2020年11月22日

THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女  原題:過春天

劇場公開日 2020年11月20日
公開情報 
公式HP 
fe0f1f13a91adad4.jpg
(C)Wanda Media Co., Ltd

スタッフ・キャスト
監督:白雪(バイ・シュエ)
製作:孫陶(スン・タオ)、賀斌(ハー・ビン)
製作総指揮:田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)
脚本:白雪(バイ・シュエ)、林美如(リン・メイルー)
撮影:朴松日(プー・ソンリー)
美術:張兆康(チャン・ジャオカン)
編集:Matthieu Laclau(マシュー・ラクロワ)、林欣民(リン・シンミン)
   蔡晏珊(ツァイ・イエンシャン)
音楽:高小陽(カオ・シャオヤン)、李繽(リー・ビン)
出演
ペイ:黄堯(ホアン・ヤオ)
ハオ:孫陽(スン・ヤン)  
ジョー:湯加文(カルメン・タン)
ラン:倪虹潔(ニー・ホンジエ)
ホア:江美儀(エレン・コン)

通り過ぎたら、また春が来る

香港出身の父と中国大陸出身の母を持つ16歳の高校生ペイは深圳に住み、毎日香港の高校に通っている。父ヨンは香港で家庭を持ちトラック運転手をしていて、母ランは愛人として深圳で暮らし、麻雀で生計を立てている。
家族がバラバラで孤独なペイにとって、心の拠り所は親友ジョーと過ごす時間。2人は北海道旅行を夢見て、学校で小遣い稼ぎをしていた。ある日家に帰る途中、香港と深圳の行き来の途中、スマートフォンの密輸グループに巻き込まれるが、これでお金を稼ぐことができると知ると、ペイはお金欲しさに親友ジョーの彼氏ハオと交渉して、密輸団の仲間に入り、危険な裏の仕事に踏み入れる。
密輸団での仕事をこなしていく内に、ペイは自然とハオと密接な関係になり、ハオは密輸団のリーダーに内緒で、ペイに大きな仕事を持ちかける。ペイとハオが密接な関係にあると気づいたジョーはペイを問い詰める。そこで、ペイはジョーとの友情が試される。
家族との生活と友情、上層階級と下層階級の生活、そして日常生活と犯罪間を行き来する彼女は、命の危険と生計を維持する苦労。直面する道徳的な問題に立ち向かう様子が描かれる。
2年間の入念なインタビューやリサーチを重ねたうえで脚本を執筆した白雪監督は、香港と中国大陸の現状をリアルに描き、青春の輝きと脆さを描いた。

香港の市民権を持っている子供は中国本土で暮らしていても、香港との間をたやすく越えて越境通学ができる。主人公はそのことを利用して密輸に手をそめてしまうのだが、それは長くは続かない。密輸で越境す時の臨場感、緊張感、それが観るものにも伝わり、なんともいえない悲しさ、寂しさを感じた。香港映画でも、中国本土と香港の間の密輸についてはずいぶん描かれてきたが、それほど密輸は多いのか。日本にいるとそういう国境間の緊張ということはないので、そう感じることはないが、国境というのが身近にある国、地域では、やはり、日々、緊張関係があるのだろう。香港に初めて行ったとき、空港や街中に銃を持った警官や兵士がいてものものしいと思ったが、こういう密輸が横行しているからだろうか。おかげで関係なくても銃を持っている人のそばを通る時は緊張する(暁)。

2018年製作/99分/PG12/中国
原題:過春天 The Crossing
配給:チームジョイ
posted by akemi at 21:06| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月30日

愛しの故郷(ふるさと)(原題:我和我的家乡)

itosinokokyou.jpg

製作総指揮:チャン・イーモウ
監督:ニン・ハオ(総監督)、チェン・スーチェン、シュー・ジェン、ダン・チャオ、ユー・バイメイ、ポン・ダーモ、イエン・フェイ
出演:グォ・ヨウ、ホアン・ボー、ワン・バオチャン、リウ・ハオラン、ドン・ズージェン、トン・リーヤー、ファン・ウェイ、タオ・ホン、チャン・イー、ダン・チャオ、イエン・ニー、スン・リー、シェン・トン、マーリ他

1本目 Episode5の『hello 北京』の続編。グォ・ヨウが前作のまま、調子のいいタクシー運転手。保険証のない親類のためにひと肌脱ぐ。
2本目 貴州の田舎にUFOがやってきたと大騒ぎ。国中に知れ渡ってテレビ番組スタッフが取材にやってくるが…。
3本目 アルツハイマーに苦しむ元教師。かつての教え子たちが先生の思い出を再現しようと大奮闘する。
4本目 カリスマインフルエンサーが、母校の設立記念日を祝うために、故郷へ向かう。途中ですり寄ってきた胡散臭い男は後輩だった。
5本目 過疎の村は年寄りばかり。妻は画家の夫をロシアの大学に行かせたい、夫は故郷の村興しをしたい。そこで思いついたのが。

『愛しの母国』姉妹編。広い中国大陸の東、西、南、北、中部の5つの地域を舞台に、故郷を思う人々のストーリーが展開します。『愛しの母国』よりコメディ色が強く、礼賛もほどほどなので見やすいです。グォ・ヨウはじめ俳優さんが達者で上手いので、笑ったり涙したり。観終わったらぽっと心が温まっていました。
身につまされてしまったのは、3本目のアルツハイマーにかかった元教師のお話。貧しくて学校に来られない子どもたちのために奔走した先生の思い出は、元生徒たちにも確かに残っていて、昔の自分によく似た我が子を教室に座らせて「あの日を再現」します。
どの作品も、故郷やそこに繋がる誰かのために手助けしたり、力を尽くすお話です。
人と関わることを面倒に思う人が多い、と言われる昨今です。コロナ禍の今年、わずか残っている人との繋がりが切れてしまった人もいるかもしれません。思い合うことで繋ぎなおすこともできます。メールでなく、手紙を書こうと思いました。(白)


2020 年/中国/シネスコ/152 分/中国語/
配給・宣伝:wow cool entertainment /
©︎BEIJING JINGXI CULTURE&TOURISM CO.,LTD /CHINA FILM CO.,LTD
HP:wowcoolentertainment.com
★2020年11月6日(金)よりグランドシネマサンシャン1週間限定公開決定!
posted by shiraishi at 02:05| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月29日

愛しの母国(原題:我和我的祖国 My People, My Country)

itosinobokoku.jpg

総合監督:チェン・カイコー
監督:グアン・フー、 チャン・イーバイ、 シュー・ジェン、 シュエ・シャオルー、 ニン・ハオ、ウェン・ムーイエ
主題歌:フェイ・ウォン
出演:ホアン・ボー、オウ・ハオ、レン・スーシー、チャン・イー、ハン・ハオリン、ファン・ユジェ、リウ・タオ、サイモン・ヤム、カラ・ワイ、グォ・ヨウ、ワン・ドン、ティエン・チュアン・チュアン、リウ・ハオラン、アーサー・チェン、ソン・ジア、トン・リーヤー

Episode1:『前夜』監督:グアン・フ―
1949年9月30日、新中国建国式典の前日。寝食を忘れて国旗掲揚装置を開発したリン・ジーユエン(フォン・ボー)。式典本番で滞りなく掲揚されるよう、最後の確認中だったが、次々と予期せぬ問題が起こる。

Episode2:『すれ違い』監督:チャン・イーバイ
1964年。国家の秘密プロジェクトに携わっている科学研究者ゴーエン(レン・スーシー)は、被爆したため任務から外れる。3年ぶりに町へ向かい、声をかけてきたのは、何も知らせないまま別れた恋人だった。本当のことが言えないまましらを切りとおすゴーエン。

Episode3:『初恋』監督:シュー・ジェン
1984年8月8日 上海の電気屋の息子ドンドン。女子バレー中国代表チームはロサンゼルスオリンピックで決勝戦に進んだ。中国全土が最後の一戦を見守っている。ドンドンは初恋の女の子が引っ越しするのでお別れを言いたいのに、テレビの調整が忙しくなって抜けられない。

Episode4:『回帰』監督:シュエ・シャオルー
1997年7月1日、香港がイギリスから返還される。きっかり0分0秒に国旗掲揚を行うため、旗揚げ係のジュートゥ、式典警備員、外交官、それぞれの時計完璧に調整したのは、ある時計職人(サイモン・ヤム)だった。

Episode5:『Hello 北京』監督:ニン・ハオ
2008年8月7日、北京オリンピック開会式の前日。タクシー運転手のチャン・ペキン(グォ・ヨウ)は開会式のチケットを会社の福引で引き当てる。嬉しくて乗客に見せびらかしていたら、ある少年が譲ってくれと頼み込む。断って目的地で降ろすが、チケットが消えて現金800元が残されていた。

Episode6:『流れ星』監督:チェン・カイコー
貧しい土地に生まれ育ったオーディラとハザブの兄弟。生きるために何でもしてその日暮らしを続けていた。リー老人(ティエン・チュアン・チュアン)は貧困地域を再生を願って尽力し、二人を疑うことなく受け入れ兄弟も心を開いていく。

Episode7:『青い空』監督:ウェン・ムーイエ
2015年9月3日。抗日戦争勝利記念日の軍事パレードを控え、女性パイロットのリュショーランは飛行チームの控えを命ぜられた。幼いころからの夢だったが、親友に託す決心がつく。

新中国建国70年記念作品。チェン・カイコー総合監督のもと、チェン監督含む7人の監督が、歴史的節目となる7つの出来事を選んでオムニバス映画としました。予算も潤沢で(たぶん)国を代表する監督がメガホンを取り、全土の国民がこぞって観に行ったはず。歴代8位の大ヒットです。
中国の戦後の節目となる出来事を中心にすえ、国を讃えた作品ですが、主人公は偉大な業績をあげた人物ではなく、それぞれの仕事を全うして生きる小市民たちです。つつましく送る日々の小さなエピソードを重ねて、中国という国の大きな歴史の流れを俯瞰することができました。この時に日本では何があったのか、自分が何をしていたのか振り返りました。(白)


中国礼賛の映画ながら、市井の人を主人公にしているところが憎いです。
Episode1:『前夜』では、北京の伝統的な四合院でスパイの捜査をする姿が上空から映し出されました。あの美しい四合院の並ぶ通りも、中国の目覚ましい近代化で今やわずかしか残されてないことに思いを馳せました。天安門広場での式典で、滞りなく国旗掲揚されるまでの、てんやわんやに、くすっと笑わせられましたが、その後の天安門広場での出来事を思うと複雑。
Episode2:『すれ違い』には泣かされました。国家のために恋人とも別れ秘密裏に核の開発に携わったあげく被爆・・・ 国家が偉業を成し遂げた号外に歓喜しますが、なんとも気の毒。
Episode3:『初恋』は、とっても可愛い物語。通りに椅子を並べてテレビを見る皆のためにアンテナを調整しなくてはならないけれど、引っ越してしまう女の子にどうしても会いたい男の子。通りではないけれど、テレビのある家に集まって皆で見たなんて時代が日本にもありましたね。
Episode4:『回帰』は、サイモン・ヤム(任達華)が出ているというだけでも嬉しい物語でしたが、1997年6月30日に香港にいた私にとって、格別の思いがありました。警備にあたっていた警官の方と言葉を交わした時に、中国回帰後の帽章をポケットから出して見せてくれて、0時きっかりにこれに替えるといわれたのです。まさに帽章を替える場面がありました。
Episode5:『Hello 北京』、グォ・ヨウ(葛優)が出てくるだけで笑ってしまいます。ほんとに名優!
Episode6:『流れ星』、内モンゴルの広大な地を舞台にした、盗みを繰り返す兄弟の物語。兄弟が改心することになる沙漠に落ちてくる流れ星の正体は・・・??
Episode7:『青い空』、抗日戦争勝利70周年の軍事パレード。優秀だからこそ裏にまわってもらったと言われても、晴れの舞台に出られないのはやっぱりつらいでしょう・・・ 
それぞれに味わい深い作品でした。(咲)



2019年/中国/カラー/シネスコ/155分/
(C)2019Huaxia Films
配給:wow cool entertainment
HP:www.wowcoolentertainment.com
★2020年10月30日(金)より東京・グランドシネマサンシャインにて1週間限定公開
10月31日(土)より大阪シネ・ヌーヴォ ほか全国順次公開。

posted by shiraishi at 13:11| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月04日

薬の神じゃない! 原題:我不是薬神

2020年10月16日 新宿武蔵野館、池袋シネマ・ロサ他全国順次公開
劇場情報はこちら

薬の神じゃない!ポスター.jpg
©︎2020 Cine-C. and United Smiles Co., Ltd. All Rights Reserved

監督・脚本:文牧野(ウェン・ムーイエ)
共同製作:寧浩(ニン・ハオ)
出演:徐崢(シュー・ジェン)、王伝君(ワン・チュエンジュン)、周一囲(ジョウ・イーウェイ)ほか

何がホンモノで、何がニセモノか?!

上海で男性向けのインドの強壮剤を販売する店主 程勇(チョン・ヨン)は、店の家賃も払えず、妻にも見放され人生の目標を見失っていた。ある日、「血液の癌」である 「慢性骨髄性白血病」を患う呂受益(リュ・ショウイー) が、国内で認可されている治療薬は非常に高価なので、安価で成分が同じインドのジェネリック薬を輸入して欲しいという依頼しにきた。最初は申し出を断ったものの 金に目がくらんだ程勇は、ジェネリック薬の密輸・販売に手を染め、より多くの薬を仕入れるために白血病患者たちとグループを結成。依頼人の呂を始め、白血病患者が集まるネットコミュニティ管理人の劉思慧(リウ・スーフェイ)、中国語なまりの英語を操る劉牧師、不良少年の彭浩(ボン・ハオ)らが加わり、事業は大きく拡大していく。しかし、警察に密輸として目をつけられ、一度はグループを解散した。でも、薬を絶たれた患者たちの悲痛な姿を見て、あえて危険な仕事を続け、患者の負担を軽くするため仕入れ値以下の価格で薬を売るようになった。そんな彼に警察がせまる。あえて危険な仕事を続ける彼に待ち受ける結末とは…。

2014年に中国で実際に起きたニセ薬事件。それを元に作った作品。この事件をきっかけに中国の医薬業界に改革が起きた。事件発生から間もない 2018年7月に映画化され、中国公開されると3日間で9億元(約146億円)、 最終的に30億元(約500億円)を超える爆発的なヒットを記録した。 また、興行的な成功だけでなく、アジア・フィルム・アワード・助演男優賞、台湾の金馬奨・主演男優賞、新人監督賞、オリジナル脚本賞の3部門受賞をはじめ、国内外の映画賞を数多く受賞し、名実とともに中国を代表する作品になった。
薬を密輸する主人公を演じたのは、ヒット作に多数出演し監督としても活躍する徐噂(シュー・ジェン)、その他、王伝君(ワン・チュエンジュン)、『スプリング・フィーバー』の譚卓(タン・ジュオ )、『象は静かに座っている』の章宇(チャン・ユー) などが出演。監督は、岩井俊二、魏徳聖(ウェイ・ダーション、關錦鵬(スタンリー・クワン)監修のオムニバス映画『恋する都市5つの物語』を監督した文牧野(ウェン・ムーイエ)。共同製作は寧浩(ニン・ハオ)。

2018年の中国映画週間で上映された時に見逃し、残念に思っていた作品が日本公開されることになり嬉しい。中国で実際に起こった事件を元に作られた作品とのことだけど、この事件をきっかけに「慢性骨髄性白血病」のジェネリック薬品の輸入が認められることになったということを聞き、痛快な気分。主人公を演じた徐噂は、これまでコメディアンかと思っていたけどそうではなかったんですね。エンターティメントとしても面白くドタバタ喜劇風な作品だと思ったら、共同製作が『クレイジー・ ストーン 翡翠狂騒曲』の寧浩。なるほど(笑)。この作品のテイストにも近いかも(暁)。

ニセ薬販売事件がベースになっているのですが、まったくのインチキな薬ではありません。インドで作られたジェネリック医薬品です。国内で認可されている薬が高すぎて、多くの慢性骨髄性白血病患者には手が届かないため、密かに輸入していたのです。
もともと主人公が金もうけのために始めたとし、前半はコミカルに展開します。多くの患者から必要とされていくうちに、主人公の気持ちに変化が現れました。そして後半はシリアスに転換。中国の社会問題をさらけ出していきます。その結果、事件と映画公開をきっかけに中国医薬業界に変化が起きました。映画が社会に及ぼす影響は思っていた以上に大きいものなのですね。(堀)


徐崢シュー・ジェンさん.JPG
程勇役の徐崢(シュー・ジェン)さん;2018年中国映画週間にて

『薬の神じゃない!』公式HPはこちら
中国/2018年/カラー/北京語・英語/117分/ビスタ/5.1ch/
配給:株式会社シネメディア


posted by akemi at 21:28| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月19日

フライト・キャプテン高度1万メートル、奇跡の実話(原題:中國機長)

captain_pos.jpg

監督:アンドリュー・ラウ
脚本:ユー・ヨンガン
視覚効果:エレン・プーン
出演:チャン・ハンユー(リュー機長)、ユアン・チュアン(ビ・ナン)、オウ・ハオ(シュ・イー・チェン)、ドゥー・ジアン(シャン・ドン)、チャン・ティエンアイ(フォアン・ジャ)

2018年5月14日、重慶市からチベット自治区のラサに向かう四川航空3U8633便が、乗客119人を乗せて飛び立つ。当初は順調なフライトだったが、地上1万メートルを飛行中、突如として操縦室のフロントガラスにひびが入り、瞬く間に大破する。氷点下30度の冷風が猛烈な勢いで吹き込み、操縦室の圧力は低下。自動操縦も不可能になり、激しく揺れる機体に乗客もパニックに陥るが……。

リュー機長が家を出るところから始まります。制服を着て仕事に向かう前、居間の飾り付けを眺めます。仕事から戻ったら愛娘の誕生日祝いをする予定。普通のお父さんの顔から機長の顔になるいいオープニングでした。『マンハント』で日本にも知られたチャン・ハンユー、精悍です。CAさんたちもそれぞれ出発準備に余念がなく、少し後に大パニックになるとは誰も予想していません。
混乱の中誰がどのように対処したのか、事実を調査しての映画化でしょう。観客は乗客になり、乗務員になり、機長になってその追体験をすることになります。
リュ―機長の経験に基づく技術と対応は、英雄と讃えられました。よくぞ生還したと誰もが拍手したはず。微に入り細に入りの再現で、しばらく飛行機に乗れなくなるかもしれません。私はこの映画の後、飛行機に乗る用事があり、思わずフロントガラスの強度など検索してしまいました。何事もなく往復しましたが、安全のために多くの人が携わっていることもいつもより感じました。
2019年の国慶節に建国70周年に合わせて作られた映画3本のうち、最も集客した作品というのが納得です。
アンドリュー・ラウ監督は20代で撮影監督からスタート、私好みの香港映画の多くはこの方が手掛けていました。40代で監督になり『古惑仔』『インファナル・アフェア』シリーズなどヒット作を送り出しています。エンタメと情感のバランスよく、満足させてくれる折り紙つきの監督。(白)


2018年に中国・四川航空機が緊急着陸した事故を再現した作品ですが、日常が非日常に変わる瞬間は心臓が飛び出たかと思うくらい驚きました。これは映画だからオーバーに描いているのよね?と思ったのですが、見終わってから調べたところ、私が驚いたシーンは本当に起きたこと! 人ってこんな絶望的な状況でも乗り越えることができるんだと勇気をもらえます。そして、最後まで冷静な判断をしたリュー機長はチャン・ハンユーにぴったりの役でした。
陸上側の対応がきびきびしていて気持ちがいいのですが、本当はもう少しパニックに陥っていたのではないかしら? 怒号が飛び交ってもおかしくないと思うのですが、どの部署も落ち着いて対応しています。建国70周年に合わせて作られた映画だから、国の威信を損ねるようなことは描けなかったのかもしれません。
エンドロールに本物のクルーと演じた俳優が2ショットで映し出されるのですが、本物のCAたちがみな美しくて、どちらが本物のCAで、どちらが女優かわからないくらいです。機長、第二機長、副操縦士は何となく似ている感がありました。(堀)


高度一万メートルの奇跡.JPG
2019中国映画週間で上映された『高度一万メートルの奇跡』舞台挨拶にて
左から張天愛(チャン・ティエンアイ)、杜江(ドゥー・ジアン)、李沁(リー・チン)


2019年/中国/カラー/シネスコ/111分
配給:アルバトロス・フィルム
(C)2019 Bona Entertainment Company Limited All Rights Reserved.
https://flight-captain.com/
★2020年10月2日(金)シネマート新宿・心斎橋ほかロードショー
posted by shiraishi at 21:02| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする