2020年09月26日

実りゆく

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監督・脚本:八木順一朗
撮影:伊丸剛創
主題歌:GLIM SPANKY
出演:竹内一希(実)、田中要次(父)、田中永真(エーマ)、橋本小雪(朱美)、小野真弓(母)、鉢嶺杏奈、島田秀平、三浦貴大、山本學、友情出演:爆笑問題(太田光、田中裕二)

長野のりんご農家の跡取り息子・実は、父親と2人で農園を切り盛りしながら週末になると東京へ出向き、お笑いライブに出演していた。そんな彼には、母親が他界してから笑わなくなった父親を笑顔にしたいという強烈な思いがあった。夢を実らせるべく、人生をかけたステージに臨む実だったが……。

八木順一朗監督は芸能事務所タイタンのマネージャーさん。予告編大賞で主演男優賞と堤幸彦賞を受賞したことから、長編映画の話が実現しました。その経緯やご苦労は公式HPの監督コラムに詳しく語られています。製作費やキャスティングの算段はもちろんですが、りんごが実るのに合わせて撮影を進めた、というのになるほどねぇ。人の追加撮影はできても、りんごは都合に合わせてくれません。農家の方々が日々丹精した真っ赤なりんごが青空に映えていい絵になっています。
父と子の葛藤だけではなく、地方の伝統や産業を守ろうとする人、夢を追う人、諦める人たちが画面の中で生きていて、これからも笑顔でいられますように、と応援したくなりました。現役の漫才コンビまんじゅう大帝国の竹内一希さん田中永真さんが映画ではピン芸人としてライバル役、普段仲良しなので喧嘩するのが難しかったようです(笑)。日本エレキテル連合の橋本小雪さん、中野聡子さんも普通メイクで出演しています。私は女優さんだと思って最初気づきませんでした。和服姿の中野さんもお見逃しなく。
猛暑のある日、八木監督と、まんじゅう大帝国、日本エレキテル連合の3組のインタビューをさせていただきました。リンクは下です。ご覧くださいませ。(白)


2020年/日本/カラー/87分
配給:配給:彩プロ
(C)「実りゆく」製作委員会
https://minoriyuku-movie.jp/
★2020年10月2日(金)長野先行上映
★2020年10月9日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開


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八木順一朗監督インタビューこちら
竹内一希さん・田中永真さん(まんじゅう大帝国)インタビューはこちら
橋本小雪さん、中野聡子さん(日本エレキテル連合)インタビュー のちほど

posted by shiraishi at 16:32| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月20日

シネマ歌舞伎 三谷かぶき月光露針路日本 風雲児たち

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作・演出:三谷幸喜
原作:みなもと太郎
語り:尾上松也
出演:松本幸四郎(大黒屋光太夫)、市川猿之助(庄蔵/エカテリーナ)、片岡愛之助(新藏)、八嶋智人(ラックマン)

日本がまだ厳しい鎖国政策をとっていて、外国との行き来がままならなかった江戸時代末期のこと。大黒屋光太夫は商船神昌丸の船頭(ふながしら)として、伊勢から江戸へ向かった。途中大きな嵐に襲われ、船の帆が折れ、大海原を漂流する羽目になってしまった。ともすればくじけそうになる光太夫だったが、17人の乗組員を率いる身なれば弱音を吐くこともできない。必死でみんなを励まし、ようやく陸地にたどり着く。
ところがそこは江戸どころか日本でもなく、ロシア領のアリューシャン列島の小さな島だった。

歌舞伎の舞台を映画館でデジタル上映する「シネマ歌舞伎」シリーズ第36弾。2019年6月に歌舞伎座で上演された舞台をスクリーンで上映。今作はなんと船旅の話で、漂流した挙句にロシアまで行ってしまうというもの。嵐に翻弄される船と乗組員、長い漂流の果てに一人また一人と命を落とす人々。過酷な運命に落ち込むだけにしないのが、三谷演出です。船員こそ男性ばかりですが、ロシア女性に扮した綺麗どころもちゃんと用意されています。身の軽い猿之助さんが庄蔵を演じたかと思えば、ロシアの女帝エカテリーナに扮して登場し、その威厳があたりをはらいました。さすが。劇場中が「おお~~」という感嘆の声で満たされたのは、雪原にそり犬がずらりと勢ぞろいした場面。見た目全てハスキー犬で、ちゃんと犬らしいアクションをしています。
小島からロシアの中枢であるサンクトペテルブルグの宮殿まで、故郷へ戻りたい一心で長い長い旅をした一行の願いは叶えられたのでしょうか?まずはその目でしかとご覧あれ。(白)


2020年/日本/カラー/シネスコ/138分
配給:松竹
(C)松竹株式会社
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/
★2020年10月2日(金)全国公開
posted by shiraishi at 19:45| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月18日

映像研には手を出すな!

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原作:大童澄瞳「映像研には手を出すな!」(小学館 「月刊!スピリッツ」連載中)
脚本・監督:英勉 
脚本:高野水登 
音楽:佐藤望
映画主題歌:乃木坂46「ファンタスティック三色パン」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
撮影:川島周 古長真也 
照明:本間大海 山田和弥 
録音:竹内久史 
美術:池田正直 
装飾:金子大悟 加藤安梨沙 
音響効果:柴崎憲治
出演:齋藤飛鳥 山下美月 梅澤美波 
小西桜子 グレイス・エマ 福本莉子 松崎亮 桜田ひより 板垣瑞生 赤楚衛二 
鈴之助 出合正幸 松本若菜 山中聡 浜辺美波 / 高嶋政宏

迷彩帽に迷彩リュックの少女・浅草みどり(齋藤飛鳥)は、アニメが好きで、人並み外れた想像力があるのだが、見知らぬ人に話しかけられると卒倒してしまうほどの極度の人見知り。
浅草の中学からの同級生・金森さやか(梅澤美波)は長身で美脚、金儲けに異常な執着を見せるタイプだ。2人が入学した芝浜高校は、413の部活動と72の研究会およびそれに類する学生組織がある、一言でいえばカオスな高校。この部活動および学生組織を束ねているのが大・生徒会。道頓堀透(小西桜子)、ソワンデ(グレイス・エマ)、阿島(福本莉子)、王(松崎亮)が幹部として運営を司っている。
そんな芝浜高校で、浅草と金森はカリスマ読者モデルの水崎ツバメ(山下美月)と出会う。ツバメもまた、芝浜高校に入学してきた新入生で、実はアニメ好きでアニメーター志望だった。
運命的な出会いを果たした3人はアニメ制作に邁進することを決意する。
こうして、電撃3人娘の「最強の世界」を目指す冒険が始まった!!!

原作は大童澄瞳の同名コミック。2020年1~3月に湯浅政明監督によってアニメ化され、4~5月に英勉監督がテレビドラマとして実写化。満を持して9月に英勉監督によって同じキャストで映画化されました。英勉監督はこれまでにも『ヒロイン失格』(2015)や『賭ケグルイ』(2019)など、映像化不可能と言われてきた数々の原作を見事に実写化しており、その手腕は保証付きです。
アニメもテレビドラマも映画も、設定は同じですが、取り上げられるエピドートがちょっとずつ違う。映画ではロボット研究会の依頼を受けてアニメ作品を制作します。ここに音響部の百目鬼が音響として参加をするのですが、彼女が作り上げた効果音が素晴らしい。実はこのシーンには日本の音響効果の第一人者である柴崎憲治氏が関わっているのです。目の前で本物が戦いを繰り広げているかのような臨場感にあふれていました。音だけでこれだけ感じ方が違うのかと驚くはず。これは家で見るのではなく、ぜひ映画館で聴いて感じてください。(堀)


2020年/113分/G/日本
配給:東宝映像事業部
Ⓒ2020 「映像研」実写映画化作戦会議 Ⓒ2016 大童澄瞳/小学館
公式サイト:https://eizouken-saikyo.com/
★2020年9月25日(金)公開


2020年//カラー/シネスコ/110分
配給:東宝映像事業部
Ⓒ2020 「映像研」実写映画化作戦会議 Ⓒ2016 大童澄瞳/小学館
公式サイト:https://eizouken-saikyo.com/
★2020年9月25日(金)公開
posted by ほりきみき at 19:47| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月13日

友達やめた。

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監督・撮影・編集:今村彩子
音楽:やとみまたはち/ギター:鈴木裕輔/ピアノ:奥村真名美
CG:瀧下智也/イラスト:小笠原円
文字起こし:野村和代、江川美香
手話通訳:北村奈緒子
英語翻訳:William J.Herlofsky
翻訳協力:河合世里子
出演:今村彩子(あやちゃん)、まあちゃん

空気を読みすぎて疲れてしまい、人と器用につき合うことができないまあちゃんは、大人になってからアスペルガー症候群(アスペ)と診断された。わたし(あやちゃん)は「大丈夫、わかりあえる」と思っていたれど、小さなことのすれ違いが積み重なっていく。二人の仲がギクシャクするたび、これは彼女がアスペだから? それとも、わたし自身の問題なの? いい人でいなくちゃと悶々とする。まあちゃんと友達でいるために、わたしは自分たちに向けてカメラを回しはじめた…はずが、たどりついた答えは「友達やめた。」?!

『Start Line』から4年。今村彩子監督は新たな葛藤と向きあった。上映会がきっかけで知り合ったアスペルガー症候群のまあちゃんとのやりとりを映画にした。友達って何? 普通ってどういうこと? コミュニケーションとはなに? 「まあちゃんと私」、ふたりの違いから生まれたすれ違いを映画にした。
ほっこりするような部分もあったけど、観ている途中から、だんだん心がひりひりしてきた。そして、画面の中のスマホの文字が読み取れず、話が途中で内容や進み具合がよくわからなくなってしまった。この映画に限らず、最近、スマホやパソコンでのメールなど、文字のやりとりを画面上に出すことが多いけど、その字が小さすぎて読み取れず、そういうシーンが出てくるとお手上げ状態。せめて、もう少し字が見える大きさや、画面の字を読み取る時間をもう少し多く取ってくれるといいのになと思ってしまう今日この頃。年をとってくると文字が読み取りにくくなっているのを実感(暁)。

今村監督に1時間お話を伺いました。今村監督は発話ができるので、手話通訳さんが私の側にいて手話で今村監督に伝えます。監督はゆっくりはっきり口を動かせば、相手の言葉も読み取れます。ときどき言葉を補うように監督の手が動いて(美しい)、それを私が読み取れたならいいなぁと思いました。動画サイトにたくさん手話の解説があるので、やってみよう。覚えたはしから忘れていくんだけれど(苦笑)。
頑固な二人(笑)のやりとりを観ていて、ああ自分はどっちかというとまあちゃんだなぁ。人見知りだったのが転校や引っ越しを何度もして、だんだん変わってきたのです。そうは思ってもらえませんが。相手にちょっとずつ歩み寄って、わからないところも含めて、二人が友達でいられればいいなと思いました。(白)
☆今村彩子監督インタビューはこちらです。

2019年/日本/カラー/DCP/84分
配給:Studio AYA
(C)2020 Studio AYA
http://studioaya-movie.com/tomoyame/
★2020年9月19日(土)より劇場公開とネット配信を同時スタート。
新宿K’s cinemaほか全国順次公開。

posted by shiraishi at 12:53| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)

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監督:星野哲也
出演:菅原正二、

岩手県一関市で営業を続けるジャズ喫茶ベイシーは50周年。マスターの菅原正二がこだわりぬいた唯一無二の音にひかれて、世界中からジャズファン、オーディオファンが集まってくる。より良い音を再現するため、開店以来使い続けるJBLのオーディオシステムに日々調整を重ねる。故に、菅原が不在で営業したことは1日たりとも、ない。そうして生み出された音は、聴く者に、演奏者がその場に現れたかのような錯覚を起こさせる。本作では、そんな菅原がかけるカウント・ベイシー、マイルス・デイヴィス、セロニアス・モンクなど名だたるプレイヤーたちのレコードを、アナログ録音の伝説的名器「ナグラ」で生収録。

ジャズ祭りが続いています。4Kで8月21日より公開のドキュメンタリー映画『真夏の夜のジャズ』、9月4日より公開の『マイルス・ディヴィス クールの誕生』、続いて本作。知る人ぞ知る一関の名店「ジャズ喫茶ベイシー」のオーナーはダンディな菅原正二氏。菅原氏へのインタビューを中心に、名だたるジャズプレイヤーたちの演奏、著名人たちへのインタビューなど盛りだくさんのドキュメンタリーです。「カッコいい音を出したい」という菅原氏本人、彼が丹精したシステムから流れる音もカッコいい。
音にこだわる良い耳をお持ちの方、それほどではないという方もぜひ音響設備の良い会場でどっぷりと浸ってご鑑賞ください。(白)


来日したジャスピアニストのカウント・ベイシーは、自分の名前を冠したジャズ喫茶があると知って、わざわざ一関まで足を運んだそうです。勝手に名前を借りたと謝る菅原さんに対して、笑って「Swifty」の愛称まで付けてくださったとか。それからも何度か来店して、演奏も。ベイシーの名前を付けた甲斐がありましたね♪ (咲)

2019年/日本/カラー/104分
配給:アップリンク
(C)「ジャズ喫茶ベイシー」フィルムパートナーズ
https://www.uplink.co.jp/Basie/
★2020年9月18日(金)アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

☆ジャズ喫茶ベイシーのHPはこちらです。
posted by shiraishi at 12:53| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする