2020年06月22日
サンダーロード(原題:Thunder Road)
監督・脚本・編集・音楽・主演:ジム・カミングス
撮影:ローウェル・A・マイヤ
編集:ブライアン・バンヌッチ
美術:ジョスリン・ポンダー
衣装:ミカエラ・ビーチ
出演:ケンダル・ファー、ニカン・ロビンソン、ジョセリン・デボアー、チェルシー・エドマンドソン、メイコン・ブレア、ビル・ワイズ
テキサス州の警官ジム・アルノーの愛する母親が亡くなった。私生活では妻と別居し、仕事も空回りでトラブル続き。親権争いの渦中にいる小学四年生のひとり娘クリスタルとは週 3 回だけ会う生活。葬儀では遺族を代表して スピーチを任されたジムだったがうまく話せず、娘のピンクのラジカセで母が好んだブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」に合わせて踊ろうとするが、あえなく故障で失敗。無音のなか涙ながらに踊り出す ジム。バレエ教室を主宰していた母への想いを込めた踊りだったが…。そんななか親権をめぐる調停で、母の葬儀 で踊る映像が奇行の証拠として提出されると、相棒の黒人警官ネイトに八つ当たりし、ついには警官を解雇されて しまう。そんなジムに振りかかった涙の結末とは…。
この作品はたった 1 テイクで撮られたコメディタッチの 12 分の短編『Thunder Road(原題)』が基になっています。愛する母の葬儀で悲しみに暮れる警察官ジムが、娘のラジカセで母の敬愛したブルース・スプリングスティーンの名曲「涙のサンダーロード」を流しながら踊るというもの。短編ではちゃんと音楽が流れている中、踊っています。これが2016 年サンダンス映画祭短編グランプリを獲得。監督・脚本・編集・音楽・主演を務めたジム・カミングスはその後 6 本の短編を立て続けに発表し、アメリカのインディー映画界を中心に一躍その名が知られるようになりました。
その短編を長編化した本作は、2018 年 SXSW 映画祭グランプリを受賞し、同年カンヌ映画祭 ACID 部門に正式出品。世界中の映画祭で 13 冠を獲得しました。全米映画批評サイト・ロッテントマトでは満足度 96%の高評価を記録しています。
ジムは仕事もプライベートも一生懸命なのに、すべてが裏目に出て、空回りしている感じ。ちょっと誇張されているものの、自分の黒歴史が頭に浮かんできて、他人事とは思えません。ジム・カミングスが演じるジムは情けない男ですが、応援したくなること請け合いです。妻と娘の親権を争っていて、正直、負けてしまいそう。このままジムは娘と離れ離れになってしまうのでしょうか。意外な展開はぜひご自身の目でお確かめください。(堀)
2018/アメリカ/カラー/92 分/DCP
配給:ブロードウェイ
公式サイト:https://thunder-road.net-broadway.com/
★2020年6月19日(金)より新宿武蔵野館ほか
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