2024年06月02日

罪深き少年たち  原題:소년들(少年たち) 英題:The Boys

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(C)2023 CJ ENM Co., Ltd., AURA PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

監督:チョン・ジヨン
出演:ソル・ギョング、ユ・ジュンサン、チン・ギョン、ホ・ソンテ、ヨム・ヘラン

強盗殺人犯として逮捕された少年たちの無実を信じて闘う刑事
1999年、韓国で実際に起こった強盗殺人事件「サムネ(参礼)ナラスーパー事件」をもとに描いた物語


1999年、全羅北道・参礼の小さな商店ウリスーパーマーケットに強盗が押し入り、70代の女性が殺された。警察の捜査陣は、たった一日で町内に住む少年3人を容疑者として逮捕する。翌年、班長として赴任してきた敏腕刑事ファン・ジュンチョル(ソル・ギョング)のもとに、真犯人に関する情報提供が入る。少年たちの汚名を晴らすため再捜査を始めるが、当時の責任刑事チェ・ウソン (ユ・ジュンサン)の妨害にあい、ファン班長は左遷される。
それから16年後、定年を2年後に控えたファンが、僻地を転々とした後、参礼に戻ってくる。そこへ、事件の唯一の目撃者ユン・ミスク(チン・ギョン) と少年たちが訪ねてくる。話を聞き少年たちの無実を確信したファンは、彼らの汚名を晴らそうと再び警察と検察を相手に闘いに挑む・・・

島を転々として、やっと陸地に戻ってきたファン。左遷に追いやったチェ・ウソンはじめ、当時部下だった者は皆、ファンより出世しています。検察ともうまくやって、ずる賢くのし上がったチェ・ウソンを、ユ・ジュンサンが実に憎々しく演じています。好感度大だったドラマ「棚ぼたのあなた」や「がんばれ!プンサン」のイメージが、どっと崩れます。
やはり好人物のことが多いチョ・ジヌンが、冷血な検察役。また、ソ・イングク(『パイプライン』「元カレは天才詐欺師 ~38師機動隊~」)が重要な役どころで出てきたのも嬉しいです。
それにしても、警察が無理矢理犯人に仕立てる取り調べの場面が凄いです。否定すれば、さらに暴力を振るわれるのでは、耐えられなくて罪を認めてしまうのもわかるような気がします。こうして冤罪は作られる・・・
彼らの無実を信じて、信念を持って立ち向かうファン刑事は、ソル・ギョングだからこそ体現できたと感じました。(咲)


2022年/韓国/カラー/シネスコ/5.1ch/124分/韓国語/PG12
日本語字幕:小西朋子
配給:クロックワークス
公式サイト:https://klockworx-asia.com/boys/
★2024年6月7日(金) シネマート新宿 ほか 全国ロードショー




posted by sakiko at 01:11| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月20日

母とわたしの3日間 ( 原題:3일의 휴가 3日の休暇、英語題:Our Season)

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監督:ユク・サンヒョ
脚本:ユ・ヨンア
撮影:キム・ジヒョン
音楽:ク・ジャワン
出演:キム・ヘスク(ポンチャ)、シン・ミナ(チンジュ)、カン・ギヨン(ガイド)、ファン・ボラ(ミジン)

ポクチャが天国に来て、3年目となった日、特別に3日間の休暇をもらって地上に帰ることになった。もちろん自分の姿は人間には見えず、できるのは、ただそばで見守っることだけ。案内役の新人ガイドと一緒に元いた家に行ってみると、ニューヨークで大学教授をしているはずの自慢の一人娘チンジュが、定食屋を営んでいた。なんで?!と不満いっぱいのポンチャ。チンジュはそんなポンチャに気づくこともなく、ソウルから訪ねてきた親友のミジンと母親のレシピを再現していく。

キム・ヘスクは「国民の母」と呼ばれる女優、娘役のシン・ミナは「国民の癒し」だそうで母娘ゴールデンコンビです。脚本がこれまた人気・実力とも最強のユ・ヨンア。
3年天国にいる間に地上の情報は手に入らないの?ときどきは様子を見られないの?と疑問はいろいろ湧きますが、そういう設定なのでご了承のほど。まだ新人のちょっと頼りないガイドとポンチャのやりとりに笑い、料理に見とれ、娘とのすれ違いの切なさに涙し、といろいろ詰まった映画です。母の立場、娘の立場から見て自分の家族をふりかえることができます。

なんだか聞いたことのあるタイトル・・・まず思い出したのが浅田次郎氏の『椿山課長の七日間』(2006年西田敏行主演で映画化)でした。そちらは初七日の間だけ、別の姿で地上に降りて心残りだったことに対処できるというもの。原作と映画は結末が違いました。
これも似たタイトル『パパとムスメの7日間』は身体が入れ替わってしまい、”お互いの身になって”初めて理解し、心が通じたドラマ。こちらはその後の生活でやり直すことができますが、死んでしまえばもう戻ることはかないません。
どの作品にも共通しているのが「家族」。分かっているようでわからないのがいちばん身近な家族です。生きているうちに想像力を働かせ、相手を思いやること。かといって察してと思わず、対話することが大事と当たり前のことに気づきます。(白)


母の営んでいた食堂で、母の作ってくれた大根入り餃子を再現しようと試行錯誤するチンジュ。キムチが辛くて食べられないチンジュのために、母が考案した優しい味の餃子でしたが、レシピを教えてもらってなかったのです。チンジュには、心残りがいっぱい。母につれなく当たり、一緒に撮った写真も1枚しかない・・・ 悔いる娘の姿に、天国からやってきた母もほろり。観ている私も、亡くなった両親にしてあげられなかったことをたくさん思い出してほろり。
天国からの案内人を演じた青年役のカン・ギヨン、『極限境界線 -救出までの18日間-』でパシュトー語の現地通訳を演じた方。
また、チンジュの高校生時代の少女は、どこかで観たことがあると思ったら、ドラマ「ペントハウス」シリーズのペ・ロナ役で強烈な印象を残したキム・ヒョンスでした。目元がシン・ミナと似てるかな・・・(咲)


2023年/韓国/カラー/105分
配給:クロックワークス
(C)2023 SHOWBOX AND STORY FOREST ALL RIGHTS RESERVED.
https://klockworx-asia.com/season/
★2024年5月24日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 01:21| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月28日

マイ・スイート・ハニー(原題:Honey Sweet)

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監督:イ・ハン『無垢なる証人』
脚本:イ・ビョンホン『エクストリーム・ジョブ』
出演:ユ・ヘジン(チャ・チホ)、キム・ヒソン(イ・イルヒョン)、チャ・インピョ、チン・ソンギュ、ハン・ソナ

チャ・チホ45歳。天才的な味覚を持っている彼は、製菓会社の研究員。日々美味しいお菓子を研究・考案し、数々のヒット商品を世に出している。毎日決まったルーティンで出社、仕事、帰宅となんの楽しみも持っていない。人付き合いにも不慣れなチホは、ある日底抜けに明るいシングルマザーのイルヒョンと出逢った。イルヒョンは不器用なチホの優しさを知って、すっかりほれ込んでしまった。何かと理由を探してはチホと会う機会を作り出す。恋愛経験もなく、イルヒョンに押され気味のチホは、ドキドキする胸の高鳴りは心臓の病気かも、と薬局に駆け込む始末。この恋はどこへ行ってしまうのか?

個性的で演技巧者のユ・ヘジン主演作。『梟ーフクロウー』では冷徹な国王、『コンフィデンシャル 国際共助捜査』では田舎の刑事、何を演じても印象に残るユ・ヘジンですが、”ロマンチック”・コメディ主演は初めてなんだとか。コメディはあるんですけどね。
これまで体験しなかった感情の揺れにアタフタするチホがなんともおかしく、ほろっとさせます。全く似ていないひどい兄をチャ・インピョ、イルヒョンの娘にハン・ソナ。チホの相談にのる薬局の薬剤師がヨム・ヘランと適材適所なキャスト陣。チホとイルヒョンが幸せになりますように、とつい祈りたくなるのは私だけではないはず。
本作でユ・ヘジンは、第28回春史国際映画祭の審査委員特別賞(俳優部門)を受賞。(白)


2023年/日本/カラー/118分
配給:松竹
(C)MINDMARK Inc. & MOVIEROCK ALL RIGHT RESERVED
https://www.rakuten-ipcontent.com/mysweethoney/
★2024年5月3日(金・祝)ロードショー

posted by shiraishi at 13:32| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月31日

毒親<ドクチン> 英題:Toxic Parents

4月6日(土)よりポレポレ東中野ほかにてロードショー公開
劇場情報

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(C)2023, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED


母からの過剰な愛に苦悩する娘の心の闇を描いた韓国発のミステリードラマ

スタッフ・キャスト
監督・脚本:キム・スイン
出演
ヘヨン:チャン・ソヒ
ユリ:カン・アンナ
イェナ:チェ・ソユン
ギボム:ユン・ジュンウォン
オ刑事:オ・テギョン

成績が優秀で優等生の高校生ユリ。そして、誰よりもユリを愛する母親ヘヨン。二人は誰が見ても完璧で理想の母娘と周囲では羨ましがられている。しかし、実はユリは母へヨンの度を過ぎた教育と執着に長年悩まされていた。ある模擬試験の当日、学校には登校せず姿を消したユリは、湖畔に止められた車から他の二人とともに遺体となって発見される。
捜査に乗り出したオ刑事は、自殺の可能性が高いとみていたが、ヘヨンは頑なに認めようとしない。逆に担当教員ギボムがユリを呼び出していたことを知ったヘヨンは、その教員とユリの友人イェナが関わっていると主張し二人を告訴する。事件を探れば探るほど徐々にヘヨンの歪んだ子供への愛が浮かび上がり、やがて衝撃の真実があらわになる。

日本では「モンスターペアレント」という言葉で広く認知されたが、韓国では現在、子供への過剰な教育や躾を強いる親の存在が、大きな社会問題となっている。本作はその名の通り子供にとって<毒なる親>というべき存在を、母親、娘、周囲の人間それぞれの視点で描きながら、息つく間もない展開で観るものを釘付けにする韓流ミステリーがここに誕生した。

HPより
「ストーリー・オブ・マーメイド」「妻の誘惑」など数々の人気ドラマに出演してきたチャン・ソヒが母ヘヨン、ドラマ「ペーパー・ハウス・コリア 統一通貨を奪え」のカン・アンナが娘ユリを演じた。「オクス駅お化け」の脚色や「覗き屋」の脚本を手がけたキム・スインが、自身の脚本で長編初メガホンをとった。

去年(2023)のあいち国際女性映画祭で上映され、キム・スイン監督と母親役のチャン・ソヒさん、ユリ役のカン・アンナさんがゲストで来場された。記者会見、映画上映後のトークでキム・スイン監督は下記のように語っている。
「毒親という言葉は韓国ではまだ新しい言葉なので、。インパクトのある言葉としてタイトルにした。そして、タイトル負けしない物語にしたいと思った。ユリの担任ギボムと毒親の父との関係も対比で描きました。
どこの国でも起こりうる親子の問題として捉えて欲しい。人間が誰かを間違った方法で愛することは、私たち全員が経験する可能性があり、今、まさに私の話かもしれない問題だからです」
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2023あいち国際女性映画祭記者会見にて
左からキム・スイン監督、チャン・ソヒさん、カン・アンナさん


この作品、去年のあいち国際女性映画祭で観たけど、母親役のチャン・ソヒの迫力ある演技に驚いた。脚本家出身のキム・スイン監督の送り出す母親のセリフは心に突き刺さる。それを受け止めるユリの心情。心が痛い。
数日前にもTVの番組で毒親のことを特集していたけど、親は子供が憎くていうのではなく子供に良かれと思っていうのだけど、子供の心を傷つけているということに気がつかない。昔から、そういう親はいたけど、昔は「教育ママ」って言ってたけど、最近は毒親っていうんだと思った(暁)。


公式HP https://dokuchin.brighthorse-film.com/#
[R-15] / 上映時間:104分 /
製作:2022年(韓国) /
配給:ミステリーピクチャーズ=シグロ
posted by akemi at 18:28| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月28日

成功したオタク  原題:성덕(ソンドク) 英題:FANATIC

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監督:オ・セヨン

「推し」が性加害で逮捕! さて、私たちの思いは?

あるK-POPスターの熱狂的ファンだったオ・セヨン。ファンサイン会に韓服を着ていき、認知してもらい、テレビ共演も果たした「成功したオタク」だった。彼の考えが込められた歌詞が好きで、嗜好や価値観も同じでいたいと思った。推し活の中で友達もできた。
そんなある日、彼が集団性暴⾏等の罪で逮捕されてしまう。突然「犯罪者のファン」になってしまったオ・セヨンは混乱する。裏切られたという一方で、これまでの楽しかった時間まで否定しなければいけないのか・・・ 複雑な思いがよぎる。同じ経験をした友たちは、どんな気持ちでいるのだろう。オ・セヨンは友たちに会ってみることにした。彼女たちが何を語るのかにも興味があったが、内心、慰められたいという思いもあった・・・

オ・セヨン監督は、まだ10代の頃、憧れの彼から「学年1位を目指して、親孝行しろよ」と言われれば、1位になり、「ソウル大学に行けよ」と言われれば、ちゃんと入学。彼の存在に励まされて青春を送ってきた彼女が、どこに気持ちを持っていけばいいのかと戸惑う思い、すごくよくわかります。私自身、長年、追っかけていた(当時は「推し活」でなく「追っかけ」でした)レスリー・チャンが人気の絶頂期に自殺してしまって、梯子をはずされたような思いをしたから。 プライバシーを侵害されることを嫌がっていたレスリーを、私たちが追っかけ過ぎたのも自殺の一因になったのではと、お仲間と話して、胸を痛めもしました。一方で、あの頃の追っかけ仲間と、今も思い出話を語れるのは、レスリーのお陰と感謝しています。
「長い間、推し活をして、自分にとって美しい思い出になり、それで幸せになれるなら、それこそソンドク(成功したオタク)だ」という言葉に、まさに同感!
「彼はこの映画を観てどう思うかな?」というオ・セヨンに、「感謝するはずよ」というお母さま。さらに「好きになった過程が大事」と素敵です。そのお母さま自身、わいせつ事件を起こして自殺してしまったスターのファンだったとのこと。
自分の気持ちを的確に分析し、同様の体験をした人たちへの取材を重ねて、率直な思いを聞き出し、1本の映画にしてしまったオ・セヨン! 今後、どんな映画を作り出してくれるのか、大いに期待しています。(咲)


2021 年/韓国/85 分/カラー
配給・宣伝:ALFAZBET
公式サイト:https://alfazbetmovie.com/otaku
★2024年3月30日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

*監督来日舞台挨拶・各種イベント*
【東京】
オ・セヨン監督上映後トークイベント
日時:3月30日(土)1回目の上映、2回目の上映終了後
会場:シアター・イメージフォーラム(渋谷区渋谷2-10-2)
https://www.imageforum.co.jp/theatre/

前夜祭!映画をもっと楽しむためのトークイベント
桑畑優香さんによる公開インタビュー!
日時:3月28日(木)19:00〜
会場:チェッコリ
ゲスト:オ・セヨン監督、桑畑優香(翻訳家、ライター)
https://chekccori240328.peatix.com

オ・セヨン監督と話そう!
当日映画を観た方はもちろん、これから観るという方はネタバレ有りをご了承の上、じっくりお話ししましょう!
日時:3月30日(土)19:00〜
会場:SPBS本店(渋谷区神山町17-3 テラス神山1F)
https://spbs20240330.peatix.com/

【神戸】
元SKE48加藤るみさんが語る!
元アイドルで「推される側」だった加藤るみさんが本作を深掘り!
日時:4月6日(土)19:40の回上映終了後
会場:元町映画館(神戸市中央区元町通4丁目1-12)
https://www.motoei.com/post_event/seikouotaku_event1/


作家アルテイシアさんと感想おしゃべり会!
日時:4月7日(日)19:40の回上映終了後
会場:元町映画館(神戸市中央区元町通4丁目1-12)
https://www.motoei.com/post_event/seikouotaku_event2/

posted by sakiko at 14:14| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする