2020年03月01日
野性の呼び声(原題:The Call of the Wild)
監督:クリス・サンダース
出演:ハリソン・フォード、ダン・スティーヴンス、カレン・ギラン、オマール・シー
セント・バーナードとスコットランド牧羊犬の雑種・バックは、カリフォルニア州のミラー判事(ブラッドリー・ウィットフォード)の邸宅で幸せに暮らしていました。ところがある日、見知らぬ男に捕獲され、高値で売り飛ばされてしまいます。
カナダで郵便物を運ぶ、そり犬として働くことになったバックは恵まれた体格と持ち前の知恵で、先導犬スピッツからその地位を勝ち取ります。素晴らしいリーダーシップを発揮して仲間の犬たちからの信頼を得て、順調に仕事をこなしていきますが、政府の命令で仕事を失ってしまいます。
次には姉夫婦とカナダに金を探しに来たハル(ダン・スティーヴンス)に売られてしまいます。荒野での経験がほとんどないハルたちから過酷な環境での重労働を強いられますが、初老の男ソーントン(ハリソン・フォード)に助け出されます。バックは少しずつソーントンに心を開いていき、すっかり元気になるとソーントンと共に、まだ見ぬ<地図に載っていない未開の地>を目指し、冒険の旅に出ました。
原作はジャック・ロンドンの同名小説です。アメリカでは小・中学校の教科書に載るほど長く愛され、古典アメリカ文学の代表になっています。日本で言えば「ごんぎつね」的な物語でしょうか。ちなみに、クリス・サンダース監督も幼いころ、父親から「今まで読んだ中で最高の1冊」と勧められたそうです。
これまでに1935年にクラーク・ゲイブル主演で、続いて1972年にはチャールトン・ヘストン主演で同じく『野性の叫び』として映画化されました。
しかし、過去の2作は人間が主人公であったのに対し、今作は犬のバックが主人公。ソーントンと知り合う前にどこで育ち、どのように名犬となったのかも描いています。
実はバックは最初から物わかりのいい名犬だったわけではありません。カリフォルニアの判事の家で飼われていたときのダメっぷりは目に余るほど。ところが、無断で連れ去られて売り飛ばされ、辛酸を舐めるような経験をすることで、そり犬として仕事を果たせるようになっていきます。甘やかすだけではダメなんですね。やがて仲間の犬の信頼を得ていくのですが、それはかつて大事にされた経験があるからこそ。愛情と厳しさ。人間も犬も子育ての基本は同じなのかもしれません。(堀)
試写に行きそびれて最終試写に駆け付けたら、時間を勘違いして結局観られなかった作品。ようやく劇場で観てきました。ディズニー映画は家族向けに作られているので、いい人もいいエピソードも入っています。今だからできるダイナミックな画面作り、バックの動きも表情もリアルですね。バックをモーションキャプチャーで演じたのは、『猿の惑星』でも活躍した俳優さん。原作はバックが攫われてからの艱難辛苦が詳細に描かれていて、ソーントンには本の中ほどでやっと出会っています。やんちゃなペットだったバックが犬ぞりのトップになるまで、それはもうえらい目に逢うのでここは映画でははしょっています。金探しの憎たらしいハル+2人は、原作でもひどくて「罰当たり(れ)!」と呪ったくらいです。
もっとハラハラドキドキしたい方、バックの心のうちを知りたい方は同名原作をぜひ!(白)
2020年/99分/G/アメリカ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©.2020 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/yasei.html
★2020年2月28日(金) 全国ロードショー
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