2019年01月27日

誰がための日々   原題:一念無明 Mad World

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監督 ウォン・ジョン
出演 ショーン・ユー、エリック・ツァン、エレイン・ジン、シャーメイン・フォン、アイバン・チャン、シュイ・ジエ、ブライアント・マック、ピーター・チャン、ン・シウヒン

かつてはエリート会社員だったトン(ショーン・ユー)。身体が不自由になった母(エレイン・ジン)のため会社を辞め自宅で介護にあたるが、ストレスがたまる中、誤って母を死なせてしまう。裁判で無実は立証されるが、躁鬱病の診断を受け強制入院させられる。1年後、退院にあたり、家族の支えが必要と言われ、長い間別居していた父ホイ(エリック・ツァン)と暮らすことになる。香港と大陸の間を行き来するトラック運転手をしている父の住まいは、2段ベッドでほぼいっぱいの狭い部屋。テーブルの板をあげれば、充分広くなると父は笑う。
元同僚ルイスの結婚式に押しかけたトンは、壇上からかつての婚約者ジェニー(シャーメイン・フォン)の行方を尋ねる。ジェニーと再会したトンは、二人で住むために買ったマンションを抵当に入れないため、彼女が必死に働いてきたことを知る・・・

親の介護のために、自分の人生を犠牲にしなくてはならないことは、ままあること。そして、息子に妻の面倒を任せきりにしていた父の思い。脚本に惹かれて、ギャラにはこだわらず出演を快諾したエリック・ツァンとショーン・ユーのかもし出す父子の情が、実にいい。
ベニヤ板で仕切っただけの隣りの部屋には、大陸から来た女性と香港生まれの息子。母親には香港の居住権がなく、息子は大陸の戸籍がない。
家賃の高い香港の住宅事情や、大陸から香港にやって来た人たちの抱える問題も織り込みながら、家族とは何かや、人と人との繋がりの大切さを、しみじみと感じさせてくれる作品。
製作費は、わずか200万香港ドル(約3000万円)。長編第一作を16日間で撮ったウォン・ジョン監督は撮影当時20代後半。今後の作品が楽しみだ。(咲)


香港金像奨:最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀新人監督賞受賞
台湾金馬奨:最優秀助演女優賞、最優秀新人監督賞受賞
大阪アジアン映画祭グランプリ受賞
グランプリ一念無明ウォン・ジョントリ.jpg
ウォン・ジョン(黄進)監督
2017大阪アジアン映画祭授賞式にて 撮影 宮崎暁美

ウォン・ジョン監督(左)、脚本:フローレンス・チャンさん(右).jpg
左 ウォン・ジョン(黄進)監督、右 フローレンス・チャン(陳楚珩)脚本
2017大阪アジアン映画祭 上映後のQ&Aで 撮影 宮崎暁美

2016年/102分/香港/広東語/DCP
配給:スノーフレイク
公式サイト:http://www.tagatameno-hibi.com/
★2019年2月2日(土)新宿K's cinema 他順次公開
posted by sakiko at 08:58| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする