道は封鎖され、犯罪を楽しみたい暴徒たちが暴れまわる様子を安全なところから監視しています。実験を成功させたい権力者の傲慢にむかつき、一晩中逃げ続けまたは抵抗する住民たちのサバイバルにハラハラさせられます。これまでの作品をまず見るのもよし、始まりを見てから順に見続けるもよし。私は全部観ておりました。作品紹介は以下。(白)


第1作『パージ』http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/422196791.html
第2作『パージ:アナーキー』http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/423007382.html
第3作『パージ:大統領令』http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/448991725.html

2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/98分/R15+
配給:シンカ、パルコ
(C)2018 Universal Pictures
http://purge-exp.jp/
★2019年6月14日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 15:19| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ガラスの城の約束 原題The Glass Castle


IMG_0284.JPG


監督 デスティン・ダニエル・クレットン
製作 ギル・ネッター ケン・カオ
製作総指揮 マイク・ドレイク
原作 ジャネット・ウォールズ
脚本 デスティン・ダニエル・クレットン アンドリュー・ランハム
撮影 ブレット・ポウラク
美術 シャロン・シーモア
衣装 ミレン・ゴードン=クロージャー ジョイ・ハナエ・ラニ・クレットン
編集 ナット・サンダース
音楽 ジョエル・P・ウェスト

出演 ブリー・ラーソン、ウッディ・ハレルソン、ナオミ・ワッツ、マックス・グリーンフィールド
ニューヨーク・マガジンの人気コラムニスト、ジャネットはある日、ホームレス同然の父レックスと再会する。両親は彼女が幼いころ、定職につかず夢を追い求めて気の向くままに生活していて、仕事がうまくいかない父は酒に溺れ、家で暴れた。成長したジャネットは大学進学を機にニューヨークへ旅立ち、両親と関わらないようにしようと考えていた。

掌のような佳編『ショート・ターム』でブレイクしたブリー・ラーソンは、オスカー女優、そしてアメコミヒーローになってもデスティン・ダニエル・クレットン監督への恩を忘れていなかった…。米国で7年間ベストセラーになった著名な自叙伝が原作とはいえ、本作は地味な低予算映画である。しかも、ラーソンは2020年公開予定の映画で三度クレットン監督と、実在の人権弁護士を描いた作品を撮っているという。
富と名声を追い求めるのが常のハリウッドに於いて、ひと筋の爽やかな逸話を感じさせる、この「いい話」が、実は本作の主題と共振している点が面白い。

主人公は定職に就かず酒浸りの父、「ママのアートは永遠に残るのよ」と絵画制作に没頭し、子どもたちの面倒すら見ない母という富と安定に背を向けた両親に育てられた。その日暮らしを続ける父は、独学の物理や天文学を教え、父なりに子どもたちを愛し、いつか「ガラスの城」を建てる夢を語るのだ。
破天荒な父、聡明な娘をウッディ・ハレルソンと、ブリー・ラーソンが、これほどの適役はいないだろうと納得させる説得力で演じる。

クレットン監督の演出は、あくまでも正攻法。危うい暮らしの家族を柔らかく暖かな光線で包み込む。社会の一般通念から逸脱した家族をそのまま肯定しようとする意思を感じる演出だ。
コラムニストとして成功を収め、親との関係を絶った娘、ゴミを漁る境遇になりながらも尊厳を失わない両親のどちらにも共感し、寄り添う姿勢が主題と通底して観客も暖かな気持ちになるに違いない。(幸)


© 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
2017/アメリカ/カラー/シネマスコープ/127分
配給:ファントム・フィルム
提供:ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ
公式サイト:http://www.phantom-film.com/garasunoshiro/
6月14日(金)新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
posted by yukie at 11:32| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月06日

アラジン(原題:Aladdin)

aladdin.jpg
 
監督:ガイ・リッチー
脚本:ジョン・オーガスト、ガイ・リッチー
撮影監督:アラン・スチュワート
編集:ジェームズ・ハーバート
衣裳:マイケル・ウィルキンソン
音楽:アラン・メンケン
作詞:ハワード・アシュマン、ティム・ライス
新曲作詞:ベンジ・パセック、ジャスティン・ポール
作曲:アラン・メンケン
音楽プロデューサー:マット・サリヴァン
出演:ウィル・スミス、メナ・マスード、ナオミ・スコット

ダイヤモンドの心を持ちながら、本当の自分の居場所を探す貧しい青年アラジンが巡り合ったのは、王宮の外の世界での自由を求める王女ジャスミンと、 “3つの願い”を叶えることができる“ランプの魔人”ジーニー。
果たして3人はこの運命の出会いによって、それぞれの“本当の願い”に気づき、それを叶えることはできるのだろうか──?

1992年に公開され、その年の世界興行収入№1となったアニメーション版『アラジン』が実写化された。ディズニーらしいゴージャスさとワクワクさがぎゅっと詰まった2時間8分である。
まず、アラジンとジャスミンが出会うシーンは泥棒と間違えられたジャスミンをアラジンが助けて、アグラバーの街中を逃げるのだが、息もつかせぬ場面転換にはらはらどきどき。ピタゴラスイッチで球が転がりながら、びっくりするような移動をするかのよう。観客の気持ちを一気に惹きつける。また、アラジンとアブーの息のあったコンビネーションも見事! 
そして、魔法のランプから出てきたジーニーに助けられながら、アラジンはジャスミンへの想いを叶えるため奮闘する。主従を超えた2人の友情が気持ちいい。ウィル・スミス演じるジーニーが茶目っ気たっぷりにテンポよく話を転がす。アニメ版で声を当てたロビン・ウィリアムズへのリスペクトも随所に感じられた。アラジンがジーニーの魔法で王子になり、王宮へパレードのように入っていくシーンは豪華絢爛さのクライマックス。魔法ってすごい。
しかし、魔法はあくまでもきっかけ。諦めずにがんばれば状況も変わり、夢は叶うと作品は伝える。(堀)


2019年/アメリカ/カラー/シネスコ/128分
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C) 2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/
★2019年6月7日(金)全国公開
posted by ほりきみき at 02:39| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月01日

ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた(原題:HEARTS BEAT LOUD) 

heartsbeatloud.jpg

監督・脚本:ブレット・ヘイリー
オリジナルソング・音楽:キーガン・デウィット
出演:ニック・オファーマン、カーシー・クレモンズ、トニ・コレット、テッド・ダンソン、サッシャ・レイン、ブライス・ダナー

元ミュージシャンのフランク(ニック・オファーマン)はブルックリンで17年営んでいたレコードショップをこの夏に閉めることにした。シングルファーザーとして娘サム(カーシー・クレモンズ)を育て、成長したサムはLAの医大へ通う事が決まっていた。ある日ふたりでレコーディングしSpotifyにアップロードしたその曲は瞬く間に拡散され、たくさんの人の耳に届くことになる。フランクにとっては急に未来の扉が開かれた気分になるが、サムには恋人(サッシャ・レイン)や進学など、向き合わなければならない人生の課題は山積みだ。夏は終わりに近づき、フランクもサムも決断を迫られる。ッシャ・レイン、ブライス・ダナー

レコードショップを営むシングルファーザーの父は娘と一緒にバンド活動がしたくて仕方ない。勉強中の娘にセッションしようと懇願する。その姿は駄々こねする子どものようで、見ていて笑ってしまった。子離れって大変である。その一方で、自分が果たせなかった夢を押し付けているだけではないかと勘繰ってしまった。しかし一緒に曲を作る父娘は楽しそう。楽しい時間が長くは続かないものの、2人にとってベストな選択をしたラストにほっとした。(堀)

2018年/アメリカ/英語/ 97分
配給:カルチャヴィル
© 2018 Hearts Beat Loud LLC
公式サイト:http://hblmovie.jp/
★2019年6月7日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテにて公開

posted by ほりきみき at 02:11| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする