2026年01月04日
五十年目の俺たちの旅
監督 中村雅俊
原作・脚本 鎌田敏夫
主題歌 「俺たちの旅」歌:中村雅俊
出演:中村雅俊 秋野太作 田中健 / 前田亜季 水谷果穂 左時枝 福士誠治 / 岡田奈々
昭和を代表する青春ドラマの金字塔
「俺たちの旅」が令和の時代に戻ってくる。
津村浩介“カースケ”(中村雅俊)と、大学時代の同級生の神崎隆夫“オメダ”(田中健)、カースケの小学校の先輩である熊沢伸六“グズ六”(秋野太作)の3人は70代になり、付き合いはすでに50年を過ぎている。カースケは現在、従業員10人ほどの小さな町工場を経営し、オメダは現在も鳥取県の米子市長を務め、グズ六は妻のおかげで介護施設の理事長の座に収まり、それぞれ平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日、カースケの工場にオメダがやってくる。カースケは、米子市長を務めるオメダを誇らしい気持ちで従業員に紹介するが、オメダは思いつめた様子ですぐにその場を後にしてしまう。
また別の日、カースケの工場で製作中だったポットが大量に割られる事件が起きる。その中に懐かしい砂時計を発見したカースケ。その砂時計はかつての恋人・洋子と行った思い出の地、鳥取砂丘で買ったものだった。20 年前に病死した洋子を懐かしむカースケだが、グズ六から「洋子が生きてる!」と驚きの情報を耳にし…。
1975年10月から日本テレビ系列で放送された「俺たちの旅」。中村雅俊が主演していることや、主題歌は知っていましたが、ドラマは見たことがありませんでした。その後、『十年目の再会』『二十年目の選択』『三十年目の運命』と主人公たちの人生の節目ごとにスペシャルドラマが作られてきたとのことですが、それも、見ていません。この度、放送開始50周年を迎え、20年ぶりの続編『五十年目の俺たちの旅』が初の映画版として製作されたという次第。過去を知らないで見てわかるかなぁ~と思ったら、公式サイトに、ばっちりこれまでの歩みがわかる動画がありました。
約10分でわかる!「俺旅」まとめ動画① 「オメダの家族」編
約10分でわかる!「俺旅」まとめ動画② 「オメダの50年」編
約10分でわかる!「俺旅」まとめ動画③ 「カースケ・洋子」編
動画で予習してから映画を見ましたが、今回の映画の中で肝心な出来事は、過去の映像を織り込んで作ってありますので、50年後の物語についていけます♪
過去のドラマは見てなかったものの、なんといっても中村雅俊さんたちのほんの少し下の年代なので、50年にわたる友や異性との付き合いには、いろいろと胸に刺さるものがありました。
昭和の香りたっぷりの青春ドラマ、そして、昭和に青春を過ごした私たちの今の姿を投影する映画を見ることができて感無量! オメダのお母さん役の八千草薫さんの素敵な姿を見ることができたのも嬉しかったです。(咲)
2026年/日本/109分/G
配給 NAKACHIKA PICTURES
公式サイト:https://oretabi50th-movie.jp/
★2026年1月9日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
架空の犬と嘘をつく猫
監督:森ガキ侑大
原作:寺地はるな
脚本:菅野友恵
撮影:山崎裕
出演:高杉真宙(羽猫山吹)、伊藤万理華(佐藤頼)、深川麻衣(遠山かな子)、安藤裕子(母 雪乃)、向里祐香(姉 紅)、安田顕(父 淳吾)、余貴美子(祖母 澄江)、柄本明(祖父 正吾)
小学生の羽猫山吹(はねこやまぶき)、両親と祖父母、姉と暮らしている。弟は事故死したが、母はその死が受け入れられずいつも弟の帰りを待っている。山吹は弟のフリをして母に手紙を書き続けている。父は空想の中に生きる母に向き合えず愛人の元に逃げている。いつも夢を語る祖父、祖母は“噓”をつきながら仕事をする。姉は“嘘と嘘つき”が大嫌いで早く大人になりたいという。山吹はバラバラな家族の中で成長していく。
小学生、中学生・・・年々大人になっていく山吹とその周りの人々の30年が描かれます。山吹は自分の世界に生きている母を突き放すことができません。「母を甘やかすな」と姉になじられますが、家族から受ける影響は大きくて、そうならざるを得なかったんでしょう。母への手紙はいつ止められるんだろうと思いながら見ました。中ほど、クリスマスに子どもたちに即興でお話をするシーンがあります。山吹と頼(より)の大切なシーンに続き忘れられません。ここでやっと「架空の犬」が登場します。
優しい人は頼られ、断れない人は巻き込まれやすい、あなたの周りにそんな人がいたらあまり荷物を持たせないで、たまには代わってあげてね。それぞれの独白は辛いですが、本人にとっては真実。優しさって何だろう、人はどこまで優しくできるだろうと考えた作品でした。(白)
2025年/日本/カラー/125分
配給:
(C)2025 映画「架空の犬と嘘をつく猫」製作委員会
https://usoneko-movie.com/
★2025年1月9日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
2025年12月28日
劇場版 緊急取調室 THE FINAL
監督:常廣丈太(テレビ朝日)
脚本:井上由美子
撮影:増井初明
音楽:林ゆうき
出演:天海祐希(真壁有希子)、田中哲司(梶山勝利)、速水もこみち(渡辺鉄次)、鈴木浩介(監物大二郎)、大倉孝二(磐城和久)、塚地武雅(玉垣松生)小日向文世(小石川春夫)、佐々木蔵之介(森下弘道)、石丸幹二(長内洋次郎)、杉崎花(真壁奈央)、眞島島秀和(真壁匡)、草刈正雄(郷原政直)、比嘉愛未(生駒亜美)、野間口徹(酒井寅三)、工藤阿須加(山上義春)、中村静香(かやの)、生島勇輝(しんじ)、丸山哲(鬼塚貞一)、勝村政信(角田)、徳重聡(高圓寺衛)、山崎一(熊井善太郎)、平泉成(永松警視総監)、小野武彦(岩倉外務大臣・副総理)
大型台風が連続して発生、非常事態に誰もが神経をとがらせる中、長内洋次郎内閣総理大臣が災害対策委員会に10分遅れて到着した。さらに突然乱入した男・森田弘道がその10分間の空白を説明しろと声を張り上げる。警視庁は森下が総理大臣襲撃のテロを起こしたとして、キントリ(緊急事案対応取調班)メンバーを招集した。チームはさっそく取り調べを開始するが、森下は肝心なことは語らず「総理大臣を連れてこい」と繰り返す。真壁有希子は長内総理に疑問をいだき、事情聴取をしたいと上司に掛け合う。
天海祐希主演の人気テレビドラマの映画版。2014年にスタートし、12年間、数々の難事件、凶悪犯と対峙し、心理戦を繰り広げてきました。不動の人気を誇ってきた人気シリーズは劇場でフィナーレを迎えます。本作ではオオトリにふさわしく、日本のトップである内閣総理大臣を取調室に迎え入れます。そんなことが実現するの?握りつぶされてしまうのでは?と半信半疑で観ました。真壁刑事は今日もきりりとかっこよく、相手が大物でも屈せずくらいついていきます。「丸裸にしてやる!」と威勢のいい啖呵を切った真壁有希子は、どうなるのか?
出演者はフィナーレらしく書ききれないほどたくさんです。みなさんが頭脳合戦を華々しく戦い、その競演をこちらも堪能しました。お楽しみください。(白)
2025年/日本/カラー/121分
配給:東宝
(C)2025劇場版「緊急取調室 THE FINAL」製作委員会
https://kintori-movie.jp/
★2025年12月26日(金)全国ロードショー
2025年12月21日
無明(むみょう)の橋
監督:坂本欣弘
脚本:伊吹一、坂本欣弘
撮影:米倉伸
音楽:黄永昌
出演:渡辺真紀子(八木由起子)、陣野小和(鶴野沙梨)、木竜麻生(吉田夏葉)、室井滋(由起子の叔母)、吉岡睦雄(タクシー運転手 細田)、岩瀬亮(大橋 美術館上司)、山口 詩史(定食屋女将)、岩谷 健司(眼科医)
八木由起子は15年前幼くして亡くなった娘の墓参りに来た。一緒にきた叔母が「生きていたら」と死んだ子の年を数える。美術館に勤め、一人つつましく暮らしている由起子は展示を開設する声に耳を傾け、立山信仰の「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ) 」という儀式を知った。
3年に1度開催され、今年がその年。心惹かれて参加を決め、訪れたその地で高校生の沙梨や同じように一人参加している夏葉に出会う。
白装束をまとい目隠しをした参拝者は、手を引かれてこの世とあの世をつなぐ赤い橋を渡る。由起子の手を取ってくれたのが沙梨だった。
富山県の立山で3年に一度行われる女人救済の儀式「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ) 」をメインに、喪失を抱えた女性の再生のストーリーが描かれています。『真白の恋』『もみの家』など富山の物語を発表してきた坂本監督の最新作です。
いつも若いヒロインたちをしっかりと支える名バイプレイヤーの渡辺真紀子さん。どの作品でも渡辺さんのお顔が見えるとなぜか安心してしまいます。監督や出演者にもきっと絶大の信頼があるはず。本作では愛娘を亡くして深い後悔に沈んでいる母親として主演。静かな佇まい、少ないセリフで抱えている悲しみや癒えない傷が想像できます。
坂本欣弘監督のこれまでの作品も、どこかに傷や欠けがある人をそっと見守るような感じがしました。あれこれ詰め込まず、観客が大事なところを見逃さないように、静かに展開していきました。
今も修験道のため女人禁制の山はいくつか残ってるそうです。富士山、白山もかつてそうでしたが、明治時代に撤廃。立山の「布橋灌頂会 」は明治時代に一度途絶えたものの、1996年に復活。映画のように地元住民が支えて、今も伝統行事として女性たちの参加が継続しています。(白)
2025年/日本/カラー/94分
配給:ラビットハウス
(C)2025「無明の橋」製作委員会
https://mumyonohashi.com/
★2025年12月19日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国公開
楓
監督:行定勲
脚本:髙橋泉
撮影:ユ・イルスン
音楽:Yaffle
出演:福士蒼汰(須永涼・恵)、福原遥(木下亜子)、宮沢氷魚(梶野茂)、石井杏奈(遠藤日和)、宮近海斗(Travis Japan)(辻雄介)
須永恵と恋人の木下亜子は、天文の本や望遠鏡に囲まれ、共通の趣味を楽しみながら幸せな日々を送っていた。毎朝恵は亜子を送り出すと本来の自分、涼の姿に戻る。双子の弟の恵は1ヵ月前にニュージーランドで事故死している。亜子は恵の死にショックを受け、訪ねた涼を恵と思い込んでしまった。涼も彼女の混乱ぶりに本当のことを言い出せず、以来家では恵のふりをして勤め先では涼に戻り、二人の生活を続けていた。幼なじみの梶野だけが真実を知り、二人を見守っている。
しかし、涼の後輩・日和や亜子の行きつけの店の雄介は違和感を抱いている。涼は二重の暮らしに戸惑いながらも亜子にひかれていく。
スピッツの歌う「楓」を原案に紡がれたラブストーリー。恋人同士なら相手の家族のことは知っているはず、双子の兄弟にも会っているんじゃないの?こんなことが可能なのだろうか?と「?」いっぱいで観始めました。
亜子を演じた福原遥さんは、小学1年生から芸能界入り。これまでマルチに活動してきました。最近は映画、テレビドラマでのヒロイン役で活躍、朝ドラ「舞いあがれ!」夜ドラ「正直不動産」で明るくまっすぐなヒロインを演じたかと思えば大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」では、遊女 誰袖として妖艶さも見せました。
本作ではいちずに恋人を思う亜子の心根に、涼ならずともほだされてしまいました。亜子をこれ以上悲しませまいと二重の生活を続けてしまう涼の気持ちも少しわかります。冬のニュージーランドの景色も音楽とともに印象に残ります。(白)
2025年/日本/カラー/120分
配給:東映、アスミック・エース
(C)2025 映画「楓」製作委員会
https://kaede-movie.asmik-ace.co.jp/
★2025年12月19日(金)より大ヒット上映中


