2019年04月06日

Be With You いま、会いにゆきます

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監督・脚本:イ・ジャンフン
原作:市川拓司
出演:ソ・ジソブ(ウジン)、ソン・イェジン(スア)、キム・ジファン(ジホ)、コ・チャンソク(ホング)

ウジンの愛妻スアは病を得て、息子のジホと自分を残し一人旅立ってしまった。雨の日に帰ってくるという不思議は言葉を残して。ジホは毎日雨が降るのを待っている。
ある日ほんとうにスアが戻ってきた。ただし自分の名前も家族のことも何も覚えていなかった。ジホは大喜びで片時も離れない。ウジンはスアにふたりの馴れ初めからひとつずつ説明していく。

オリジナルはもう15年前ですが、泣かせるストーリーはよく覚えています。先がわかっていてもまた泣きました。大きな身体で不器用そうにご飯を作るウジンに、もう一度恋するウジンとスアにきゅんとするはず。ジソブくんがお父さん、哀しいヒロインが似合うソン・イェジンも小学生のお母さん役です。息子ジホのキム・ジファンは新人だそうです。なんと屈託なく自然な演技ができる子なんでしょ!
また原作に魅せられて映画化を実現させたイ・ジャンフン監督もデビュー作。原作の市川拓司さんは自分と、お母さんと奥さんがモデルです、と。

愛する人と限られた時間しか一緒にいられないとき、何ができるでしょう?
別れの辛さだけではない、愛情が溶けこんだ暖かい涙が流れるはずです。

オリジナル『いま、会いにゆきます』は2004年の作品でした。竹内結子さん、中村獅童さんの共演で、これをきっかけにお二人翌年結婚したのでした(3年後離婚してそれぞれ再婚しています)。このリメイクのお二人、プライベートのニュースはないんでしょうか?(白)


2018年/韓国/カラー/シネスコ/131分
配給:クロックワークス
(C)2018 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
http://klockworx-asia.com/be-with-you/
★2019年4月5日(金)ロードショー

4月7日(日) イ・ジャンフン監督がサプライズ来日決定!
原作者・市川拓司氏と映画公開記念トークショー付き舞台挨拶?!
場所:シネマート新宿
日時:4月7日(日)11:20の回終了後
料金:通常料金(全国共通特別鑑賞券使用可)
※全国共通特別鑑賞券、お持ちのお客様は窓口までお越し下さいませ。
posted by shiraishi at 00:47| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月09日

探偵なふたり:リターンズ(原題:The Accidental Detective 2: In Action)

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監督:イ・オンヒ
撮影:キ・セフン
編集:シン・ミンギョン
音楽:タル・パラン
出演:クォン・サンウ、ソン・ドンイル、イ・グァンス

未解決事件を解決する推理コンビ、シャーロック・ホームズのオタクで漫画喫茶のカン・デマン(クォン・サンウ)と、広域捜査隊のレジェンドと呼ばれた刑事ノ・テス(ソン・ドンイル)はついに韓国最初の探偵事務所をオープンし、探偵としての第一歩を踏み出す。しかし、現実は甘くなく、なかなか依頼主も現れない。生活費まで圧迫されるようになり、密かに警察署で営業をかける。
ついに待ちに待った最初の依頼人が現れ、成功報酬は5千万ウォン。自信満々に仕事を引き受け、元サイバー捜査隊のエース ヨチ(イ・グァンス)も仲間に引き入れるが、事件を暴こうとすればするほど連鎖的な不審証拠に混乱するのだった…
シャーロック・ホームズ並みの推理力と洞察力を持つデマン。広域捜査隊の人喰いザメと呼ばれるほど正義感が強すぎて警察内で疎まれるテス。反りが合わない2人が手を組んで難事件を解決した前作。今回はなんと2人が探偵事務所を開業させるところからスタートする。大丈夫なのかと心配しながら見ていると、案の定、依頼者が来ない。恐妻家という唯一の共通点を持つ2人は背に腹は代えられぬと古巣の警察にまで営業に行く。スマートさに欠ける展開がむしろ、この作品の魅力である。デマンは抜群の推理力を持ちながら、いざというときは意気地のないヘタレぶりを見せる。また、家計を顧みない(あくまでも、家計。家庭ではないところがポイント)ために、妻から育児を押し付けられ、赤ちゃん同伴で捜査に行き、現地でおむつも替える。このギャップが笑えた。クォン・サンウはいい役に巡り合えたといえるだろう。ぜひともシリーズ化してほしい。(堀)

デマンとテスのコンビに加えて今回初登場のヨチ役、イ・グァンスは『コンフェッション 友の告白』(2014)と『フィッシュマンの涙』(2015)で観ていました。フィッシュマンはずっと魚頭でしたが(笑)。ヨチはサイバー捜査の才能はあるけれども、調子がよくて車やバイク好き。この頼りになるような?ならないような?役柄がはまっていて、また見たいと思いました。(白)
配給:ツイン
(c)2018 CJ E&M CORPORATION, CREE PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:http://tantei-movie2.com/

★3月16日(土)シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
posted by ほりきみき at 14:31| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月01日

君の結婚式(原題:On Your Wedding Day)

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監督・脚本:イ・ソックン
出演:パク・ボヨン(スンヒ)、キム・ヨングァン(ウヨン)、カン・ギヨン、コ・ギュピル、チャン・ソンボム

高校3年の夏、ウヨンは同じクラスの転校生スンヒが授業をサボって抜け出すところに出くわす。スンヒに手を貸して塀を乗り越え、一緒に町で買い食いをするウヨン。美人で成績もいいスンヒから目が離せなくなる。一途にスンヒを追い掛け回し、ようやく恋が成就できるかと思ったころ「元気でね」という電話を最後に、スンヒは消えてしまった。
ウヨンは行方を捜し続け、ある日大学の案内書の写真の中に彼女の姿を見つけた。その日から猛勉強を始め、一年遅れて同じ大学に入学を果たす。しかし、再会したスンヒにはすでに彼氏がいた。

ウヨンとスンヒの10年に渡る恋の軌跡。このタイトルがネタバレじゃないの?とも思うのですが、誰にも経験のある切なさや行き違いに共感するはず。『あの頃君を追いかけた』によく似ていますが、そちらより二人にフォーカスしている度合いが強いです。モデル出身でのっぽ(187cm)のキム・ヨングァンと並ぶと小柄に見えるパク・ボヨンは158cm。そう小柄なわけではありませんが、なんだかほほえましいカップルです。制服姿の高校生からアラサーまで演じて違和感なく、「恋愛あるある」を楽しませてくれます。(白)

2018年/韓国/カラー/ビスタ/110分
配給:クロックワークス
(C)filmKCO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
http://klockworx-asia.com/weddingday/
★2019年3月1日(金)シネマート新宿にてロードショー
posted by shiraishi at 08:55| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月09日

金子文子と朴烈(パクヨル)  英題:Anarchist from the Colony.

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監督:イ・ジュンイク(『王の男』『空と風と星の詩人 尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯』)
出演:イ・ジェフン、チェ・ヒソ、キム・インウ、キム・ジュンハン、山野内扶、金守珍

1923年(大正12年)、東京。有楽町にある通称「社会主義おでん屋」で働く金子文子は、「犬ころ」という詩に心惹かれ、この詩を書いた朝鮮人アナキストの朴烈(パクヨル)に同棲を提案。恋人として、唯一無二の同志として、二人は生きることを決め、日本人や在日朝鮮人による「不逞社」を結成する。日本統治下で従順でない朝鮮人が「不逞鮮人」と呼ばれていたのを逆手に取った名前だった。
9月1日午前11時58分、関東大震災発生。「朝鮮人が暴動を起こしている」という流言が広がり、9月2日、戒厳令が公布される。多くの朝鮮人が虐殺される中、9月3日、朴烈と金子文子は、保護検束される・・・

治安警察法違反容疑で起訴され、一旦は死刑判決が出た後、恩赦で無期懲役となった二人。だが、金子文子は、1926年、23歳の若さで獄死する。「何が私をこうさせたか -獄中手記」(岩波書店)という自伝を遺していて、生き様に触れることができる。
文子は、1903年に両親が籍を入れないままに生まれ、無籍で小学校に行けなかった。親類の家を転々とし、9歳から16歳まで、日本に併合された韓国で過ごし、1919年、独立運動を目の当たりにした直後に帰国。日本の植民地主義に反対し、無政府主義者として朴烈と共に国家権力に対して闘った。
潔い女性 金子文子を体現したのは、韓国の女優チェ・ヒソ。大阪・建国小学校で学んだ彼女は、完璧な日本語を話す。一方、日本人という役柄、日本人には発音出来ない朝鮮語の音を意識して話している。
大正時代に、こんな飛んだ女性がいたのかと驚かされた一作。
朴烈がかすんでしまうほどだったが、当の朴烈は、日本の敗戦で1945年10月に出所。1946年10月に在日本居留民団を結成し、初代団長となる。1949年に韓国に帰国するも、朝鮮戦争中に北朝鮮軍に捉えられ、北朝鮮に連行され、1974年北朝鮮で亡くなる。享年71歳。処刑されたと言われていて、実に彼も激動の人生を送っている。
『建築学概論』で初心な青年を演じたイ・ジェフンが、本作では朴烈に限りなく近づく外見に変貌し、日本語も学んでアナキスト朴烈に成り切っている。
また、当時の内務大臣・水野錬太郎を筆頭とする日本政府を劇団「新宿梁山泊」のメンバーが演じているのも見どころ。
『空と風と星の詩人 尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯』で、日韓併合時代の朝鮮人の運命を描いたイ・ジュンイク監督が再び放ってくれた渾身の映画。当時の人々に思いを馳せたい。(咲)


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函、表紙、カバー

この試写が始まる少し前に、本棚を整理している旧友から「読んでみて」と金子文子の黒色戦線社版(再刷増補決定版)「何が私をかうさせたか」と歌集が送られてきました。旧仮名遣い、ルビ入りです。自分の生まれから朴烈と出逢うまでの記述に加えて、再版には短歌百余、「不逞社」で書かれた記事、また手紙などが収められています。小学校にもろくに通わせてもらえなかった文子が、21,2歳でこれだけの文章を書いていたことに驚きました。幼少期からの苛烈な境遇に屈せず、強い精神と思想を育んでいながら(いや、だからか)自死してしまったのが惜しいです。
聡明な彼女は、たとえ権力が交代してもまた同じ繰り返しになるだろうということも書いています。人の悪意や欲に傷つき、骨身に刻まれていることから出ている虚無感でしょう。朴烈と離れ離れに獄につながれ、死刑判決から無期懲役の恩赦を得て生き永らえることは、魂の死であったはず。ただこの二人に悲壮感は感じられません。文子は被告席でとうとうと持論を展開して、場を得た高揚感さえ覚えたのではないかしらん。
チェ・ヒソとイ・ジェフンの演じる二人(なんだかとても色っぽい)に、本当にこういう人たちだったかも、と想像。ガード下に響いていただろう文子の明るい声を思いました。瀬戸内寂聴「余白の春」にも、文子が書き留められています。(白)


2017年/韓国/129分/DCP
提供:太秦、キノ・シネマ
配給・宣伝:太秦 
公式サイト:http://www.fumiko-yeol.com/
★2019年2月16日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
posted by sakiko at 21:53| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月27日

バーニング 劇場版   原題:Burning

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監督:イ・チャンドン(『シークレット・サンシャイン』)
原作:村上春樹「蛍・納屋を焼く・その他の短編」(新潮文庫)
出演:ユ・アイン、スティーブン・ユァン、チョン・ジョンソ

小説家を志すジョンス(ユ・アイン)は、宅配のバイトの途中、デパートの前で広告モデルをしているヘミ(チョン・ジョンソ)から声をかけられる。すっかり綺麗になった幼馴染だった。ヘミから、アフリカ旅行に行く間、飼い猫に餌をやってほしいと頼まれ、家に行くが猫の姿は見えない。一方、畜産業を営む父親が傷害事件を起こし、父のかわりに牛の世話をするために実家に帰ることになる。
やがてヘミがアフリカ旅行から戻り、ケニアで知り合ったという青年ベン(スティーブン・ユァン)を紹介される。洒落た部屋に住むベンは、遊びと仕事の区別がつかないと言い、どこか謎めいている。ある日、ジョンスの実家である北朝鮮との国境に近い田舎の村を訪ねてきたベンは、「朽ちたビニールハウスを燃やすのが趣味だ」と語る。2ヶ月に一度の割りで燃やすが警察に捕まったことはないという。そして、今日は下見に来たというのだ。この日を境に、ヘミと連絡が取れなくなる・・・

:村上春樹の短編「納屋を焼く」をベースに、ウイリアム・フォークナーの短編「納屋は燃える」の要素も入れ、大胆にアレンジしたイ・チャンドン監督。格差社会、就職難で居場所の見つからない若者たちなど、現代の韓国社会が抱える様々な問題も背景にして、しっかり韓国の物語になっています。
姿を見せない猫、何度もかかってくる無言電話、水の枯れた井戸・・・ ミステリアスな伏線の先にあるものは・・・? 衝撃のラストは、ぜひ劇場で! (咲)

2018年/韓国/カラー/148分/シネスコ/5.1chデジタル
国際共同制作NHK
配給:ツイン
公式サイト:http://burning-movie.jp/
★2019 年2月 1 日(金)TOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショー






posted by sakiko at 21:46| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする