2024年01月06日

シャクラ(原題:天龍八部之喬峰傳 Sakra)

『シャクラ』ポスタービジュアル.jpg

監督・製作:ドニー・イェン
原作:金庸「天龍八部」
アクション監督:谷垣健治
出演:ドニー・イェン(喬峰)、チェン・ユーチー(阿朱)、リウ・ヤースー(阿紫)、ウー・ユエ(慕容復)、カラ・ワイ(阮星竹)、チョン・シウファイ(段正淳)、グレース・ウォン(馬夫人)、ドー・ユーミン(白世鏡)、レイ・ロイ(慕容博)、チョイ・シウミン(鳩摩智)

11世紀末、宋代の中国。丐幇(かいほう)の幇主・喬峯(きょうほう)は義に厚く、腕が立ち、誰からも慕われる英雄的な存在だった。だがある日、副幇の馬大元が殺され、馬の妻・康敏(こうびん)の証言により犯人の濡れ衣を着せられてしまう。しかも漢民族ではなく、契丹人であるという出自まで明かされ、丐幇を追放されることになった。
喬峯は抗弁することなく、自らを陥れた人間を探し出し、父母に会って出生の真実をただすため旅に出る。行く手には更なる罠が仕掛けられ、途切れることのない闘いが待ち受けていた!

金庸(きんよう)が自ら創刊した香港の新聞に連載執筆した武俠小説「書剣恩仇録」(1955)から「鹿鼎記」(1972)まで15作。「天龍八部」は8番目に発表されました。原作は大理の王子段誉、丐幇の喬峯、少林寺の僧虚竹、大燕国復興を悲願とする慕容復の4人が主に活躍し、書籍は8巻。テレビドラマでは50話もありますが、この作品はドニー・イェンが大好き!な喬峯にフォーカスしています。続編ができそうな予感。
喬峯は生まれ育ちからして悲劇が始まっているのですが、言葉少なく行動で見せる英雄好漢。数多の敵をものともぜず、バッタバッタとなぎ倒し痛快この上ありません。武俠アクションに慣れない方は「ありえねぇ~~~」と思うかもしれませんが、半分仙人というかスーパーヒーローでもあるので、なんでもありなのです。そこへもってきて、われらがドニー様の美しい決めわざ!大きな画面でお楽しみください。

香港に通い始めた90年代、当地で新作映画を観てはドラマのVCD(!)を買いあさっていました。東京で香港のテレビ番組のビデオが借りられるようになって、どんなに喜んだことか!ドラマには、人気スターが出演していて中国語字幕を頼りに観続けました。漢字の国で良かったと思ったものです。(白)


★谷垣アクション監督のメッセージはこちら

ドニー・イェンを初めて認識したのは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』でした。(1993年に日本公開されていますが、その前に映画祭で観た記憶が・・・) 李連杰(リー・リンチェイ)の敵役で、役柄から悪者のイメージで顔も怖かったのですが、格闘シーンが見事で凄いなと思ったのでした。なにより足さばきが綺麗! その後、イップ・マンを演じて、いい人のイメージが定着しました。本作のドニー様も、女性への気遣いもできる素敵な人物。金庸の武俠小説の真髄をたっぷり味わえる一作です。(咲)

2023年/香港・中国合作/カラー/シネスコ/130分
配給:ツイン
(C)2023 Wishart Interactive Entertainment Co., Ltd. All Rights Reserved
https://sakramovie.com/
★2024年1月5日(金)TOHOシネマズ渋谷ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 00:43| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月16日

香港の流れ者たち(原題:濁水漂流 英題:Drifting)

hongkong.jpg

監督・脚本:ジュン・リー(李駿碩)
プロデューサー:マニー・マン
撮影:レオン・ミンカイ
音楽:ウォン・ヒンヤン
出演:フランシス・ン(呉鎮宇)、ツェー・クワンホウ(謝君豪) ロレッタ・リー(李麗珍)
セシリア・チョイ(蔡思韵) 、チュー・パクホン(朱栢康)、 ベイビー・ボウ(寶珮如) 、ウィル・オー

刑務所を出たファイは、もといた街・深水埗(シャムスイポー)へ戻った。ラムじいが出所祝いにくれたクスリでシャバに戻ったのを実感する。ホームレス仲間たちの居場所は高架下。たびたびやってきていた食物環境衛生署が、ある日事前通告なしにファイたちの家財を全てゴミとして処分してしまう。彼らがゴミとみなしたものの中には、身分証明書や家族の思い出の品もあった。
ソーシャルワーカーの若い女性、ホーは新人だからか、熱心にホームレスのサポートをしてくれる。なくなったものは取り戻せないが、賠償と謝罪を求めて裁判をすることになった。ファイに病院に行くよう勧め、ラムじいの家族を探す。
ファイはハーモニカを吹く青年と仲良くなるが、彼は記憶も言葉も忘れていた。名前も思い出せない彼を「モク」と呼ぶことにした。二人は夜中に無人の建築中のビルに上って深水埗の街を見下ろす。ファイはモクに語りかける。
「深水埗は貧乏人が住む町だ。高級マンションを建てて、貧乏人はどこへ行く? 」

久々のフランシス・ン(香港映画ファンはジャンユーと広東語読み)の主演作が公開されます。2016年の東京国際映画祭で『シェッド・スキン・パパ』が上映され、渋谷の会場にW主演のルイス・クー(息子役)と舞台挨拶&トークをしたのを思い出します。フリルのついたシャツでお洒落でした。
この作品で演じるのは、うらぶれたホームレスのファイ、過酷な暮らしからか薬物中毒にもなっています。これまで見たことのないジャンユーにこういう役にもなりきれるんだと、ファンたちは驚くと同時に嬉しいのではないでしょうか。役の幅が拡がれば長く活躍できますから。
香港ノワールと呼ばれた犯罪もの、アクションものが人気だった香港映画界ですが、最近は市井の人々の暮らしを丁寧に描いた作品が目につきます。香港の薬師丸ひろ子と言われていたロレッタ・リーも出演。年齢を重ねても可愛らしいです。(白)


(白)さんが紹介している『シェッド・スキン・パパ』舞台挨拶でのフリルのついたシャツのフラさま。(ジャンユーを私は「さま」を付けてお呼びしています。)
DSCF7702-thumbnail2.jpg
東京国際映画祭 香港の名優フランシス・ンが脱皮して7変化!? 『シェッド・スキン・パパ』にほろり(咲)
深水埗といえば、電気街があって香港の秋葉原ともいわれ、安い洋服屋さんも並ぶいかにもの下町。啓徳空港があった頃は、深水埗の町の上を舐めるようにして飛行機が降りてくるので、よく飛行機のお腹を眺めにいったものです。1990年代、目立つ建物といえば、最上階に屋内ジェットコースター(今は休止)のある西九龍中心(ドラゴン・センター)位だったでしょうか。 フラさま演じるファイの「高級マンションを建てて、貧乏人はどこへ行く? 」の言葉に、変わりゆく深水埗を思いました。

フラさまはじめ、香港のスターたちがホームレスに徹するあまり、「街中の撮影でも彼らに気付く人はほぼいませんでした。そのおかげで撮影はやりやすかったです(笑)。おかげで撮影はトータル22日間で終わりました!彼らの熱演には感謝しかありません。」と、ジュン・リー監督が初日12月16日のオンライントークイベントで語ったそうです。私もその場に出くわしても、きっと気がつかなったと思うほど、皆なりきってました。(咲)


この映画は、実際の事件を元に作られたという。「和解金か?謝罪/尊厳か─!?」という選択をせまられたホームレスの人々。それぞれの思い、こだわり、人間としての尊厳を描いていた。
日本でも香港でも、ホームレス排除が進んでいる。開発という名の貧乏人排除。「貧乏人はどこへ行かされる?」である。深水埗には行ったことがないけど、香港の繁華街、尖沙咀(チムサッチョイ)でも新宿でも、以前に比べたらホームレスの姿を見なくなった。私の印象では1994年に初めて香港に行った時には、尖沙咀の裏街でも空き缶を積んだ大八車のような台車を押している人を見たが、数年後には見かけなくなった。それらの人たちが住むところを得たのならよかったと言えるけど、単に外国人が来るような街から排除されてしまったのか。この映画を観たら、実際のホームレスたちは減ったのではなく、やはり追い出されて「流れ者」として、あちこち散らばっただけなのかもしれないと思った。そして九龍城に住んでいたたくさんの人たちは、どこへ散らばって行ったんだろうと思いを馳せた。
それにしても呉鎮宇(ン・ジャンユー)のいっちゃっている演技すごい! 謝君豪(ツェー・クワンホウ)も、「どこ?」状態だった(笑)。(暁)

2021年/香港/カラー/DCP/112分/日本語字幕:小木曽三希子
配給:cinema drifters
(C)mm2 Studios Hong Kong
https://hknagaremono.wixsite.com/official

★2023年12月16日(土)よりユーロスペースほか全国ロードショー

posted by shiraishi at 00:55| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月02日

香港怪奇物語 歪んだ三つの空間(原題:失衡凶間 Tales from the Occult)

honkon.jpg

「暗い隙間」
監督:ホイ・イップサン
出演:チェリー・ガン(ヤウガー)、ン・ウィンシー(アリス)

女子中学生のヤウガーは、親友のアリスと別れて帰る道で猫に出会う。後を追っていくと暗い隙間に入ってしまった。のぞき込んでぞっとする。人間の形のものが倒れていて、ヤウガーは見開かれた”眼”を見てしまう。男性の遺体だった。
数年後、シンガーになったヤウガーは、不倫相手の音楽プロデューサーと過ごすために新居に引っ越した。直後からあの”眼”が自分を見ている気がしてならない。

「デッドモール」
監督:フルーツ・チャン
出演:ジェリー・ラム(ヨン・ワイ)、シシリア・ソー(ガルーダ)

ヨン・ワイはライブで投資情報を配信している人気ライバー。新装オープンした「リードモール」で、配信中にガスマスクをつけている女性を目にした。このモールは、14年前大火災で、多くの死傷者を出した「ラッキーモール」の跡地に建設されたため、幽霊が出るという噂がある。巷の噂の真相を暴く女性ライバーのガルーダは、その怪奇現象の調査にやって来た。

「アパート」
監督:フォン・チーチャン
出演:リッチー・レン(ホー)、ソフィー・ン(アチー)

ネット小説家のアチーは、アパートの1階で幽霊に遭遇する。全身ずぶ濡れで顔面蒼白、溺死した人間に違いない。ほかの階に住む住人たちも目撃していた。住人と交わろうとしない謎の男、ホーが怪しいと意見が一致する。伝説のヤクザで何人も殺していると専らの噂なのだ。思い切って訪ねていくと、ホーも幽霊退治の仲間に入るという。しかし、一人、二人と命を落としていく。

香港の気鋭の監督3人が競作したオムニバスホラー。ホイ・イップサン監督が書いていた脚本から生まれた短編3本です。映像業界で長く活躍してきたホイ監督ですが、劇場公開作品の監督はこれが初だそうです。
「暗い隙間」でヤウガーが頼りにしていた叔父さんは、ローレンス・チェン。長くテレビ番組の司会をしていたので「香港の久米宏」と勝手に呼んでいたのを思い出します。
「デッドモール」のフルーツ・チャン監督は”香港返還三部作『メイド・イン・ホンコン』(1997)『花火降る夏』(1998)『リトル・チュン』(1999)で知られています。近年はプロデューサー業でも活躍。本作主演のジェリー・ラムが2002年11月イベントで来日したときの記事がシネジャのウェブにあります。みんな若々しいです。
「アパート」で住人ホー役のリッチー・レンは台湾の歌手・俳優。『星願 あなたにもういちど』(1999)では、想いを伝えるために現生に蘇ったオニオン役の好演で泣かせました。その後ジョニー・トー監督映画の常連になってからは強面な役も多くなり、すっかりベテランの風格です。こちらに日中カラオケ大会のゲストで来日したときの記事あり。2006年には単独でコンサートも開いています。とってもフレンドリーでチャーミングな人でした。
冬にホラーなのはちょっと残念ですが、香港ホラーも健在ですという3本。(白)


2021年/香港/カラー/シネスコ/112分
配給:武蔵野エンタテイメント株式会社
(C)2021 Media Asia Film Production Limited, Movie Addict Productions Limited All Rights Reserved
https://hk-kaiki-movie.musashino-k.jp/
X:@hk_kaiki_movie
メイキング映像はこちら

★2023年12月1日(金)よりシネマカリテにて公開中。他全国順次ロードショー

posted by shiraishi at 22:37| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月19日

毒舌弁護人〜正義への戦い〜  原題:毒舌大狀 英題:A Guilty Conscience

dokuzetu.jpg
(C)2022 Edko Films Limited, Irresistible Beta Limited, the Government of the Hong Kong Special Administrative Region. All Rights Reserved.

監督/脚本:呉煒倫(ジャック・ン)
撮影監督 : アンソニー・プン
製作:ビル・コン、アイヴィ・ホー
出演:黄子華(ダヨ・ウォン、ウォン・ジーワー) 、謝君豪(ツェ・クワンホー) 、王丹妮(ルイーズ・ウォン)、廖子妤(フィッシュ・リュウ)、王敏徳(マイケル・ウォン)、栢天男(アダム・パック)、楊偲泳(レンシ・ヨン)、何啟華(ホ・カイ・ワ)

ラム・リョンソイ(ダヨ・ウォン)は治安判事として50代になるまで些細な事件の処理に追われる日々を送ってきたが、新しい上司の気分を害して、職を失ってしまう。そんなラムに、友人が法廷弁護士として復活することを勧めてくれる。弁護士としてはじめて手掛けたのは母子家庭で娘が亡くなり、母親が虐待による過失致死で起訴された事件。ラムは、若い女性法廷弁護士のフォン・カークワンと組み、法廷に立つ。一見、複雑に見えない事件だった。母親ツァン・キッイ(ルイーズ・ウォン)は、娘が重傷を負った夜、愛人であるチュン・キンイ医師(アダム・パック)も現場にいたと供述。ラムはチュン・キンイに母親が無実である証言をするよう求めていたが、証言台に立った彼は異なる証言をし、ツァン・キッイは禁錮17年の刑に処せられてしまう。
2年後、ラムは法廷弁護士を辞め、公共の不正行為を専門とする法律事務所を運営している。何をしていても、ツァン・キッイの裁判での失敗が頭を離れない。そんなある日、ツァン・キッイが不利になる証言をしたチュン・キンイが「ツァン・キッイは真の犯人ではない」という遺書をのこして自殺してしまう。ラムとフォンは、ツァン・キッイの再審請求をする・・・

チュン・キンイの妻、チュン・ニンワー(フィッシュ・リウ)は、香港の経済界を牛耳る名門一族出身。チュン・キンイが証言を翻したのも、一族の権威や利益を守るためだったようです。
若いけれど利発な女性法廷弁護士フォン・カークワン(レンシ・ヨン)が、ラムに証言書面を取っておけと言っていたにもかかわらず、ラムは取ってなかったのです。証言書面があれば、証言を変えられた場合に弁護側も守られるという次第。その失敗を心に引きずったラムが、再審裁判の最後に奮う熱弁が心に残ります。
古くからの香港映画ファンとしては、チュン家の顧問弁護士役で登場した王敏德(マイケル・ウォン)の悪役ぶりに目を見張りました。 『狼たちの絆(縦横四海)』(1991)、 『キラーウルフ 白髪魔女伝(白髪魔女傅)』 (1993)、『月夜の願い(新難兄難弟)』(1993)などでの爽やかなマイケル・ウォンを懐かしく思い出しながら、流れた年月を感じた次第です。 『毒舌弁護人〜正義への戦い〜』は、あの頃の香港映画とは違うタイプの、新しい今時の香港映画といえそうです。2023年の旧正月に公開され、香港映画史上初の1億香港ドルを突破し、歴代興収第1位(※2023年9月1日)に輝いています。(咲)


2023年/香港/カラー/シネスコ/133分/5.1ch
日本語字幕:鈴木真理子
配給:楽天 配給協力:シネメディア
宣伝協力:活弁シネマ倶楽部
公式サイト:https://r10.to/HP_DokuzetsuRmovie
★2023年10月20日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 04:27| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年07月08日

星くずの片隅で   原題:窄路微塵  英題:The Narrow Road

hosikuzu.jpg
(C)mm2 Studios Hong Kong


監督:ラム・サム(林森)(『少年たちの時代革命』共同監督)
脚本:フィアン・チョン(鍾柱鋒)
音楽:ウォン・ヒンヤン(黃衍仁)
出演:ルイス・チョン(張繼聰)、アンジェラ・ユン(袁澧林) (『宵闇真珠』)、パトラ・アウ(區嘉雯)、トン・オンナー(董安娜)

2020年、コロナ禍でシャッターが降り静まり返った香港。清掃会社「ピーターパンクリーニング」を営んでいる中年で独身のザク(ルイス・チョン)は、品薄で高騰する洗剤に頭を悩ませながら、消毒作業に追われる日々を送っている。時折、リウマチを患う母(パトラ・アウ)の様子を見に行くが、悪態をつき口は達者だ。
人手が必要になりアルバイト募集のチラシを貼りだしたところ、派手な格好の若い女性キャンディ(アンジェラ・ユン)がやってくる。未経験の上に、幼い娘ジュー(トン・オンナー)を一人で育てているという。ザクは、家賃滞納で追い出されたキャンディ母娘に、寝場所を提供する。そんなキャンディだったが、慣れない清掃の仕事を頑張ってこなし始める。だが、ある日キャンディがジューのために子供用のマスクを客の家から盗んでしまい、ザクは大事な顧客を失ってしまう。ザクはキャンディを解雇するが、幼い娘を抱えるキャンディを見かねて再雇用する。心を入れ替え仕事に打ち込んでいくキャンディに、ザクは心惹かれていく。そんな折、ザクの母が急死してしまう。葬儀中は休業するというザクに、任せてほしいとキャンディは葬儀にザクを送り出す。娘を連れ、ひとりで仕事に張り切るキャンディ。しかしジューがうっかりこぼしてしまった洗剤をきっかけに、会社は窮地に追いやられることになる・・・

コロナ禍ならではの物語と思ったら、脚本の構想は2018年に始めたものとのこと。当初から主人公の仕事は現代社会に欠かせない清掃業に設定していたそうです。コロナが蔓延し、清掃の仕事はなくてはならない大事な仕事でありながら、さらに嫌がられ、担い手が不足するようになったのではないでしょうか。感染の危険があっても、請け負うしかない人たちの悲哀を思いました。ただただ感謝です。
人と人が接するのも難しいコロナ禍の中で、行き場のない若い母娘を気遣うザクの優しさにほろりとさせられました。コロナ禍の世界の各地で、こうした人と人との心の触れ合いがあったに違いないとも思わせてくれました。(咲)


香港に最後に行ったのはいつだったろう。2017年かな。もう5年も行っていない。2020年にはコロナで行けなくなってしまった。それに中国の締め付けで香港の自由はどうなっていくのか、そんな香港で暮らす庶民の物語。林森監督の前作『少年たちの時代革命』は、民主化運動の中でもがく若者、市民たちのことを画いた作品だったが、この作品もまた、香港の街の片隅で生きている庶民の物語。自身、ただでさえ苦しい清掃業の中、仕事をなくし、幼い娘を抱えた若い女性をやとうことになったザク。問題が次から次へと出てくるが、突き放さずに見守る。いかにも香港らしい人情物語だけど、こういう時期に、この映画が日本で公開されることが嬉しい。もう少ししたら、また香港に行って、この映画に出てくるような街角を訪ねてみたい(暁)。

第18回大阪アジアン映画祭コンペティション部門出品作品

2022年/香港/カラー/DCP/5.1ch/115分
配給:Cinema Drifters、大福、ポレポレ東中野
公式サイト:https://hoshi-kata.com/
★2023年7月14日(金)より TOHO シネマズ シャンテ、 ポレポレ東中野他全国順次公開



posted by sakiko at 20:27| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする