2022年11月06日

土を喰らう十二ヵ月

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監督・脚本:中江裕司
原案:水上勉 『土を喰う日々−わが精進十二カ月−』(新潮文庫刊)
       『土を喰ふ日々 わが精進十二ヶ月』(文化出版局刊)
料理:土井善晴
音楽:大友良英
出演:沢田研二、松たか子、西田尚美、尾美としのり、瀧川鯉八、檀ふみ、火野正平、奈良岡朋子

作家のツトム(沢田研二)は、人里離れた信州の山荘で、犬のさんしょと13年前に亡くなった妻の八重子の遺骨と共に暮らしている。9歳から13歳まで禅寺に住み、精進料理を身に着けた彼にとって、畑で育てた野菜や山で収穫する山菜などを使って作る料理は日々の楽しみのひとつだった。時折、担当編集者で恋人の真知子(松たか子)が東京から訪ねてくると一緒に料理をして食事を楽しんでいた。ところが、2人の心境に大きな変化を生じさせることが起きる。

映し出される料理は自前の畑で採れた野菜を使ったもの。どれも美味しそうで、スクリーンの向こう側に入り込み、ご相伴に預かりたくなる。高級食材を使えばいいというわけではないことがよくわかった。食べる2人が楽しそうなのも、またいい。松たか子がたけのこを食べている姿のなんと色っぽいことか。あのシーンはまるでラブシーンではないか!
しかも自然の情景が美しい。料理の話ではあるが、自然の風景も見どころの1つ。ロケ地にこだわった監督の思いがスクリーンいっぱいに伝わってくる。
本作を観る前に原作を読んだところ、里芋の皮の剥き方について書かれていた。ところが、何度読んでもどういうことなのか、私にはさっぱりわからない。映画にはその部分が描かれており、一目瞭然でわかる。映像の力を改めて感じた。(堀)


監督中江裕司、主演ジュリーこと沢田研二、料理監修土井善晴、しかもロケ地は信州。これはもう楽しみに観るしかない。この映画のロケ地は、私の第二の故郷、白馬村周辺だった! この北アルプス後立山連峰の山々が見える山麓が好きで、山やスキーに10年通ったあげく、鹿島槍ヶ岳という山の写真を撮るという大義名分で、鹿島槍高原と白馬村で1981年~86年まで、働きながら写真を撮っていた。
なので、この映画のロケ地が映し出されるたびに、これはきっとあそこだなとワクワクドキドキしながら観た。しかも野菜だけでなく、山菜や木の実、キノコなどを採って、それを料理するというシーンが十二ヵ月分も出てきて楽しませてくれた。ツトムが住んでいるという設定の山荘のあたりも40年くらい前に行ったことがある。白馬村の大糸線の駅の周辺は、長野オリンピックを堺に大きく変わったけど、ツトムが住んでいたあたりは、今もほとんど変わっていないように思う。
そして、土井善晴さんによる、定番でない料理方法と、おいしそうな料理の数々。ジュリーの料理の手つきも悦に入っている。ラジオで土井善晴さんが「沢田研二さんは自分の包丁を持ってきた」と言っていたので、けっこう料理を作ったりしているのかもと思った。
あまりにも、この映画にハマってしまったので、スタッフ日記に、この映画を観てのディープな文章を書いてしまった。良かったら見てください(暁)。


シネマジャーナルHP スタッフ日記
『土を喰らう十二ヵ月』を観て(暁)
http://cinemajournal.seesaa.net/article/493262568.html

四季折々移ろう景色や、自前の畑や山の恵みの食材で作る素朴なお料理に目を惹かれましたが、何より心に残ったのは、近くで独り暮らしをしていた義母チエ(奈良岡朋子)のお葬式の場面でした。
ツトムの暮らす山荘で葬儀をあげたいという義弟夫婦(尾美としのり、西田尚美)の頼みで、ツトムは大工(火野正平)に棺桶と祭壇を頼み、写真屋(瀧川鯉八)に遺影を依頼します。お通夜の席のために、ツトムが真知子に手伝ってもらいながら胡麻豆腐を作る場面が素敵です。そして、近隣の人たちがチエに作り方を教えてもらった自家製のお味噌をそれぞれが祭壇にお供えする姿にじ~んとさせられました。こんな風に見送ってもらえる方は幸せだなと思いました。(咲)


2022年/日本/カラー/ヨーロッパビスタ/5.1ch/111分
配給:日活
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会
公式サイト:https://tsuchiwokurau12.jp/
★2022年11月11日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座他にて全国公開監督
posted by ほりきみき at 19:52| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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