2024年02月23日

マダム・ウェブ(原題:Madame Web)

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監督:S・J・クラークソン
脚本:クレア・パーカー S・J・クラークソン
撮影:マウロ・フィオーレ
音楽:ヨハン・セーデルクビスト
出演:ダコタ・ジョンソン(キャシー・ウェブ)、シドニー・スウィーニー(ジュリア・コーンウォール)、イザベラ・メルセド(アーニャ・コラソン)、セレステ・オコナー(マティ・フランクリン)、タハール・ラヒム(エゼキエル・シムズ)

ニューヨーク。救キャシー・ウェブは、救急救命士として日夜奮闘している。一人でも多くの命を救うため、危険と隣り合わせの現場にも赴く。
ある時、大きな事故に巻き込まれてしまい無事回復したものの、奇妙なデジャブに襲われる。正確にはこれから先に起きることが一瞬見えるようになったのだ。予知能力がなぜ自分に?
あるとき3人の少女が、黒いマスク姿の男に殺される場面が見えた。戸惑うキャシーだったが、知ってしまった以上何もしないわけにはいかない。謎の男が現れる前に、少女たちを安全な場所に移動させなくては。圧倒的な力を持つ男は、どこまでも追ってくる。その正体は?能力を得たキャシーと少女たちとの関わりは?

女性ばかりのグループ?マーベルの送り出す映画で初めてのはず、とわくわくしながら試写へ。ダコタ・ジョンソン演じるキャシーは救急救命士として有能、決断が早い、度胸もあります。救命士の仕事も見せつつ、話が進むにつれ、キャシーの出生の秘密や少女たちとの出会いの理由が明らかになっていきます。冒頭から激しいカーアクション、黒マスクの男から少女たちを守る戦いが続きます。初めから戦闘能力の高いほかのマーベルヒーローと違い、キャシーには予知能力があるだけ。それも好きなように操ることはできません。なんとかかわし続けるキャシー。最初まったく危機感のない少女たちにハラハラさせられますが、最後まで見守ってください。
敵役のタハール・ラヒムはアルジェリアからフランスに移民した両親のもとに生まれました。その風貌と演技力から世界中の監督との仕事が続いています。(白)


2024年/アメリカ/カラー/シネスコ/116分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
(C) & TM 2024 MARVEL
© 2024 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.
https://www.madame-web.jp/
★2024年2月23日(金・祝)ロードショー
posted by shiraishi at 20:54| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月17日

コヴェナント/約束の救出   原題:Guy Ritchie's the Covenant

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(C)2022 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

監督・脚本・製作;ガイ・リッチー
出演:ジェイク・ギレンホール、 ダール・サリム、 アントニー・スター、 アレクサンダー・ルドウィグ、 ボビー・ス コフィールド、 エミリー・ビーチャム、 ジョニー・リー・ミラー

2018年、アフガニスタン。タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探す部隊を率いる米軍のジョン・キンリー曹長は、アフガン人通訳として非常に優秀だが簡単には人の指図を受けないアーメッドを雇う。通訳には報酬としてアメリカへの移住ビザが約束されていた。部隊は爆発物製工場を突き止めるが、タリバンの司令官に大量の兵を送り込まれ、キンリーとアーメッド以外は全員殺される。キンリーも腕と足に銃弾を受け瀕死の状態となるが、身を潜めていたアーメッドに救出される。アーメッドはキンリーを運びながら、ひたすら山の中を100キロ進み続け、遂に米軍の偵察隊に遭遇する。7週間後、回復したキンリーは妻子の待つアメリカへ帰るが、アーメッドと家族の渡米が叶わないばかりか、タリバンに狙われ行方不明だと知って愕然とする。アーメッドを助けると決意したキンリーは、自力でアフガニスタンへ戻る・・・

険しい山道を、何度も危ない目に逢いながら瀕死のキンリーを100キロもの距離を運び、無事米軍に引き渡したアーメッド。身体が回復し米国の家族のもとに帰ったキンリーは、アーメッドに約束の米国ビザが下りてないことを知って、恩に報いる為、自費でアーメッドを探しに危険を承知でアフガニスタンに戻ります。この部分だけを捉えれば美談。ガイ・リッチー監督が、ドキュメンタリーで知った実話をもとに映画化したのは、決して美談だけを描きたかったわけではないと思います。
そも、なぜ米軍がアフガニスタンに侵攻したのか。国の政策で派兵される人たちも気の毒ですが、ソ連軍が去ったと思ったら、今度は米軍と、落ち着かない国土に暮らすアフガニスタンの人たちのことを思うと胸が痛みます。そして、米軍撤退後に、タリバンの復権。大国の身勝手な政策が及ぼす影響の大きさにも思いが至ります。タリバン復権で、芸術が否定され、女性の権利も後退。米軍に通訳として協力した多くのアフガニスタンの人たちも身の危険にさらされているという現実があります。
世界に目を向けてみれば、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻・・・等々。犠牲になるのは、戦場になった地の庶民。戦争に加担したくなくても徴兵という形で逃れられない人たちも大勢います。それを本作を観て思い起こしてほしいと切に願います。(咲)


2022年/アメリカ/英語/123分/カラー/スコープ
字幕翻訳:松崎広幸
配給:キノフィルムズ
公式サイト:https://www.grtc-movie.jp/
★2024年2月23日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー




posted by sakiko at 21:25| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月07日

テルマ&ルイーズ 4K  原題:TELMA&LOUISE

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© 1991 Metro Goldwyn Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

監督・製作:リドリー・スコット
出演:スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット

アメリカ中西部アーカンソー州。平凡な主婦のテルマ(ジーナ・デイヴィス)とダイナーでウェイトレスをしている独身のルイーズ(スーザン・サランドン)は大の仲良し。週末、ルイーズは、いつも夫に縛られているテルマを誘ってドライブ旅行に出る。途中で立ち寄ったバーで、解放感からテルマが男と踊るうち、外に連れ出されレイプされそうになる。ルイーズは咄嗟に護身用に預かっていた拳銃で男を射殺してしまう。二人の逃亡劇が始まる。国境を越えてメキシコに逃げると決意するルイーズ。恋人のジミーから金を調達し、メキシコに向かう途中で、大学生と名乗るハンサムなJD(ブラッド・ピット)を車に乗せる。二人は警察に指名手配され、地元の警察からFBIまで、州を越えて追われていることを知る。さて、無事二人は逃亡できるのか・・・

1992年、第64回アカデミー賞で6部門にノミネートされ脚本賞を受賞した作品。2016年には、半永久に保存する価値のある作品が選ばれるアメリカ国立フィルム登録簿に登録されています。今回、リドリー・スコット監督の監修のもとオリジナルネガからの4Kレストアが実現しました。
1991年10月に日本で劇場公開された折に観ているのですが、「ぶっ飛んだ女性二人の逃亡劇」としか記憶にありませんでした。ブラピの出世作だそうですが、出ていたの?という認識。すみません。(いや~若いです。)
あらためて拝見。まだ携帯電話がなくて、電話して局留めで送金を頼むなど、時代を感じさせるアイテムはあるものの、今観ても色あせない面白さ。ストーリー展開にわくわくしました。
オクラホマからテキサスを通らないでメキシコに行きたいというルイーズ。そんなことは無理なのですが、実は、テキサスでルイーズにはかつてレイプされた過去があった次第。
10代から専業主婦のテルマは、夫に縛られる生活を送ってきていて、アメリカでもそんな時代だったのだとあらためて思いました。夫に黙って旅に出るのですが、出かける時に、かつて夫から護身用に渡された拳銃を、ポンと鞄に入れます。それをルイーズに預けたのが、レイプしようとした男を撃ち殺すことになってしまい、そこからどんどん大胆な行動を起こしていきます。これまで鬱積していたものが爆発したかのように! 最後の場面が痛快です。(咲)


1991年/アメリカ/129分
配給:アンプラグド
公式サイト:https://unpfilm.com/thelma_louise/
★2024年2月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開
posted by sakiko at 22:20| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月28日

ダム・マネー ウォール街を狙え!(原題:DUMB MONEY/G)

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監督:クレイグ・ギレスピー(『クルエラ』『アイ,トーニャ史上最大のスキャンダル』)
原作:ベン・メズリック
脚本:ローレン・シューカー・ブラム&レベッカ・アンジェロ
出演:ポール・ダノ(キース・ギル)、ピート・デヴィッドソン(ケビン・ギル)、ヴィンセント・ドノフリオ(スティーヴ・コーエン)、アメリカ・フェレ―ラ(ジェニー)、ニック・オファーマン(ケン・グリフィン)、アンソニー・ラモス(マルコス)、セバスチャン・スタン(ブラッド・テネフ)、シャイリーン・ウッドリー(キャロライン・ギル)、セス・ローゲン(ケイブ・プロトキン)

2020年。キース・ギルは”ローリング・キティ”と言うニックネームで動画を配信している会社員。全財産の5万ドルを、一推しのゲームソフト販売会社「ゲームストップ社」につぎ込み、ネット掲示板でこの株の価値を訴えていた。投資家たちは倒産寸前のぼろ株と見なし、一部の富豪たちが、空売りを重ねてもっと儲けようと企んでいる。
閉塞感で押しつぶされそうなコロナ禍中、キースの主張に乗った個人投資家たちはゲームストップ株を買い始めた。少額でも大勢が集まれば、空気は変わる。21年初めにゲームストップ株は大暴騰した!!

アメリカ・ウォール街に激震が走った本当にあった金融騒動を、娯楽作品に仕上げています。巨額の資産があるところに、さらに金が集まっていく…のに歯がみしていた庶民たちが一矢も二矢も報います。株に無縁の人にもわかりやすく作られていました。監督の息子さんがゲームストップ社の株を早くから持っていて、監督がすぐそばでこの顛末を見ていたそうです。
株価の上下に一喜一憂するキースや掲示板の仲間たちの姿が登場します。株は余裕資金で、と聞きます。なけなしの貯金を株に替える人もいます。神経のすり減る様は、不労所得と軽々しく言えません。ポール・ダノが気のいいキース役、しっかり者の妻をシャイリーン・ウッドリー。セス・ローゲンが株を操って儲け続けてきた富豪役。
持ちすぎた人は少し手放して身軽になってはどうでしょう。お金は天下の回りもの、私たち庶民がささやかな夢を見ても罰は当たりませんよね、神様仏様。(白)


2023年/アメリカ/カラー/シネスコ/105分/
配給:キノフィルムズ
(C) 2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.
https://dumbmoney.jp/
★2024年2月2日(金)TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー

posted by shiraishi at 15:18| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月21日

哀れなるものたち(原題:Poor Things)

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監督:ヨルゴス・ランティモス
原作:アラスター・グレイ「哀れなるものたち」(早川書房刊)
脚本:トニー・マクナマラ
撮影:ロビー・ライアン
音楽:イェルスキン・フェンドリックス
出演:エマ・ストーン(ベラ・バクスター)、マーク・ラファロ(ダンカン・ウェダバーン)、ウィレム・デフォー(ゴッドウィン・バクスター)、ラミー・ユセフ(マックス)

身投げをした若い女性は、天才外科医のゴッドウィン・バクスター博士によって蘇った。博士は自分の娘ベラとして溺愛、助手のマックスに記録を命じる。家から出てはいけないと言われていたが、急速に知識を吸収したベラは、外の世界に出ることを渇望する。博士が招いたダンカン・ウェダバーン弁護士と共に、大陸横断の冒険旅行に出る。放蕩もののダンカンは、無垢なベラを愛人として扱うが、ベラの旺盛な好奇心はダンカンに縛られなかった。船の中で人々と知り合い、本を読み、停泊した先では貧困を目にして社会への扉を開いていく。

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ヨルゴス・ランティモス監督は『女王陛下のお気に入り』(2018)以来の再びのタッグ。黒髪に濃い眉、ひたとこちらを見つめるベラのポスターは、真実を見たいという迫力を感じます。大人の身体に子どもの心を持ったベラは、初めこそ博士やダンカンに守られていますが、自分の心が成長していくにしたがい自由と自我に目覚めていきます。
奇妙な動物たちをはじめ、ヴィクトリア朝時代の街や豪華客船などの美術、ベラが着こなすカラフルで突飛なデザインのドレスやパンツなどに目を奪われます。新しい知識に触れ、世界がひろがっていくたび純粋に喜ぶベラ。これを始まりから演じるエマ・ストーンがすごい! 摩訶不思議な世界で女性が成長していくお話。それはそれはもう小気味いいほどです。
バクスター博士は、つぎはぎでフランケンシュタインのような容貌です。思い出すのは、小説「フランケンシュタイン」を20歳前に書いた、メアリー・シェリー。彼女の実父の名前はゴドウィン、博士と同じです。実母のメアリ・ウルストンクラフトは、フェミニズムの先駆者。女性の権利や男女の同権、教育の平等について提唱した女性であったそうです。
原作のアラスター・グレイはそのあたりを下敷きにして書いたのでしょうか。原作も読んでみたいです。(白)


●第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門 金獅子賞受賞
●第81回ゴールデングローブ賞 ミュージカル・コメディ部門 作品賞、主演女優賞(エマ・ストーン)受賞

2023年/アメリカ/カラー/シネスコ/142分/R18+
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
https://www.searchlightpictures.jp/movies/poorthings
★2024年1月26日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 15:11| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする