2025年5月2日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開! 上映劇場情報
©2024 Edko Films Limited and Beijing Alibaba Pictures Culture Co., Ltd. All Rights Reserved.
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』や『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』の次は焚城『カウントダウン』!
監督・撮影:潘耀明(アンソニー・プン)
出演:アンディ・ラウ、バイ・ユー、カレン・モク、ツェー・クワンホウ、イヴァナ・ウォン、ルイーズ・ウォン、フィッシュ・リュウ、ホー・カイワ、ジェフリー・ガイ、リャン・チョンホン、ケニー・ウォン、ロッカー・ラム、ウェスリー・ウォン
このところ、次々と香港映画が公開されたり、映画祭で上映されている。そして、今度は、去年末、香港で公開され大ヒットした『焚城』が、日本タイトル『カウントダウン』として公開される。
香港映画史上初めて放射能汚染の恐怖に真正面から挑む『カウントダウン』もまた、その波に乗る超大作。迫力満点のディザスターシーンや手に汗握る決死のミッションが繰り広げられる一方で、最前線に立つ者たちの葛藤や矜持を深く描く。香港映画ならではの息を吞むスリルと重厚なドラマ、そして圧巻の映像が融合した史上かつてないスケールの衝撃作が誕生した。
700万人が暮らす大都市で大量の放射性物質・セシウムが漏れる事故が発生。24時間後に都市全域に広がると、700万人の命が危険になるという未曾有の危機に、専門家や消防士らが立ち向かいます。
火災と放射能汚染と台風という3つの危機が迫った香港を舞台に、未曽有の事態を回避するため奔走する人々の姿を描いたディザスターパニック大作。
産業廃棄物集積所の火災に端を発し、高濃度セシウムの漏洩という一大事が発生した香港。政府は環境汚染問題の専門家ファンと、精鋭の消防部隊を招集して即座に対策を講じる。しかし、時を同じくして、巨大な熱帯低気圧が香港上空に急接近していた。火災に放射能汚染に大型台風という制御不能な三重の脅威が、人口700万人の大都市・香港を襲う。人々を救うことができるタイムリミットはわずか90分という絶体絶命の中、ファンらは前代未聞の作戦を決行する。
香港映画界を代表する俳優アンディ・ラウがファン役で主演を務め、中国の国民的俳優バイ・ユー、「少林サッカー」のカレン・モク、「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」のケニー・ウォンら豪華キャストが共演。監督は、「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件」などで撮影を手がけてきたアンソニー・プン。
公式HPはこちら
2024年/香港/広東語/136分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
字幕翻訳:澁谷展子/映倫区分:G
配給:AMGエンタテインメント
2025年05月01日
2025年01月12日
トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 原題:九龍城寨之圍城 英題:Twilight of the Warriors: Walled In
2025年01月17日(金)新宿バルト9ほか全国劇場にて公開 上映情報

©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved.
Staff
監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)『リンボ』など
アクション監督:谷垣健治
音楽:川井憲次
美術監督:マック・コッキョン
製作:ジョン・チョン、ウィルソン・イップ
Cast
古天楽(ルイス・クー)、林峯(レイモンド・ラム)、劉俊謙(テレンス・ラウ)、伍允龍(フィリップ・ン)、胡子彤(トニー・ウー)、ジャーマン・チョン、任賢齊(リッチー・レン)、黄徳斌(ケニー・ウォン)、洪金寶(サモ・ハン)、郭富城(アーロン・クォック)
九龍城砦がスクリーンに蘇る!
舞台は、かつて黒社会が野望を燃やし覇権を争っていた伝説の九龍城砦。東洋の魔窟と呼ばれ、無法地帯として知られていたが、今は取り壊されてなくなっているその場所が、圧倒的なスケールでスクリーンに蘇る。ルイス・クー、サモ・ハン、リッチー・レン、アーロン・クォックといった香港映画界ではお馴染みの俳優たちから、若手実力派まで集結し、壮絶な闘いを繰り広げる。高額を投じて精密に再現されという九龍城砦のセットが圧巻。スケールの大きさと細部へのこだわりが、あの時代の九龍城砦へと思いを馳せる。
80年代。香港へ密入国した若者、陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、黒社会からの無理強いを断ったことで組織に追われ、治外法権の九龍城砦へ逃げ込んだ。最初は、ここでも追われ、用心棒たちと闘うが、次第に受け入れられ、ここで働くようになり、仲間と出会い絆を深めながら、九龍城砦の用心棒的な仲間と4人の友情を育んでいく。チャンはここで過ごすうち、生まれて初めて居場所を見つけたが、自分の出自のため、九龍城砦を巡る激しい争いに巻き込まれてゆく。復讐、下剋上の地位争いの中、4人はそれぞれの信念を胸に、九龍城砦を守るため、命を懸けた最後の戦いに挑む。度肝を抜くアクションの連続。死闘は続き、最後を制したのは…。
製作費の1/6とも言われる5000万香港ドルをかけて制作された九龍城砦のセット。その再現度の高さも大きな話題を呼び、公開を迎えると評判になり、広東語映画として動員数歴代1位となった。第97回アカデミー賞 国際長編映画賞の香港代表に選出され、第77回カンヌ国際映画祭での初上映では熱狂的な拍手を浴びた。また、2025年3月16日(日)に香港にて開催される、アジア全域版アカデミー賞「第18回アジア・フィルム・アワード」(AFA)では9部門でノミネートされている。
九龍城砦が取り壊される前に香港に行っていますが、さすがに足を踏み入れたことはありません。重慶マンションに入ってみるのが精いっぱいでした。プレステのアドベンチャーゲーム「KOWLOON'S GATE クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-」(97年発売)でも迷って完遂できず諦めました。それが実景となって観られただけで感激です。そんな九龍城砦を舞台に起こる権力争い、過酷な運命の中で育まれる友情、家族への愛、仲間の絆をいっぱいに詰め込んだ熱い映画が本作。
谷垣健治アクション監督渾身のアクションは、俳優一人ずつの個性を際立たせて武闘派もちろんそうでない方も必見の仕上がりです。九龍城砦は、無法地帯をいいことに建て増し継ぎ足された建物です。電線や水道管が天井や壁を走る、魔訶不思議なこの建物を縦横無尽に動き回ったアクションは、ご苦労しつつもさぞやりがいがあったことでしょう。
すっかり渋いベテランとなったルイス・クーが吸っていた煙草を上に飛ばし、落ちてくるまでに見せるアクションは見逃せません。うーむ、カッコ良すぎる!!
実は親友の捲風(ルイス)と殺人王(アーロン)との死闘、運命的なロッグワンとの邂逅、貧しい中でも助け合う住民たちの人情などみどころはたっぷりです。1980年代を背景に、香港アクション界のレジェンド、サモハンが大ボスとして戦うところがみられるなんて感涙ものです。若手がいつのまにか成長して、それぞれの代表作となるようなこの作品に出演しているのも嬉しいです。お見逃しなく!(白)
九龍城砦を舞台にした映画で思い出すのは、ドニー・イェンとアンディ・ラウ共演の『追龍』(2020年7月24日公開)です。今回の『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』も、負けず劣らずの香港のレジェンドたちの競演! 溜息が出ます。香港映画全盛時代を思い出させてくれました。
そして、九龍城砦といえば、頭上すれすれに飛ぶ飛行機。本作でも出てきました。
1992年だったと思うのですが、香港電影通信の電影旅団で訪れた時、帰りの啓徳空港でジェイコブ・チャン監督とお会いしたのですが、九龍城砦の異様な姿を一緒に眺めたことを懐かしく思い出しました。
1993年に九龍城砦が取り壊されてからは、あの一角はなかなか楽しい下町で、帰国する日、空港にスーツケースを預けたあとは、トンネルをくぐって散策に繰り出したものです。ショッピングモール「九龍城廣場」の屋上駐車場にあがって、飛行機のお腹もよく眺めました。啓徳空港がなくなって、早や四半世紀。今はどんな街になっているのでしょう・・・ (咲)
去年の「第37回東京国際映画祭」と「2024香港映画の新しい力」で上映され、チケットはすぐに売り切れてしまったが、香港でそんなに評判になっていたというのは知らなかった。東京国際映画祭でのチケットは友人が取ってくれて観ることができたが、豪華な俳優陣と、目まぐるしく進む物語の中で、誰と誰がどういう関係というのを把握するのが難しかった。何回か観ないと、争っている人の関係を理解できないかも。私は2回観たけど、まだ理解できてない。たとえばルイス・クーとアーロン・クォックの関係。敵対していて、「どちらかが死ぬまで戦わないと」みたいに言っていたのに、どちらか死んではいないよう。後でアーロンはルイスがやっている理容室に髭を剃りに来るし、この関係、今一つわからず、もう一度観て確認しなくては(笑)。それともこれは回想シーンだったのか…。
この九龍城砦でのシーンで思い出したのが、1992年に東京国際映画祭で上映された張之亮(ジェイコブ・C・L・チャン)監督の『籠民』(ロウミン)。この映画と同じように九龍城砦で鳥籠のような部屋で暮らす人々の絆と、開発でここを追われることになる人々の闘いが描かれていた。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』では、九龍城砦のセットの再現度の高さが話題になっていたけど、東京国際映画祭での上映後のトークで、「これには日本の写真集などの資料が大いに役立った」と語られ、びっくりした。私も九龍城砦の写真展は何度か行ったことがあるし、詳細な写真集を見たことがある。そうか、日本人写真家による記録が役だったんだと、ちょっとうれしかった。それと、最後、4人と死闘を繰り広げる悪の権化のような役を演じていたフィリップ・ンさんですが、映画の中ではサングラスをつけているし、素顔がほとんどわかりませんでしたが、とても笑顔が素敵なイケメンでした。東京国際映画祭での上映後のトークに、プロデューサーのアンガス・チャンさん、アクション監督の谷垣健治さんと共に参加していました(暁)。
その模様はこちら
左からプロデューサーのアンガス・チャンさん、アクション監督 谷垣健治さん、出演者 フィリップ・ンさん 第37回東京国際映画祭にて

映画の中のフィリップ・ンさん
©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved.
魔窟と呼ばれた「九龍城砦」ですが、1993年に取り壊され、現在は「九龍寨城公園」になっています。九龍城砦の面影はどこにもないけど、記録が壁に残されています。
2024年/香港/125分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/
配給:クロックワークス
公式HP https://klockworx.com/movies/twilightwarriors/
メイキング映像はこちら
(アクション編)
(城砦への思い編)

©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved.
Staff
監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)『リンボ』など
アクション監督:谷垣健治
音楽:川井憲次
美術監督:マック・コッキョン
製作:ジョン・チョン、ウィルソン・イップ
Cast
古天楽(ルイス・クー)、林峯(レイモンド・ラム)、劉俊謙(テレンス・ラウ)、伍允龍(フィリップ・ン)、胡子彤(トニー・ウー)、ジャーマン・チョン、任賢齊(リッチー・レン)、黄徳斌(ケニー・ウォン)、洪金寶(サモ・ハン)、郭富城(アーロン・クォック)
九龍城砦がスクリーンに蘇る!
舞台は、かつて黒社会が野望を燃やし覇権を争っていた伝説の九龍城砦。東洋の魔窟と呼ばれ、無法地帯として知られていたが、今は取り壊されてなくなっているその場所が、圧倒的なスケールでスクリーンに蘇る。ルイス・クー、サモ・ハン、リッチー・レン、アーロン・クォックといった香港映画界ではお馴染みの俳優たちから、若手実力派まで集結し、壮絶な闘いを繰り広げる。高額を投じて精密に再現されという九龍城砦のセットが圧巻。スケールの大きさと細部へのこだわりが、あの時代の九龍城砦へと思いを馳せる。
80年代。香港へ密入国した若者、陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、黒社会からの無理強いを断ったことで組織に追われ、治外法権の九龍城砦へ逃げ込んだ。最初は、ここでも追われ、用心棒たちと闘うが、次第に受け入れられ、ここで働くようになり、仲間と出会い絆を深めながら、九龍城砦の用心棒的な仲間と4人の友情を育んでいく。チャンはここで過ごすうち、生まれて初めて居場所を見つけたが、自分の出自のため、九龍城砦を巡る激しい争いに巻き込まれてゆく。復讐、下剋上の地位争いの中、4人はそれぞれの信念を胸に、九龍城砦を守るため、命を懸けた最後の戦いに挑む。度肝を抜くアクションの連続。死闘は続き、最後を制したのは…。
製作費の1/6とも言われる5000万香港ドルをかけて制作された九龍城砦のセット。その再現度の高さも大きな話題を呼び、公開を迎えると評判になり、広東語映画として動員数歴代1位となった。第97回アカデミー賞 国際長編映画賞の香港代表に選出され、第77回カンヌ国際映画祭での初上映では熱狂的な拍手を浴びた。また、2025年3月16日(日)に香港にて開催される、アジア全域版アカデミー賞「第18回アジア・フィルム・アワード」(AFA)では9部門でノミネートされている。
九龍城砦が取り壊される前に香港に行っていますが、さすがに足を踏み入れたことはありません。重慶マンションに入ってみるのが精いっぱいでした。プレステのアドベンチャーゲーム「KOWLOON'S GATE クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-」(97年発売)でも迷って完遂できず諦めました。それが実景となって観られただけで感激です。そんな九龍城砦を舞台に起こる権力争い、過酷な運命の中で育まれる友情、家族への愛、仲間の絆をいっぱいに詰め込んだ熱い映画が本作。
谷垣健治アクション監督渾身のアクションは、俳優一人ずつの個性を際立たせて武闘派もちろんそうでない方も必見の仕上がりです。九龍城砦は、無法地帯をいいことに建て増し継ぎ足された建物です。電線や水道管が天井や壁を走る、魔訶不思議なこの建物を縦横無尽に動き回ったアクションは、ご苦労しつつもさぞやりがいがあったことでしょう。
すっかり渋いベテランとなったルイス・クーが吸っていた煙草を上に飛ばし、落ちてくるまでに見せるアクションは見逃せません。うーむ、カッコ良すぎる!!
実は親友の捲風(ルイス)と殺人王(アーロン)との死闘、運命的なロッグワンとの邂逅、貧しい中でも助け合う住民たちの人情などみどころはたっぷりです。1980年代を背景に、香港アクション界のレジェンド、サモハンが大ボスとして戦うところがみられるなんて感涙ものです。若手がいつのまにか成長して、それぞれの代表作となるようなこの作品に出演しているのも嬉しいです。お見逃しなく!(白)
九龍城砦を舞台にした映画で思い出すのは、ドニー・イェンとアンディ・ラウ共演の『追龍』(2020年7月24日公開)です。今回の『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』も、負けず劣らずの香港のレジェンドたちの競演! 溜息が出ます。香港映画全盛時代を思い出させてくれました。
そして、九龍城砦といえば、頭上すれすれに飛ぶ飛行機。本作でも出てきました。
1992年だったと思うのですが、香港電影通信の電影旅団で訪れた時、帰りの啓徳空港でジェイコブ・チャン監督とお会いしたのですが、九龍城砦の異様な姿を一緒に眺めたことを懐かしく思い出しました。
1993年に九龍城砦が取り壊されてからは、あの一角はなかなか楽しい下町で、帰国する日、空港にスーツケースを預けたあとは、トンネルをくぐって散策に繰り出したものです。ショッピングモール「九龍城廣場」の屋上駐車場にあがって、飛行機のお腹もよく眺めました。啓徳空港がなくなって、早や四半世紀。今はどんな街になっているのでしょう・・・ (咲)
去年の「第37回東京国際映画祭」と「2024香港映画の新しい力」で上映され、チケットはすぐに売り切れてしまったが、香港でそんなに評判になっていたというのは知らなかった。東京国際映画祭でのチケットは友人が取ってくれて観ることができたが、豪華な俳優陣と、目まぐるしく進む物語の中で、誰と誰がどういう関係というのを把握するのが難しかった。何回か観ないと、争っている人の関係を理解できないかも。私は2回観たけど、まだ理解できてない。たとえばルイス・クーとアーロン・クォックの関係。敵対していて、「どちらかが死ぬまで戦わないと」みたいに言っていたのに、どちらか死んではいないよう。後でアーロンはルイスがやっている理容室に髭を剃りに来るし、この関係、今一つわからず、もう一度観て確認しなくては(笑)。それともこれは回想シーンだったのか…。
この九龍城砦でのシーンで思い出したのが、1992年に東京国際映画祭で上映された張之亮(ジェイコブ・C・L・チャン)監督の『籠民』(ロウミン)。この映画と同じように九龍城砦で鳥籠のような部屋で暮らす人々の絆と、開発でここを追われることになる人々の闘いが描かれていた。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』では、九龍城砦のセットの再現度の高さが話題になっていたけど、東京国際映画祭での上映後のトークで、「これには日本の写真集などの資料が大いに役立った」と語られ、びっくりした。私も九龍城砦の写真展は何度か行ったことがあるし、詳細な写真集を見たことがある。そうか、日本人写真家による記録が役だったんだと、ちょっとうれしかった。それと、最後、4人と死闘を繰り広げる悪の権化のような役を演じていたフィリップ・ンさんですが、映画の中ではサングラスをつけているし、素顔がほとんどわかりませんでしたが、とても笑顔が素敵なイケメンでした。東京国際映画祭での上映後のトークに、プロデューサーのアンガス・チャンさん、アクション監督の谷垣健治さんと共に参加していました(暁)。
その模様はこちら
左からプロデューサーのアンガス・チャンさん、アクション監督 谷垣健治さん、出演者 フィリップ・ンさん 第37回東京国際映画祭にて

映画の中のフィリップ・ンさん
©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved.
魔窟と呼ばれた「九龍城砦」ですが、1993年に取り壊され、現在は「九龍寨城公園」になっています。九龍城砦の面影はどこにもないけど、記録が壁に残されています。
2024年/香港/125分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/
配給:クロックワークス
公式HP https://klockworx.com/movies/twilightwarriors/
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(アクション編)
(城砦への思い編)
2024年11月22日
盗月者 トウゲツシャ(原題:盜月者 The Moon Thieves)
監督:ユエン・キムワイ
脚本:ロナルド・チャン、ライアイン・リン
音楽:波多野裕介
出演:盧瀚霆アンソン・ロー(ヤウ)、呂爵安イーダン・ルイ(マー)、ルイス・チョン(タイツァー)、マイケル・ニン(マリオ)、姜濤ギョン・トゥ(ロイ)、田邊和也(加藤)
時計修理工のマーは、アンティーク時計の修理の能力を生かして密かにレプリカを作って流している。老舗時計店の二代目ロイに偽造販売がばれてしまった。ロイは裏では盗難時計の売買をしており、マーに画家ピカソが遺した3つの時計を手に入れろと脅す。銀座の高級時計店に保管されている本物をレプリカと入れ替えるため、チームが作られた。リーダーのタイツァー、爆薬の専門家マリオ、鍵師のヤウ、そしてマー。4人はオークションが開催される東京へと飛び下調べをする。マーとヤウは銀座の時計店に顧客として入り込むことに成功した。
マーはピカソの時計が保管された金庫の中に、最初に月に到達した時計・ムーンウォッチを発見して息を飲む。値段のつけられない、アメリカの国宝とも言える時計がここにあった!やくざと繋がる日本の大富豪・加藤も乗り出しムーンウォッチを追う。
ボーイズグループMIRRORの3人アンソン・ロー、イーダン・ルイ、ギョン・トゥが中心メンバーです。アンティークの時計に魅せられているマー、母親の手術費用がほしいヤウ、裏社会で生き延びるため、躊躇なく古い手下を始末するロイ。いつのまにこんなに若手が育っていたの? 香港の芸能界の事情にすっかり疎くなっていました。
フレッシュな3人のほかに『星くずの片隅で』のヒロインを気遣う清掃業者役だったルイス・チョン、林雪を思い出すマイケル・ニンが、裏社会に関わることになってしまったマーとヤウを支えます。母親思いのヤウがたくましくなり、メガネ男子のマーは腕っぷしはさっぱりですが、ラストで見せるちゃっかり加減で笑わせます。タイトルにある「月」はマーと加藤が執心する「ムーンウォッチ」のこと。
銀座でも撮影が行われ、日本の俳優も多数出演しています。ロケに遭遇したかったなぁ。
エンドロールに流れる羅文の「心裡有個謎 」が懐かしいです。音楽を担った波多野裕介氏のアレンジで作中のシーンでも流れます。元歌は日本の歌手ザ・ピーナッツの「情熱の花」(1959)で、さらにこの原曲が「エリーゼのために」(1810/ベートーベン)なので、懐かしいのも道理。(白)
東京国際映画祭の合間の11月3日に恵比寿ガーデンシネマでやっている香港映画祭『バイタル・サイン』を観に行った時、チケットを取ってくれたKさんが、この『盗月者トウゲツシャ』の配給をしているサロンジャパンのMさんを紹介してくれて、「この映画の舞台挨拶が11月23日にあるので来ませんか?」と誘われたのですが、あいにく東京フィルメックスと重なっていて行けないので、白さんにお願いしました。映画だけ観させていただいたのですが、観てびっくり。今年の大阪アジアン映画祭で観ていました。タイトルも内容もすっかり忘れていたのです。なんてこったです。忘れっぽくなりました。
そして『盗月者トウゲツシャ』ですが、観ているうちに内容を思い出しました。「ボーイズグループMIRROR」のメンバーのうち3人が出ているとのことですが、大阪ではそのことは全然知りませんでした。今回、そのように書いてあったので、大阪アジアンのカタログを見たけど、こちらには「ボーイズグループMIRROR」のことは一言も触れていませんでした。今回、最近の香港の音楽シーンのことを、少し知りました。香港四天王が活躍した1990年代後半~2010年くらいまでは香港の音楽シーンについてもけっこう詳しかったのですが、最近はCDも買わなくなりました。このところ香港映画がけっこう日本で公開されていますが、映画界の新しい流れの中で出てきた新人たちの名前が覚えられません。
ちなみにこの映画、大阪で観て覚えていたのは、爆薬の専門家マリオ役の白只(マイケル・ニン)。顔が印象的でした。最後のどんでん返しが、いかにも香港の映画という感じ。騙し、騙されの構図は、ジョニー・トー作品を彷彿とさせます。大阪アジアン映画祭では、袁劍偉(ユエン・キムワイ)監督と日本の富豪役の田邊和也さんがQ&Aに登場。詳細は下記をごらんください(暁)。
大阪アジアン映画祭での『盗月者』トーク
☆MIRRORが大人気と本作をきっかけに知りました。MVがたくさんありました。
公式youtubeチャンネルはこちら。
2024年/香港/カラー/107分
配給:サロンジャパン、ポレポレ東中野
(C)Emperor Film Production Company Limited MakerVille Company Limited All Rights Reserved
https://pole2.work/tougetsusha/
★2024年11月22日(金)より池袋HUMAXシネマズほか全国ロードショー
こちらに23日の舞台挨拶記事がちょっとだけ
☆舞台挨拶ほぼ書き起こしはこちら
2024年08月29日
香港、裏切られた約束(原題:因為愛所以革命/英語題:Love in the Time of Revolution)
監督・撮影:トウィンクル・ンアン(顔志昇)
1997年7月1日、香港はイギリスから中国に返還された。その後50年間(2047年まで)は「一国二制度」のもと、香港市民の自由は保護されるはずだった。しかし、じわじわと中国の姿勢は変わり、2019年6月「逃亡犯条例」改正をきっかけに、民主化を求める香港市民の抗議活動が始まる。
2019年天安門事件の追悼集会の日、トウィンクル・ンアン監督は初めてビデオカメラを手にする。以来、香港の自由と民主主義を守ろうと行動する最前線の若者たち、デモ隊を応援する人々、それぞれの物語を挟みながら貴重な記録を残した。ンアン監督はイギリスに亡命し、映像を編集して作品は完成した。
返還前から香港へ何度も出かけて街歩きや映画、コンサートを楽しんできました。中国返還の日はテレビのニュース映像を見つめ、以来どんな風に変わるのかと期待と不安がありました。その後のニュースやドキュメンタリーで観る香港の現状に胸が痛みました。
この映像は催涙弾を浴びるほど近距離から撮影されています。初めはドキュメンタリーを作るつもりでカメラを構えたのではありませんが、撮り続けるうちに残して知らせなくてはと思われた監督の覚悟が伝わってきます。自分のふるさとが変容し、住みづらくなっていくのは辛い。デモに参加した自分の子供のような年代の若者が警官たちに暴力をふるわれ、「あんたたちも香港人でしょ」と大人が猛烈に抗議しています。声をあげ、身体をはった香港の人々の姿に、沖縄の基地前で機動隊に排除されていく人たちが重なります。
観ていて泣けてきました。日本のデモや抗議運動に向ける取り締まりが厳しくなってきた感じがするこのごろ、決して他人事ではありません。世界中でさまざまな形での闘いがあります。渦中にある人たちのことばで共通しているのは、「関心を持って。忘れないで」ということ。
ンアン監督
「アップリンク吉祥寺」での劇場試写後にロンドンのンアン監督が画面に登場しました。京都のアップリンクとも繋がって、観客とのQ&Aが行われました。通訳さんの声が聞き取れなくて、書き起こしができていません。本編の冒頭にも監督の挨拶映像がありますので、遅刻しないようにかけつけてください。ンアン監督の最初の挨拶は「この映画に関心を持って見に来てくださってありがとうございます」。(白)
香港の民主化運動で、道路での座り込みが起こったのは2014年9月~12月、この3ヶ月に及ぶ道路占拠行動は、「香港特別区行政長官選挙に親中派のみが立候補できる」という「選挙制度」の通達が2014年8月に中国共産党から出され、これに反発する人たちが行動を起こしたのです。これは単に選挙の問題だけでなく、香港人としてのアイデンティティを取り戻す闘いでもありました。この時、香港の人たちがこんなに長期間道路を占拠する行動に出たことに驚きました。これが雨傘運動の始まりでした。
この時、デモに参加する人たちの数が、あんなに膨れ上がるとは、まったく予想していませんでした。大体、香港の人たちというのはビジネス、お金をメインに考える人が多くて、こういう政治的なことにはあまり関心を持たないというのが、それまで一般的でした。でも2014年の雨傘運動で変わりました。
2019年の「逃亡犯条例」改正案は、香港を中国の権威主義的支配下に置き、香港人の自由を制約するものと、この時にも香港の人々はこの逃亡犯条例改正案に反対して立ち上がり大規模デモが起きました。
いくつかの民主化運動関連のドキュメンタリーやドラマが作られましたが、今では香港で観ることができなくなっているようです。下記に、日本で公開された香港の民主化運動関係の映画を紹介していますが、その作者は皆さん、「このことを自分は撮っておかなくてはいけない。それは未来のために歴史的事実を残すということです」と語っています。
そして、この『香港、裏切られた約束』のトウィンクル・ンアン(顔志昇)監督も、その思いで撮影していました。今は英国に逃れ、難民の形になっているようです。いつの日か本国でも上映される日が来ることを願っています(暁)。
アップリック吉祥寺のロビー
2022年/香港/カラー/116分
配給:アップリンク
c 2024 Dawn Workshop Ltd
https://www.uplink.co.jp/liberate_hong_kong/
★2024年8月30日(金)よりアップリンク吉祥寺、アップリンク京都にて公開中
返還後の香港関連作品、監督インタビュー記事はこちらです。
●作品紹介
『乱世備忘 僕らの雨傘運動』
(原題:乱世備忘)2018年公開
http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/460532836.html
『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』2021年公開
(原題:Denise Ho: Becoming the Song)
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/481745772.html
『時代革命』2022年公開
(原題:時代革命 /英語題:Revolution of Our Times)
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/490705719.html
『Blue Island 憂鬱之島』2022年公開
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/489656264.html
『少年たちの時代革命』2022年公開
(原題:少年/英語題:May You Stay Forever Young)
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/494357506.html
『理大囲城』2022年公開
(原題:理大圍城/英語題:Inside the Red Brick Wall)
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/494714604.html
●監督インタビュー
▼『革命まで』2015年
郭達俊(クォック・タッチュン)監督&江瓊珠(コン・キンチュー)監督インタビュー
山形国際ドキュメンタリー映画祭2015にて
http://www.cinemajournal.net/special/2016/kakumeimade/index.html
▼『乱世備忘 僕らの雨傘運動』 2017年10月11日
陳梓桓(チャン・ジーウン)監督インタビュー
山形国際ドキュメンタリー映画祭2017にて
http://www.cinemajournal.net/special/2017/yellowing/index.html
▼陳梓桓(チャン・ジーウン)監督インタビュー(公開時) 2018年07月22日
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/460641864.html
▼『時代革命』 キウィ・チョウ監督インタビュー2022年7月22日
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/490683730.html
2022年/香港/カラー/116分
配給:アップリンク
(C)2024 Dawn Workshop Ltd
https://www.uplink.co.jp/liberate_hong_kong/
★2024年8月30日(金)よりアップリンク吉祥寺、アップリンク京都にて公開中
2024年07月21日
帰って来たドラゴン 2Kリマスター版(原題:神龍小虎闖江湖 英題:CALL ME DRAGON)
製作・監督:ウー・シーユエン
(『死亡の塔』監督、『ドランクモンキー/酔拳』製作)
アクション監督:ブルース・リャン
主演:ブルース・リャン、倉田保昭、マン・ホイ、ウォン・ワンシー、ハン・クォツァイ、ディーン・セキ
清朝末期。麻薬や人身売買など、あらゆる犯罪と暴力が渦巻く悪の魔窟、金沙村(ゴールド・サンド・シティ)。悪辣なボス、イム・クンホーが支配するその街を目指す男がいた。巷にはびこる悪を懲らしめながら流浪の旅を続ける正義の好漢、その名もドラゴン。彼にはある目的があった。
旅の途中、ドラゴンは2人組の盗賊リトル・マウスとブラック・キャットに襲われる。鮮やかな機転と華麗なクンフー技でそれを退け、逆に2人の盗賊はドラゴンに弟子入りして旅を共にしていた。3人が金沙村に到着したころ、女格闘家イーグルと、非情な殺人空手の使い手ブラック・ジャガーもやってくる。チベットの寺院から盗まれた秘宝”シルバー・パール”を巡る争いが始まった。
倉田保昭さんが香港映画界に飛び込んで、お得意の空手で大活躍した50年前の作品。ブルース・リャンとの一騎打ちに香港の観客も驚愕したはずです。マスターネガの損傷により再上映やHD化が不可能といわれ、長らく幻の作品となっていましたが、監督のウー・シーユエンが「倉田保昭日本凱旋50周年」のため、現存する最良の99分完全版マスターから2K化して復活!!このたび劇場で公開することになりました。50年前ですから俳優さんみな若い!かっこいい!!
CGもワイヤーもなしのハードなアクションに刮目せよ!!
倉田保昭さんには12年前に取材させていただきました。出演作がちょうど100本になったときです。浦川留さんと一緒に倉田プロへお邪魔してお話を伺いました。2012年夏の85号本誌に3pの記事があります。取材後、いち香港映画ファンに戻ってサインをいただきました(いつもはしません)。今も現役で、新作を送り出すほどお元気なのが嬉しいです。
可愛いリトル・マウス役のマン・ホイ(孟海)は2023年に、今回出演シーンが復元されたディーン・セキ(石天)は2021年にそれぞれ病気で亡くなられていました(合掌)。映画館で若い彼らに再会してくださいませ。(白)
なんとも懐かしい!
2Kで復活した本作を観て、50年前に観ていたわけじゃないのに、真っ先にそう思いました。1980年代半ばあたりから観るようになった香港のカンフー映画。倉田保昭さんのお名前は、香港で活躍する日本人として轟いていました。今もお元気なのが嬉しいです。
チベットに近い金沙村での、秘宝の大きな真珠を巡る争奪戦。大勢の男たちの中で、女格闘家イーグルの活躍が光ります。ハチャメチャな中にユーモアもあって、あ~これぞかつての香港映画! 堪能しました。(咲)
1974年/香港/カラー/ビスタサイズ/DCP/99分
協賛:アートポートインベスト
提供:倉田プロモーション
配給:エデン
(c)1974SEASONAL FILM CORPORATION All Rights Reser
https://kuratadragon50.jp/
☆舞台挨拶をほぼ書き起こしました。こちらです。
☆最新作の短編も週替わりで併映します
『夢物語』(2023年・15分)
主演・製作総指揮:倉田保昭
出演・監督:中村浩二
田中平蔵は定年退職した元公務員。妻は数年前に旅立ち独り暮らし。最近、平蔵は自分が経験した事のない不思議な夢を見るようになる。ある日、平蔵は夢で大勢の忍者に襲われ・・・間一髪のところで目を覚ます。
『夢物語その2』(2024年・15分)
主演・製作総指揮:倉田保昭
昼寝をしていた老人が夢を見る。老人は孫と庭で遊んでいたが、孫は老人がトイレに行っている間に、何者かに連れ去られてしまう。老人は孫を助けるべく、命がけでアジトを捜し出し、格闘の末、孫を救い出す。
★2024年7月26日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開