2026年01月31日
神社 悪魔のささやき 原題:신사: 악귀의 속삭임 英題:THE SHRINE
監督:熊切和嘉(『私の男』『#マンホール』)
出演:キム・ジェジュン、コン・ソンハ、コ・ユンジュン、木野花
神戸の山中に佇む廃神社で、日韓文化交流プロジェクトに参加していた大学生たちが忽然と失踪した。その中には、プロジェクトの責任者であるユミ(コン・ソンハ)の妹・ヒジョンも含まれていた。ユミは、大学の先輩で祈祷師のミョンジン(JAEJOONG)に助けを求める。ソウルから神戸に駆け付けたミョンジンは、さっそく失踪事件の調査に乗り出す。二人は地元の牧師ハンジュ(コ・ユンジュン)や、大家の佐藤(木野花)の協力を得ながら手がかりを追うが、事態は思わぬ方向へと向かい、やがて真の恐怖と対峙することとなる・・・・
廃神社で見つけた石像。羅刹天の文字。ヒンドゥー教の鬼神ラークシャサが仏教に取り入れられたもの。キリスト教のサタンとくらべものにならないほどの悪の神だとか。なぜこの廃神社に?
やがて、舞台は地元の韓国人のハンジュ牧師の教会へ。ここもちょっと不思議な場所。
霊感が強くムーダン(祈祷師)となったミョンジンを、鋭い眼のジェジュンが体現していて、彼なら失踪事件の謎を解決してくれそうと期待が高まります。
神戸でオールロケされたとのことで、神戸で生まれ育った私は、どこが出てくるのかと興味津々。海が遠くに見える山間の町には、「長田天神町7丁目」の住居表示。私には残念ながら馴染のないところでした。最後のほうに出てきた高取神社も、長田区の山間部。高台の神社からは、やはり海が遠くに見えて、一度行ってみたいと思いました。(咲)
◆JAEJOONG来日舞台挨拶開催◆
[日程]2月11日(水・祝)
[会場]新宿バルト9
[時間]13:50の回(上映後)、16:40の回(上映前)
[登壇]JAEJOONG、木野花、熊切和嘉監督(予定)
[時間]15:40の回(上映後)、18:30の回(上映前)
[登壇]JAEJOONG、熊切和嘉監督(予定)
2025年/韓国/96分/5.1ch/シネマスコープ
配給:クロックワークス
公式サイト:https://klockworx-asia.com/jinja/
★2026年2月6日(金)より、新宿バルト9ほか全国公開
2026年01月29日
鬼胎(クィテ) 黒い修道女 原題:검은 수녀들 英題:DARK NUNS
監督:クォン・ヒョクチュ
脚本:キム・ウジン、オ・ヒョジン
撮影:チェ・チャンミン
音楽:キム・テソン
出演:ソン・ヘギョ、チョン・ヨビン、イ・ジヌク、ムン・ウジン
その祈りがもたらすのは、救いか、破滅か──
原因不明の激しい発作に苦しむ少年ヒジュン(ムン・ウジン)。“黒い修道女”と呼ばれるシスター・ユニア(ソン・ヘギョ)は、彼の症状が凶悪な“十二悪魔”の仕業だと主張し、悪魔祓いの実施を求める。しかし担当医のパク神父(イ・ジヌク)は「悪魔の憑依など存在せず、複数の精神疾患が重なったものにすぎない」と一蹴する。薬物治療も心理療法も効果を示さないまま、ヒジュンの症状は日に日に悪化。追い詰められたユニアは、自ら悪魔祓いの儀式を行う決断を下す。しかし、叙階を受けていない修道女による儀式は、教義が厳しく禁じる“信仰の禁忌”。それでも彼を救うため、ユニアはパク神父の弟子ミカエラ修道女(チョン・ヨビン)を巻き込んで禁断の儀式へ踏み出すことに。その瞬間から、二人の周囲でも“説明のつかない何か”が静かに蠢き始める──。
日本人にとっては、あまり馴染のないキリスト教文化ですが、クリスチャンが国民の4分の1の韓国では、こうしたキリスト教を背景にしたオカルト映画も普通に受け入れられるのでしょうか。 ソン・ヘギョ演じる黒い修道女が可憐で素敵です。イ・ジヌク演じるイタリア語を駆使するパク神父も、誠実な雰囲気。冒頭で出てくる神父役のホ・ジュノや、最後の方で出てくる神父役のカン・ドンウォンと、出演者も豪華。
おどろおどろらしさよりも、厳かな悪魔祓いの儀式に見入りました。(咲)
2025年/韓国/115分/5.1ch/ヨーロピアンビスタ
配給:クロックワークス
公式サイト:https://klockworx.com/movies/gwitae/
★2026年1月30日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開
2026年01月22日
Project Y 原題:프로젝트 Y (プロジェクトY)
監督:イ・ファン(『大人たちには分からない』)
音楽:GRRAY(『バレリーナ』)
出演:ハン・ソヒ(「夫婦の世界」)、チョン・ジョンソ(『バーニング 劇場版』『バレリーナ』)、キム・ソンチョル、キム・シンロク、チョン・ヨンジュ、イ・ギェジュン、ユア(OH MY GIRL)ほか
華やかさの裏に濃い影が沈むソウルの繁華街。ミソン(ハン・ソヒ)とドギョン(チョン・ジョンソ)は、お互いを心のよりどころに、日々生き延びるために必死に金を工面している。ミソンは昼はフラワーショップで働き、夜はクラブで男たちを接客する。ドギョンはホステスたちの頼れる運転手として生活費を稼いでいる。そんな二人の夢は、「昼は働き夜は眠る」普通の生活。ミソンが勤めるフラワーショップの事業を継ぐ日も目前に迫っていた。しかし、夢が叶おうとしたまさにその時、ある人物から騙されていたことがわかり、すべてが粉々に砕け散る。そんな折、二人は、クラブを経営するト社長(キム・ソンチョル)がソウル近郊のどこかに大金を隠しているという情報をつかむ。一攫千金の大チャンスを目の前にした二人は、人生を懸けた危険極まりない大勝負に乗り出す・・・
「夫婦の世界」で、ハン・ソヒの妖しい魅力に、男が惹かれてしまうのも無理ないと思ったものですが、本作では、クラブのナンバー1ホステスながら、健全な美女の雰囲気。フラワーショップの店員がとてもお似合いです。チョン・ジョンソ演じるドギョンは、クールだけど、ハンドルを握らせると、実に熱いです。
二人は、クラブの社長の妻が愛人のホストに夫が大金を隠した話をしているのを聞いて、大金を見つけるのですが、そこからが二転三転・・・ 予測不能の展開にくらくら。
ミソンとドギョンの育ての母や、ト社長の側近の女ファンソ(ブル)の迫力も、強く印象に残りました。(咲)
2025年/韓国/109分/PG12
配給:日活/KDDI
公式サイト:https://projecty-movie.jp/
★2026年1月23日(金)より TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
2026年01月12日
ただ、やるべきことを(英題:Work to Do)
監督・脚本:パク・ホンジュン
出演:チャン・ソンボム(カン・ジュニ代理)、ソ・ソッキュ(イ・ドンウ次長)、キム・ドヨン(チョン・ギュフン部長)、キム・ヨンウン(ペ・ホグン部長)、チャン・リウ(ソン・ギョンヨン代理)、イ・ノア(ホン・ジェイ)、カン・ジュサン(チャン・イルソプ部長)、キム・ナムヒ(イ・サンス課長)
2010年、韓国。造船業界は不況に陥り、人員削減を余儀なくされていた。入社4年目のジュニは、上司の推薦で人事部に配属された。最初の仕事が人員整理のためのリスト作りだった。最初は希望退職者を募るが、目標の150名には遠く及ばない。勤務評定や勤続年数などを参考にリストラ候補を選ばねばならないのだ。イ次長の「ここはいい部署じゃない」の言葉の意味がようやくわかってきた。人事部の先輩であるソン代理は、短大卒の女性社員であることで候補の一人だ。世話になった先輩や友人と気軽に話もできなくなった。結婚間近の恋人にも愚痴は言えず、ジュニの孤独感は日々募っていく。
パク・ホンジュン監督の長編デビュー作。造船会社の人事で働いた経験を基に執筆、映画となりました。これまでリストラを扱った作品は、される側が会社に抵抗し、粘り勝ちしたり悔し涙にくれたりというものが多かった気がします。本作はリストラする側の人事部社員が、職務と個人的感情の間で板挟みになる様を、圧倒的なリアリティで描いています。
その苦悩ときたら、営業の成績が上がらない、現場で納期に間に合わないというのとはまた違った辛さです。それこそ責任あるトップの経営陣がきちんと会社の苦しさを訴え、頭を下げてほしい仕事です。働く人間なら誰しも、せっかく得た仕事を失いたくありません。失わせたくもありません。人事部であるだけで、先輩や友人との間に溝も壁もできてきます。セリフの一つ一つ、表情の変化に感情の揺れが現れ、俳優たちの数々の受賞がうなずける作品でした。公開初日に朴監督とイ・ウンプロデューサーが来日し、ユーロスペースで上映後舞台挨拶がありました(画像は宣伝さんより)スタッフ日記はこちら(白)
パク・ホンジュン監督
パク・ホンジュン監督、ソ・ソッキュさん、イ・ウンプロデューサー
私は40代半ばに、勤めていた会社を希望退職で辞めた経験があって、この映画は身につまされました。それはまさに、私の希望ではなく、会社の希望でした。急激な業績悪化で大量の希望退職を募ったのですが、本部長が社員一人一人と面談し、個々人の仕事がどうなるかの説明と、辞めた場合の退職金が提示されました。私の場合は、部署がなくなると説明され、厚生年金受給資格がぎりぎりあるとわかり、将来は不安でしたが希望退職に応じる決断をしました。住宅ローンを抱えた男性の中には、引き留められたのに上乗せ退職金目当てで辞めた方もいました。この映画の中にも、そんな会話が出てきて、それ、あるあると。
面談してくださった本部長は、銀行からいらした役員の方でしたが、私もよく一緒に飲みにいき、部下との仲もよかったので、クビを切らなければいけないことを各人に説明するのは、どれほどつらかったことかと思います。
本作の主人公ジュニは、人事部に異動したために、リストラを担当することになって、年上のベテラン社員や、前に所属していた部の部長やチーム長にも対峙することになり、苦悩します。それは、会社から命じられたことなので、ただ淡々とやるしかないのかと。
人事部の唯一の女性社員ソン・ギョンヨンは、頑張って代理にもなったのにアシスタント業務ばかり。この機に及んで、希望退職対象の女性社員との面談を担当することになり、「やっと重要な仕事を任された」とつぶやきます。その彼女自身、短大卒で希望退職対象者。辞めて、労働監督官の資格を取って、この会社に来てやるという言葉に喝采でした。あ、私自身、思い切って希望退職に応じたお陰で違う人生が開けて、今や感謝しています。(咲)
2023年/韓国/カラー/101分
配給:太秦
(C)Nareun Cinema / Myung Films Lab.
https://worktodo-film.com/
★2026年1月17日(土)ユーロスペースほか全国順次公開
2026年01月04日
YADANG/ヤダン 原題:야당(ヤダン 野党)
監督:ファン・ビョングク
出演:カン・ハヌル(「イカゲーム」『ラブリセット 30日後、離婚します』『空と風と星の詩人 〜尹東柱の生涯〜』)、ユ・ヘジン(『破墓 パミョ』『タクシー運転手 約束は海を越えて』)、パク・ヘジュン(「夫婦の世界」『ソウルの春』)
“ヤダン”とは、麻薬犯罪者から情報を引き出し、検察や警察に提供して司法取引を操る、闇のブローカー。
国家権力と裏社会の境界で暗躍する韓国に実在する存在。
イ・ガンス(カン・ハヌル)は、捜査当局へ情報を流す韓国麻薬界のキープレイヤー。冤罪で服役中に、検事ク・グァニ(ユ・ヘジン)から“ヤダン”の役割を持ちかけられ、麻薬犯と組織を密告することで減刑を約束される。ある日、次期大統領候補の息子チョ・フンが絡む麻薬事件に巻き込まれる。“ヤダン”イ・ガンスと検事ク・グァニの裏取引は、執念深い捜査で麻薬捜査界の“皇帝”と呼ばれるオ・サンジェも絡み、最悪の事態へと転がり落ちていく・・・
『空と風と星の詩人 〜尹東柱の生涯〜』の尹東柱や、ドラマ「未生~ミセン~」のチャン・ベッキ役など、穏やかな人物が似合うカン・ハヌルが、本作では、裏社会で暗躍するあくどい役柄。
ユ・ヘジンも、ぎらぎらと権力志向の強い悪徳検事ですが、『マイ・スイート・ハニー』での、女性に奥手のはにかみ屋と対照的でした。さらに、執念深い捜査で恐れられている麻薬捜査官役のパク・ヘジュンは、ドラマ「夫婦の世界」で、ヘタレな浮気夫のイメージでしたが、それぞれにがらっと違う強くて悪い男を演じていて、さすが役者だなぁ~と唸りました。(咲)
★公開初日1月9日(金)新宿バルト9で舞台挨拶が行われました。
映画『YADANG/ヤダン』公開記念来日舞台挨拶 観客にたっぷり寄り添ったイベントでした(咲)
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/519706711.html?1768114752
Facebookのアルバム 映画『YADANG/ヤダン』公開記念来日舞台挨拶
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1473867101407537&type=3
2025年/韓国/123分/スコープ/カラー/5.1ch/R15
字幕翻訳: 福留友子
配給:ショウゲート
公式サイト:https://yadang.jp/
★2026年1月9日(金)より、新宿バルト9ほか全国公開


