2025年06月20日
星より静かに
監督・脚本:君塚匠
撮影:永石秀行
出演:内浦純一(佐藤はじめ)、蜂丸明日香(佐藤朱美)、三嶋健太(村木純)、渡辺真起子(村木貴和子)
55歳のときにADHD(注意欠如多動性障害)と診断された君塚匠監督は、それまでの生きづらさがADHDの特性によるものだと知った。この症状がもっと知られていってほしいという思いから映画制作を決意。
映画は君塚監督の実体験を元にしたドラマ部分と、ADHDについて君塚監督自身が様々な人と出会いながら探っていくドキュメンタリー部分とがあり、この二つが分かれるのではなく、互いにミックスしながら進む構成。
ドラマ部分ではADHDの夫・はじめと彼を支える妻・朱美、息子・純と彼を見守る母、二組の暮らしを丁寧に描いている。
ADHDの検査をしたことはないけれど、自分を振り返ってとても親近感がありました。方向音痴で、順番を覚えるのが苦手。運転免許をとるのに、教習所のコースが記憶できず散財。集中しすぎたり、気が散りやすかったりします。それでも好きなことを選んでこれまで生きてきました。
二組の家族やインタビューに答える人のコメント、施設の方々の言葉にうなずきました。面接のときのアドバイスが心に残ります。自分のことを説明するのに、短所を言ってから長所を言うこと。会話だってそうです。ネガティブな言葉より、ポジティブな言葉で締めくくることができれば人間界の争いの種はなくなっていくのではないかしら。人はみんな違いますし、得意不得意もあります。障害というよりその人の特性、それもみんな現れ方が違います。暮らしていくには「社会の」大小の障害(困りごと)をひとつずつ越えないといけません。自分の努力もまわりの理解も必要です。この作品でADHDの知識が少しでも増えて、困りごとが減りますように。(白)
☆君塚匠監督インタビューはこちら
2024年/日本/カラー/105分
配給:太秦
(C)ステューディオスリー
https://hoshiyori-shizukani.com/
★2025年6月21日(土)ほか全国ロードショー
ルノワール
監督・脚本:早川千絵
撮影:浦田秀穂
音楽:レミ・ブーバル
出演:鈴木唯(沖田フキ)、石田ひかり(沖田詩子)、沖田圭司(リリー・フランキー)、中島渉(御前崎)、河合優実(北久里子)、坂東龍汰(濱野薫)
1980年代後期、バブル絶頂期の夏。11歳の少女フキは両親と郊外で暮らしている。自分が死んだ夢を見て涙したり、想像力と感受性豊かな作文を書いたりして自由に過ごしている。毎日仕事に追われている母と、闘病中で寡黙な父の間が少しヘンな感じだ。周りの大人たちにもいろいろな事情や生活があるのにも気づいてきた。ひとりで留守番をするフキはチラシを見て電話をかけてみる。
長編デビュー作の『PLAN 75』(22)が第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞したほか、同年のアカデミー賞日本代表として選出された早川千絵監督、3年ぶりの新作。河井優実さんが続投です。
高評価を得た原作の映画化が多い中、デビュー作も今作もオリジナル脚本です。子どもから大人へ向かうはざまにいる千絵は、無邪気になんでも吸収していくやわらかな心を持っています。誰もが通ってきた道を振り返って鮮やかに言語化し、映像化を目指した早川監督と、見事に具現化した俳優陣が産んだ作品。
千絵役の鈴木唯さんは同じ11歳、だれとでも仲良くなり、どこにでも自然体で溶け込めたようです。映画の中のフキにはハラハラする場面がありました。今は80年代より情報も多くて、子どもたちも危機感あるはず。世の中物騒になっているのは残念。
20日から公開ですが、21日出演者と監督揃っての舞台挨拶がありました。公式の写真が届きましたので、ご覧ください。(白)
サプライズで早川監督と共演者への感謝の手紙を読みあげる鈴木唯さん
左から早川監督、石田ひかりさん、鈴木唯さん、リリー・フランキーさん、河合優実さん
☆第78回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門出品
2025年/日本、フランスほか合作/カラー/122分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2025「RENOIR」製作委員会+International Partners
https://happinet-phantom.com/renoir/
★2025年6月20日(土)より全国ロードショー
2025年/日本、フランスほか合作/カラー/122分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2025「RENOIR」製作委員会+International Partners
https://happinet-phantom.com/renoir/
★2025年6月20日(土)より全国ロードショー
2025年06月15日
GAMA
6月21日(土)〜7月4日(金)ユーロスペースにて限定ロードショー、シネ・ヌーヴォ(大阪 6月21日(土)〜)、長野相生座・ロキシー(6/21(土)&22(日)の2日間限定)でも上映
戦後80年の沖縄
戦火の記憶が聞こえてくる
監督、編集、音響:小田香
撮影:高野貴子
録音、テクニカルディレクション、グレーディング:長崎隼人
照明:平谷理沙
監督補佐、撮影助手、リサーチ:鳥井雄人
プロダクション・コーディネート:小田絵理子
プロデューサー:筒井龍平、杉原永純
出演:松永光雄、吉開菜央、山内平三郎、西原美喜絵
沖縄戦で多くの住民が防空壕として避難し、生活し、また命を落とした自然洞窟「ガマ」の中で、平和の語り部として当時の出来事を語り継ぐガイドを務める男性。あるガマでは、集団自決により多くの命が失われた。またあるガマでは米軍との対話を試み、多くの命が救われた。家族を失った人がいる。家族と再会した人がいる。男性は、ガイドとして語り続ける活動と共に、ライフワークとして遺骨収集にも取り組む。
その傍らで青い服をまとった女性「シャドウ(影)」が、男性に付かず離れず、たゆたっている。波打ち際で珊瑚のかけらと戯れている。まるで現代と過去の交差を表現しているかのように。
そこに切り裂くような轟音が空に響き渡り、彼女の上空を米軍機が飛び交うのだった。
映画作家・ダンサーの吉開菜央が小田香監督の最新長編『Underground アンダーグラウンド』に繋がる、シャドウ(影)という女性を体現し、沖縄の歴史と記憶に触れる小田監督の新境地が眼前に現れる。
企画:とよなかアーツプロジェクト、 豊中市市民ホール等指定管理者 委嘱作品
製作会社:トリクスタ
製作:豊中市立文化芸術センター 配給 スリーピン
日本/2023/日本語/カラー/DCP/53分
戦後80年の沖縄
戦火の記憶が聞こえてくる
監督、編集、音響:小田香
撮影:高野貴子
録音、テクニカルディレクション、グレーディング:長崎隼人
照明:平谷理沙
監督補佐、撮影助手、リサーチ:鳥井雄人
プロダクション・コーディネート:小田絵理子
プロデューサー:筒井龍平、杉原永純
出演:松永光雄、吉開菜央、山内平三郎、西原美喜絵
沖縄戦で多くの住民が防空壕として避難し、生活し、また命を落とした自然洞窟「ガマ」の中で、平和の語り部として当時の出来事を語り継ぐガイドを務める男性。あるガマでは、集団自決により多くの命が失われた。またあるガマでは米軍との対話を試み、多くの命が救われた。家族を失った人がいる。家族と再会した人がいる。男性は、ガイドとして語り続ける活動と共に、ライフワークとして遺骨収集にも取り組む。
その傍らで青い服をまとった女性「シャドウ(影)」が、男性に付かず離れず、たゆたっている。波打ち際で珊瑚のかけらと戯れている。まるで現代と過去の交差を表現しているかのように。
そこに切り裂くような轟音が空に響き渡り、彼女の上空を米軍機が飛び交うのだった。
映画作家・ダンサーの吉開菜央が小田香監督の最新長編『Underground アンダーグラウンド』に繋がる、シャドウ(影)という女性を体現し、沖縄の歴史と記憶に触れる小田監督の新境地が眼前に現れる。
企画:とよなかアーツプロジェクト、 豊中市市民ホール等指定管理者 委嘱作品
製作会社:トリクスタ
製作:豊中市立文化芸術センター 配給 スリーピン
日本/2023/日本語/カラー/DCP/53分
摩文仁 mabuni
6/7(土)〜沖縄・桜坂劇場にて先行公開
6/21(土)〜渋谷 シアター・イメージフォーラムにてロードショー
上映館情報
監替・撮影・編集:新田義貴
ナレーター:知花くらら
主題歌:寺尾紗穂
プロデューサー:七沢潔
音楽:上畑正和
撮影協力:山城知佳子、砂川敦志、仲宗根香織、松林要樹、norico、瀬底梨恵、島袋笑美
整音:高梨智史
グレーディング:川久保直貴
編集協力:濱口文幸記念スタジオ
制作協力:山上徹二郎
膨大な数の慰霊碑が林立する摩文仁の丘。戦争で遺された者は死者の魂をどう受け止めその霊を慰めるのか。沖縄住民、日本軍戦友、自衛隊、アメリカ軍関係者、韓国人遺族。丘にはそれぞれの思いがすれ違う。この丘では“英霊の顕彰”と“犠牲者への慰霊”が常にせめぎ合い、本土と沖縄の分断を象徴してきた。それでも、その傍では花売りのおばあが死者の魂を慰めようと祈り続けるのだった。
地元で生まれ育った大屋初子(89歳)は、沖縄戦で集団自決が起きた壕から命からがら生き残り、戦後はずっと「魂魄之塔」という慰霊碑の前で遺族に参拝用の花を売ってきた。本作では初子おばあを主人公に、膨大な数が存在する沖縄戦の慰霊碑を訪ね、そこにこめられた人々の様々な思いを描く。
戦争とは?平和とは?そして”摩文仁”とは?このひとつの丘からは沖縄のみならず、多くの紛争に揺れる世界の今も見えてくるはずだ。 監督は、沖縄や中東などで戦争をテーマに映像制作を行ない、現在もウクライナで取材を続ける新田義貴。沖縄の市場の再生を描いた劇場映画デビュー作「歌えマチグワー」(2012年)に続き、戦後80年となる今年、いまなお沖縄が抱える多くの矛盾や、そこで生きる人々の姿を見つめる。ナレーションは沖縄出身でモデル・タレントとして活躍する知花くらら、そして主題歌はシンガーソングライターの寺尾紗穂が手掛け、鎮魂の祈りをともに捧げる。
公式HPはこちら
2025/日本/97分
宜伝:スリーピン
制作・配給:ユーラシアビジョン
6/21(土)〜渋谷 シアター・イメージフォーラムにてロードショー
上映館情報
監替・撮影・編集:新田義貴
ナレーター:知花くらら
主題歌:寺尾紗穂
プロデューサー:七沢潔
音楽:上畑正和
撮影協力:山城知佳子、砂川敦志、仲宗根香織、松林要樹、norico、瀬底梨恵、島袋笑美
整音:高梨智史
グレーディング:川久保直貴
編集協力:濱口文幸記念スタジオ
制作協力:山上徹二郎
膨大な数の慰霊碑が林立する摩文仁の丘。戦争で遺された者は死者の魂をどう受け止めその霊を慰めるのか。沖縄住民、日本軍戦友、自衛隊、アメリカ軍関係者、韓国人遺族。丘にはそれぞれの思いがすれ違う。この丘では“英霊の顕彰”と“犠牲者への慰霊”が常にせめぎ合い、本土と沖縄の分断を象徴してきた。それでも、その傍では花売りのおばあが死者の魂を慰めようと祈り続けるのだった。
地元で生まれ育った大屋初子(89歳)は、沖縄戦で集団自決が起きた壕から命からがら生き残り、戦後はずっと「魂魄之塔」という慰霊碑の前で遺族に参拝用の花を売ってきた。本作では初子おばあを主人公に、膨大な数が存在する沖縄戦の慰霊碑を訪ね、そこにこめられた人々の様々な思いを描く。
戦争とは?平和とは?そして”摩文仁”とは?このひとつの丘からは沖縄のみならず、多くの紛争に揺れる世界の今も見えてくるはずだ。 監督は、沖縄や中東などで戦争をテーマに映像制作を行ない、現在もウクライナで取材を続ける新田義貴。沖縄の市場の再生を描いた劇場映画デビュー作「歌えマチグワー」(2012年)に続き、戦後80年となる今年、いまなお沖縄が抱える多くの矛盾や、そこで生きる人々の姿を見つめる。ナレーションは沖縄出身でモデル・タレントとして活躍する知花くらら、そして主題歌はシンガーソングライターの寺尾紗穂が手掛け、鎮魂の祈りをともに捧げる。
公式HPはこちら
2025/日本/97分
宜伝:スリーピン
制作・配給:ユーラシアビジョン
2025年06月12日
惑星ラブソング
監督・脚本・編集:時川英之
出演:曽田陵介、秋田汐梨、Chase Ziegler、八嶋智人、西川諄、Raimu、谷村美月、佐藤大樹(友情出演)、川平慈英、さいねい龍二、塚本恋乃葉、西村瑞樹、キコ・ウィルソン、松本裕見子、田口智也、HIPPY
謎のアメリカ人旅行者と
広島の若者たちが織りなす不思議なストーリー
ある日、広島の若者モッチとアヤカは謎めいたアメリカ人観光客ジョンに出会い、広島の街を案内することになる。ジョンには奇妙な力があり、街の至る所で何かを見つけていく。 一方、小学校で原爆の歴史を学び怖くなった少年ユウヤはその夜夢を見る。夢の中の少女はユウヤを戦時中の広島の街へと誘う。 彼らに起こる不思議な物語は混ざり合い、一つの大きな渦になる。 この街の過去と現代が交錯し、幻と現実が融合し始める。やがて、忘れられていた愛の歌が街に響き、人々はひとつの奇跡を見つめる。 広島から放つ愛と平和のファンタジー。
今の広島と、80年前の広島の街が交錯するファンタスティックな物語。
ユウヤの通う小学校は、爆心地から1.2キロ。3本のプラタナスの木が生き残りました。1994年、その木のそばでユウヤは不思議な出会いをしました。宇宙人? 時間の旅ができるなら、原爆を止めたいと願うユウヤ。残念ながら過去にはいけません。
1945年8月6日以前の広島の写真展の場面があって、日常のすべてが吹き飛ばされてしまったことに涙が出ました。
2025年の広島で、謎めいたアメリカ人のジョンが「今から6か月後、地球のあちこちで核戦争が起こる」と予言します。 そんな折、イスラエルのイラン攻撃のニュース。 ジョンの予言が実現することなどありませんように・・・
幻想的な映画なのに、現実を語っている思いがしてなりませんでした。(咲)
日本/102分/ビスタ/5.1ch
配給:ラビットハウス
公式サイト:https://wakuseilovesong.com/
★2025年5月23日(金)よりMOVIX 広島駅ほか広島県先行公開
2025年6月13日(金)よりシネマート新宿、池袋シネマ・ロサほか全国ロードショー