2025年07月27日

スタントマン 武替道(武替道 Stuntman)

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監督・原作:アルバート・レオン、ハーバート・レオン
撮影:チョン・タイワイ
出演:トン・ワイ(サム)、テレンス・ラウ(ロン)、フィリップ・ン(ワイ)、セシリア・チョイ(チェリー)、()、()、

80年代に活躍した伝説のアクション監督サム(森)は、撮影中の事故の責任を負って業界を去り、今は小さな整骨院を営む。
ある日、かつての盟友である老監督から、新作のアクション監督を打診される。最後に一緒にやりたいという友人の願いを受け入れ、最近知り合った若く熱意のあるスタントマンのロン(龍)を助手にするが、現代の映画撮影では昔のやり方は通用せず、かつてサムの弟子だった主演俳優のワイ(威)や制作陣は、全てを犠牲にしてリアリティを追求するサムのやり方に反発する。さらに忙しさのあまり、結婚式を控える娘チェリーとの関係性も悪くなっていく。果たして、映画は無事に完成するのだろうか…

冒頭シーンでジャッキー・チェン映画のアクションシーンを思い出しました。劇場でも、レンタルビデオでも観ています。CGもAIもない時代です。文字通り命がけでアクションに挑んだ人たちにものすごく驚いて息をのみました。
その時代に活躍したアクション監督でリアリティ第一だったサムは、撮影でけが人を出したことで引退しました。整骨院に貼られた往年の映画ポスターや、セリフのはしばしに捨てきれない映画への愛情がこもっています。ゲリラ撮影もいとわなかった時代とは違うのに、昔の感覚から抜けきれません。実際に当時アクション界をけん引してきたトン・ワイがサムを演じていますが、胸中はいかばかりだったでしょう。
トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』で信一(ソンヤッ)役のテレンス・ラウが新人スタントのロン、最強の敵、王九(ウォンガウ)役のフィリップ・ンが自分のスタントチームを持つ人気スターのワイを演じて再共演です。なんだか嬉しい。
2023年にドキュメンタリー『カンフースタントマン 龍虎武師』(2021)が日本公開されています。懐かしいアクション映画の名シーンの数々、それを支えてきたスタントマンたちの汗と涙の歴史が刻まれていました。面白い映画を観たいのは山々ですが、スタッフやキャストの命は何より大切。本作はフィクションですが、これまでの史実が反映されているはず。一途なスタンマンとその家族の嘆きにもらい泣きしました。(白)


2024年/香港/カラー/シネスコ/114分
配給:ツイン
(C)2024 Entertaining Power Co. Limited. All Rights Reserved.
https://stuntman-movie.com/
★2025年7月25日(金)新宿ピカデリーほかにて順次公開

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2025年06月23日

灰となっても 原題:寧化飛灰 英題:Rather be Ashes than Dust

6月28日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
劇場情報
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©rather be ashes than dust limited

原題の『寧化飛灰(Rather be Ashes than Dust)』は「塵として朽ちるよりも、灰となっても燃え尽きる方がいい」という意味を持つ。これは、人生を無為に過ごすよりも、短くとも激しく生きるという覚悟を表している。HPより

監督・撮影・編集:アラン・ラウ

香港の自由のために集い、全力で闘った

2014年に香港で始まった雨傘運動に続き、2019年、民主化を求める抗議運動が香港中をゆるがし、道路封鎖や理工大籠城などにもつながった。犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案に反対し、デモ行動に参加した人々は、「逃亡犯条例改正案の完全撤回」、「普通選挙の導入」など五大要求を掲げ、6月16日には香港の人口の3割を占める約200万人(主催側発表)に膨れ上がった。香港の司法の独立性が失われ、一国二制度が崩壊すると危機感が高まり、立ち上がった市民と警察との衝突は日を追うごとに激しさを増していった。催涙弾が発射され煙が立ち込める路上、飛び交うゴム弾、火炎瓶の炎。抗議運動の最前線でアラン・ラウ監督はフリーのジャーナリストとしてカメラを回し撮影し続けた。香港の若い世代の恐れを知らない行動と香港警察当局の冷酷さと残虐性がエスカレートし、それに対峙する若者たちも過激になっていく様子が映される。

HPより
アラン監督は、日本で公開されたドキュメンタリー映画『時代革命』では撮影監督も務め、多くの香港民主化運動を伝えるドキュメンタリー映画にも関わった。混乱と暴力が渦巻く現場を撮影する中で、「ジャーナリストは客観的であり続けるべきなのか?どのような行動をするべきなのか?」というジレンマに直面した。本作『灰となっても』には、香港の人々が否応もなく分断され、罪悪感に苛まれる姿、怒号が渦巻く路上、あの時のありのままの香港が映し出されている。私たちは時間を遡り、壮絶な現場でカメラを回しているジャーナリストたちが何を見て、何を感じていたのかを体験することになるだろう。変わりゆく香港を世界に伝えることができるのか、その確信と疑念に引き裂かれながら、アラン監督は2021年まで撮影を続けた。1000時間以上の映像から制作された本作は、ニュース報道だけでは伝えるのが難しい、現場の生々しい衝撃を突き付けてくる。

香港で反政府的な動きを取り締まる「香港国家安全維持法」が施行されてから2025年6月30日で5年。これまでに法律を補完する新たな条例も施行され、香港社会では言論に対する締めつけがさらに強まっている。逮捕者は300人以上にのぼり、香港を離れる人々も増え、アランも故郷である香港を離れた。「香港で何が起こったのか、そして香港の今後はどうなるのか知ってもらいたい」とアランは語る。痛ましいほど若い香港の抗議活動家たちの物語が灰となっても、消えることのないように。本作は今では自由に発言することができない香港の人々の闘いの記録でもある。香港市民の烈火のような自由と民主に対する熱望が込められている。この事実は決して消えることはない。

監督メッセージ
本作は、デモを撮影するジャーナリストたちの内なる葛藤を映し出しています。これまで議論されなかった現地のジャーナリストにとって非常に重要な問題に着目したいと思いました。政府が明らかに真実を隠し、国家による市民への暴力が常軌を逸しているとき、ジャーナリストの役割とは何でしょうか?
そしてこの映画は、現在香港に住み、自由に表現できない人々のためのものであり、彼らの証言でもあります。全体主義的な政府が私たちの家や表現の自由を奪っても、私たちの誇りや歴史を奪うことはできません。そして何よりも、私たちの存在、戦う意味を消すことはできないのです。

今は、市民運動関係の映画は、香港で上映が難しくなってしまったけど、日本ではいくつものドキュメンタリーが公開されてきた。それらの作品をおさらいするような感じで、市民運動の流れを総合的に表した作品だった。決して香港の人たちの思いを忘れてはならない。香港の人たちの思いに触れ、私たちに何ができるだろうと思う。これらの映画を日本の人たちが公開し、観続けることによって、香港の人たちに少しでも希望が生まれてくれたらと思う(暁)。

私が初めて香港を訪れたのが、1979年のことで、返還まで18年と聞いて、まだまだ先の話と思ったものでした。
返還の時を見届けようと、1997年7月1日の前後2週間、香港に滞在しました。28年前の6月30日も7月1日も、土砂降りの雨で、英国の涙ともいわれましたが、思えば、香港人のこれからの運命を暗示する雨だったのだと感じます。
返還後も足しげく香港に通い、20数年の間に70回ほど訪れていますが、2003年以降は足が遠のきました。レスリー・チャンが逝ってしまったということもありますが、私が大好きだった香港が変わってしまった姿を見たくないという思いもあります。
旅人の私と違って、香港で暮らしている人たちは、自由のなくなった故郷をあとにするか、我慢して住み続けるかの苦渋の選択をしなければいけないことを思うと、ほんとに胸が痛みます。
本作のアラン・ラウ監督も、この映画で香港人の思いを発信した代償に愛する香港をあとにしました。勇気をもって世に出されたこの映画を、多くの日本人に自由にモノの言える幸せを噛みしめながら観てほしいと願います。(咲)




公式HPはこちら 
2023年製作/118分/G/香港・イギリス・カナダ合作
配給:太秦

●シネマジャーナル紹介 関連記事
*作品紹介(公開年は日本公開の年)

『乱世備忘 僕らの雨傘運動』
(原題:乱世備忘)2018年公開
http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/460532836.html

『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』2021年公開
(原題:Denise Ho: Becoming the Song)
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/481745772.html

『時代革命』2022年公開
(原題:時代革命 /英語題:Revolution of Our Times)
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/490705719.html

『Blue Island 憂鬱之島』2022年公開
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/489656264.html

『少年たちの時代革命』2022年公開
 (原題:少年/英語題:May You Stay Forever Young)
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/494357506.html

『理大囲城』2022年公開
(原題:理大圍城/英語題:Inside the Red Brick Wall)
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/494714604.html

『香港、裏切られた約束』(原題:因為愛所以革命/英語題:Love in the Time of Revolution)2024年公開
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/504571956.html?seesaa_related=category

*監督インタビュー

▼『革命まで』2015年 
郭達俊(クォック・タッチュン)監督&江瓊珠(コン・キンチュー)監督インタビュー
山形国際ドキュメンタリー映画祭2015にて
http://www.cinemajournal.net/special/2016/kakumeimade/index.html

▼『乱世備忘 僕らの雨傘運動』 2017年10月11日
陳梓桓(チャン・ジーウン)監督インタビュー
山形国際ドキュメンタリー映画祭2017にて
http://www.cinemajournal.net/special/2017/yellowing/index.html

▼陳梓桓(チャン・ジーウン)監督インタビュー(公開時) 2018年07月22日
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/460641864.html

▼『時代革命』 キウィ・チョウ監督インタビュー2022年7月22日
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/490683730.html





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2025年05月01日

カウントダウン 原題:焚城 英題:Cesium Fallout

2025年5月2日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開! 上映劇場情報 

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©2024 Edko Films Limited and Beijing Alibaba Pictures Culture Co., Ltd. All Rights Reserved. 

『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』や『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』の次は焚城『カウントダウン』!

監督・撮影:潘耀明(アンソニー・プン) 
出演:アンディ・ラウ、バイ・ユー、カレン・モク、ツェー・クワンホウ、イヴァナ・ウォン、ルイーズ・ウォン、フィッシュ・リュウ、ホー・カイワ、ジェフリー・ガイ、リャン・チョンホン、ケニー・ウォン、ロッカー・ラム、ウェスリー・ウォン

このところ、次々と香港映画が公開されたり、映画祭で上映されている。そして、今度は、去年末、香港で公開され大ヒットした『焚城』が、日本タイトル『カウントダウン』として公開される。

香港映画史上初めて放射能汚染の恐怖に真正面から挑む『カウントダウン』もまた、その波に乗る超大作。迫力満点のディザスターシーンや手に汗握る決死のミッションが繰り広げられる一方で、最前線に立つ者たちの葛藤や矜持を深く描く。香港映画ならではの息を吞むスリルと重厚なドラマ、そして圧巻の映像が融合した史上かつてないスケールの衝撃作が誕生した。
700万人が暮らす大都市で大量の放射性物質・セシウムが漏れる事故が発生。24時間後に都市全域に広がると、700万人の命が危険になるという未曾有の危機に、専門家や消防士らが立ち向かいます。

火災と放射能汚染と台風という3つの危機が迫った香港を舞台に、未曽有の事態を回避するため奔走する人々の姿を描いたディザスターパニック大作。

産業廃棄物集積所の火災に端を発し、高濃度セシウムの漏洩という一大事が発生した香港。政府は環境汚染問題の専門家ファンと、精鋭の消防部隊を招集して即座に対策を講じる。しかし、時を同じくして、巨大な熱帯低気圧が香港上空に急接近していた。火災に放射能汚染に大型台風という制御不能な三重の脅威が、人口700万人の大都市・香港を襲う。人々を救うことができるタイムリミットはわずか90分という絶体絶命の中、ファンらは前代未聞の作戦を決行する。

香港映画界を代表する俳優アンディ・ラウがファン役で主演を務め、中国の国民的俳優バイ・ユー、「少林サッカー」のカレン・モク、「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」のケニー・ウォンら豪華キャストが共演。監督は、「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件」などで撮影を手がけてきたアンソニー・プン。

公式HPはこちら
2024年/香港/広東語/136分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
字幕翻訳:澁谷展子/映倫区分:G
配給:AMGエンタテインメント
posted by akemi at 06:56| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月12日

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦  原題:九龍城寨之圍城 英題:Twilight of the Warriors: Walled In

2025年01月17日(金)新宿バルト9ほか全国劇場にて公開 上映情報 

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©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved.

Staff
監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)『リンボ』など
アクション監督:谷垣健治 
音楽:川井憲次
美術監督:マック・コッキョン
製作:ジョン・チョン、ウィルソン・イップ
Cast
古天楽(ルイス・クー)、林峯(レイモンド・ラム)、劉俊謙(テレンス・ラウ)、伍允龍(フィリップ・ン)、胡子彤(トニー・ウー)、ジャーマン・チョン、任賢齊(リッチー・レン)、黄徳斌(ケニー・ウォン)、洪金寶(サモ・ハン)、郭富城(アーロン・クォック)

九龍城砦がスクリーンに蘇る!

舞台は、かつて黒社会が野望を燃やし覇権を争っていた伝説の九龍城砦。東洋の魔窟と呼ばれ、無法地帯として知られていたが、今は取り壊されてなくなっているその場所が、圧倒的なスケールでスクリーンに蘇る。ルイス・クー、サモ・ハン、リッチー・レン、アーロン・クォックといった香港映画界ではお馴染みの俳優たちから、若手実力派まで集結し、壮絶な闘いを繰り広げる。高額を投じて精密に再現されという九龍城砦のセットが圧巻。スケールの大きさと細部へのこだわりが、あの時代の九龍城砦へと思いを馳せる。

80年代。香港へ密入国した若者、陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、黒社会からの無理強いを断ったことで組織に追われ、治外法権の九龍城砦へ逃げ込んだ。最初は、ここでも追われ、用心棒たちと闘うが、次第に受け入れられ、ここで働くようになり、仲間と出会い絆を深めながら、九龍城砦の用心棒的な仲間と4人の友情を育んでいく。チャンはここで過ごすうち、生まれて初めて居場所を見つけたが、自分の出自のため、九龍城砦を巡る激しい争いに巻き込まれてゆく。復讐、下剋上の地位争いの中、4人はそれぞれの信念を胸に、九龍城砦を守るため、命を懸けた最後の戦いに挑む。度肝を抜くアクションの連続。死闘は続き、最後を制したのは…。

製作費の1/6とも言われる5000万香港ドルをかけて制作された九龍城砦のセット。その再現度の高さも大きな話題を呼び、公開を迎えると評判になり、広東語映画として動員数歴代1位となった。第97回アカデミー賞 国際長編映画賞の香港代表に選出され、第77回カンヌ国際映画祭での初上映では熱狂的な拍手を浴びた。また、2025年3月16日(日)に香港にて開催される、アジア全域版アカデミー賞「第18回アジア・フィルム・アワード」(AFA)では9部門でノミネートされている。

九龍城砦が取り壊される前に香港に行っていますが、さすがに足を踏み入れたことはありません。重慶マンションに入ってみるのが精いっぱいでした。プレステのアドベンチャーゲーム「KOWLOON'S GATE クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-」(97年発売)でも迷って完遂できず諦めました。それが実景となって観られただけで感激です。そんな九龍城砦を舞台に起こる権力争い、過酷な運命の中で育まれる友情、家族への愛、仲間の絆をいっぱいに詰め込んだ熱い映画が本作。
谷垣健治アクション監督渾身のアクションは、俳優一人ずつの個性を際立たせて武闘派もちろんそうでない方も必見の仕上がりです。九龍城砦は、無法地帯をいいことに建て増し継ぎ足された建物です。電線や水道管が天井や壁を走る、魔訶不思議なこの建物を縦横無尽に動き回ったアクションは、ご苦労しつつもさぞやりがいがあったことでしょう。
すっかり渋いベテランとなったルイス・クーが吸っていた煙草を上に飛ばし、落ちてくるまでに見せるアクションは見逃せません。うーむ、カッコ良すぎる!!
実は親友の捲風(ルイス)と殺人王(アーロン)との死闘、運命的なロッグワンとの邂逅、貧しい中でも助け合う住民たちの人情などみどころはたっぷりです。1980年代を背景に、香港アクション界のレジェンド、サモハンが大ボスとして戦うところがみられるなんて感涙ものです。若手がいつのまにか成長して、それぞれの代表作となるようなこの作品に出演しているのも嬉しいです。お見逃しなく!(白)


九龍城砦を舞台にした映画で思い出すのは、ドニー・イェンとアンディ・ラウ共演の『追龍』(2020年7月24日公開)です。今回の『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』も、負けず劣らずの香港のレジェンドたちの競演! 溜息が出ます。香港映画全盛時代を思い出させてくれました。
そして、九龍城砦といえば、頭上すれすれに飛ぶ飛行機。本作でも出てきました。
1992年だったと思うのですが、香港電影通信の電影旅団で訪れた時、帰りの啓徳空港でジェイコブ・チャン監督とお会いしたのですが、九龍城砦の異様な姿を一緒に眺めたことを懐かしく思い出しました。
1993年に九龍城砦が取り壊されてからは、あの一角はなかなか楽しい下町で、帰国する日、空港にスーツケースを預けたあとは、トンネルをくぐって散策に繰り出したものです。ショッピングモール「九龍城廣場」の屋上駐車場にあがって、飛行機のお腹もよく眺めました。啓徳空港がなくなって、早や四半世紀。今はどんな街になっているのでしょう・・・ (咲)


去年の「第37回東京国際映画祭」と「2024香港映画の新しい力」で上映され、チケットはすぐに売り切れてしまったが、香港でそんなに評判になっていたというのは知らなかった。東京国際映画祭でのチケットは友人が取ってくれて観ることができたが、豪華な俳優陣と、目まぐるしく進む物語の中で、誰と誰がどういう関係というのを把握するのが難しかった。何回か観ないと、争っている人の関係を理解できないかも。私は2回観たけど、まだ理解できてない。たとえばルイス・クーとアーロン・クォックの関係。敵対していて、「どちらかが死ぬまで戦わないと」みたいに言っていたのに、どちらか死んではいないよう。後でアーロンはルイスがやっている理容室に髭を剃りに来るし、この関係、今一つわからず、もう一度観て確認しなくては(笑)。それともこれは回想シーンだったのか…。
この九龍城砦でのシーンで思い出したのが、1992年に東京国際映画祭で上映された張之亮(ジェイコブ・C・L・チャン)監督の『籠民』(ロウミン)。この映画と同じように九龍城砦で鳥籠のような部屋で暮らす人々の絆と、開発でここを追われることになる人々の闘いが描かれていた。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』では、九龍城砦のセットの再現度の高さが話題になっていたけど、東京国際映画祭での上映後のトークで、「これには日本の写真集などの資料が大いに役立った」と語られ、びっくりした。私も九龍城砦の写真展は何度か行ったことがあるし、詳細な写真集を見たことがある。そうか、日本人写真家による記録が役だったんだと、ちょっとうれしかった。それと、最後、4人と死闘を繰り広げる悪の権化のような役を演じていたフィリップ・ンさんですが、映画の中ではサングラスをつけているし、素顔がほとんどわかりませんでしたが、とても笑顔が素敵なイケメンでした。東京国際映画祭での上映後のトークに、プロデューサーのアンガス・チャンさん、アクション監督の谷垣健治さんと共に参加していました(暁)。
その模様はこちら
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左からプロデューサーのアンガス・チャンさん、アクション監督 谷垣健治さん、出演者 フィリップ・ンさん 第37回東京国際映画祭にて

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映画の中のフィリップ・ンさん
©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved.

魔窟と呼ばれた「九龍城砦」ですが、1993年に取り壊され、現在は「九龍寨城公園」になっています。九龍城砦の面影はどこにもないけど、記録が壁に残されています。

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2018.6 九龍寨城公園にて 写真撮影:宮﨑 暁美


2024年/香港/125分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/ 
配給:クロックワークス
公式HP https://klockworx.com/movies/twilightwarriors/

メイキング映像はこちら
アクション編
城砦への思い編
posted by akemi at 20:51| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月22日

盗月者 トウゲツシャ(原題:盜月者 The Moon Thieves)

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監督:ユエン・キムワイ
脚本:ロナルド・チャン、ライアイン・リン
音楽:波多野裕介
出演:盧瀚霆アンソン・ロー(ヤウ)、呂爵安イーダン・ルイ(マー)、ルイス・チョン(タイツァー)、マイケル・ニン(マリオ)、姜濤ギョン・トゥ(ロイ)、田邊和也(加藤)

時計修理工のマーは、アンティーク時計の修理の能力を生かして密かにレプリカを作って流している。老舗時計店の二代目ロイに偽造販売がばれてしまった。ロイは裏では盗難時計の売買をしており、マーに画家ピカソが遺した3つの時計を手に入れろと脅す。銀座の高級時計店に保管されている本物をレプリカと入れ替えるため、チームが作られた。リーダーのタイツァー、爆薬の専門家マリオ、鍵師のヤウ、そしてマー。4人はオークションが開催される東京へと飛び下調べをする。マーとヤウは銀座の時計店に顧客として入り込むことに成功した。
マーはピカソの時計が保管された金庫の中に、最初に月に到達した時計・ムーンウォッチを発見して息を飲む。値段のつけられない、アメリカの国宝とも言える時計がここにあった!やくざと繋がる日本の大富豪・加藤も乗り出しムーンウォッチを追う。

ボーイズグループMIRRORの3人アンソン・ロー、イーダン・ルイ、ギョン・トゥが中心メンバーです。アンティークの時計に魅せられているマー、母親の手術費用がほしいヤウ、裏社会で生き延びるため、躊躇なく古い手下を始末するロイ。いつのまにこんなに若手が育っていたの? 香港の芸能界の事情にすっかり疎くなっていました。
フレッシュな3人のほかに『星くずの片隅で』のヒロインを気遣う清掃業者役だったルイス・チョン、林雪を思い出すマイケル・ニンが、裏社会に関わることになってしまったマーとヤウを支えます。母親思いのヤウがたくましくなり、メガネ男子のマーは腕っぷしはさっぱりですが、ラストで見せるちゃっかり加減で笑わせます。タイトルにある「月」はマーと加藤が執心する「ムーンウォッチ」のこと。
銀座でも撮影が行われ、日本の俳優も多数出演しています。ロケに遭遇したかったなぁ。
エンドロールに流れる羅文の「心裡有個謎 」が懐かしいです。音楽を担った波多野裕介氏のアレンジで作中のシーンでも流れます。元歌は日本の歌手ザ・ピーナッツの「情熱の花」(1959)で、さらにこの原曲が「エリーゼのために」(1810/ベートーベン)なので、懐かしいのも道理。(白)


東京国際映画祭の合間の11月3日に恵比寿ガーデンシネマでやっている香港映画祭『バイタル・サイン』を観に行った時、チケットを取ってくれたKさんが、この『盗月者トウゲツシャ』の配給をしているサロンジャパンのMさんを紹介してくれて、「この映画の舞台挨拶が11月23日にあるので来ませんか?」と誘われたのですが、あいにく東京フィルメックスと重なっていて行けないので、白さんにお願いしました。映画だけ観させていただいたのですが、観てびっくり。今年の大阪アジアン映画祭で観ていました。タイトルも内容もすっかり忘れていたのです。なんてこったです。忘れっぽくなりました。
そして『盗月者トウゲツシャ』ですが、観ているうちに内容を思い出しました。「ボーイズグループMIRROR」のメンバーのうち3人が出ているとのことですが、大阪ではそのことは全然知りませんでした。今回、そのように書いてあったので、大阪アジアンのカタログを見たけど、こちらには「ボーイズグループMIRROR」のことは一言も触れていませんでした。今回、最近の香港の音楽シーンのことを、少し知りました。香港四天王が活躍した1990年代後半~2010年くらいまでは香港の音楽シーンについてもけっこう詳しかったのですが、最近はCDも買わなくなりました。このところ香港映画がけっこう日本で公開されていますが、映画界の新しい流れの中で出てきた新人たちの名前が覚えられません。
ちなみにこの映画、大阪で観て覚えていたのは、爆薬の専門家マリオ役の白只(マイケル・ニン)。顔が印象的でした。最後のどんでん返しが、いかにも香港の映画という感じ。騙し、騙されの構図は、ジョニー・トー作品を彷彿とさせます。大阪アジアン映画祭では、袁劍偉(ユエン・キムワイ)監督と日本の富豪役の田邊和也さんがQ&Aに登場。詳細は下記をごらんください(暁)。

大阪アジアン映画祭での『盗月者』トーク

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ユエン・キムワイ監督

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田邊和也さん


☆MIRRORが大人気と本作をきっかけに知りました。MVがたくさんありました。
公式youtubeチャンネルはこちら

2024年/香港/カラー/107分
配給:サロンジャパン、ポレポレ東中野
(C)Emperor Film Production Company Limited MakerVille Company Limited All Rights Reserved
https://pole2.work/tougetsusha/
★2024年11月22日(金)より池袋HUMAXシネマズほか全国ロードショー

こちらに23日の舞台挨拶記事がちょっとだけ
☆舞台挨拶ほぼ書き起こしはこちら


posted by shiraishi at 13:41| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする